[CSD]2008年3月29日号《ヘッドライン》

[CSD]2008年3月29日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎インド:女の赤ちゃんを守れ!——中絶助長する悪習に「ノー!」
★米国:教会で銃撃事件——牧師死亡

 = 2 面 ニュース =
★インドの悪習に「ノー!」——JIFHが連帯し啓発キャンペーン活動
★ナイジェリア:牧師・信徒宅を襲撃破壊——死者11人
★日本オープンバイブル教団:神学生支援を奨学制度に
★マレーシア:「神」の呼称使用制限なお揺れる
★<落ち穂>横浜開港と宣教師・聖書翻訳の誕生

 = 3 面 教界ニュース =
★第9回国家晩餐祈祷会:「赦しと和解集め平和を」
★米国:グラハム伝道協会が職員を1割削減
★緊急検証:小牧者不祥事をどう捉えるか[6] 教職者たちの分かれ道
★<オピニオン>懸念される教育の「不当な支配」の行方 記・根田祥一

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★公私とも自己管理怠らず充実——稲墻 正さん[下](ファイザー[株]医薬事業開発統括部)
★<信仰の中の日本語>[10]みな、それが、その名となった 記・尾崎 善光

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★日本プロテスタント宣教150年への提言[下]——国の慈恵主義から転換 記・稲垣久和
★<精神障害と教会>[48]偏見——精神障害 負のイメージ一人歩き  記・向谷地 生良

 = 6 面 チャーチスクール特集=
★ペンキ塗りで再出発——FOLIS 大田区から中央区へ移転

 = 7 面 特集=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『祝福へのパスポート』アレックス・J・パシェコ著(、1,575円税込)
★CD:「OH HAPPY DAY!」Tom Kanematsu with Dorothy Morrison(Kanematsu Kikaku、1,260円税込)
★BOOK:『自殺危機とそのケア』斉藤 友紀雄著(キリスト新聞社、1,260円税込)
★REVIEW:『聖書のにんげん模様』堀 肇著(マナブックス、1,260円税込)評・藤原導夫

 = 8・9 面 特集/賀川豊彦献身100年 前編=
★その献身からすべてが始まった——愛と信仰に貫かれた生涯
★21世紀のグランドデザイナー
★記念事業の柱は講演会・シンポジウム:神戸では100年先まで見据えて
★記念事業の柱は講演会・シンポジウム:東京では「平和・人権・共生」主題に
★賀川豊彦 略年表

 = 10 面 関西だより =
◎しゃべる聖書「バイブルマン」参上——聖書全巻を100時間で聞ける
★近放伝:若い力でリバイバル牽引——韓国からの青年・学生宣教師 歓迎
★いのちありがとうの会:「よくある日本人の質問」に解答——トラクトソフト発売
★<召天>畑野 基氏(フリーメソ・阪南キリスト教会牧師、元大阪基督教学院長)2月23日、87歳

 = 11 面 クリスチャンライフ =
◎つながりが生む名盤——小坂 忠さん生誕60周年・音楽活動42周年の記念盤ビクターとソニーミュージックからリリース
★「体験型」で届く福音を——MEBIGセミナーがインドネシアで大反響
★<痛みに中に生きる>[10]子育て編——「うちの子、ついていける?」

 = 12 面 ひと=
★「サッカーで宣教」日本人初の派遣に期待——福間庸平さん(アンバサダーズ・イン・スポーツ宣教師)

◎インド:女の赤ちゃんを守れ!−−中絶助長する悪習に「ノー!」=0903290101

 インドでは、古くからある慣習「ダウリー」(花嫁に課せられる多額の結納金)のため、女の子が中絶される例が今でも後を絶たない。1年間に少なくとも50万人の女の子が、生まれる前に生命を絶たれているとも言われる。そうした中で、いのちの尊厳の回復のため北インドのNGO「ソルト・イニシアティブス(地の塩グループ)」が立ち上がり、今年1月から「女の赤ちゃんを守れ」をスローガンにキャンペーンを開始した。
 きっかけは、「ソルト・イニシアティブス」の創設者ラージ・モンドールさんが、ある朝出勤の途中、非常に強いイメージに迫られた体験。それは、生まれる前に殺された数知れない女の赤ちゃんの血が、インドに重くのしかかかっているイメージだったという。
 「主はこの時はっきりと、ダウリーの悪習は現在のインドの重い罪であり、この国が祝福されるために、私たちは何かをしなければならない。もし私たちが自分の土地を癒したければ、この罪を具体的に今、悔い改めて、邪悪な道から方向転換しなければならないと強く迫られたのです。私は早速、友人や仲間たちにこの思いを伝え、祈り始めました」
 これに共鳴したのが、画家や音楽家などのアーティストたち。歌手は歌を作り、画家は絵を描いた。芸術家を対象としたワークショップが開かれ、女の胎児中絶といのちの尊厳をテーマにした作品が創作された。写真の絵の題名は「アバンダンド(棄てられて)」。
 音楽家たちによって作られた歌は街角やいろいろな場所で歌われ、インド社会を変革するための啓発活動に一役買っている。「娘の人生にはいつも雨が降る」という歌では、「私たちは娘の人生をすべての面で励ましていこう。娘は決して息子に劣らない。娘も息子も平等の価値がある」と歌い上げる。
 日本国際飢餓対策機構(JIFH)では、こうしたダウリーとその影響による中絶防止の啓発活動に連携。国連が毎年3月8日を「国際女性デー」に制定していることに合わせて、春の特別支援「北インド、女の赤ちゃんを守れ キャンペーン」を開始した。

◎しゃべる聖書「バイブルマン」参上−−聖書全巻を100時間で聞ける=0903291001

 旧・新約聖書全巻を100時間で聞ける、聖書朗読機「バイブルマン」が5月に日本で発売される。台湾製の機器に、(財)日本聖書協会が制作した新共同訳聖書の朗読CDを取り込んだ。今回、各章のタイトルを福音歌手・森祐理さんが吹き込む工夫も独自に加えた。定価は2万9千85円(税込)。コンパクトでスピーカー部分を取り外せば携帯も可能。簡単操作で年配者や通勤時間を利用したいビジネスマンなどにも喜ばれそうだ。
 「日本のリバイバルのために用いられたらとの祈りの中で、神さまに与えられたもの」と、発売元である株式会社JCS代表取締役の中谷婉玲さん(単立・主イエス・キリスト教会員)は自信をのぞかせる。中谷さんは、伝道や野外研修などに利用される人気商品の携帯拡声器「グッド・ニュース」(旧発売元・株式会社ニチカ)を日本で流通させた経歴をもつが、昨年5月に大阪府羽曳野市に新会社を設立。社名は「Jesus Corner Stone」の略で、「隅のかしら石」として暗示されたイエス・キリストから命名した。
中谷さんは台湾出身で、日本に居住して20数年。留学のために来日し、日本の商社に就職。先輩の紹介で知り合った日本人男性と結婚し、2人の子どもの母親でもある。「神の計画があって、日本に遣わされた」と信じており、世界宣教には費用も必要と、テントメーキングとして事業を立ち上げた。
 クリスチャンになったきっかけは、仕事で香港に行ったときのこと。ある日本人クリスチャンと出会い、教会に連れていかれた。キリスト教に対しては否定的なイメージがあり、「どうしてイエス・キリストを信じないと天国にいけないのか、孔子や孟子も地獄に行ったのかと、いじわるな質問を浴びせ掛けて困らせた」という。別れ際に、その教会の牧師夫人から聖書と信仰書をプレゼントされた。「私の目を見つめながら、とにかく信じなさいと訴えるんです。なぜそこまで願うのか、なんの利害もないのに」と、感動する自分を発見。
帰ってきて聖書を読むと、今までのさまざまな疑問が嘘のように解き明かされていく。「神がいることと、人間は猿から進化したものではないこともわかった。特に創世記2章24節のみことばに出合ったとき、雷に打たれたように感動し、すぐにひざまずいて神様を受け入れました」
 中谷さんの伝道で、台湾の家族も次々に救われた。「伝道しているときが何より幸せを感じる」と喜びにあふれた笑顔で話してくれた。
 「バイブルマン」発売記念特価として、4月末までの予約分は2万5千円(税込)で受け付ける。また、クリスチャン新聞読者への特典として、「バイブルマン」のデモ機を1万5千円(税・送料込)で提供(ただし教会限定で20台限り)。携帯拡声器「グッド・ニュース」も定価2万7千90円のところ、宣教特別価格2万790円で購入できる(価格はすべて税込)。
 申し込み・問い合わせは、(株)JCS=Tel.072・959・0072、Fax.072・959・0073、Email bibleman@jcsco.jp 

◎“つながり”が生む名盤−−小坂 忠さん生誕60周年・音楽活動42周年の記念盤ビクターとソニーミュー

 1960年代から70年代、ロックやR&Bのシンガーソングライターとして日本の音楽シーンに影響を与えた小坂忠さん。その生誕60周年・デビュー42周年を記念し、ビクターエンターテイメントから「Connected」が、ソニーミュージックからは限定版で「Chu`s Garden」(CD8枚+DVD2枚)がリリースされた。
 小坂さんは、76年に洗礼を受け、78年にゴスペルレーベル「ミクタムレコード」を立ち上げて以来、ゴスペルやワーシップ音楽の普及に力を注いできた。91年からはフォースクエア・秋津福音教会の牧師として、またシンガーとして活動していたが、00年以降、「ポップ音楽界での活動を」とラブコールを受け、再びそのフィールドでも活動を始めた。昔の音楽仲間から若手ミュージシャンまで、様々な人とセッションする機会も増えた。
 その流れも追い風となって、ポップスでは8年ぶりの新曲「Connect
ed」がリリースされた。タイトルをConnected=絆としたことについて、「アルバム制作にかかわったミュージシャンの多彩な顔ぶれは、何らかのつながりをもっている人。このアルバム制作を通して新しいつながりが生まれてほしい」と小坂さんは語っている。実際、旧知の仲である高橋幸宏さんや小原礼さん、細野晴臣さんを始め、リアルタイムではポップス界での活躍を知らない佐橋佳幸さんがプロデュースした。また、Dr.KyOnや佐野元春さん、スキマスイッチの大橋卓弥さんなど幅広い面々だ。
 制作にかかわった多くのミュージシャンからは、「いい声はときに、『うまい』を超える力を持っている。でも忠さんの場合は、いい声で、しかも上手いのだから‥実にニクいのであります」(松たか子さん)や、10代の頃、はっぴいえんどなどの音楽を聴いていたという角松敏生さんは、「日本語でこんなに格好のいい音楽があるのか」と思っていたといい、「小坂さんの歌は、聴く側に回りたい。…安心できる声というものはいいものだ。小坂さんの歌が聴ける幸せに感謝」などの声が寄せられている。
 時代を経ても音楽に吹き込まれた魂は聴き継がれ、歌い継がれてきた。だからこそ、今回の作品も「単にミュージシャンが集まってできた」のではなく、「小坂忠の音楽が大好きで一緒に作り、歌うことが楽しい」というミュージシャンたちの中から生まれたのだろう。小坂さんの言葉を借りれば「ヴァイブレーションがポジティブ。そのエネルギーがあって、その中から共鳴するものが引き上げられて出て」きたものなのだ。
 アルバムに収められた11曲の半数以上が小坂さん以外の楽曲だが、小坂さんは「違和感はなかった。みんな幅広い。すごく許容量がある。だから共有できる部分も多くて。これはこの人の愛のイメージなのだな、と。…この幅が大切」と語る。
アルバム全体に漂う心地よさは、ミュージシャンたちのそんな気持ちがひしひしと伝わる。
 今聴いてもいい。10年後に聴いてもいいと思うに違いない。「名盤」と呼ぶにふさわしい1枚だ。
 同時に発売される「Chu`s Garden」は、70年代から01年までの作品が収められている。往年のファンはクリスチャンになってからの小坂さんの詞に新たな安らぎの世界を見るだろう。また、最近のファンは70年代の曲が新鮮に聞こえるだろう。42年の音楽活動を全方位的に捉えた、メモリアル盤だ。