2018年04月08日号 02面

教派を超え、日本の国、各界の指導者や関係者のため、世界の平和のために祈る「第18回国家晩餐祈祷会」(日本CBMC〔クリスチャン実業人の集い〕主催)が3月23日、東京・新宿区西新宿の京王プラザホテルで開催。当日は衆議院議員の石破茂氏が公務の合間をぬって駆けつけ挨拶をし、メインスピーカーの天野弘昌氏(アッセンブリー・草加神召キリスト教会主任牧師)が「今、求められる祈りと叫び」と題してメッセージをした。【中田 朗】

「公文書は役人のものではなく、持ち主は国民。それを勝手に変えるということは、いかなる理由があったとしても、それは民主主義に対する挑戦だと思っている」DSC_0078
例年、挨拶では曾祖父金森通倫の話をし、「誤りがあればただしてください」「ご用のためにお用いください」と祈ることの大切さを語る石破氏。だが今年は、今、問題になっている森友文書改ざん問題に触れ、自身の考えを率直に語った。「私は政治、行政というものが、どんな人に対しても公平公正であらねばならないと思っている。そして、公平公正であるということを、きちんと主権者である国民に分かっていただくために、公文書というものがある」
「きちんとした信頼できる政府という思いを国民の皆様にもってもらうために、私どもは与党、野党問わずさらなる努力をしていかなければいけない。政治は魔法ではない。そういう問題を一気に解決できるわけではない。だが、どこで誰が何に悲しむのか、どこで誰が何に苦しむのか、その思いを常に持つということは、政治というものにおいて、これからも必要なものだと思っている。すべての人に神様の祝福がありますように」と結んだ。IMG_8618
天野氏は初めに「今夜は国のために心から叫び、主に祈りが届くようにと願う」と力を込めて祈った。「この国の戦後は、高度経済成長の時代、企業戦士として家族を犠牲にし、諸外国からエコノミックアニマルと揶揄されるほど頑張ってきた歴史がある。この国は14年以上、自殺者が3万人を超えている。今は少し減ったと言われるが、変死した人たちが2万件以上いる。それだけではなく、中絶が毎年20万人以上と言われる。児童虐待においては6万5千〜7万件、相談件数は122万以上。この国には闇があり、心にポッカリ空洞のようなものがあるのではないか。何としてでもこの国が、真の神、聖書に視座を置き、聖書を土台にした価値観、その中に生きる者たちがどんどん起こされ拡大することを願う」
その上で、ヨハネの福音書11章の「ラザロの復活」の記事を引用。「ラザロが死に、マリアや一緒にいたユダヤ人たちを見てイエス様は『霊の憤りを覚えて』(33節)とある。イエスが現実を見て悲しむだけでなく、霊的な葛藤を覚えられた。これは、その現実を諦めないで、戦い祈り続けなさいということではないか」
「この国には主の助けが必要だ。教会は次々と閉鎖され、閉塞感に満ち、兼牧、無牧の教会が増えている。献身者が少ない。どこへ行っても希望のない国になっている。しかし、主は全知全能の神。この方は絶対に祈りに答えてくださる。主は、裁判官のところにひっきりなしにやってきては訴え、裁判官にうるさくて仕方がないから裁判をしてやろうと言わせるほどのやもめ(ルカ18章4、5節参照)のような、祈る者を求めている」と結んだ。DSC_0171
祝辞の後、廣瀬薫氏(東京キリスト教学園理事長)が「日本の政治・経済の指導者」、永井信義氏(拡大宣教学院学院長)が「日本の災害復興・次世代の育成」、田所慈郎氏(日基教団・富士見丘教会牧師)が「キリスト教界の一致・日本のリバイバル」、キム・チャンソン氏(CBMCアジア&太平洋地域代表)は「世界・アジアの平和と隣国との一致」が代表祈祷。廣瀬氏は「日本の政治がゆがめられ、問題が次々と起こっている。経済では格差が広がり、様々なところに痛みが出ている。どうか御心に従うリーダーの実践により、全世界にシャロームが広がるように」、永井氏は「今晩、この国を担っていく若い人たちを特に覚えてください。若い世代にあなたのリバイバルを与えてください。そのために、先に救われた私たちを憐れみ、励ますことを教えてくださるように」、田所氏は「あなたの御体全体が結び合わされ、私たちを一つにしてくださいますように。そのために召された牧師先生たちを大いに祝し、特別な油注ぎを与えてくださりますように」、キム氏は「過去には国と国、人と人、民族と民族で争っていた。でも思い起こさせてくださり、私たちはキリストの旗の下で一つであることを。過去の傷ゆえの壁を取り除き、今晩、新しい友情を深めることができるように」と祈りを捧げた。代表祈祷の後、参加者全員で祈りを捧げた。
そのほか、青木仁志氏(日本CBMC理事長)の開会挨拶、ゴスペルシンガーのチェ・ドクシン、ピアニストの小堀英郎、ギタリストの池田宏里3氏による特別賛美と演奏、国会議員や各国大使の挨拶があった。