[CSD]2007年9月9日《ヘッドライン》

[CSD]2007年9月9日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★ガンと闘ったクリスチャンサーファーの半生が映画に——「Life 天国で君に逢えたら」全国公開
◎ラマダン期間に全世界の祈りを——祈りのガイド「ムスリムのための30日の祈り」

 = 2 面 ニュース=
◎働きながら牧会を支援——自給伝道牧師連絡協議会発足
★ペルー南部大地震:被災地はがれきの山——国際飢餓対策機構の救援チーム報告
★新潟中越沖地震:復興への一歩は会堂の解体から——ホーリネス・柏崎聖光キリスト教会
★インド:神の愛宣教者会が近く中国本土に慈善施設を
★<落ち穂>古希を超えて始めたブログ

 = 3 面 =
★<戦争を知らないあなたへ>[3]夢にまで見た母との再会——松本治子さん
★第3回やより賞にビルマの民主化運動家——2人の女性が受賞
★米国:イスラエル製品の部分的ボイコットを検討——アメリカ福音ルーテル教会
★<オピニオン>課題残したアフガン韓国人解放 記・根田祥一

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★老舗ののれん 引き継ぐ——徳光 正子さん[上](料亭「花外楼」女将)
★<ゴールデンルール>[19]営業は断られた時から始まる? 記・田上(たのうえ)昌賢

 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★DRAMA:「ダ・ヴィンチ・インスピレーション」名画と回想劇でつづる(9月9日-12日まで各日2回公演、イタリア文化会館、Tel.03-3746-2284)
★BOOK:『忘れ物のぬくもり』塩谷直也著(女子パウロ会、1,890円税込)
★REVIEW:『新約聖書における教会形成』松永希久夫著(教文館、2,625円税込) 評・荒瀬牧彦

 = 6・7 面 全面広告 =
☆2007年10月16日は「世界食料デー」
主催:世界食料デー実行委員会/日本国際飢餓対策機構
ホームページ http://www.jifh.org/
 = 8・9 面 三浦綾子特集 =
◎北の大地に三浦綾子文学記念館の感動——動き始めた開館10周年事業への取り組み
★<読書案内>『青春の傷痕』三浦光世著(フォレストブックス、1,365円税込)
★<読書案内>『塩狩峠、愛と死の記録』中島啓幸著(フォレストブックス、1,365円税込)
★<読書案内>『三浦綾子——じゃあ、また会う日まで』百万人の福音編(いのちのことば社ジャーナル出版事業部、100円税込)
★全国に広がった三浦綾子読書会——きっかけは『塩狩峠』との劇的な出会い

 = 10 面 教会学校 =
★<いまどき子ども事情>いじめていた事に気づき流した涙——実践レポート:新松戸リバイバルチャーチ
★<CS分級アイデア>とにかく楽しく、お友だちの目線で! 記・みどり野キリスト教会

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★思想・良心の自由はどこへ?——「君が代」斉唱拒否で事情聴取もなく処分決定を受けた山口美紀さん
★<私の子育て失敗談>[33]カリスマ主婦でない理由 記・斎藤 望

 = 12 面 教会 =
★アトリエを伝道の拠点に——単立・ホサナ・キリスト教会



◎ラマダン期間に全世界の祈りを−−祈りのガイド「ムスリムのための30日の祈り」

  ユース・ウィズ・ア・ミッション(YWAM)が今年も「ムスリムのための30日の祈り」を、ラマダンの時期に合わせて発行する。ラマダンはイスラム教の重要な年行事で、太陰暦で決まっている1年の1か月を、日中は断食して過ごす期間のこと。
 今年は9月13日から始まる。イスラム教徒が最も信仰の重点を置くこの時期に、クリスチャンが彼らを覚えて祈ろうという働きで、1992年、中東地域に住む少数のクリスチャンの祈りから始まった。クリスチャンがイスラム教徒のために祈ること、ラマダンの期間に、神様の御業が彼らの人生に現れることを祈り求めることの2つを目的に、今では全世界30か所あまりの配付センターから、42か国語の訳されたガイドブックが世界各地に配付され、数百万人がこの期間にイスラム教徒のための祈りをささげている。日本では、3千200部を発行し、すでに配布中。
 今年のガイドブックは、巻頭でイスラム教徒への祈りの必要やイスラム教の伝統と歴史について説明があり、「祈りのガイド」では、個人やグループでの使い方も紹介され、初めてこの祈りに加わる人にもわかりやすく取り組みやすいよう作られている。
 祈りのページは、ラマダンに合わせて1日1ページ、世界各国の地域を挙げて、祈祷課題や証、地域の現状が掲載され、ムスリムについてより理解して祈ることができる。
 今年7月に韓国の教会関係者が、タリバンに拉致されたヌリスタン地域への祈りの課題には、・困難な地域で仕える人、特に医療従事者が多く与えられるように、理解、知恵、守りが与えられるように、・福音的に心が開かれ、宣教師に対して平和的な人と出会いがあるように、・イエス様に対する夢と幻を通してヌリスタン人が福音を聞く準備ができるように、といった課題が挙げられている。
 ガイドブックについての問い合わせ=アジアンセンター大阪、
 TEL:06・6322・5250、FAX:06・6325・1614。Eメールasian_center@hotmail.com

◎働きながら牧会を支援−−自給伝道牧師連絡協議会発足=0709090201

 社会で何らかの職業をもちながら自給で伝道活動をしている牧師らが中心となり、8月27日「自給伝道牧師連絡協議会」発足会を東京・千代田区のお茶の水クリスチャンセンターで開催した。
   ◇
 これまで、矢島徹郎氏(東京宣教研修所代表、単立・ふじみ野キリスト教会牧師)が中心となり、自給伝道について研究する東京宣教研修所の働きの一環として、自給伝道のあり方について話し合いや研究発表を行ってきたが、今回組織化し、同協議会として発足した。
 発足会では、「自給伝道に携わる牧師の発掘・紹介」、「関東地区中心だった同会の継続と全国規模の集会開催」、「機関紙の創刊と啓蒙活動の継続」、「理事会(または役員会)の設置と理事・役員の選出」、「活動資金確保のための郵便振り込み口座の開設」、「キリスト教諸団体に対する全国の自給伝道者への支援呼びかけ、職の斡旋」の6点を矢島氏が提案し、話し合った。
 参加した牧師らは、6つの趣旨におおむね賛同の意を示したが、「まずは会計係の設置が必要」、「ホームページの作成が必要」、「相談窓口が必要」、「キリスト教諸団体以外の団体にも呼びかけが必要」、「ネーミングの再検討が必要」など、具体的な問題点や必要についての意見も交わされた。
 公立小学校の教師をしながら牧会している若林章夫氏(単立・狭山栄光キリスト教会牧師)は「働きながら牧会をしていることに後ろめたさをもっている牧師も多くいる。このような人たちが自信をもって活動できるための情報や具体的支援を提供していければ」と語った。
 「現在、単立教会は950あり、未登録の家の教会なども含めれば1千を超えると見られる。横のつながりが弱いと言われる単立教会にとって、教団・教派を超えた横のつながりが必要」とも。
 また看護師をしながら通信教育で神学を学んでいる大谷悦子氏(単立・ふじみ野キリスト教会)は、「教会という建物にこだわらず、私が遣わされていけばよい。そのような思いで、看護師の働きも続けてきた。その中で起こる切実な問題など、分かち合える場がほしい。経験を分かち合い、問題解決の糸口や励ましを提供し合っていきたい」と語った。
 同代表の矢島氏は自給伝道に関する講座を、神学校や教会でのセミナーで行っている。今後もこの働きを続け、自給伝道への理解と協力を呼びかけていく方針だ。「私たちは自給伝道の必要性と理解の増進に努めることで、教会の働きが活性化し、その一つの結果として、牧師が自給をやめるのも望ましいが、また生涯自給伝道者として、働き続けるのもすばらしいと考えている。その結果として、日本の教会が活性化し祝福されることを希望する」と語る。
 これまで東京宣教研修所が行ってきた季刊誌「自給伝道ジャーナル」の発行、また自給伝道者を養成するための通信講座なども、引き続いて同協議会の働きとして続けていくことを「前向きに検討していく」という。
 問い合わせ先=埼玉県ふじみ野市南台2ノ7ノ5ノ701。TEL:049・267・4614(矢島)

◎北の大地に三浦綾子文学記念館の感動−−動き始めた開館10周年事業への取り組み=0709090801

今夏、旭川近郊を走る富良野線で美瑛までノロッコ号に乗った。夏限定の観光列車である。そこで、旭川周辺の観光案内車内放送が始まった。「旭川といえば、三浦綾子文学記念館、そして旭山動物園……」。驚いたことに、今、全国区の人気を誇る旭山動物園の前に、三浦綾子文学記念館が観光名所として、まずアナウンスされたのだ。今年は没後8年目を迎えるが、まだまだ旭川が生んだ文学者三浦綾子への地元の人々の思いは熱い。
1998年6月、旭川市の見本林の一画に三浦綾子文学記念館は開館した。尖塔のある円形状の建物は、周辺の緑の木々にマッチして実に美しい。ところで、90年代に入り、文学記念館建設の構想が、旭川在住のクリスチャンや三浦綾子ファンの間から持ち上がった時、まず反対したのが本人の綾子さんだったという。「家内は『私の名前を付けたものは恐れ多いから、造らないで』と反対したのです」。当時の状況を三浦光世さんはそう語る。しかし、周囲から「いや、これはあなたの個人のものではありません。旭川から一人の作家が出たことは記念すべきことで、資料などを保存しなければなりません。反対しないで下さい」との声があがり、計画は具体化した。北海道庁や旭川市からも財政面での援助が実現、それに加えて、全国の三浦綾子ファンからの多額の募金も集まり、それによって膨大な資料を展示、収容できる施設が完成した。
記念文学館は、瀟洒な玄関ロビーを通り抜けると、中央に生前の綾子さんの笑顔いっぱいの写真パネルが出迎えてくれる。1階には三浦綾子の全作品(小説39作、随筆30作、対談集4作)の展示室があり、第2展示室に進むと、そこからは「作家への道」のタイトルで、『草のうた』『石ころのうた』『道ありき』『この土の器をも』などの作品を通して、作家三浦綾子誕生までの足跡をたどる。続いて、第3展示室は「氷点の世界」で、朝日新聞の一千万円懸賞小説入選を伝える当時の新聞や資料などが、それまで一介の主婦に過ぎなかった女性が突然、脚光をあびる瞬間の感動を今によみがえらせる。何回来ても、この展示室はワクワクする空間である。第4展示室は、さらに歴史小説にまで広がった三浦文学の魅力が、原稿や取材ノートなどの資料と共に紹介され、あきることがない。2階に歩を進めると、第5展示室には、綾子さんと光世さんが共に歩んできた軌跡が紹介され、特にほぼ実物大の書斎の写真は迫力満点。綾子さんが文章を紡ぎ、それを光世さんが口述筆記する姿を想起する場所となっている。そして、この文学館のほかにはない特徴は、2階にある三浦文学閲覧室の存在だろう。来会者はゆったりとした気分で、ここで魂の文学を味わうことができるのである。
三浦綾子文学記念館のもう一つの見逃せない企画は、特別企画展の開催であろう。今年は6月から10月13日まで、初めての歴史小説『細川ガラシャ夫人』展が開かれており、貴重な資料が展示されている。また、毎月開かれている、館長の三浦光世さんの講演や、特別顧問の森下辰衛氏の文学講演も大きな魅力となっている。
来年6月に開館10周年を迎える三浦綾子文学記念館では、施設が手狭なためいまだ収容できていない貴重な三浦文学にまつわる資料を保存するための、新しい施設の建設を計画している。併せて、この記念館の運営は民営のため財政的な基盤が弱く、有志の支援が不可欠だという。それらの必要のため、今年から開館10周年記念事業に関する募金活動が始まっている。
〈募金活動に関する問い合わせは=財団法人・三浦綾子記念文化財団・〒070- 8007旭川市神楽7条8ノ2ノ15・TEL:0166・69・2626、FAX:0166・69・2611〉