ヘッドライン
[CSD]2008年5月3日号《ヘッドライン》
[CSD]2008年5月3日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎国内開拓伝道会(KDK)50周年——宣教師の挫折が生んだ日米支援の輪
★W・M・ヴォーリズの世界を追体験——東京で「恵みの居場所をつくる」展(汐留ミュージアムで6月21日まで)
= 2 面 ニュース =
◎讃美歌・聖歌の歌詞を個人訳でアレンジ——国分友里恵・岩本正樹さん「現代賛美歌」をリリース
★困難だからこそ日本への支援続ける——国内開拓伝道会を50年間サポートしたホワイト・フィールズ
★宣教150年で相乗効果期待——首都圏イースターの集いに800人
★同盟基督:2013年目途に機構改革進める
★千葉県でひき逃げ容疑の牧師を逮捕
★<落ち穂>地域と教会の壁を取り除いた葬儀
= 3 面 教界ニュース =
★ラブ・ソナタ神戸 大入り満員——人気女優ハン・ヘジンさんらも参加
★北朝鮮:キリスト教系NGOを国外追放——食糧援助の2割を担当
★中国:政府が初の人権行動計画を公表
★<オピニオン>神社と町内会と行政の癒着 大法廷へ 記・根田 祥一
= 4 面 ビジネスパーソン=
★企業の社会的責任に取り組む——植木 栄治さん[上](香川大学経済学部経営システム学科教授)
★<未来を拓くNPO>[2]イギリス産業革命の実りと陰り 記・島田 恒
= 5 面 牧会/神学/社会=
★第5回 日本伝道会議の論点?——ディアスポラ宣教協力
★英国:「死後の世界信じる」人が53%
★<精神障害と教会>[50]「無力」の大切さ——愛は神様に委ねる思いから 記・向谷地 生良
= 6・7 面 特集/帰国者集会ANRC=
★帰国者は愛の結び目——世界各地での経験を聞き合えた
★違いは当然、正直に関わりを
★問題を変える光となって——日本と世界のために祈る
★信仰は「宗教替え」じゃない
★留学生活で知った温かさの源——受洗に反対の家族も帰られて
★異質受け入れられる教会に——帰国者フォローは日本宣教のカギ
★教会に馴染めなかった経験——国別の同窓会で浮き彫りに
= 8 面 特集/憲法から見た裁判員制度=
★「裁く者」になるのか——裁判員制度と信教の自由 記・井堀 哲(あきら)
= 9 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★MOVIE:「ベルサイユの子」——本当に大切なものって?(5月2日よりシネスイッチ銀座ほかで順次公開)
★BOOK:『パパ、南極へ行く』新井直樹著(福音社、1,785円税込)
★REVIEW:『サイズ別に分析する教会形成の方策』ゲーリー・M・マッキントッシュ著(いのちのことば社、1,890円税込)評・河野勇一
= 10 面 関西だより =
★ビジョンもって前進!——オアシス梅田店・クリスチャン新聞大阪支局移転記念フェスタ
★大阪府民イースター——復活の希望 力強く宣言
◎落語家初のキリスト教葬儀——露の五郎兵衛師匠 召天記念式
★100歳牧師 洗礼授ける——大嶋常治牧師(TPKF・神戸フィラデルフィア教会)
= 11 面 クリスチャンライフ =
★渡米して寿司バー大当たり!——「ビジネスと伝道、神様が力をくれた」
★フィンランド:携帯電話で礼拝説教聞けば献金できるシステムを検討
★<痛みに中に生きる>[14]若者編 悔しさ、気負い 複雑な思い抱え
= 12 面 ひと=
★「神への賛美が最高の演奏に」——チェロ奏者・黄原 亮司さん
◎国内開拓伝道会(KDK)50周年−−宣教師の挫折が生んだ日米支援の輪=0905030101
教会を開拓伝道する牧師たちを支援し続けてきた国内開拓伝道会(KDK、泉田昭会長)が設立50周年記念大会として第16回開拓伝道セミナーを4月13~15日、埼玉県嵐山市の国立女性教育会館で開催した。◇
伝道者・牧師の絶対数が足りず無牧の教会が増え、教会を増やすより今ある教会を守るべきだ、といった声が聞こえる中で、日本には教会のない地域、福音の伝えられていないところがまだたくさんあるとして、「可能性へのチャレンジ」をテーマにすえ、大橋秀夫氏(日本福音自由教会協議会牧師、教会コンサルタント)が講演。現在KDKのサポートを受けている7人の牧師が証やケーススタディーで開拓の現状を報告。開拓伝道中や将来開拓伝道を考えている牧師、教団教派の担当者、開拓教会を牧師と共に担う信徒ら65人が参加した。
開会礼拝では初期のころからの歴史について、KDK委員の佐竹十喜雄氏が振り返った。KDKの働きは戦後来日したバート・プール宣教師夫妻によって始まった。夫妻は各地を巡回し音楽伝道をしたが、1年半後に帰米。その船旅で、日本語の難しさや高度な日本文化を思うと日本人牧師による福音宣教が最も有効であり、このために何かできるのではないかと主に迫られたという。帰国後に米国・カナダの各地を巡回し、日本宣教を報告すると共に日本人牧師への支援を訴えた。これが反響を呼び、日本人牧師の開拓伝道を支援する団体「ホワイト・フィールズ」が誕生した。
「ホワイト・フィールズ」とは、ヨハネ4・35の「色づいた畑」を意味する。宣教師を派遣するのではなく、当時すでに日本で活動し日本の宣教状況をよく把握していた数人の宣教師と牧師たちで構成された委員会に全権を委任し、開拓伝道サポートのための資金を送金。委員会は日本側の窓口を「国内開拓伝道会(KDK)」と名づけた。佐竹氏は「プール先生を挫折させたのは神の導き。毎月の(開拓伝道者からの)レポートによって日本のために祈っている方がたくさんいる。50年にあたり原点に返って燃やされよう」と訴えた。
泉田昭会長はあいさつの中で、「50年の歴史でKDKのサポートを受けて生まれた教会は242。そこからさらに開拓された教会も含めると300を超える教会が生み出されたことは、たいへん地味だが実り多い働きであったと思う」とこの働きの意義を述べた。
今大会にはホワイト・フィールズからスティーブ・ウィラー理事長が来日。同氏は毎月誠実に日本への支援献金をしていた両親の下で育ち、十代からホワイト・フィールズの集会に参加、やがて牧師になり自身も理事会に加わった。その証を交えて、「ピリピ書は苦しみの中でのパートナーシップを教えている。私たちのためにも祈ってほしい。(北米は)不景気で大変だが、毎週日曜日にいろいろな教会を訪ねてアピールし、この働きのために祈ってもらっている。そうしたレポートを通し互いの信仰を見て励ますことになり、新しい支援者も加わりつつある」と開拓伝道支援の意義を強調。「この宣教の難しい日本で忠実に働く牧師たちと、開拓の喜びを共にできることを次世代に伝えていきたい。私の夢はKDKの働きが100周年を迎えること。私たちの子どもや孫たちの世代が、パートナーとして日本宣教のため共に働く日を夢見ている」と語った。
◎讃美歌・聖歌の歌詞を個人訳でアレンジ−−国分友里恵・岩本正樹さん「現代賛美歌」をリリース=0905
「讃美歌、聖歌のメロディーは好きだけれど、歌詞の意味がわかりにくい」。そんなジレンマを抱えている現代人にも届く賛美歌をつくりたいと、国分友里恵さん(ゴスペルシンガー、作詞家)と岩本正樹さん(作曲・編曲家)は「現代賛美歌」を制作。CDと楽譜集がこのほどライフ・ミュージック(いのちのことば社/ライフ企画)から発売された。コンセプトは「伝統的な賛美歌の荘厳さを生かしつつ、現代の言葉で美しく歌い上げる」。従来の讃美歌、聖歌に比べ、メロディーに乗せた歌詞のメッセージがよりはっきり伝わり、詞もリズムもしっくりして心地よい。
制作の動機について、国分さんはこう語る。「賛美歌を通して救われた私でしたが、大人になって教会に行き始め、再び賛美歌を聴いた時、歌詞の意味が分からずもどかしさを覚えました。メロディーに力があるのに、みんなで歌えないのが悲しい。それで、自分の言葉で賛美歌を歌いたいと思うようになりました」
詞は、「原詞を読んで映像化されたものを書いた」。「原詞の意味をすべて訳しきれないので、その曲が生まれた時代の信仰の香りを下敷きに、原詞のイメージでつくりました。何曲かは、全く違う詞です。1曲1曲が起承転結の形で、礼拝になるようつくりました。大変な作業でしたが、楽しい作業でもありました」
岩本さんは「選曲が一番大変だった」と語る。「讃美歌、聖歌の全曲に目を通しましたが、重複している曲も多く、その中から六十数曲を選曲するのに時間がかかりました」
CDには、聖書66巻にちなみ66曲に加え、主の祈りを歌ったオリジナル曲「天のお父様(主の祈り)」を収録。66曲の中には、「君が代」のメロディーに歌詞をつけた「キリストの世は」も。理由について国分さんは、「日本も神様が建てられた国。すべての栄光を神様にお帰ししたいとの願いを込めて、日本の国の歌で神様をほめたたえたかった」。
「この現代賛美歌はあくまで個人訳で、歌う歌わないは自由。従来の讃美歌、聖歌がいいという方は、そちらを大切に歌ってほしい」とも語った。
▽「CD3枚組」2,940円▽「(ピアノ伴奏)歌詞データ付CDエクストラCD3枚組」2,415円▽「楽譜集」1,470円、各税込。その他、CD&楽譜集特価セットもあり。Tel.03・5341・6927、URL:lk@wlpm.or.jp ライフ・ミュージック。
◎落語家初のキリスト教葬儀−−露の五郎兵衛師匠 召天記念式=0905031003
3月30日に亡くなった落語家の露の五郎兵衛師匠の召天記念式が、4月14日、大阪市立葬祭場やすらぎ天空館で開かれた。落語家としては初めてのキリスト教式の葬儀に約600人が参列し、上方落語界の重鎮と惜別した。司式と式辞は、五郎兵衛師匠の娘婿で、世界福音・栗東教会の菅原義久牧師。長女の新居由樹さんが聖書朗読、次女の菅原早樹さんが賛美し、文楽の豊竹英大夫さんらの心のこもった弔辞があった。喪主で妻の明田川沙英さんは「こんなにたくさんの方に来てもらって、五郎兵衛は天国で喜んでいると思います」と、挨拶した。葬儀委員長を務めた(社)上方落語協会会長の桂三枝さんは、「師匠は戦後の上方落語を風前の灯から守ってくださった。師匠の志を継いで、しっかりと次の世代に受け渡したい」と、敬意を込めて挨拶した。
今回初めてキリスト教式の葬儀に参列した人も多かった。遺族のもとには感動したとの声が多く寄せられているという。