101213日の台風19号による被害が、各地で明かになっている。

浸水と救助の様子が、各ニュースで報道された埼玉県川越市小坂の特別養護老人ホーム「川越キングス・ガーデン」。

15日朝、ようやく水が引き、施設内、周辺の復旧作業が始まった。

職員、業者、関係者によるボランティアが作業や連絡対応に奔走していた。

現場は錯綜している。救援ボランティアなどの問い合わせは正式な窓口ができたから待ちたい。
※ボランティアセンター開設(22時更新)
→ https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/?p=25295

15日午前に、記者は同所を訪ねた。川越駅からシェアサイクリングサービスを用いて、自転車で現場まで20分強。川越市中心部はいたって平穏。蔵屋敷のあたり一帯は観光客で賑わっていた。1920日に川越まつりが開催される。川越に注目が集まることに期待ができるものの、被災地帯との意識のギャップは心配だ。

西北部の郊外に行くにつれて、田んぼの水たまり、撒き散らされたワラなど、被害の跡が目立ってきた。景色が一変したのは入間川の支流小畔川を超えてから。泥水の跡が目立った。

さらに川越キングスガーデンがある一帯は、低い地域のため昨日まで水が溜まっていたという。行政や業者の車が出入りしていた。

泥水が引いたばかり。ぬかるみが舗装 道を覆っていた。特養のホームに入ると、床は泥でおおわれ、棚、椅子、机などがひっくり返り、障子なども剥がれていた。

特養ホームのAB棟は水が浸り、やや高い位置にあるC棟にも水が迫ろうとしていたという。

渡辺圭司施設長は、C棟との連絡通路を指差し、「6段ある階段の23センチ下まで水が迫っていた。近隣の増水の危険を察知すると、まずAB棟の方々をC棟に移動。しかし段々と水位が上がり、C棟も床上浸水の恐れがあり、さらに2階に移動した。途中で電気が止まり、エレベーターを動かせなかったので、職員がお運びしました」と話した。

13日には、消防、警察のボートで救出され、いったん近隣の避難所の小学校に移動。そこからその日のうちに、市内の介護施設などに受け入れてもらった。

利用者に疲労はあるものの、大きな体調不良などはないという。

今日から施設に入れるようになっため、現状確認をして、電気、水道、ガス、電話などの配線の状況を業者に調べてもらう。

隣接するケアハウス主の園はやや高台にあったが、一階部分が浸水。厨房、事務室などにも被害があった。むしろそれによるスピリンクラーの故障によって、いくつかの部屋で消火用の薬剤が撒き散らされたことが問題だった。「ある部屋では天井がはがれたり、ぬるみのある液が廊下にも流れ、転倒する人もいた」と同施設管理者の鷹野みさきさんは述べた。

入居者は、2階以上に上がってもらい、空き部屋などで一夜を過ごした。14日には、いったん避難所に移動したのち、近隣の施設、教会、家族、友人知人宅に分かれた。

救援本部を設置し、ボランティアも募る予定だ。

社会福祉協議会のボランティアほか、近隣の教会が協力して、教会関係のボランティアも募る予定だ。現場は錯綜としている。連絡は窓口ができてからをお勧めする。
※ボランティアセンター開設(22時更新)
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