[CSD]2008年3月1日《ヘッドライン》

[CSD]2008年3月1日《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎目指すは「みんなの居場所」——都会の隠れ家Art Cafe Decision
★第25回ペンライト賞奨励賞に玉田耕治さん、峰岸敏美さん

 = 2 面 ニュース =
★広がる在日ブラジル人支援の輪——聖書キリスト教会とNPOが連携
★在日フィリピン人も派遣切りに——NPOも住宅確保に奔走
◎<逝去>ダビデ・マーチン氏(TEAM宣教師、鯖江キリスト教会牧師)2月10日、84歳
★<逝去>下川省三氏(バプ連盟・小郡キリスト教会牧師、ナオミ・コミュニケーション設立者)2月11日、68歳
★<落ち穂>『塩狩峠』のモデル殉職事故から100年

 = 3 面 教界ニュース =
★バチカン:教皇に内外から非難高まる——ホロコースト否定の伝統派復権で
★バチカン:「ガス室殺害は史実ではない」——破門撤回の司教、自説を撤回せず
★クリントン米国務長官の明治神宮参拝に厳重抗議——政教分離の会
★緊急検証:小牧者不祥事をどう捉えるか[2]聖書的な解決法とは
★<オピニオン>「信教の自由」の重要性 再確認を 記・村田 充八

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★妻といっしょに受洗——武井 邦夫さん[中](四国電力[株]常務取締役火力本部長)
★<ストップ・ザ・不祥事>[4]福音の力と信頼回復目指し 記・楠田高久

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★「隣人を支える」目的は1つ——牧会ケア6団体 米で初の合同大会 記・斉藤善樹
★<精神障害と教会>[46]開かれた教会(1)——「な・つ・ひ・さ・お」でチェック 記・向谷地 生良

 = 6・7 面 教会教育特集=
★地域の「神の国」化目指し——セルで信徒訓練・教会形成
★子どもを育てる教師の育成——子ども伝道の技術習得に力を 記・安田 香代子
★教会で学ぶ人間関係の「基本技術」——日基教団・九段教会「ぶどうの会」
★神との個人的出会いのために——「よき知らせの学び」をテキスト化

 = 8 面 全面広告=
☆宣教フェスティバル「原点からの出発」——いのちのことば社創立60周年事業・本部ビル中野移転記念
3月30日午後2時開演 なかのZERO小ホール
講師:中島秀一氏(荻窪栄光教会牧師)、ゲスト:岩渕まこと、森 祐理ほか

 = 9 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★MOVIE:「遭難フリーター」答えのない問いと向き合う(監督・主演:岩淵弘樹、3月28日よりユーロスペースほかで全国公開)
★EVENT:「宮沢賢治の世界」大阪コレギウム・ムジクム講演会 http://www.collegium.or.jp/
★REVIEW:『ボンヘッファーとキング 抵抗に生きたキリスト者』J・ディオスティス・ロバーツ著(日本キリスト教団出版局、4,410円税込)評・山本将信

 = 10 面 関西だより =
★主にある同士の祈りが力——VIP関西牧師夫妻感謝の夕べ
★宣教師の足跡残す——ウォーターハウスの旧家が記念館に

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★神への応答を音と詞に——下川羊和氏の18年間の作品から厳選しアルバム作成「SESSION'08」
★フランス:モーツァルトの未発表曲をナントで初披露
★<痛みに中に生きる>若者編[6]「派遣」から「映画監督」へ…

 = 12 面 ひと=
◎トップリーグ選手を肉体改造——キース・ロバーツさん(実業団ラグビーチーム「ジュビロ」フィジカルコーチ)0903011201

◎目指すは「みんなの居場所」−−都会の隠れ家Art Cafe Decision=0903010101



リニューアルオープン当日は多くの馴染み客が訪れた。中央が渡邊さん。
  壁に掛かったいくつもの絵。時にはCafe&Bar、時には英会話やボイストレーニング教室にもなる不思議な空間。繰り広げられるパフォーマンスは、朗読とフルートの共演だったり、部屋中に響くロックンロールだったり。東京の下町・神田にある「The Decision」は、オーナーの渡邊寛丈さんが06年に開業。アートを通して人々を励まし、人の輪が生まれる空間を、と願って3年。「都会の隠れ家」として親しまれてきたDecisionは2月7日、「リニューアル」を迎えた。記念のオープンパーティーには、馴染み客や多くのアーティストが訪れ、渡邊さんを激励した。

 渡邊さんは1990年に渡米し、北米を中心に15年間、ファッションデザインや絵画の世界で活躍。その間に信仰をもち、伝道団体「Youth with a Mission」のスタッフとして2年間、伝道活動にも加わった。
 05年帰国。久しぶりの日本で待っていたのは、友人の自殺の知らせだった。「アートに関わる友だちが、7人もです。すごくショックでした。そこに至るまでの思いを話してくれていれば。せめて話せる場があれば良かったんです」。「誰もが心ゆるせる場所をつくりたい」。その思いが、Decision立ち上げのきっかけとなった。
 今回の「リニューアル」は、改装ではなく新しい試みの始まり。これまで多くのアーティストが、パフォーマンスで訪れる人を楽しませてきたが、今後は厨房に立ったり接客したりと、曜日によって「アーティストが働くCafe&Bar」にもなる。また、英会話やボイストレーニングなど、カルチャースクールの運営も手がける。

サルーキ=Z
 「クリスチャンのアーティストもいますし、よく教会であるかのように誤解されるのですが、お客もクリスチャンばかりではありません。目指すのは、社会と教会の中継地点。クリスチャンもそうでない人も、みんなが集まれる、柵のない、神と人々の『お家』です」と渡邊さん。「その中で、『キリスト教』ではなく、イエス・キリストの愛を伝えていきたい」と語る。
 Decisionでは、日曜日に夕拝、水曜日には祈祷会を開いている。店の雰囲気と、気さくな渡邊さんの人柄に触れ、「ヒロさんがクリスチャンなら、俺にもなれそうだ」と、加わる人も少なくない。これまでの3年間で、17人が信仰をもったという。「今までキリスト教に偏見をもっていた人が、『クリスチャンってなんなの?』と聞いてくれます。Decisionはあくまで『箱』です。人の輪を通して感動が生まれたり、神の愛に触れたり。リバイバルなどの大きな目標もいいのですが、チャンスは本当に身近にある。まずはそこに目を向けていきたいです」と語った。
 月曜午後4~10時=ロックユニット「サルーキ=Z」、火曜午後6~10時=英会話「English Village」、水曜午後3~6時=ボイストレーニング、木曜午後4~10時=神山みさ(シンガー)・阿部ゆり亜(女優)、金・土曜午後6~10時=各種イベント(変更有り)。広報担当=須貝真已子。
 The Decision=〒101-0048東京都千代田区神田司町2ノ9ノ1第一高田ビルB1 Tel.03・5217・3311。

◎<逝去>ダビデ・マーチン氏(TEAM宣教師、鯖江キリスト教会牧師)2月10日、84歳=090301

[img align=left]http://jpnews.org/pc/uploads/img49a20bef22a7a.jpg[/img]  TEAM(ジ・エバンゼリカル・アライアンス・ミッション)宣教師として、半世紀にわたり日本で開拓伝道をしてきたダビデ・マーチン氏が2月10日午前10時50分、心臓弁膜症置換手術後の肺炎と出血性ショックのため、福井市の福井循環器病院で逝去。84歳。前夜式、葬儀はマーチン氏の強い意向で行われなかった。遺体は福井大学医学部しらゆり会に献体された。喪主は妻の冨美子氏。
 1924年、米国ニュージャージー州ハッケンサック生まれ。フロリダ州立大学卒業後、ジャクリーン・メイ氏と結婚。1年後、聖書を読みキリストの復活を確信して信者となり献身。51年、TEAM宣教師として来日し、同盟基督・金沢中央教会を皮切りに8教会を開拓。その傍ら、ジャパン・クリスチャン・カレッジ(JCC)、日本基督神学校、聖書宣教会で奉仕した。また、伝道者として日本各地で行われた伝道集会、キャンプの講師に招かれ、マーチン氏の説教を通して救われる人々、献身を決意する人々が多数起こされた。
 86年、宣教師定年のため帰国し、テネシー州シダースプリングス教会副牧師として、日本人のために6年間働いた。92年、ジャクリーン夫人が逝去後に再来日し、翌93年、三木冨美子氏と再婚。当時、教会のなかった福井県鯖江市で9番目の教会開拓を開始。以後、亡くなるまで16年間、鯖江市で伝道・牧会に励んだ。
 「自分の最期は福音を証する機会としてほしい」との切なる願いにより2月13日から15日まで、鯖江市西山町の同盟基督・鯖江キリスト教会で伝道を意図した召天記念礼拝を3回開催。延べ420人が集った。説教者には、北陸伝道でマーチン氏と労苦を共にしてきた大橋留蔵(同盟基督・加賀中央キリスト教会牧師)、川口昌英(同盟基督・金沢中央教会牧師)、横山幹雄(聖書教会連盟・内灘聖書教会牧師)の3氏が立った。
 プログラムは伝道集会的な構成で、賛美歌はすべてマーチン氏の愛唱歌で明るく力強いもの。写真も「自分が偶像として拝まれることのないよう」、いわゆる肖像写真でなく、会衆に語りかけようとしている自然な雰囲気のものが使われた。全体の統括責任を担い案内・司会を行った櫻井圀郎氏(東京基督教大学教授)は「実際は葬送集会的となったが、マーチン氏の願った伝道目的は達成できたと思う。本人がいれば『イエス様信じませんか?』と直接信仰に招いたのでは」と語った。
 冨美子氏によると、マーチン氏は生前、「地上に置かれている間はほかの人に福音を証できるからそれも幸い。けれども、この地上を去る日は人生最良の日。なぜなら、イエス様に顔と顔を合わせてお会いできるから」と語っていたという。

◎トップリーグ選手を肉体改造−−キース・ロバーツさん(実業団ラグビーチーム「ジュビロ」フィジカルコー

 ジャパンラグビートップリーグに参加する日本の実業団ラグビークラブ「ヤマハ発動機ジュビロ(略称・ジュビロ)」。キース・ロバーツさん(59)はジュビロのフィジカルコーチを務める。主な仕事は、ウェートトレーニングによって、各選手たちを強靱な身体へと鍛え上げることだ。熱心なクリスチャンでもあるキースさんは、良き相談相手として監督、選手たちからの信望も篤い。「私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです」(ピリピ4・13)は、好きな御言葉の一つだという。  「歳は59歳。4人の孫がいる」と聞いて驚いた。肌の色つやの良さと鍛え抜かれた身体…。どう見ても50代前半にしか見えない。自身、毎朝6時15分に起きてトレーニングをしているという。それが、若さの秘訣なのだろうか。
 イギリス・ロンドン出身。父はトリニダードトバコ人で母はイギリス人。国籍はニュージーランドで、19歳の時に移り住んだという。オタゴ大学で学んだ後、体育の先生となり、学校で体育を教えながら、様々なコーチの仕事をしていた。そんな中、85年にニュージーランド・ナショナルディレクターのコーチ代表に。スポーツアウトリーチ・ニュージーランドというミニストリーを同じ年に始めるまで、コーチをしていた。
 その後、93年に「ラグビーチームのフィジカルトレーニングを手伝ってくれないか」との依頼を受け、フィジカルコーチに就任。以後、オリンピック代表選手を含め、様々な競技の選手たちがキースさんからトレーニングを受けるようになった。また、ニュージーランド代表ラグビーチームのフィットネスコーチをしたり(94縲・5年)、オリンピック代表チームのチャプレンに選ばれたりもした。
 ジュビロのフィジカルコーチに就任したのは07年。「一緒にコーチをしていた人が『ジュビロに行ってみたら』と勧めてくれました。06年11月、最初は視察のつもりで来てみましたが、翌年1月には契約をしました」
 主な仕事は、選手の肉体改造だ。それには各選手に合った食事、ダイエットを含めたトレーニングメニューが施される。肉体面だけでなく、メンタル面の強化も行う。「ニュージーランドでは、メンタルケアのほうが重要なのです。集中力と緊張感、ハングリースピリットが選手には必要です」
 「クリスチャンとして生まれ変わったのは81年だった」と言う。小さい頃から教会に行き、聖書の話も聞き、毎日お祈りするなど、宗教的な環境で育った。だが、「本物の信仰はもっていなかった」。
 その年、一番下の娘が、イースターの時に病気で亡くなった。つらい出来事だったが、教会の人たちがキース一家のためにずっと祈ってくれていたという。「娘が亡くなった日、神様が私たちの家族の上に手を置いてくださったのだと感じました。その時、牧師から信仰のチャレンジを受けたのです。私はクリスチャンだと思っていましたが、その時に初めて神様が真実な方で生きていらっしゃる方だと知りました。悲しい時でしたが、私たちの家族にとってすばらしい時でもありました」
 心境にも変化が現れた。「それまでは、ピリピ4章13節を、自分の力で何でもできると解釈していました。しかし、生まれ変わってからは、力は神様から来ることが分かったのです」
 キースさんは、チームのメンバーと共に祈り会やフェローシップ、聖書研究もしていると語る。「クリスチャンは地の塩です。ジュビロの選手の中にクリスチャンがおり、日本人は少ないですが、週の半ばに集まってミーティングももっています。時間のある時は、一緒に教会に行っています」
 日本の選手について聞くと、「技術はすばらしいが、ハングリーさが足りない。前半は勝っているのに、後半は負けている。そこがニュージーランドの選手と違う」とキースさん。「今シーズンは、特にメンタル面の強化に力を入れたい。また、さらに多くの人が神様について知り、イエス様に心を明け渡してくれるよう祈っていきたい」と語った。