【訃報】58年間タイで宣教 森本憲夫氏逝去

58年間、タイで宣教をしてきた森本憲夫(もりもと・としお)氏が8月23日、逝去。88歳。24日前夜式、25日出棺式が現地で執り行われた。
1932年、高知生まれ。49年12月に受洗。57年、タイ宣教の召命を受ける。61年、聖協団聖書学院を卒業後、妻の豊子氏と結婚。62年、夫婦でタイへ。64年、バンコク日本語キリスト者集会(現バンコク日本語キリスト教会〔BJCC〕)開拓。67年、デピュテーションのため日本に帰国しタイ宣教支援会設立。68年、タイ福音連盟創設メンバーとして委員を務め始める。73年、タイ政府から永久ビザ取得。78年、牧野直之OMF宣教師が参加していた刑務所伝道を、牧野氏の帰国後に一宣教師として引継ぐ。同年、タイ児童福音伝道協会(CEF)代表となり91年、タイCEFビルを献品。99年、太田博タイ駐箚特命全権大使から日本人収監者援助・教誨への名誉功労賞を授与される。在タイ日本大使館から援助を受け、2008年に服役後出所した青少年の出所後の更正、社会復帰支援を目的とした「祝福の家」が完成した。

森本憲夫、豊子夫妻

生前、日本CGNTVの番組「宣教地からの手紙」でこう語っている。「タイ国での召しを確信しいろいろ思い巡らす中、10年ぐらい伝道したら帰って、後進にでも助言できたらと思っていた。だが、ある時主は『お前には自分の計画がある。自分の計画をすべて捨てて私の計画に従う者でなければ、私はお前を使うことはできない』と告げられた。私は『わかりました。私の計画は一切捨てます。もしあなたがお望みならタイの地に骨を埋めても結構です』と答えた」
葬儀に参列したタイ・ミェン族宣教師の有澤達朗氏は、「森本先生は児童伝道、刑務所伝道、『祝福の家』、車いす寄贈運動などに加え、伝道者養成に長期的ビジョンと重荷を持っておられた。台湾の神学校との協力関係を通し回教徒の多い南タイに神学校を設立する働きにも関わられ、その関係で亜洲宣教神学研究院より名誉宣教学博士を授与されている。タイで奉仕中の宣教師では最長だ。森本宣教師夫妻により救われた人々、訓練された働き人たちが、忠実に、長く、たゆまず、主と主の教会に仕えられるよう祈ってほしい」と語った。