ヘッドライン
[CSD]2009年5月31日号《ヘッドライン》
[CSD]2009年5月31日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎新型インフルエンザ国内感染拡大——「集会自粛判断は教会が」と同盟基督では事前対応
★エジプト:豚の全頭処分開始
★バスで巡る宣教発足の地——プロテスタント宣教150年で横浜をバスツアー
= 2 面 ニュース=
◎日本プロテスタント宣教150周年記念大会まで40日——「諸派が一つに」決起祈祷会
★教会史を再考、これからの日本の伝道探る——JEA総会で公開講演
★宣教師の活動まで管理?——入管法改定案反対で教界・団体が共同声明
★<逝去>速水 優氏(日基教団・阿佐ヶ谷教会員)——難局時に日銀総裁就任
★<落ち穂>天安門事件から20年の中国
= 3 面 =
★新型インフルエンザ対策で教会の社会的責任——台湾宣教師のSARS経験生かす ホーリネス・相模原キリスト教会
★同盟基督:集会自粛要請に備えガイドライン作成——諸教派にも公開
★同盟基督:「新型インフルエンザによる教会自粛に関するガイドライン」(抜粋)
★<オピニオン>宣教150周年に吟味する教会による神の宣教 記・趙 南洙
= 4 面 ビジネスパーソン=
★会社倒産が新会社設立の後押しに——三上 勝久さん[上]([株]味工房代表取締役)
★<未来を拓くNPO>[3]アメリカ社会に生きる良心と驕り 記・島田 恒
= 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『ホーリネス信仰と葬儀説教』説教塾編(キリスト新聞社、1,890円税込)
★BOOK:『ライフスキルで人生を変える』丸屋 真也著(いのちのことば社、1,575円税込)
★BOOK:『まんが キリスト教入門』勝間 としお著(フォレスト・ブックス、1,050円税込)
★REVIEW:『なぜ未受洗者の陪餐は許されないのか』赤木 善光著(教文館、1,680円税込)評・遠藤 勝信
= 6・7 面 企画特集 =
★日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団創立60周年記念大会——初代教会のように宣教力UP!
★神が願う姿にChange!——聖霊運動の原点に戻れ
★「地方伝道」の課題見据え——信徒流出は主の派遣
= 8・9 面 ペンテコステ特集 =
★現地の視点で宣教を——キリスト教は西洋の文化か?
★BOOK:『日々、聖霊に満たされて』マリリン・E・フォスター編(いのちのことば社、2,100円税込)
★エジンバラ世界宣教会議から100年——世界宣教はここまで来た
★メッセージ:すべての人に注がれる「力」 記・永井信義
= 10 面 教会学校 =
◎<教会学校の実情を探る>土曜キッズは月1フェスタ——バプ教会連合・御園バプテスト教会
★<CSもうひと味>じゃんけんバァチャンは人気者——アイデアは実行して楽しむ
= 11 面 クリスチャンライフ =
★混迷するパレステチナに「宗教・民族を超えて協力を」——「ナバクに匹敵」ガザの空爆
★非暴力の抵抗で平和を——ナイーム・アティーク氏の講演から
★パズル的報道では全体が見えない——在イスラエル公認ガイド・柿内 ルツさん
★バチカン:ローマ教皇、パレスチナ市民の権利を強調
= 12 面 教会 =
★地域に守られ 育てられた85年——福音伝道・太田キリスト教会
◎新型インフルエンザ国内感染拡大−−「集会自粛判断は教会が」と同盟基督では事前対応
渡航者以外の新型インフルエンザ感染者が5月16日、兵庫県、大阪府内の高校で見つかって以来、国内でも感染者が急速に増えている。これに先立ち、日本同盟基督教団(中谷美津雄理事長)は5月2日、予防や拡大防止の対応策を検討し、それに基づいた準備をするよう促すガイドライン「新型インフルエンザに対する教会の対策について」を教団理事会、社会局長名で、同教団所属の諸教会に送付。国内感染発覚後も、各個教会の判断で落ち着いた対応ができている模様だ。同文書は、「今後の事態の展開によっては、昨年2月に策定された国の『新型インフルエンザ対策ガイドライン』に基づき、国や自治体、企業、家庭、地域などがとるべき対策が発表される可能性がある。場合によっては、『地域対策』の一つとして『集会、催し物、コンサート等不特定多数のものが集まる活動の自粛』が求められることも考えられ」るとし、不要な混乱を避けるために、事前にその対応策を考え、方針を信徒に知らせておくことを勧めている。
その一例として、神奈川県川崎市の招待キリスト教会(趙南洙牧師)の週報を紹介。新型インフルエンザの特徴と症状、治療法、流行期における心がけ、熱が出た場合の対応などが、簡潔にまとめられている。
奈良県生駒市にある生駒めぐみ教会の中谷美津雄牧師は、「5月10日の聖日から教会の玄関口にマスクと手を洗浄するためのアルコールを置いた。また、案内係が玄関口に立ち、礼拝出席者に手の洗浄をして出入りし、マスクは各自の判断でするよう呼びかけた」と語る。
中谷牧師は10日の説教の導入部分で、「今回の新型インフルエンザは弱毒性であり、恐れる必要はない」と語った。集会自粛についても、県ではなく教会の判断が第一だと強調。「自粛要請が出た場合は、不特定多数にチラシを配り人を集めるような集会は自粛し、定期の礼拝、祈祷会、教会学校は継続することを臨時役員会で確認した」という。「今回のケースは、強毒性のインフルエンザが流行した場合の予行練習」とも述べた。
大阪府茨木市にある茨木聖書教会の笠川徹三牧師は、「医師から『今回のは通常のインフルエンザと変わらない。それほどあわてる必要はない』とアドバイスを受けたので、アルコールで手を洗浄する以外は、具体的にはしていない」と語る。礼拝の報告の中では、「通常のインフルエンザと変わらないので恐れる必要はない。人混みに出て行く時はマスクをしていくように、と語った」。
一方、市内の高校で感染者が出たことで茨木市内の小・中・高校が1週間休校となり、その影響で17日の教会学校を休み、23日の小学科ピクニックも中止にしたという。その他の教会の通常プログラムは平常通り行った。
兵庫県川西市の川西聖書教会の森脇章夫牧師は「感染が広がり、小・中・高・大学が休校の状況であっても、教会は全集会通常通り行うことと、オープンな礼拝を心がけていくことを執事会で確認した」という。
同教団は、国や自治体から集会などの自粛要請が出た場合でもあわてずに対応できるよう、さらに詳しい内容の「新型インフルエンザによる集会自粛に関するガイドライン」を22日、同教団諸教会に向け送付した。
◎日本プロテスタント宣教150周年記念大会まで40日−−「諸派が一つに」決起祈祷会
今年7月8、9日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市港区みなとみらい)で開催される5千人規模の「日本プロテスタント宣教150周年記念大会」(同実行委員会主催)に向け、決起祈祷会が5月15日、東京・渋谷区の日本基督教団聖ヶ丘教会で開催。大宮溥氏(日本聖書協会理事長、日基教団・阿佐ヶ谷教会名誉牧師)が「地の果てに至るまで」と題して説教した。同大会は、1859年にプロテスタントの宣教師が来日してから今年で150年となることを記念し、諸派の一致協力を深める時としようと、07年から準備を進めてきた。昨年4月には、大川従道(大和カルバリーチャペル主任牧師)、峯野龍弘(ウェスレアン・淀橋教会主管牧師)、山北宣久(日基教団・聖ヶ丘教会主任牧師)の各氏を実行委員長に実行委員会が発足。会期中には150周年記念フェスティバル、開会礼拝、記念式典、基調講演とパネルディスカッション、「信仰と学校教育」「政治・経済とキリスト者の交わり」など10の分科会、派遣礼拝が行われる。
大宮氏は、日本のプロテスタント教会は北米諸教会の宣教師によって開始され、欧米教会のサポートを受けてきた、として150年を3つの時期に分けた。
第1期は日本における宣教開始から太平洋戦争までで、日本におけるナショナルチャーチの建設が行われた時代、第2期は45年から90年までで、エキュメニカルチャーチの時代、第3期は90年以降で、欧米だけでなく世界がミッションフィールドの時代。
その上で、日本の教会は・ナショナルチャーチの伝統を受け継ぎ、日本での福音宣教を強力に推し進めるべき、・欧米の教会に依存するのでなく、日本の教会が世界宣教の担い手となっていかなければならない、と強調した。また、17世紀英国のピューリタン牧師リチャード・バクスターの言葉「大きなことには一致を、小さなことには自由を、すべてのことに愛を」を引用し、「キリストのもとに一致団結し、記念大会に臨んでいきたい」と語った。
事務局長の渡部信氏(日本聖書教会総主事)は、現在の申し込み状況が目標に達していないと報告。「ぜひ、皆さんのご協力と助けをお願いしたい。あと40日、イエスの御名が崇められるよう教派を超えて各教会が一つとなり、力を合わせ努力していきたい」と決意を述べた。
集った牧師、信徒らは、・5千人の動員(2日で1万人)と財政の満たし、・全派挙げての記念大会となるように、・実行委員長、事務局長の祝福、・出演ゲストの準備と守りなどのほか、新型インフルエンザの影響がないよう、心を合わせ熱心に祈った。
参加は登録が必要。http://www.protestant150.org/ Tel.03・3562・8725。
◎<教会学校の実情を探る>土曜キッズは月1フェスタ−−バプ教会連合・御園バプテスト教会
日曜日の教会学校(CS)に出席する児童の減少が続いている。日本バプテスト教会連合御園バプテスト教会(丸山悟司牧師)では、3年前から子ども集会を毎月1回、8月を除く第2土曜に開催。毎回、幼児から小学6年生まで20~30人台の子どもたちと7、8人のお母さんたちが参加。当初から日曜日のCSとは明確に区分した活動という。母の日前日の5月9日に「土ようキッズ」を訪ねた。心から楽しめれば
子どもらも楽しむ
「土ようキッズ」の特色は「とにかく、思いきり子どもたちも、私たちも楽しむこと」と、牧師夫人でこの奉仕チームのリーダーでもある丸山頼子さんは言う。
確かに楽しい。ピンクと白色の耳をつけた「うさ子さん」の司会・進行で始まり、賛美し、パペット人形劇「土ようキッズシアター」へ。人形劇は毎回新作を上演。カエルのケロ君を主人公に、サメのサメオ君、ウサギのピョン子ちゃんらレギュラー陣に、ストーリー展開によってキャラクターが加わる。この日は、学校で落とし物が多いことから「物を大切にしよう。わたしに出来る事」という宿題が出されたというお話。
人形劇のテーマとストーリーを受けて、聖書のお話は「神さまがすべて造られた」。またテーマに合わせて「お買い物ゲーム」。5つのグループそれぞれに財布と作るべき料理を書いたカードが渡され、その料理を作るためには材料は何か、から子どもたちに考えてもらう。ただし、店員さんに質問するのはOKだ。安売りの声など教会内商店街は大賑わい。ジャガイモだけを買い占めるグループも現れた。
ゲーム後のおやつの時間は、和気あいあい。
月1回の子どもフェスティバル「土ようキッズ」は、頼子夫人と矢ノ倉新神学生、そして2人の姉妹の4人チームが中心となり、月2回の話し合いと数回の準備・作業日を設けて進めている。聖書のお話は頼子夫人と神学生が担当し、人形劇のシナリオを併せて準備する。台詞は、スタッフと教会員が協力してテープに録音し、当日は人形を動かすだけに集中。
教会学校とは
区分した活動
「土ようキッズ」自体はCSと区分された自主グループの活動だ。
始めた動機は、CSの子どもたちが「ひたすら無言でゲーム機に没頭している姿を見てショックを受けました。CS教師たちが、人と人が触れ合って遊ぶことの楽しさを知ってほしいと思った」と頼子夫人は言う。
もう一つは、CSには来なくても、クリスマスなどイベントには来る子どもたちの顔ぶれがいつも同じ。「それならば月1回の楽しい子ども会をして、しっかり御言葉の種を蒔こう」と導かれた。あえて「CSとは切り離して、『土ようキッズ』に来る子どもたちが定着するように」との目標を明確にした。
最初は、信徒の2家族の子どもたちしか集まらなかったが「子どもたちが、楽しいと思ってくれたらきっと増し加えられる」と、励まし合っていくうちに、子どもたちの口コミから定着する子たちが増えてきた。
日曜日のCSと区分したことについて丸山牧師は、「クリスチャンホームでないご両親がゆっくり過ごしたい日曜の朝に、お子さんだけをCSに送り出すのも考えにくい」と、理解を示す。
3年目を迎え、小さな子どもたちと一緒に来るお母さんたちも定着してきている。今年の4月からは、そのお母さんたちのための「バイブル&コーヒータイム」が毎月第3火曜日の午前にスタートした。心から楽しんで福音の種を蒔く活動は、新しい出会いと楽しみを生み出している。
CSもうひと味
じゃんけんバァチャンは人気者
「土ようキッズ」は人形劇に限らず、司会役うさ子さんや2月に現れたバレンタインマン、昨秋登場したじゃんけんバァチャンなどゲームからいろいろなキャラクターが誕生する。中でも、じゃんけんバァチャンは特別企画では毎回登場する人気者。そもそもは、「世界スタンプラリー」で、子どもとじゃんけん対決する役で登場した。今回はそろばん片手に「日本一小さな駄菓子屋さん」のバァチャンになって、くじで引いた駄菓子を手渡す役割。
じゃんけんバァチャンを演じる木下優子さんは「アイデアは実行して楽しさが分かる」と言う。基本コスチュームは栗毛掛かったカツラにコートと肩からバッグを掛けている。腰の曲げ方やバッグのアップリケはその時々で違っている凝りよう。
バァチャンらしいかわいいしぐさと毎回のちょっとした工夫に、お母さんたちには記念写真に収まるファン層もいる。