[CSD]2009年6月14日号《ヘッドライン》

[CSD]2009年6月14日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎森祐理ら「愛心大使」熱烈歓迎——中国・四川大地震から1年・被災地コンサートで「心の支援」
★気候変動で移住の脅威に声明——太平洋教会協議会「モアナ宣言」で意識と行動を強く呼び掛け

 = 2 面 ニュース=
◎JEA総会:日本伝道会議7年ごと開催に——継続性を重視、常設準備室を設置
★JEA総会公開講演会:「伝道する教会」が「世界政策」を
★日本イエス・キリスト教団:新委員長に鎌野善三氏を選出
★日本ナザレン教団:牧師謝儀水準を引き上げ
★やより賞の公募を開始
★<落ち穂>宣教学者ラルフ・ウィンター博士を偲んで

 = 3 面 =
★太平洋教会協議会「モアナ宣言」全文
★函館で朝祷会全国大会——初期正教会の歴史にも思いを馳せて
★検証:「ピースリボン」裁判から何を学ぶか——歌えない一人を守れなければ
★<オピニオン>違いを認め合い回復する交わり 記・根田 祥一

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★「お客さんは神様のプレゼント」——三上 勝久さん[下]([株]味工房代表取締役)
★<ピンチはチャンス>[4]金融危機が人間の驕りに反省促す 記・篠 松二郎

 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『風言葉』小宮山腸夫著(いのちのことば社、892円税込)
★BOOK:『教会は祈りで建てられる』ジョン・ビルド著(DURANNO、1,260円税込)
★BOOK:『コンパクト旧約聖書入門』W・H・シュミットほか共著(教文館、2,940円税込)
★REVIEW:『復活と歴史的理性——神学の方法の研究』L・R・ニーバー著(新教出版社、3,675円税込)評・東條 隆進

 = 6・7 面 特集/キリスト教主義学校 =
★成長の手応えある学びで充実——大阪女学院大学
★世界に貢献、地域に仕える——聖路加看護大学
★個々の成長に寄り添う——敬和学園大学

 = 8 面 結婚特集 =
★出会い、結婚、家族…聖書を基に——神学校で学ぶ「家族」とは
★牧師が取り組むカップリングシステム——教会超えた出会いをサポート

 = 9 面 全面広告 =
☆第59回日本ホーリネス教団夏季聖会
7月20日(月)~22日(水) 会場:箱根ホテル小涌園

 = 10 面 教会学校 =
★<教会学校の実情を探る>成長に伴い直面する性の課題——2009J+Passion「恋愛・性・結婚」分科会
★<CSもうひと味>CD「いのちのパン'09」キッズヴァージョン——軽快なリズムで聖書に触れる

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★海外の農村リーダーら集うアジア学院——ビジネスでない有機農業を
★<痛みに中に生きる>[18]団塊編 「妻の死」の絶望の先に

 = 12 面 教会 =
◎賛美と料理と御言葉で楽しく宣教——バプ教会連合・御園バプテスト教会

◎森祐理ら「愛心大使」熱烈歓迎−−中国・四川大地震から1年・被災地コンサートで「心の支援」=0906

[img align=left]http://jpnews.org/pc/uploads/img4a2c6c78c7388.jpg[/img] 5月12日は、中国四川省で発生した四川大地震からちょうど1年。中国政府はこの日に向け、国を挙げて四川省の復興に取り組んできた。そんな中、ゴスペルアーティストの森祐理さんは5月8日から14日まで、「中国四川省大地震1周年慰問ツアー」を敢行。外国人の公演やメディア報道などの規制が厳しい中でコンサートを行った。

 この慰問ツアーは、成都市にある中韓文化協会、韓国人の牧師、クリスチャンたちの祈りによって準備が進められ、日本国際飢餓対策機構(JIFH)の協力で実現した。森さんは、コンサートでは中国語と日本語で歌った。
 12日は、JIFHが貧しい学生30人に奨学金を贈るため、その贈呈式が行われる江油市の小学校へ向かった。到着してみると、校庭にはすでに千数百人もの学生がずらりと並んでいた。ステージには「愛心大使・森祐理」と書かれてあった。
 当日は、ピリピリした空気に満ちていた。警備が厳しく、イベントもコンサートという表現は一切できなかった。そのため、贈呈式の中で森さんが歌をプレゼントするという形で進行した。
 地震発生時刻の午後2時28分に開始。式ではプログラムの前半、後半に各15人ずつ、森さんが生徒一人ひとりに奨学金を手渡した。そして、子どもたちが見守る中、森さんは心を込めて歌った。「一緒に手遊びしたり、ステージに何人か上がってもらって手話をしながら歌いました。中国の流行歌を歌った時は、大合唱になりました」
 阪神淡路大震災で弟を亡くした話をした時は、「多くの子どもたちが涙を拭きながら聞いてくれた」という。感動は大きく、「日本から、私たちが一番必要としていた心の支援を受けた」との声もあった。
 このイベントは、森さん一行が中国入りする直前まで、様々な事情により、できるか否か難しい状況だったという。現地スタッフからは「外国人歌手で12日に被災地でコンサートできたのは、森祐理さんだけだったかもしれない」とも言われた。「被災地の子どもたち、村の人たちに愛の支援を届けられたのは、まさに主の奇跡だった」。そのほか、中・韓・日合同1周年の演唱会や在中韓人教会のコンサートで歌った。
 森さんが被災地を訪れたのは、昨年11月に続き2回目。前回に比べ、「復興が急ピッチで進んでいた」という。中国では「頑張ってください」でなく「頑張っておられますね」と語りかける気遣いが必要だったと森さん。「頑張りをほめることは、一つの励ましだと気づかされました。『こんなに復興が進んですごいですね』と言うたびに村の人々はパッと目を輝かせ、中には目に涙をためて喜んでくださる方もいました」
 ツアー最後には、こんな出来事も。同行した一人の韓国人牧師が、反省会でこう告白した。「私の父は日本人からひどい目に遭わされた。だから、日本が嫌いだった。でも今回、一緒に奉仕をし、共に祈る中で心が変えられた。日本に対し憎しみをもっていたことを赦してほしい」。これを聞き、スタッフ一同号泣。森さんは、「その牧師先生に、日本人としてどうしても謝りたい思いが突き上げてきた。そして、その先生と涙と共に赦し合えた。そのことは、今も忘れられない」と振り返った。
 「11年間、中国の扉を開いてくださいと祈ってきたが、今やっとその扉が開いた」と森さん。「このツアーで、神様が中国、韓国、日本を一つにし、このアジアを勝ち取ろうとされているのを強く感じた」という。

◎JEA総会:日本伝道会議7年ごと開催に−−継続性を重視、常設準備室を設置=0906140201

 日本福音同盟(JEA=中島秀一理事長、具志堅聖総主事)は6月1日、2日、第24回総会を都内のホテルで開き、日本伝道会議(JCE)の継続性を明確化することなどを盛り込んだ09年度事業計画案を承認した。
 また、日本プロテスタント宣教150周年記念として、今総会では1日目を公開講演会にあて、「日本プロテスタント宣教150年|これからの日本の伝道」をテーマに、JEA外からの講師を迎え、講演とパネルディスカッションを開催した。
 JEAは、7月8日、9日に開港の舞台・横浜で開かれる「日本プロテスタント宣教150年記念大会」に担当理事を立てて協力しているが、今総会講演会には、同大会の渡部信事務局長(日本聖書協会総主事)や、大会実行委員長の1人である大川従道氏(大和カルバリーチャペル牧師)はじめ日本リバイバル同盟、日本ペンテコステ協議会、関東宣教協力会の関係者ら、「聖霊派」といわれる教会指導者も招き歓迎。福音派・聖霊派・主流派を横断して開催される7月の記念大会について渡部氏がアピールし、参加を呼びかけた。
 伝道会議の継続性・計画性については、第5回日本伝道会議=JCE5=実行委員会(原田憲夫実行委員長)からJEA理事会に対し、開催間隔の明文化などを求める提案が出され、JEA理事会は加盟教団・教会等にアンケートを実施した。
 その結果をふまえて今総会に提出された09年度事業計画案では、・日本伝道会議の受け皿としての常設の準備室をJEA内に設置する、・第6回日本伝道会議を2016年に開催するとのJCE5実行委員会の提案を了承し、これに参画する、・第6回以降の会議開催については原則として7年間隔で行う、の3点の内容を提案、可決された。
 日本伝道会議はこれまで8、9年ごとに開かれ、JEAの事業の主要な柱であることが確認されているが、今後さらに、1回ごとの伝道会議で出された提言や話し合われたことが、JEA各専門委員会の日常活動やプロジェクトチームなどで深められ、次の伝道会議へと発展的に継承されていくことが期待される。

◎賛美と料理と御言葉で楽しく宣教−−バプ教会連合・御園バプテスト教会=0906141201

 小田急相模原駅前の交差点から相模原病院へ真っ直ぐ伸びるサウザンロード相模台商店街。日本バプテスト教会連合御園バプテスト教会(丸山悟司牧師)は、駅から5分。駅前の交差点からこの商店街を望むと緑色の教会ビルが見える。訪問したのは母の日。午後は壮年・青年の男性陣が「男の料理」作りに集まるとか。野外合同礼拝やバザーなど地域の人が親しく参加できるイベントが多く、いつも賛美が流れる。そんな「楽しく宣教する」教会の一日をスケッチした。

 緑色の教会ビルは地下1階地上5階建て、礼拝は9時からの第1部を1階、11時からの第2部は地下ホールで行っている。この日の「男の料理」は宣教委員会主催。委員長の木下正昭さんは、「このビルの色を塗り替えた時、わたしは映画の『マスク』を思い出した。教会が『怪人マスク』みたいになったってね」と言って笑う。そんな気さくで、ちょっとハイテンションな楽しさがこの教会の空気のようだ。

「男の料理」を
母の日に実施
 教会では、年に3、4回ほど韓国料理などお料理企画の交わり会をもつという。今年は日曜の母の日に「男の料理」。3時過ぎから支度に掛かるということで、ちょいと早めの夕食タイムか。
 10人ほど集まり、まずは、挨拶と簡単な自己紹介。講師は、昨年と同じく「男の料理」担当責任者の鳥居義弘さん。
 メーンのメニューは、煮込み風ハンバーグ。牛ひき肉100%を頭割り(150g程度)に分けて、ウインナーソーセージ2~3本と食パン1枚を細かく角切りにしてひき肉と一緒にこねる。サラダ用のベーコンをカリッと炒めたあと、形を整えたハンバーグを4つほど入れて火を通す。この日は5つのフライパンで20人分。片面こんがり焦げ目がついたところで、レトルト食品のビーフハヤシを2袋と軽く1袋分の水を加えフライパンで煮込む。その間にサラダ用ドレッシングづくりしながらなにやかやと話題は尽きない。きちんと料理を作れる鳥居さんが、誰にでも作れるアウトドア風メニューにしているところも「男の料理」らしさか。
 食事の後は、ミニコンサート。木下さんファミリーの懐かしいフォークソングを皮切りに、幾人かが数曲歌い、最後は全員で「君は愛されるため生まれた」でお開きに。
 御園バプテスト教会は、賛美と催しが活発だ。木曜日の聖書の学びと祈り会とともに日曜・水曜以外の早天祈祷会。崔錫允宣教師の韓国語教室(有料)、外国人のための日本語教室など毎週の定期集会のほか、小学生までの土曜キッズやお母さん方とのバイブル&コーヒータイムや家庭集会など月1回の集会、不定期ながら証しと賛美の集い、合同礼拝やバザーなど。教会バザーのときは、並行して地下ホールでコンサートも開催、クラシック、ゴスペル、ポップスなどワーシップチームも出演して多彩なジャンルの賛美を演奏する。

祈り合い、育て合う
神の家族を目標に
 丸山牧師は、「クリスチャンでない方に休日の日曜の朝に礼拝にどうぞと言っても、なかなか難しいと思います。家庭集会やいろいろな集いで信徒の方々とのお知り合いが広がり、関心をおもちのことにお答えしていく。その機会を大切にしたい。今日の『男の料理』にもご夫妻で来られる方がいます」と、あらゆる機会に主にある交わりの楽しさ、喜び、御言葉の分かち合いを得られるようにと願っている。
 子ども会や賛美チーム、イベントなど「信徒の皆さんが積極的にかかわり、進めてくださることに感謝しています。楽しいことは準備も大変。そういう意味でも犠牲を捧げ、よくお祈りされている」と丸山牧師。今年の年間テーマは「祈り合い、育て合う神の家族」。祈り会でも、「2人ずつに分かれて分かち合い、交わりを深めてくださっている」
 教会名の「御園」とは、大野キリスト教会の開拓伝道としてダビデ・ヤンキ宣教師が相模原市御園でスタートした時の地名。2000年に現在地に移転したが、教会員に親しまれてきた「御園」の名称はそのまま残された。賛美と料理と御言葉にいやされる主の「御園」。商店街に立つ緑色のビルは、その証しの色のようでもある。
 日本バプテスト教会連合 御園バプテスト教会=〒228-0821相模原市相模台2ノ3ノ7。Tel&Fax042・766・0805。