ヘッドライン
[CSD]2008年12月14日号《ヘッドライン》
[CSD]2008年12月14日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎「1匹の羊」の友となり——歳末助け合いの元祖 救世軍社会鍋100年
★ドイツ:ナチ時代「ユダヤ人迫害反対できず」——教会がキリスト者の怠慢指摘する共同声明
= 2 面 ニュース =
★「ピースリボン」裁判上告棄却——「やることはまだある」と原告
★来年はカルヴァン生誕500年——ジュネーブで展示会
★<教会の実情を知る:ルポ>[31]多様化する社会・若者——「人が残らない」地方教会の現状
★<落ち穂>伝道文書の文章表現今昔
= 3 面 教界ニュース =
★聖霊による喜び、潔め強調——第49回バックストン聖会
◎殉教者の信仰、若者へ継承願い——殉教者記念館設立へ説明会
★「人権の促進は人類愛における努め」——世界人権宣言60周年にカトリック司教団メッセージ
★NCC:09年度ドイツ・プロテスタント教会奨学生募集
★NCC:次世代担う人材育成を——インターンシップ募集
★<オピニオン>第3者評価の時代にまず自己点検を 記・瀬底 ノリ子
= 4 面 ビジネスパーソン=
★香南町長になり合併実現——辻 正雄さん(高松市議会議員)
★<信仰の中の日本語>[6]「メリー・クリスマス」再考 記・尾崎 善光
= 5 面 牧会/神学/社会=
★美濃ミッション事件と現代の危機[3]——「先輩信者の生き方より学ぶ」石浜みかる氏講演から
★<精神障害と教会>[41]回復(3)——回復へのアプローチ多面的に 記・向谷地 生良
= 6・7 面 特集/北関東宣教座談会=
★送り手と受け手の協力は可能か——成果主義の行き詰まり閉塞状況が閉塞感を招いている
= 8 面 全面広告=
☆いのちのことば社から感謝とお願い
= 9 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★CD:「その涙が渇くとき」神山みさ(BLC RECORD、1,000円税込)
★MUSIC:『主は羊飼い』梅津美子作曲(オブラ・パビリケーション、840円税込)
★REVIEW:『栄に満ちた喜び——聖霊のバプテスマとは何か』D・M・ロイドジョーンズ著(地引網出版、3,150円税込)評・菊山和夫
= 10 面 関西だより =
★「霊的戦い」聖書的定義検証——KBIとリバイバルミッションが合同シンポ
★こころが伴ってこそ「常勝力」——VIPオーナーズで斉藤 仁氏語る
★イベント情報
★
= 11 面 クリスチャンライフ =
◎ダンスで神を賛美——ダンスミニストリー Mighty River
★神への信頼を歌に乗せて——「主は羊飼い」作曲者の梅津美子さん
★心臓移植の渡航手術に募金を——めいちゃんを救う会
= 12 面 ひと=
★手描友禅に宣教の思いのせ——原田成隆・幸子夫妻(手描友禅「ヨハネ堂」店主)
◎「1匹の羊」の友となり−−歳末助け合いの元祖 救世軍社会鍋100年=08012140101
[img align=right]http://jpnews.org/pc/uploads/img493c73180163e.jpg[/img] 街角に立ち、時には音楽を奏でながらの光景は、道行く人に募金をよびかける社会鍋。年末の風物詩となって久しい。1909年、日露戦争後の不況で失業者があふれていた時、「失業者救済対策」として救世軍が街頭で鍋による募金を開始した。それから100年。社会鍋は、時代や地域の必要のために活動を続け、海外の援助の必要にも応えている。その100周年を記念し、11月30日に東京・千代田区の救世軍山室軍平記念ホールで特別講演会が開かれた。「社会鍋の歴史的意味と今日的意味」をテーマに河幹夫氏(神奈川県立保健福祉大学教授、和泉福音教会員)が講師に立った。
河氏は厚生労働省に勤めていた経験から「実践の中から福祉が生まれる大切さを制度(舞台装置)を作る者として痛感していた」と語り、「神の国と地の国」という切り口から、「この2つのつながり方を考えるのが今日の日本に重要なこと。社会鍋は『地の国』の中の問題とどうかかわるかということに100年前から取り組んできた」と語った。
また、岡山孤児院の石井十次と山室軍平、留岡幸助、安部磯雄ら同志社の流れを汲む山室の先輩との比較から「一つの分野に特化して福祉事業を整えていくというよりも、目の前の必要のために働いていくうちに、それが事業となっていったのが救世軍の社会事業。一見、思いつきの活動のようだがその実、社会問題を網羅した、きわめて希有な例である」と評価。
また、同時代の内村鑑三と比較している前田多門の指摘から、「キリスト教が内村のような思想家、インテリ層の高踏的なものと一般に見られていた時代、町に飛び出し人に接していく実践家で目線の低いクリスチャンとして人々を感動させたのでは」と分析。さらに、「そうすることで、課題を発見し、発見を実践へ繋げることから社会鍋はスタートしている」と歴史的意味を語った。
一方、戦後の社会福祉に触れ、「国が社会福祉国家を目指し、事業のためにお金を集める(税金)制度を設けたが、制度には『99匹の羊のために1匹が犠牲になることもある』という限界がある。国の福祉制度は必要で否定できないが、制度はあくまで実践のためのもの。1匹の助けを99匹にどう考えてもらうか。社会鍋は1匹の必要を伝える役割も果たしてきた」と語った。また、「募金活動よりも、アルバイトした方が多くお金が得られるとしても、人と人が向き合い、必要を訴えていくことで『お金を超えるもの』が残る。人々参加を求めていくことに社会鍋の強みがある」と今日的意味に言及。そして、「だからこそ、『社会事業』であるのだと思う」と述べ、「安部磯雄の『救世軍の慈善事業の成功の秘訣は、何物を与うるよりも先ず心を与うるにあり』の言葉に社会鍋の活動の本質が集約されている」と結んだ。
「まとめ」に立った吉田眞中将は「善きサマリヤ人」の聖書を例に、「『私の隣人は誰ですか』にイエスがたとえ話を通して『倒れている人の隣人は誰か』と問うた。また、『あわれに思って』行動した内なる動機が善きサマリヤ人にある。社会鍋も共感と思いやりが活動の根源にある」と述べた。その内面の思いについて「『あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ』と主が私のようなものをも愛してくださった愛が源。憧れの愛ではなく、神に愛され自分を愛する、この愛で人を愛することであり、必要とは何かを見つめ、制度の狭間にいる人たちの困難、苦悩に応えていきたい」と101年目に向けて決意を新たにした
◎殉教者の信仰、若者へ継承願い−−殉教者記念館設立へ説明会=08012140302
殉教者記念館の設立に向けて11月20日に趣意説明会が東京・千代田区のお茶の水クリスチャンセンターで開かれた。発起人は尾山令仁氏(聖書キリスト教会会長牧師)で、設立の賛同者約20人が説明会に参加した。日本に最初にキリスト教が伝えられたのは15世紀半ば。九州地方を始め、日本各地に広まるものの当時の権力者のキリスト教弾圧により、多くの人が殉教した。江戸時代も隠れて信仰していた者への弾圧があり、多くのキリシタンが殉教した。さらに、明治の開国初期や昭和の戦争時代にもクリスチャンへの弾圧、迫害があり、その数はのべ60万人とも100万人ともいわれている。
尾山氏は、「この殉教の歴史、殉教者の信仰をカトリック、プロテスタント問わず継承し、将来に伝えていきたい。そのためにも殉教者記念館が必要」と説明。東京・あきる野市にあるミツパ祈祷院の敷地内に建設予定だという。同祈祷院を所有するホサナ福音キリスト教会の朴エステル主任牧師も「2千800坪ある敷地に殉教者記念館と殉教者の精神を学ぶ宣教修練場を設けて、若者に大いに活用してほしい」と語った。企画・運営委員に、尾山令仁、有賀喜一、奥山実、田中菊太郎、三坂正治、朴エステル、大川従道各氏を選出。尾山氏は、「今後、カトリックの人たちとも協力し、設立の活動を進めていきたい」と話した。
◎ダンスで神を賛美−−ダンスミニストリー Mighty River=08012141101
[img align=right]http://jpnews.org/pc/uploads/img493c7b89c0efe.jpg[/img] 「タンバリンと踊りをもって、神をほめたたえよ」(詩篇150・4)。踊りをもって神様を賛美するチームがある。その一つが埼玉県川口市を拠点に活動する超教派のダンスチーム「Mighty River」だ。昨年は千葉・幕張で開かれたジーザスフェスティバル、今年はサンデー・アデラジャ聖会東京大会、セレブレートジーザス2008などで奉仕。北京オリンピック直前には中国でも踊った。母体は、バレエの先生だったマレーシア人のマーガレット・ヤップ氏とその家族が24年前に始めた「シャカ・ミニストリーズ・インターナショナル」。シャカはヘブル語で礼拝の意味で、「ダビデは、主の前で、力の限り踊った」(?サムエル6・14)ように、「真の礼拝者」を訓練すると共に、ダンスの分野における「クリエイティブアート」を再び主のものとして取り戻すミッションをもつダンスミニストリーだ。
ダンスには、聖書にも登場するタンバリンや旗(フラッグ、ストリーマーというリボン)を使う。踊りのパターンには喜び、永遠、信仰、救いなど御言葉の意味があり、「御言葉を身体で宣言しながら踊る」。
チームリーダーの青山ユリカさん(クリエイティブ・ワーシップダンサー、福音教団・聖都教会副牧師、聖火キリスト教会伝道師)は、01年にタンバリンダンスを始めた。「最初に始めたのは母。教団の集会で姉妹たちがタンバリンを持って踊るのを見て感動し、その瞬間、『これは私がすることだ』と思いました」
青山さんは学生時代、新体操の選手だったが、減量が原因で病気となり挫折した経験をもつ。「小さい時から踊ることが好きで、教会で踊りをしたかったけれど、当時はまだその分野が開かれていなくて、部活動の新体操に進みました」
新体操ができなくなってから自分の存在価値が分からず、うつ病になり、ひきこもりにもなったが、「何もできない、ありのままの私を愛して十字架にかかってくださったイエス様に出会って救われた。木や花が神様を賛美していることを感じ、自分もその中に加えられたことを知った」
救われた年のクリスマスにベアンテ・ボーマン、ルリ子夫妻のチェロとピアノ演奏を聴いたが、その時「私は何をして神様に賛美をささげられるだろうと思った」。その時心の中で、「リボンを持って踊っている自分がいて、心が躍動した」。
それから約16年後、タンバリンダンスと出合う。「私の嘆きを踊りに変えてくださった主の御前で踊ることは、感謝で楽しい」と青山さん。最初、子どもたちに教え、チーム「翼」を結成し教会や病院などで活動していたが、「02年頃からフィリピン、韓国、カンボジア、ミャンマーなど、海外宣教で証をし、踊るうちに『教えてほしい』と言う人が起こされ、賛美メンバーが集められてきた」
始めて5年目の大山智子さんは「踊っていると聖霊の満たし、いやし、解放がある」と語る。4年目の川村美奈さんも「タンバリンダンスをしていると、内から喜びがわき上がってくる」。「青山さんの踊りを見て、やってみたくなった」と語る金貞淑さんは、韓国人でありながら日本の認知症ケア専門の資格をもつ。貞淑さんがメンバー入りしたことで、老人ホームで奉仕する時は、ダンスだけでなく貞淑さんによる認知症の進行を和らげる体操も行う。「ダンスは敵を打ち破る霊的な武器。ダンスを武器として地の果てにまで宣教していきたい」と貞淑さんは語る。
今夏、Mighty Riverは、とりなす者たちと共に中国に行き、大連、北京、上海、南京で踊った。「廬溝橋や南京大虐殺記念館前でも、謝罪と祝福の祈りを込め、今回与えられた『…今、私たちは、武器を捨てます。その代わりに真実の愛を持って、心からこの地を祝福します』という詩を、CD『ダビデの天幕』収録のオリジナル曲『いやしの川』につけ、その賛美に合わせて踊りました」
Mighty Riverは現在、教会、超教派集会、病院、老人ホーム、海外へと奉仕の働きを広げ、来年は韓国、イスラエルにも行く。「踊りをもって主を賛美したい方は一緒にやりましょう。後援者も募集中」と青山さんは語る。
問い合わせTel.048・225・1767 URL:seito_ch@yahoo.co.jp 聖火キリスト教会青山まで。
(写真:踊るメンバーたち。旗を持っているのが青山さん[手前])