[CSD]2006年12月10日《ヘッドライン》

[CSD]2006年12月10日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★近畿宣教会議:人材の育成が急務——教会の弱体化を直視
◎教育基本法「改正」に強く反対——22大学の教職員・研究者らがネットワーク

 = 2 面 ニュース=
★近畿宣教会議:ビジョン大きく小事に忠実に
★20世紀と21世紀の間の神学——聖学院大学で連続講座
★<教界人事>日本長老教会:大会議長に福田真理氏
★<落ち穂>クリスチャンライフは朝型…

 = 3 面 クリスチャンライフ=
★故・金サムエル氏の生涯が本に——『王様への招待』出版記念聖会
★聖なる契約を果たす教育を——聖学院中学高校が100周年
★<クリスチャンでない夫をもつ妻たちへ>[1]買い物籠をもった妻 記・神津 喜代子

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★救いの働きの道具として——佐々木 達史さん[下](冨士土地[株]営業部)
★<池田守男に聞くサーバントリーダーシップ>[5]「もったいない」と返品・焼却ゼロ掲げ

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★<私の愛国心>[9]米国で育ち気づいたアイデンティティー 記・黒田 摂
★<オピニオン>祝された牧会への道のり 記・赤坂 泉

 = 6・7 面 中国宣教特集=
★中国のクリスチャン人口8千万人——海外からの宣教援助が成長を支えてきた
◎驚きの映像が見せる家の教会の実情——DVD「十字架——イエスは中国におられる」

 = 8・9 面 聖書特集=
★目と耳から聖書を味わう——DVD新約聖書 全巻完成
★「贅沢な」聖書の読み方——『知恵の言葉の美術館』『イエスの言葉の美術館』
★<書籍紹介>『ヨハネの黙示録』福田秀雄著(聖書の友社、2,100円税込)
★信仰養う「おとなの日曜学校」——日本基督教団西宮教会
◎最先端技術を聖書研究に応用——「J—ばいぶる」シリーズ新ソフト開発
★新年の準備に…みことばカレンダー

 = 10 面 教会学校=
★<いまどき子ども事情>「たいせつなきみ」とミュージカル効果——子どもに笑顔が戻ってきた 記・城倉 翼
★<CS分級アイデア>うまく描けるかな?——くるくる変わる絵パズル 記・石橋えり子

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『Chirstmas Book vol.5』万代栄嗣著(ウィズダム出版、1,050円税込)
★BOOK:『いくたびつまづき途方に暮れかけても』成瀬武史著(いのちのことば社、1,905円税込)
★DVD:「白バラの祈り」(ライフ企画、4,935円税込)
★REVIEW:『たった一度の人生だから』星野富弘・日野原重明共著(フォレストブックス、1,260円税込)

 = 12 面 教会=
★新会堂完成で新たな出発——日本長老教会満濃キリスト教会



◎教育基本法「改正」に強く反対−−22大学の教職員・研究者らがネットワーク=0612100102

 教育基本法の改定を憂慮する大学関係者らが各大学で声を上げ、「教育基本法改定案に反対する大学人有志の訴え」として、大学間でネットワーク状に連帯するつながりを全国的に形成している。この大学間の訴えは、内海愛子氏(恵泉女学園大学教授)、小林正弥氏(千葉大学教授)、竹内久顕氏(東京女子大学講師)、千葉眞氏(国際基督教大学教授)らが呼びかけて広がった。11月27日現在、東京女子大学、恵泉女学園大学、国際基督教大学、敬和学園大学、千葉大学、北海道大学など22大学の教職員・研究者ら有志が反対アピールを発表するなどしており、賛同者の数は全国で560人以上にのぼる。
 11月14日に衆議院第2議員会館で開いた記者会見には、湊晶子氏(東京女子大学学長)、木村利人氏(恵泉女学園大学学長)、石井摩耶子氏(同大学元学長)、藤田英典氏(国際基督教大学学長)らが出席、教基法「改正」に強く反対していく意思を固めた。湊学長は、「『個人の価値』よりも『公共の精神』に重点をおくもので、戦前のように教育が国家の統治手段となる恐れがある」などとして改定案を懸念。「十分な議論もなしに、強行採決はゆるされない」と批判した。また、現行教基法の作成にかかわった河井道が創設した恵泉女学園大学の木村学長は、「(教基法の改定は)憲法9条改定への一里塚としか思えない。戦争への反省を踏まえた教育基本法を変えてしまっては、日本が惨害を与えたアジアへの責任が果たせない」とし、強く反対した。
 呼びかけ人らは、「教基法の改定案は、日本の教育と社会を大きく変質させるもの。そうした不安と危惧を抱いている大学人が、各大学で自分たちの意思と決意を表明しました。このたびの反対アピールは、現今の情勢に対して、研究と教育に対する責任を有する大学人としての訴えです」として、賛同者を募っている。

◎驚きの映像が見せる家の教会の実情−−DVD「十字架−−イエスは中国におられる」=061210070

あえて驚きの映像と言おう。50年以上にわたりベールにつつまれて謎だった中国の家の教会の姿が、はっきりと見えてきたのだから。
中国のキリスト教会の歴史と現状を伝えるDVD「十字架―イエスは中国におられる」(4枚組み4,800円+税)が、日本語字幕付きで発売された。
3年前に中国国内の大都市にある家の教会で、このDVDの一部を観る機会があった。その時にまず驚かされたのは、中国でも都市部ではDVDを観ることができる層が広がっていたということ、もう一つは、3年をかけてプロのカメラマンが撮ったという映像の美しさと、おそらくノンクリスチャンが観ても魅力的な内容になっていることだった。聞くところによると、すでに中国全土の家の教会に1千万枚も伝道のため無料で頒布されたという。
従来、迫害下にある中国の家の教会の映像は、一部の関係者の間ではビデオ映像としてなくはなかったが、公になるときは、人物の身元が分からないようにモザイクがかけられていた。それは、中国の家の教会の人々を迫害から守るという配慮による処置だったが、文字通りベールのかなたに思いを馳せるしかない状況だった。今回のDVDでは、驚くことに、中国のクリスチャンが堂々と顔を出してそれぞれが救いの証を語っている。おそらく、中国政府は確実にこれを手にするだろうが、神を愛する者にとって、すべては相働いて益となるという信仰に立って、この撮影は敢行されたのではないだろうか。
内容は、第1集「生命泉」、第2集「血種」、第3集「苦杯」、そして第4集「カナン讃歌」の4部構成となっている。各集は、中国のキリスト教の歴史を俯瞰する映像から始まり、中華人民共和国の誕生の瞬間や文化大革命などの貴重なフィルムも随所に盛り込まれ、作品の質を高めている。
「生命泉」では、驚異の経済発展を遂げる中国の闇の部分に迫り、犯罪者や麻薬中毒者などがキリストによって全く新しい人生に変えられた証が次々と登場する。企業の中で礼拝がもたれている映像など衝撃的だ。
「血種」では、義和団事件以後の中国の教会の迫害の歴史が語られる。福音主義教会を代表した王明道牧師や小さな群れを指導したウオッチマン・ニーなどの物語のほか、現在も活躍する広州のサムエル・ラム牧師、上海在住の謝模善牧師らへのインタビューも生々しい。
「苦杯」は、家の教会のために長年祈っているクリスチャンにとって、おそらく一番心にふれる証かもしれない。特に、農村での集会や洗礼式の様子は、使徒の時代を彷彿とさせる映像である。たとえば、集会一つを撮るにしても、俯瞰するようなアングルから、次第に家の集会の模様に近づき、人々の祈る姿のアップが迫ってくる。野外で祈るクリスチャンの群れも時には逆光になり、シルエットが浮かび上がるといった演出も試みている。若い伝道者たちの聖書訓練学校の模様も出てくるが、そこで熱心に祈り、仕える者として伝道に出かけるけなげなその姿は、日本の生ぬるい信仰に甘んじている青年たちに衝撃を与えるのではないか。
「カナン讃歌」は、特別篇として付いてくるものだが、中学も出ることができなかった農村の若い女性小敏さんは、次々と賛美を作詞作曲、その1千曲にも及ぶオリジナル曲は、今や中国全土で賛美されているという。このDVDが制作される過程で、「顔が出て怖くはないか」と問われた時、小敏さんは「何の問題がありますか。捕まれば刑務所で伝道するだけです。外で伝道するか中で伝道するかの違いだけです」と答えたという。これは、以前、小敏さんが伝道した罪で逮捕され、牢獄で過ごした時、囚人に証し賛美したことがきっかけとなって、多くの人々が救われたという体験から来ている言葉なのだ。
このDVD全4巻を観るには、約4時間かかる。だが、第1巻から始めて次々と観てしまいたい映像の魅力がある。たぶん、これまで中国宣教に重荷をもってきた人々には必見の作品といえよう。だが、それにとどまらず、全く中国に興味のない人にも、もし今、信仰生活に行き詰まり、閉塞感を覚えているなら、このDVDは、その閉塞感を打ち破ってくれる作品かもしれない。
〈申し込み、問い合わせ=リバイバル新聞社・TEL:03・5342・3881〉  

◎最先端技術を聖書研究に応用−−「J−ばいぶる」シリーズ新ソフト開発=0612100902

 聖書研究ソフト「J—ばいぶる」シリーズを開発する日本コンピュータ聖書研究会(JCBR)。1995年に、パソコンで聖句検索や翻訳の比較などができる「1st」を発売して以来、コンコルダンス(語句辞典)、ギリシャ語(新約)やヘブル語(旧約)原書表示など、新たな機能を加え常にバージョンアップを図ってきた。現在JCBRでは、「10年先を見据えた」ソフトの開発を進めている。
 この秋には、織田昭氏(大東キリストの教会牧師)の著書『新約聖書ギリシャ語小辞典』(教文館)、『新約聖書のギリシャ語文法』(教友社)をそれぞれデータ化。加えて11月に、織田氏が20年をかけてギリシャ語朗読した新約聖書原典全巻をデータ化し、「アナグノースマ(朗読)」(写真右下)として発売した。これにより、パソコン1台あればギリシャ語原典、辞書、コンコルダンス、文法書、そして原典の朗読を一度に表示することができ、「まさに理想的な聖書研究が可能」とJCBRの能城一郎代表(暁キリスト教会牧師)は語る。
 また、12月には七十人訳ギリシア語聖書(LXX)原典研究ソフト「J—LXX」を発売。「LXXの開発は、97年に旧約聖書の原語研究ソフト『3rd』を発売して以来の願いでした」と能城氏は振り返る。LXXの版権はドイツ聖書協会が所有していたため、日本聖書協会を通じて交渉を続け、02年に許可を取得。その後、渡米などのため完成が遅れたが、今月、ようやく約10年越しの思いが叶った。「J—LXX」は、LXXコンコルダンス機能搭載。英語訳LXXも備え、辞書には「Lidell & scott Greek-English Lexcon」簡易版を使用。これらの機能に加えてヘブル語原典や日本語訳旧約聖書を使用すれば、自分でLXXの翻訳検討もできる。
 これらのソフトや、来年春の発売に向けて開発を進めている新作ソフトには、以下の利点がある。1.試用版がダウンロードできる。試用起動が7回まででき、インストール、使い方、機能の動作などを自分で確認してから利用登録をするため、購入してから「起動できなかった」という心配がない。2.自動更新機能搭載。自動更新機能とは、パソコン(Windows)を自動的に最新の状態にし、コンピューターウィルスなどの攻撃からパソコンを守る機能。このシステムを利用し、ソフトのプログラムや聖書研究データベースをオンラインで自動的に更新することが可能。3.ダウンロード版の提供。商品を取り寄せる必要がなく、海外にいてもすぐに購入できる。4.マイクロソフト社が07年1月から発売する新OS「Windows VISTA」にも対応。能城氏は「この10年で日本ではブロードバンド化が進み、またパソコンの計算速度も20倍と、飛躍的に高速化しました。オンライン・サポート、オンライン・サービスを含めた、時代の最先端の技術を聖書研究に応用できるようにと願っています」と語る。
 試用 版や商品に関する詳細・問い合わせはホームページ=http://jcbr.gospeljapan.com/