[CSD]2006年 6月11日号ヘッドライン

[CSD]2006年 6月11日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★新改訳聖書第3版点字訳完成感謝会——点字訳普及のため支援を
★ダ・ヴィンチ・コードにもある「荒野の誘惑」——広島聖書セミナーで内田和彦氏講演

 = 2 面 ニュース=
◎インドネシア・ジャワ地震:広がる被害に支援の手——現地へ調査団派遣、募金活動始まる
★キリスト中心のメッセージは恵みへの動機——ブライアン・チャペル氏迎え公開講義
★ソウル国際ゴスペル大会——日本の竹下静さん特別賞受賞
★7月にソウルで世界メソジスト協議会開催
★<落ち穂>今も現役、125年前の説教講壇

 = 3 面 クリスチャンライフ=
★「元総理」は神様からのご褒美——羽田孜氏の妻綏子さんVIP目黒で講演
★中国の教会が海外で展示会
★<暮らしの中の信仰>優先席から学ぶ 記・東後 勝明

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★揺るぎない平安 どんな状況で子——堀ノ内 菊三郎さん[下](森村商事[株]情報システム部技術顧問)——沼田 誠さん[上](みずほオフィスマネジメ
★<善久のちょっと気になる発想法>営業は断られたときから始まる[15]記・斎藤 善久

 = 5 面 牧会/神学/社会=
◎「ダ・ヴィンチ・コード」受ける理由——スキャンダルで教会批判
★<オピニオン>見え隠れする信徒指導者のフラストレーション 記・村上 久
★英国:イエスに子ども——「ダ・ヴィンチ・コード」読者の6割が「信じる」

 = 6・7 面 キリスト教主義学校特集=
★人と会い神と会う場——60年変わらず三愛主義 千葉英和高等学校
★大自然の中 魂と魂が出会う——自主性育つ寮生活 キリスト教愛信高等学校
★都内18校紹介フェア8月に開催——銀座教会で第7回キリスト教学校フェア

 = 8・9 面 韓国特集=
◎呉正賢牧師に聞く:ピョンヤン大リバイバル運動100周年の今日的意義
★負債は福音宣教で返済——昨春開設した韓日聖徒キリスト教会
★<寄稿>韓国キリスト教の復興運動と教会成長——近現代史にみる韓国社会と教会 記・金永伯
★共に喜ぶファミリー共同体を——李廷石さん(ペンタグラム社会長)

 = 10 面 情報/読者の声=
★リポート:「かみがた噺の会」——露の五郎兵衛「神がた」落語会 記・三浦三千春
★リポート:ジョン・チャヌ ミラノ賛美教会コンサート 記・青木 勝
★投稿:映画「ダ・ヴィンチ・コード」について 記・高橋 秀典

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★CD:「めくりめく季節の中で——クリスマスからクリスマス」稲垣俊也・遠藤久美子(ライフミュージック、3,150円)
★CD:「life」Hands(Co.company records、)
★BOOK:『ダ・ヴィンチ・コード——その真実性を問う』ハンク・ハネグラフ、ポール・L・マイヤー著(いのちのことば社、1,000円)
★REVIEW:『心の重荷に別れを告げて——詩篇23篇の約束』マックス・ルケード著(いのちのことば社、1,680円)

 = 12 面 ひと=
★聖書全体がキリストご自身とその恵みを指し示している——ブライアン・チャペルさん(カベナント神学校学長)

インドネシア・ジャワ地震:広がる被害に支援の手−−現地へ調査団派遣、募金活動始まる=06061102

 インドネシア・ジャワ島中部で5月27日早朝発生した地震は5月30日現在、死者5千人超、負傷者約1万人、4万棟の建物が損傷するなど被害が拡大。今後、被災地では赤痢などの感染症が広がる懸念もあるという。
 ワールド・ビジョン(WV)は地震発生当日夜、200家族分の救援物資をジャカルタからトラック輸送し、翌日昼に被災地のジョグジャカルタ特別州南部バントゥル県に到着。ジェティス村の被災住民に防水シート380枚、毛布と現地住民が着用する腰布数100枚を配布、簡易ベッド39個を提供した。
 29日には170の簡易ベッドをはじめとする追加物資を輸送し、さらに防水シート、衛生グッズ、調理器具などの救援物資を手配中。今後1週間以内に7千セットの救援セットをバントゥル県および近隣に住む7千家族に届ける予定。
 ジョグジャカルタでは、5人の緊急支援専門スタッフと医師を含め15人のWVスタッフチームが、緊急支援物資の配布、医療支援の実施、バントゥル県と近隣のクラテン県で緊急ニーズ調査を行っている。
 特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)では「ジャワ地震緊急支援募金」を受け付けている。郵便振替00140・4・900
664、加入者/特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン、通信欄に「ジャワ地震緊急支援募金」と明記。TEL:03・3367・7253
ホームページhttp://www.worldvision.jp/
 国際飢餓対策機構(FHI)は、韓国、米国の緊急援助チームが現地入りし、緊急支援物資の配布や医療活動などを展開している。日本国際飢餓対策機構(JIFH)はこの動きと連携し、被災者救援のため10人収容可能な緊急用シェルターボックス50セット(500人分)を現地に向け輸送する準備を開始。シェルターボックスには、10人が泊まれるテントのほか、寝袋、炊事用具、バケツ、水、ロープ、スコップなどが入っている。また、JIFHスタッフの清家弘久、酒井保の両氏を6月6日に派遣した。義援金窓口は郵便振替00170・9・6859
0、加入者/日本国際飢餓対策機構、通信欄に「ジャワ島地震」と明記。ホームページhttp://www.fhi.net/jifh/
 日本緊急援助隊はケン・ジョセフ代表とボランティア数人が現地入りし支援活動開始。粉ミルク、缶詰、インスタント食品、米、寝袋、テント、救急箱などの救援物資を求めている。送り先〒106-8691東京都港区麻布郵便局私書箱65。ボランティア希望者はEメールteam@jhelp.comまで。義援金窓口は郵便振替00140・2・649
32、加入者:日本緊急援助隊、通信欄に「ジャワ地震」と明記。ホームページhttp://jhelp.com/
 横浜YMCAも義援金窓口を開設。郵便振替00230・8・287
8、加入者/財団法人横浜キリスト教青年会、通信欄に「ジャワ島募金」と明記。
 日本キリスト教協議会(NCC)も救援募金を受け付けている。郵便振替00180・4・757
88、加入者/日本キリスト教協議会、通信欄に「ジャワ島地震救援募金」と明記。ホームページhttp://ncc-j.org/

「ダ・ヴィンチ・コード」受ける理由−−スキャンダルで教会批判=0606110501

 映画「ダ・ヴィンチ・コード」が封切られた。著者のダン・ブラウン氏が「この小説における記述はすべて事実に基づいている」と述べているのを受け、米国では映画の公開に先立ち、クリスチャン側から様々な批判本が出版された。またテレビやインターネットでもブラウン氏が事実だとする小説の内容に関して数多くの誤りが指摘されてきた。
 アメリカ、カリフォルニア州のサドルバック教会ではちょうど5月16日から毎年恒例のパーパス・ドリブン・カンファレンスが行われていたが、その中で「ダ・ヴィンチ・コード」に関する質疑応答の時間が設けられた。講壇に立ったのは、元シカゴ・トリビューン紙の編集者リー・ストロベル氏である。彼は近年正典を攻撃する本が数多く売られていると指摘する。『それでも神は実在するのか』などの著者として著名なストロベル氏は、ダ・ヴィンチ・コードが出版されるやすぐにそれに反駁するための取材を行い、ギャリー・ポール氏と共著で小冊子『Exploring the Da Vinci Code (ダ・ヴィンチ・コードの探究)』 を出版した。彼はその中で、シカゴにあるノース・パーク大学のスコット・マックナイト博士の意見を紹介している。
 マックナイト氏は近年社会が教会に対して批判的になっている理由として、ローマ・カトリックの司祭やテレビ伝道師たちのスキャンダルなどを挙げている。また様々な理由で教会に傷つけられたと感じている人たちも「ダ・ヴィンチ・コード」の中に自分たちの抱いている主張を見いだそうとしているし、ポストモダニズムや価値観の多様化もそれに一役買っているという。歴史的な記述が間違いだらけであるにもかかわらず、人々は「ダ・ヴィンチ・コード」の中に流れるメッセージに耳を傾けたがっているのだという。
 しかしストロベル氏は質疑の中で、「ダ・ヴィンチ・コード」のヒットがノンクリスチャンとの対話を増やす機会になるのだとも強調した。彼は、教会のスモールグループで用いることができるようにと、「ダ・ヴィンチ・コード」の誤りを指摘し、聖書の学びを深めるためのテキストやDVD教材を作成した。ストロベル氏はそれらの教材を用いてノンクリスチャンを教会のスモールグループに誘ってほしいと願っている。「歴史や教義的な知識でキリスト教を擁護することも大事だが、もっとも人々に影響を与えることができるのはキリストとの出会いによってあなたの人生がいかに変わったかという証言なのです」とも。質疑の締めくくりに彼は神に、「あなたの人々を動員し、私たちを用いてください」と祈った。
 5月22日のUSAトゥデイ紙は「批判は『コード』を打ち破れなかった」との見出しで、映画の大々的な成功を伝えていた。しかし、これが伝道のチャンスとなるかどうかは、今後クリスチャンが「ダ・ヴィンチ・コード」をツールにどれだけ多くの人に自分とキリストとの出会いを証しすることができるかにかかっていると思う。(渡辺聡=宗教社会学)
*「『戦後60年とキリスト教』シンポより」は休みます。

呉正賢牧師に聞く:ピョンヤン大リバイバル運動100周年の今日的意義=0606110801

 韓国を代表する教会の一つであるサラン教会(信徒数約6万人)は、開拓して主任牧師を務めた玉漢欽牧師(現在はサラン教会元老牧師・サラン教会の付属機関である国際弟子訓練院の院長)から、若い呉正賢牧師(50歳)にバトンタッチして3年になる。呉牧師はアメリカで21年間牧会、「南カリフォルニア州・サラン教会」を12人から始めて6千人にまで成長させた経歴を持つ。韓国の若手牧師のなかで人気ナンバーワンといわれる呉牧師に、ピョンヤン大リバイバル100周年の今日的意義、今日の韓国の教会がかかえる課題、日本との宣教協力の可能性などについて聞いた。  ピョンヤンリバイバル100年周年を、韓国の教会としてどのように迎えようとしていますか?
 個人的には、十数年前にピョンヤンを訪問したときから、ピョンヤン大復興運動100周年の重荷が与えられました。教会としては、昨年のイースターに100周年を迎えるためのスケジュールを発表し、それから毎日カウントダウンをしながら教団全体で祈っています。力を注いでいるのは何より祈りです。100項目の悔い改めの祈り、7千300人の祈りの勇士を募る祈り、2007年と100周年にちなんで朝と夜の8時7分から100秒間全教会員で祈る運動、朝4時から3時間の「特別早天祈祷会」を3度行ってきました。
 教団としては、3月に8千人が集まって「ピョンヤン大復興100周年出帆大会」を開催しました。来年まで、各都市で大会を開催する予定です。
 超教団的にも、7月にリック・ウォーレン氏を迎えての大集会を、私自身が委員長になって準備中です。そして、できれば来年ピョンヤンで大集会を開催したい。
 ピョンヤン大復興運動100周年は、韓国の教会が新しい次元に進むための霊的覚醒の一大チャンスになります。
 韓国の教会は今、反省と見直しの時代を迎えていると言われますが・・・。
 韓国の教会がタイタニック号のように、傲慢になって沈んでしまわないようにと多くの人が心配しています。教会はノアの箱舟です。今、あらゆる面での再検討と反省が求められています。
 教会リーダーの立場としては、牧会哲学の確立が急務です。イエス様の遺言である大宣教命令が、何より教会の最大関心事になるべきでしょう。そのための大切なテーマが弟子訓練です。今まで、教えることには熱心でも、従うための訓練が不十分でした。福音によって変えられ、よく訓練された信徒リーダーが育たなければならない。数ではなしに、霊的再生産をもたらす信徒リーダーの育成が、教会成長の目安となるべきです。
 2つ目は、福音的純粋性の回復。儒教文化が持つ形式主義と冷笑的批判主義、知性偏重で実践をおろそかにする精神風土に影響され、福音のいのちが喪失しつつあります。それが、今日の韓国教会の根本的な問題です。
 日本の教会との宣教協力の可能性について・・・。
 インターネット時代を迎えて、ソウルと東京、北京とニューヨークの青年たちの意識構造がほとんど同じになりつつあります。そのような時代にあって求められるのは、牧会や福音宣教についての視点を世界的な規模で一致させることです。
 日本宣教に対しては、「韓国にとってのサマリヤが日本、日本にとってのサマリヤが韓国」という視点が大切ではないでしょうか。日本と韓国の間にはさまざまな葛藤があります。しかし、双方は文化的に深く交わってきたし、血統的にも兄弟の関係です。
 私がソウルに来る決心をしたのは、単にサラン教会のためではなく、「BESETO(ベセット)」に仕えるためです。北京・ソウル・東京の頭文字を合わせた言葉です。韓国が「ベセット」の戦略的要衝となり、コネクションになるべきだというビジョンです。
 サラン教会の英語礼拝には毎週1千300人が集っていますが、昨年から日本語礼拝、今年からは中国語礼拝をもつようになりました。それは、そのようなビジョンからです。
 駆逐艦を曳航する船があるように、「ベセット」という大きな駆逐艦を引っ張る船として、韓国の教会が用いられたらと切に願っています。
 
 日本の教会成長のために具体的な提言は?
 日本の歴史を学んでみると、福音化するチャンスが何度かあったのにうまくいかなかったのは、短期間に資本主義が根付いてしまったことが原因ではないでしょうか。日本は第二次大戦後、もう少し経済的に苦労していたら、もっと福音化は進んでいたかも知れません。しかし結果的には、韓国動乱ですぐに経済的に回復しました。
 キリスト教精神を土台としない資本主義は、腐敗と快楽主義をもたらします。東京とソウルほど、性的に堕落した都市はないと言われます。中国での政治的腐敗も深刻です。結果として、それぞれの国で福音はだんだんと窒息させられていくのです。
 このような問題意識をもって、教会が力を合わせて福音の力を回復させる必要があります。
 日本の教会は、福音を知性的に理解しようとし過ぎかも知れません。福音はある意味で単純ですし、単純な信仰こそ力の秘訣です。韓国の教会の長所は聖霊の顕著な働き、熱き祈り、献身、宣教への熱情だと思います。日本の教会には道徳性、正直さ、真摯さなどがあります。互いの良さを取り込み合うべきです。
 歴史的に精神文化や宗教は、韓国を通して入ったものが日本で成功したわけです。キリスト教だけは、西洋から直接入りました。韓国のキリスト教の良さを取り入れることによって成功するのではないかと、そのように主張する人もいます。
 仏教や儒教は、言うならば宗教的には初歩の段階。福音の観点からすれば律法です。昔、福音が広がり始めた頃の韓国で、仏教は「葬儀の家」、儒教は「法事の家」、キリスト教は「宴会の家」だと言われました。放蕩息子を迎えた父が最初にしたのが宴会でした。日本も「宴会の家」の時代を迎えることを、心から期待し、祈っています。
 サラン教会日本語ホームページ
http://japanese.sarang.org/