[CSD]2008年7月27日号《ヘッドライン》

[CSD]2008年7月27日号《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
◎重慶爆撃から70年——被害者が証言「日本が家族を破壊した」
★WCRP札幌会議——洞爺湖G8サミットに合わせ提言書「平和への呼びかけ」採択

 = 2 面 ニュース=
★民族差別なくす運動に尽力——李仁夏氏(KCCJ・川崎教会名誉牧師)死去
★3つの地球的危機(社会/金融/環境)に国際レベルの税金で対応を——スーザン・ジョージ氏講演
★植民地支配の否定発言——下関市教育長に教界教育関係団体が抗議声明
★震災被災児の精神的ケアにカウンセラー養成も——チャイナ・クリスチャン・アクション・ラブが対応へ
★九州ルーテル学院が日本福音ルーテル社団と協約締結
★<落ち穂>アブラハムの人間的側面

 = 3 面 =
◎クリスチャントゥデイ問題:張氏の異端嫌疑晴れてない——CCKが香港独立調査団に提示
◎クリスチャントゥデイ問題:張氏の説明聴き疑惑さらに濃く——05年当時も再調査
★クリスチャントゥデイ問題:米国でも真相糾明へ
★「有事体制」着々の現状に危機感——靖国法案の国会提出から39年
★<オピニオン>奉仕できる役員、人を育成する牧師 記・後藤喜良

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★「私のところに来なさい」との声に——澤田 輝彦さん[中](日本ギデオン協会全国理事)
★<つながりのデザイン>[5]気づきとつながりのワークショップ 記・小川 巧記

 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★MOVIE:「敵こそ、我が友」(ロングライド配給、7月26日より公開)
★CD:「コスモスのように」岩渕まこと(ライフ企画、1,050円税込)
★REVIEW:『ナウエンと読む福音書』ヘンリ・ナウエン著(あめんどう、2,415円税込)評・永井信義

 = 6・7 面 地域宣教座談会:山陰 =
★教会が敷居を高くしている現状——高齢化、若者の流出、因習の中で求めている人々
★しがらみの多い土地だからこそ教会は地域に踏み出す

 = 8 面 特集/視覚障がい =
★障がいと共に生きる——難病とおして出合ったヴァイオリン
★視覚障害者の教会生活 五七五

 = 9 面 全面広告 =
☆第14回世界宣教セミナー 11月1日(土)~3日(月)
会場:突破青年村(香港・九龍島) 主催:アンテオケ宣教会
Tel&Fax:048-823-8366

 = 10 面 教会学校 =
★<教会学校の実情を探る>子どもをどう集めるか——救いへと結ぶ人材の育成
★『21世紀教会学校ハンドブック』CS活性推進委員会編(CS成長センター、1,365円税込)

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★精神障がい者「自立」 今求められていることは——「未来の精神科医療見据えた取り組みを」
★長野大学と韓国・ミッションスクール聖潔大学・一信女子高校が留学生協定を調印
★米国:教会が郵便局を運営すると


 = 12 面 教会 =
★賛美の新しい拠点に——日本伝道隊ハレルヤチャーチ高松

◎重慶爆撃から70年−−被害者が証言「日本が家族を破壊した」=0807270101

 戦時中、日本各地の都市に米軍機による空襲が行われ、多くの市民が犠牲となった。惨状は戦後63年となる現在も広く語り継がれているが、日本が中国・重慶などに対して無差別爆撃を行った事実は、日本国内ではあまり知られていない。重慶爆撃開始から70年となる今年、平和遺族会全国連絡会(西川重則代表)は結成22年の記念に合わせ7月5日、全水道会館(東京都千代田区)で「日本軍による重慶爆撃と『靖国』を考える」を開催した。集会の1部では、重慶爆撃の被害者ドン・ホアジュンさん(77)と成都爆撃の被害者フウ・シェンチュンさん(75)が証言した。

 爆撃により両親を殺されたドンさんは、弟とともに叔父夫婦に引き取られ、虐待を受けた。「日本の軍国主義が両親を殺し、家族を破壊して平穏な生活を奪った。私と弟は半世紀にわたって苦しんできました。日本政府に対し、精神的被害の賠償を求めます」と時折涙をぬぐいながら語った。
 ドンさんは06年3月、重慶の被害者が中心となり日本に謝罪と損害賠償を求め提訴した原告の一人。今年7月4日には、フウさんら成都の被害者22人が東京地裁に訴訟を起こした(第二次重慶大爆撃訴訟)。フウさんは「私たちがこのように声を上げることで、日本の若い人たちに知っていただきたい」と訴えた。
 集会の2部では、西川氏が「重慶爆撃と『靖国』思想」と題して講演。何度も重慶を訪れ謝罪の活動を続けている西川氏は、最初に被害者の一人に「小泉首相(当時)の靖国神社参拝を止めさせるように」との警告を受けた。「爆撃と靖国神社参拝とどのようなかかわりがあるのか? 靖国思想は、官軍と賊軍の峻別の思想。天皇の軍隊は正義、それに反逆するものは賊軍であるから殺してもかまわないということ。この思想のもと、1938年から5年もの間、パイロットは爆撃を繰り返してきた」と「靖国思想」の危険性を指摘。「日本では今、再び戦争のできる国づくりが準備されている。多くの人にこの状況を訴え、思いを一つにして本当の意味で平和をつくり出していかねばならない。平和の本質は共に生きること。だが、謝罪も戦後補償もしない国(政府)にはその資格はない。そのため、私は重慶を訪れて謝罪の活動を行っている。皆さんも一人でも多くの方に法廷へ行っていただき、真実を学んでほしい」と訴えた。

◎クリスチャントゥデイ問題:張氏の異端嫌疑晴れてない−−CCKが香港独立調査団に提示=0807270

 クリスチャントゥデイ(CT)、基督日報(ゴスペルヘラルド)などのメディアや、イエス青年会、ACM(アポストロス・キャンパス・ミニストリー)、CEF(大学福音化宣教会)などの学生伝道団体、オリヴェット大学(米サンフランシスコ)などの神学・教育機関の共通の設立者ダビデ張こと張在亨氏(大韓イエス教長老会合同福音牧師)が、信奉者たちに自らを来臨のメシアと信じさせているとの異端疑惑が香港・中国、韓国、米国、日本など各国で報じられる中(7月20日号参照)、新たな関連報道が続いている。
 これらの諸団体が「異端である高度な可能性を排除できない」との声明を4月に発表した香港の独立調査団を、韓国基督教総連合会(韓基総、CCK)の異端似非対策委員会の中心メンバー3人が7月8日から10日まで訪問した。香港の消息筋によると、CCK派遣団は独立調査団に対し、05年に韓基総が発行した張氏に関する公文書を解説する書簡を交付、その中でCCK公文書は「ダビデ張氏の異端疑惑が存在しないと声明したものではない」と表明した。
 この公文書は、CCK異端似非対策委員会が張氏の統一協会前歴疑惑を調査した際、「張在亨牧師は97年以降において統一協会と関係をもった形跡がないことが確認された」との結果を発表。日本CTの高柳泉社長は本紙や日本福音同盟(JEA)に対し、同公文書をもって張氏の異端疑惑は解消されたとして、疑惑を解くよう再三要求していた。CCKは韓国で最も多くの教団・教派が加盟する連合組織でJEAとも交流がある。
 JEAは04年6月17日付で、理事会において正式決定した張氏統一協会前歴疑惑に関する通知を加盟各教派・団体に送っている。今年6月のJEA総会では、理事長が代わってもこの通知の見解に変更はないことが確認された。
 CCK派遣団が香港独立調査団に交付した書簡によると、05年のCCK公文書について、CCKは・ダビデ張在亨牧師の97年以降における統一協会とのかかわりを証拠立てることはできなかった、・ダビデ張在亨牧師の異端疑惑が存在しないと声明したものではなく、それゆえ・ダビデ張在亨牧師がCCK公文書をもって異端嫌疑が晴れたと主張するのは公文書の濫用である、との立場を明らかにしたという。
 韓国内64のキリスト教メディアが加盟する韓国基督教言論協会は、4月の香港独立調査団発表を受け、5月24日CCKに対しクリスチャントゥデイなど張氏関連の組織に関する異端疑惑を再調査するよう要請していた。

◎クリスチャントゥデイ問題:張氏の説明聴き疑惑さらに濃く−−05年当時も再調査=0807270302

 韓国教界メディアから張氏関連異端疑惑の再調査を求められているCCKだが、05年に張氏統一協会前歴疑惑に関する公文書を出した後、内部で疑惑が解けていないことを盛り込んだ「再調査に関する報告書」が存在していたことが、韓国メディアの報道で明らかになった。教界新聞「荒野の声」が6月30日付で、当時の「張在亨氏再調査委員会」委員の1人パク・ヒョンテク牧師(現在CCK異端似非対策委員会専門委員)にインタビューした記事の中でパク氏が明らかにしたもの。
 同インタビュー記事によると、パク氏ら再調査委員は張氏に会い、疑惑を解明しようとしたが、「疑問点はひとつも解けず、むしろ疑惑がもっと濃くなり、そればかりか説明の言葉に対する信憑性がますます欠けた」という。同記事の中でパク氏は、「調査委員たちは張在亨牧師を罪に定めたかったのではなく、納得がいく説明がほしかったのだが、全然そうはならず、状況によって言葉が変わることが多かった」とも証言している。
 また「相変わらず疑惑が解けていない部分は具体的に何か」との質問に対しパク氏は、張在亨氏の牧師按手の問題を挙げた。「張在亨牧師は按手を1997年6月に受けたと言う。しかし92年10月に、基督教大韓監理会(福音)教団の創立礼拝で、張在亨牧師が司会者としてプログラムに記載されており、職位が牧師となっている。その創立礼拝の説教者は長城湖牧師(当時、大韓イエス教長老会合同福音総会長)である。監理教(メソジスト)の教団の創立礼拝に長老派(カルヴァン派)の牧師が説教していて、祈祷と祝祷は基督教大韓監理会(保守)の人々。この資料の内容は、長城湖牧師が『自分は張在亨牧師に按手を授けた覚えがない』ということを証明するために、某教団新聞に送った資料だ。しかし後になって長城湖牧師は説明を何度も変更し、張在亨牧師も92年10月に(長城湖氏から)按手を受けたと言っていたのに、後で97年に変更した」
 張在亨氏は89年から96年に鮮文大学教授を休職するまで、統一協会系の同大学と前身の成和神学校(後に大学)で統一神学(「統一原理」を神学的に説明しようとするもの)を教えていたことが分かっている。92年に監理会(メソジスト)の牧師だったとすると、現職の統一協会幹部が同時に教会の牧師だったことになる。またメソジスト派の牧師が後にカルヴァン派の長老教会で按手を受けたと主張していることになるが、そうした矛盾や神学的立場の変更について張氏は何も説明していない。


 米国の韓国系オンライン新聞「クリスチャンニューズウイーク」は6月24日、米州基督言論人協会(ソ・インシル会長)が独自の7人調査委員会を構成し、張氏関連の疑惑について真相糾明に乗り出したと報じた。基督日報顧問を務めていた華人教会指導者トーマス・ウォン氏が最近辞任し、「ダビデ張が設立した系列団体などの実態を教界リーダーたちが知らないことは遺憾だ」と語った言葉に注目すべきだとしている。