[CSD]2008年10月19日号《ヘッドライン》

[CSD]2008年10月19日号《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★迫る核の脅威 非暴力訴え——平和講演会でスティーブン・リーパー氏
★総勢400人クワイア熱唱——エドウィン・ホーキンス氏らが指導

 = 2 面 ニュース =
◎インド教会迫害:今も続くヒンズー原理主義者らの迫害——EFI総主事も米TVで政府の対応批判
★インド教会迫害:ヒンズー側の危機感遠因か
★<教会の実情を知る:ルポ>[28]1教会あたり人口数万人の現実——「教会同士が近いと…」は配慮か?
★<落ち穂>人間関係がいい職場

 = 3 面 教界ニュース =
★地域密着のトータルケア学ぶ——キングス・ガーデン連合研修
★ラブ・ソナタ青森:オープニングは津軽三味線——費用の一部を地元教会で 記・東頭 戍
★日本バプテスト同盟:新理事長に小野慈美氏
★<オピニオン>カンボジアから見えてくるもの 記・北 秀樹

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★香川にクリーニング事業展開——米谷 義隆さん[上](さかえドライ[株]顧問)
★<サーバーントリーダーシップ>[4]継続した成功に必要なこと 記・吉田 茂人

 = 5 面 牧会/神学/社会=
◎韓国クリスチャントゥデイ元広告局長 脱会証言[下]——秘密裏に統一原理酷似の教え
★バチカン:「ヨーロッパ文化の源泉は修道生活」と教皇語る
★<精神障害と教会>[37] 悩みの種と上手に付き合う 記・向谷地 生良

 = 6・7 面 特集/東海宣教会議=
★「地の塩」となるために「神のかたち」回復とは 記・河野 勇一
★主題講演:「神のかたちの回復としての宣教」ジェラム・バーズ氏
★講演:「こころ・かただ・いのち」柏木哲夫氏
★インタビュー:弱さに寄り添い、友に——ジェラム・バーズ氏
★映像で振り返る東海地域宣教の歩み 記・黒川 雄三
★信徒も多く参加した12の分科会

 = 8 面 全面広告=
☆次世代を獲得する教会——日本ペンテコステ親交会第44回教役者大会
2009年2月3日(火)~6日(金) 会場:浜名湖ロイヤルホテル
ホームページ http://jpf21c.org
 = 9 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『日々の祈り』J・H・ジョエット著(日本キリスト教団出版局、1,575円税込)
★BOOK:『人と出会うこと』ジャン・バァニエ著(女子パウロ会、840円税込)
★CD:「親愛なる神様へ」Migiwa(ライフ・ミュージック、2,100円税込)
★REVIEW:『文学としての説教』加藤常昭著(日本キリスト教団出版局、2,940円税込)評・藤原導夫

 = 10 面 関西だより =
★「聖書の真実確認したい」——創造博物館のカービー氏講演をDVD発売
★<提言>脱・閉塞感[5・最終回] 「復活」信仰の貧弱性に根本的反省を 谷口 和男氏
★福音宣教の門——ラジオ「希望の声」35周年
★F・グラハム国際フェスティバルいよいよ本格始動
★プロテスタント宣教150年記念講座——OCC研修講座で主催
★KBS京都「すすめ☆ゴスペル号」放送時間変更——日曜日午後9時10分から

 = 11 面 クリスチャンライフ =
◎親から子へ——神の恵みをリングで証
★スポーツと音楽を携えて——第37回フィリピンミッションレポート

 = 12 面 ひと=
★「みことばを歌う」が賛美の原点——内藤容子さん(音楽宣教師)

◎インド教会迫害:今も続くヒンズー原理主義者らの迫害−−EFI総主事も米TVで政府の対応批判=080

 インド・オリッサ州カンダマール地区で8月25日発生した、ヒンズー原理主義者らによるキリスト教迫害は、1か月以上たった今も沈静化はおろか同州で暴動、殺害が続いており、他州にも飛び火している模様だ。
 インド福音同盟(EFI)によると、オリッサ州政府の「情勢は沈静化している」との報告とは裏腹に9月21日、ゴチハパタ警察地区で10軒の家が火をつけられたという。また、ダムバ村では30、パタパンガ村では10、タタハマ村では20の家族がヒンズー教徒への改宗を強制された。「ヒンズーに回心し、ヒンズーの習慣を行わなければ殺す」が脅し文句となっているという。
 EFIは、8月24日から9月29日までのオリッサ州での被害状況については、攻撃を受けた地区14、破壊された村300、焼かれた家4千300、路上生活者になった人5万、殺された人57、けがをした神父・牧師・修道女10、レイプされた女性2、怪我をした人1万8千、破壊された学校・大学13と報告している。
 他州では21日早朝、カルナタカ州バンガロールにある3つの教会が攻撃を受けた。セント・ジェームズ教会では、教会の中のものすべてが破壊され、ブバナハリ村の真理福音教会では、侵入したヒンズー過激派により家具、ガラスなどが破壊された。同教会の伝道者たちは警察に連れて行かれ尋問を受けたという。
 このような状況に対し、首都デリーのジャンタ・マンタでは9月26日から10月2日まで、インド各地から集まったクリスチャンによるダルナ(断食をして座り込む)が決行された。これには回教徒、仏教徒、穏健な信仰をもつヒンズー教徒なども加わった。北インドの教会指導者ジョエル・モール氏による開会の祈りで開始。期間中、賛美、デボーション、宗教や市民の指導者たちのスピーチがあり、デリーで過激派ヒンズー教徒らに攻撃を受けたクリスチャンたちの苦痛の体験談と、イエス・キリストのゆえに苦しむことの希望と喜びについても語られた。
 マハトマ・ガンジー生誕139年目の2日、サマデへの1万人による平和行進で幕を閉じた。ダルナでは、オリッサ州のクリスチャンたちの悲惨な現状と共に、6点の要望を訴えた覚え書きが読み上げられた。要望は「インド首相にオリッサとカルナタカの管理を直接お願いしたい」、「オリッサ州への援助物資を届け、援助する人が入れるようにしてほしい」、「暴動を引き起こしている団体、個人を追放してほしい」、「暴動により犠牲となった人たちへの補償金を出す決定をしてほしい」、などが記されている。この覚え書きは、インド大統領、インド首相、インド政府に送られた。
 このインド・オリッサ州での迫害については10月4、5日、米国FOXニュースが全米に報道。インドでの迫害の様子や被害の一部を放映しながら、今も続いているクリスチャンへの迫害を広く伝えた。
 その中で、EFI総主事、アジア福音同盟(AFI)総主事のリチャード・ハウエル氏は、インド政府は暴動が起きてから12日間何も行動しなかったと訴え、「愛する同胞から憎しみの対象にされる時、その痛みは極みに達する」と語った。

◎韓国クリスチャントゥデイ元広告局長 脱会証言[下]−−秘密裏に統一原理酷似の教え=08010190

 韓国ソウル市の長老会女性伝道センターで9月11日、「張在亨問題記者会見」が開かれ、「再臨主」疑惑が追及されている張在亨氏=ダビデ張=(大韓イエス教長老会合同福音牧師)から按手を受け、同派の中心的教会であるアンテオケ教会副牧師やクリスチャントゥデイ広告局長を務めた脱会者イ・ドンジュン氏(31)が、組織内で秘密裏に教えられた教義や活動の実態を証言した。その後編。

 
再臨のキリストの
使徒となる成婚式
 03年7月、イ・ドンジュン氏は「成婚式」第2期で張在亨氏が選んだ伝道師と結婚した。成婚式は家族や知人にも知らせず秘密裏に行われる儀式で、文鮮明教祖が相手を指名する統一協会の「合同結婚式」(祝福結婚)と似ているとされる。イ氏は「おもに牧師様が相手を選んで下さるが、気に入らなければ断ってもいい。だが断れば牧師様の意図を退けた変な人と見られることになる」と言われたという。成婚式には、再臨のキリストの使徒となったことを意味する「使徒の指輪」を与えられた。

張氏が教会と
関連企業を指揮
 堅信から10か月後に牧師按手を受け、張在亨氏によってアンテオケ教会副牧師に任命された。並行してコンピューター関連会社の韓国クロスマップ広告営業に任命され、張氏の指示で電子図書館を作る業務に従事。平日はクロスマップ営業社員、週末はアンテオケ教会副牧師という生活をした。さらに1か月後にはクリスチャントゥデイの広告局長に異動した。
 これらの証言から、大韓イエス教長老会合同福音の教会と、クロスマップ、クリスチャントゥデイなどの関連会社が、いずれも張在亨氏の指揮下にある一連の活動であることがうかがえる。

統一協会前歴
を隠していた
 イ氏がクリスチャントゥデイにいた04年に統一協会関連疑惑が浮上し、CCK異端対策委員会が調査した。創始期メンバーたちは張在亨氏が(統一協会系の)鮮文大学教授であった時について行き張氏の授業を聞いていたことを、イ氏は後になって知った。「統一協会前歴を創始期メンバーだけが知っていて、遅く入ってきた人々には隠していたのです。私はその後、統一協会を調べ『原理講論』を読みましたが、張在亨牧師が説き明かした『永遠の福音』と相当な部分が一致しているのを見つけました」
 イ氏は妻を説得し、約半年後に脱会した。

キリスト自称を否定
 「私が脱会を発表する数日前、張在亨牧師が私の家に訪ねて来ました。私は張牧師に多くの疑問をもっていましたが、もし『この私がキリストなのにどこへ行くつもりか』と言われていたら、また命をかけてついて行った可能性が大きいと思います。張氏は自分がキリストだと教えたことはないと3時間ぐらい主張して帰りました。脱会を決心する区切りとなりました。正統教会ならこんなメシア思想が生じるわけがありません。張牧師があえて自分をメシアと話したことなどない、という話をすることさえ不必要ではないですか?」
 そしてイ氏は証言を次のように結んだ。「最後にお願いします。この団体に属している者のために祈って下さい。彼らの情熱は誰にもついて行けないほどのものです。その情熱を正しい道に注げば本当にすごい歴史が起こるはずだと信じます。かわいそうな魂を助けて下さい」

◎親から子へ−−神の恵みをリングで証=08010191101

 9月21日、北海道勇払郡の単立・穂別キリスト教会(金森俊徳牧師)で「ピュリティリング贈呈式」が行われた。ピュリティリングとは何か、同教会の牧師夫人、金森優子さんと講師で招かれたCFNJ聖書学院国際部長のジェラルド・グドール氏に話を聞いた。

 アメリカの福音派の教会で90年代に始まったピュリティリング。グドール氏がその存在を知ったのは、今から約10年前だ。「当時、長女が13歳で、世間には性的な乱れや誤った情報が氾濫していました。結婚まで純潔を守る約束、証としてプレゼントしました」
 親から子へ、聖書に示されている純潔を守る大切さを伝えると共に、指輪やネックレスなど「しるし」をプレゼントする。デザインなどにとくに決まりはない。「身につけることで少しでも誘惑からの歯止めになれば」という願いからだ。
 グドール氏はこれまでも恋愛、結婚、夫婦などをテーマに講演やセミナーをしてきたが、ここ数年、とみに性教育の必要を感じるという。「ある調査では、大学生の70%が男女とも性体験があると言われています。また、北海道の高校生男女とも、35%が性体験をしているというデータもあります。道内のある都市では、『純潔教育ではもはや十分な対応ができない』と、市主催のまつりでコンドームを無料配布していたことがあります」。学校でこのような指導をすることは、性体験の助長に他ならない。その影響は教会にも及んでいるという。「小さい頃から教会に通い、私たちの体は『神から受けた聖霊の宮』で『神の栄光を表すもの』だと教えられていないと社会の価値観が判断基準になります。『婚前交渉は悪いことじゃない』と思い込んでいる子が驚くほど多いのです」。このような時代にこそ、「聖書にはっきりと示されている純潔の大切さを、教会で教える必要があります」とグドール氏は語る。

 今回、教会での贈呈式を企画した金森さんは、その意図についてこう話す。「今、教会にはクリスチャン家庭の子どもを含めて3人の中学生が集っています。ピュリティリングについてはグドール先生からお話を聞いたことがあって知っていたので、いずれこの子たちにも、という思いがありました。しかし、クリスチャンの家庭でも両親が子どもに性教育をすることは照れもあり、忙しい日々の中で難しいということでした。それでやることを決めました」
 金森さんがCFNJ聖書学院出身でグドール氏とも旧知の仲ということもあり、中学生のための性教育セミナーにグドール先生を招き、今回贈呈式を行った。
 「日本人はなかなか性的なことを親子で話し合う機会が少ないのでは」と金森さん。「高校生になってからではもう遅いというのが、実際に中高生に接しての実感です」
 だからこそ、「家庭で難しくても、教会だからできる。聖書に基づいた性教育をきちんとしたいという思いがかねてからありました」という。一方で、教師もまた幼い頃から子どもたちをよく知っている分、「正直、照れてしまう部分もあります」と打ち明ける。その時助けとなるのが、招いた講師の存在だ。「子どもたちも普段と違う先生の話は、真剣に耳を傾けます。ピュリティリングについても初めて聞き、新鮮でおしゃれだからと喜んで受け取っていました」
 すでに、アメリカでは有名なアイドルや人気ロックバンドなどがつけており、ピュリティリングの存在は、教会を超え広く知られているという。
 「今回、女の子にはリングを、男の子にはネックレスをプレゼントしました。子どもたちは、とても嬉しかったようで休みの日はいつもつけていると言ってました」
 贈呈式では、クリスチャンホームの子は、親子で、子どもだけ教会に来ている場合は牧師から手渡したという。「親がクリスチャンでなくても、親御さんが純潔の尊さ、ピュリティリングの意味に賛同してくださったこともよかったです」と、周囲への影響力にも驚いている。「教会員たちも、『この子たちのために祈り支えよう』と思いが与えられました」

 先日、グドール氏が次女にピュリティリングをプレゼントしようと、親子で指輪を探していた時のこと。「ショップの店員さんに、ピュリティリングの意味などを説明し、今探していることを伝えたら、『羨ましい』、『いいな!』とどの店員さんも興味津々でした。聖書の伝える真理は、いつの時代にも誰にでも決して古いものではないと改めて確信しました」
 中学時代は、友だちへの証がしにくくなりがちな年頃でもある。しかし、「ピュリティリングを通して、『これは神様との約束』と友だちに伝えられたら。これはお守りではないから、つければいいというものではない。けれども身につけて証し続けていくことで、抑止力にもなるのではないでしょうか」とグドール氏。
 性教育をどのようにしたらいいか悩む教会、クリスチャンにとってピュリティリングは一助になるのではないだろうか。