情報技術やAIの発達とともに、「ポスト・トゥルース」「ポスト・ヒューマニティー」「新しい実在論」といった人間存在が捉え直されるような言論が一般社会にも表れてきた。神学に思想と信仰の

「苦闘」があるとすれば、キリスト教信仰はどのように応答できるだろうか。近代哲学へのアプローチの例としてキリスト教哲学序論 超越論的理性批判 (春名純人著、教文館、7千20円税込 A5判)はオランダの神学者アブラハム・カイパーがアムステルダム自由大学を舞台に展開した「キリスト教哲学」の試みに注目する。カルヴァン神学の営みの中で、世界の諸分野に対する哲学的な省察の必要性を訴えた。特に当時の哲学界と自由主義神学に影響を与えていたカントの哲学との対決が求められた。本格的な哲学としての対決は、同大学哲学教授のドーイヴェールドの超越論的理性批判による。哲学は無前提ではなく「宗教的前提」があるとして考察を試みる。

 『神についていかに語りうるか プロティノスからウィトゲンシュタインまで(W・シュスラー 著、 芦名定道監修・翻訳、日本キリスト教団出版局 、7千20円税込、A5判)では古代・中世の否定神学、類比の神学を基調にしながら、近代、ポストモダンの思想、神学、さらには道教、仏教といったアジアの思想の中から神論につながる問いを探る。総勢20人以上の思想家たちについて各専門家が共著で考察する。共訳者らにも、ポストモダンの日本においていかに宗教哲学が可能かという問題意識がある。

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