[CSD]2007年6月3日《ヘッドライン》

[CSD]2007年6月3日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★横田早紀江さんの心情を歌に——ポール・ストーキーさん自作の歌をコンサートで演奏
◎「これからの3年が勝負」——国民投票法成立に改憲反対の市民ら抗議行動

 = 2 面 ニュース =
★神によって喪失が希望に——聖書と精神医療研究会シンポで宣証
★「完全な勝利」求めよ——ロドリゲス氏コロンビアでのリバイバルの鍵語る
★「日本人もかかわってほしい」——英国の「サーブ・アフガニスタン」要請
★<落ち穂>機能的な存在から人格的存在へ

 = 3 面 教界ニュース =
◎平和憲法改定への道を危惧——国民投票法強行採決に抗議声明
★クリスチャントゥデイのカルト疑惑本紙報道に抗議
★<オピニオン>スピリチャリティーに切り込む 記・北 秀樹
★<あなたの一票を>[5]国立に吹いた「新しい風」 記・関口 博<下>(国立市長選立候補者)

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★「美味しかった」が励みに——杉浦 孝王さん[下](辻調グループ校日本料理教授)
★<更正の手がかり>[2]半歩違ったことをする 記・梅津 善一(公認会計士)

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★日本はどこに行くのか[3]戦時下における「信教の自由」と日本の教会の罪責 講演・後藤敏夫
★<精神障害と教会>[4]大切なことは受け入れにくい 記・向谷地 生良

 = 6・7 面 宣教アイテム特集=
◎歌う側にも聴く側にも伝道の機会——創立130周年迎えCD「立教女学院聖歌集」
★書道で伝道、新キャラクターも——アリーブ堂・谷 彩女さん

 = 8 面 全面広告=
☆第13回 世界宣教セミナー
会期:7月10日(火)—13日(金) 会場:関西聖書学院
Tel.0743-70-8600 Fax.0743-70-8601

 = 9 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★DVD:「めぐみ——ひき裂かれた家族の30年」(ギガ・コミュニケーションズ、4,935円税込)
★BOOK:『教会の暦と行事カット集』柏木牧子著(日本基督教団出版局、1,890円税込)
★REVIEW:『現代を創造的に生きるために』河野勇一著(いのちのことば社、1,260円税込)

 = 10 面 関西だより =
★ラブ・ソナタ大阪:伝道も広告も心の理解から——CM制作の秘訣を宣教に生かす
★教会が進める知的障害者福祉——松阪キリスト福音教会「スウェーデンホーム」

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★「尊敬する妻の伝道」と記念誌にして継続——後藤喜良・友子夫妻の牧会した教会・信徒ら150人以上が寄稿
★家族で神に向かって賛美——韓国音楽一家 初の合同コンサート
 
 = 12 面 ひと=
★いのちと性の尊厳を見失いつつある社会に——水谷 潔さん(小さないのちを守る会新代表)






◎「これからの3年が勝負」−−国民投票法成立に改憲反対の市民ら抗議行動=0706030102

 憲法改正の手続きを定める国民投票法が5月14日、参院本会議で採決され、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。当日は午前から多くの市民団体が衆参両議院会館前などで抗議集会を開き、法案の廃案を求めたがかなわず、集まった市民からは怒りの声があがった。(3面に関連記事)
 参議院議員会館前の通りでは日本YWCA、「平和を実現するキリスト者ネット」、「平和をつくり出す宗教者ネット」「許すな! 憲法改悪・市民連絡会」などの諸団体が抗議行動。国民投票法成立の知らせを受けるとすぐに「憲法改悪を許さないぞ」、「改憲手続法反対」、「私たちは最後まで頑張るぞ」などのシュプレヒコールをあげ、成立に抗議した。「許すな!憲法改悪・市民連絡会」の高田健氏は、「たった今、法案が通りましたが、このことによって私たちの決意は少しも揺らいではいません。今日を機に、新たに『憲法改悪を許さない』という声をあげていきたい。国会の外では多数派であるこの声を力に、与党に反撃していきたい」と集まった市民らに呼びかけた。
 その後は参議院議員面会所でも反対集会を開き、多くの市民が社民党、共産党の議員らとともに憲法「改正」に反対していく決意を新たにした。同法の施行は公布から3年後とされ、その間は改憲原案そのものの提出・審査は凍結される。「この3年が勝負」。集会に訪れた社民党・福島みずほ参議院議員は市民らに訴えた。「今回はがっかりですが、闘いはまさに今日から。3年はあっという間です。一人でも多くの人に『憲法改悪を許さない』という運動を広げていきましょう」
 また、日本キリスト教協議会前議長の鈴木伶子氏は、「こうして一つひとつ、私たちの願いがつぶされています。戦後、私たちが教師たちに『どうして戦争が起こるまで行動を起こさなかったの』と問いかけた、その教師たちの悔しさが今、目の前で起きています。ただ当時と違うのは、私たちは歴史を知っており、そして世界の情報が入ってくるということです。世界中が、私たちの憲法九条を目指しているということを知っています。世界の大勢の人たちが私たちを見守っています。決して孤独な闘いではありません。成立したからといって失望しているひまはありません。これからの3年間、主戦場が国会の外に移ってきます。これからが私たちの本領発揮です」と訴え、市民らを励ました。

◎平和憲法改定への道を危惧−−国民投票法強行採決に抗議声明=0706030301


■日本同盟基督教団
「教会と国家」委員会
 日本同盟基督教団「教会と国家」委員会(朝岡勝委員長)は5月15日、「国民投票法成立に抗議する声明」を出した。声明では、・同法は十分な審議を尽くしたものとは言い難い、・最低投票率が設定されていない、発議から投票までの期間が短いなど、憲法改正の手続を定める法律としては様々な不備が見られる、・同法が誤った方向での憲法改正に道を開く端緒となった、の3点で同法を批判した。特に・では、安倍首相が進める「憲法改正」は、「自民党新憲法草案」によれば現行憲法9条の「平和主義」は「安全保障」に改変されて軍隊の保持と集団的自衛権の行使が可能となっており、また現行憲法20条の信教の自由と政教分離の規定にも大きな改変がなされている、など、憲法「改正」の危うさを指摘。「平和をつくる使命を委ねられたキリスト者として、誤った方向への憲法改正に道を開く本法の成立に強く抗議する」とともに、「この国を愛するキリスト者として現行憲法を重んじ、平和と自由を祈り求めていく」と表明した。

■日本友和会(JFOR)
 JFOR(橋本左内理事長)は5月15日、「国民投票法の強行採決に厳重に抗議する声明」を安倍晋三内閣総理大臣あてに送付した。
 同法は、「住民基本台帳に登録されていない市民を排除するものであり、法の下の平等を謳った憲法14条、及び日本も批准している自由権規約25条に反する重大な人権侵害である」点、「『国民投票において、白票は現状維持(改正反対)』と判断する最高裁判所裁判官の国民審査の解釈と矛盾するものである」点など、「多くの問題をもつ欠陥法である」と指摘。特に人権侵害の点においては、JFORは「国連経済社会理事会」に特別協議資格を有するNGOとして、国連に訴える運動を展開していくことを表明した。また、「天皇制を残し、今また憲法を改正して軍隊を復活させる事は、平和国家建設を誓った世界に対する裏切り行為」であると批判。日本国憲法第九条は世界の平和を希求する人々の宝であり、「悲惨な戦争や紛争を蔓延させる憲法改悪は絶対に許されない」として強く抗議した。

■日本YWCA
 YWCA(石井摩耶子会長)は5月15日、「安倍内閣の強権政治に屈せず、平和憲法をいかし、世界に広めることを決意します」とする声明を出した。声明では、パレスチナや中国、韓国のYWCAに属する女性の意見を紹介し、「過去の戦争の反省に立ち、過ちをくりかえさないという誓いと恒久平和を求める平和憲法の崇高なその精神は、今や国境を越え、人種や宗教を超えて広まっている」と指摘。「これからも平和をつくり出す世界の女性たちとともに、平和構築のビジョンをもっておおらかに、そして軽やかに活動していく」との決意を表明した。

■日本キリスト教
     婦人矯風会
 日本キリスト教婦人矯風会(佐竹順子会長)は5月17日、「改憲国民投票法の成立に抗議する声明」を安倍晋三首相あてに送付した。声明では、同法は「その意味さえ充分に市民に周知、理解されてはいません」と不備を指摘。また審議が十分にされていないこと、18項目に及ぶ付帯決議がつくなど多くの問題のある同法が「少数意見をないがしろに強引に数の力で採決された」として強く抗議した。

◎歌う側にも聴く側にも伝道の機会−−創立130周年迎えCD「立教女学院聖歌集」=0706030601

 今年で創立130周年を迎える立教女学院中学・高等学校。同女学院の聖歌隊が、「古今聖歌集アーカイブプロジェクト」を進行中で、今年度中には全録音を終える予定だという。

 同プロジェクトは、日本聖公会の「古今聖歌集」が、昨年秋に新しくなったことを受け、「古い歌詞のものを、何かの形で残そう」と企画されたもので、全450曲のうち、よく賛美される250曲ほどを録音する予定。高校聖歌隊を中心に、口コミで集まった聖歌隊OGも合わせて70人ほど登録者がいるという。
 1930年に礼拝堂が完成して以来、現在まで続いている聖歌隊は、毎年オーディションで選ばれ、「毎日の礼拝で奉仕している」。「『古今聖歌集』は小学校から入学した生徒であれば12年間、中学からの入学者は6年間、毎朝歌っていたことになります。聖歌が身に付き、何番はどの曲かということまで、生徒たちは暗記しています。これほど親しんできたものですから、歌詞が変わったものもあることは寂しい気も。『新しいものに変えないでほしい』との声もある中で、今回の記録録音に踏み切りました」と語るのは、同女学院で年間オルガニストとして勤めてきた岩崎真実子さん。
 録音のために集まってきたOGたちは、「もう一度歌詞やその意味を味わいつつ」収録に臨む。クオリティーの高いものをと、録音もプロに依頼。2日間連続で5時間ずつ、1日10曲ずつ程度録音を進めているという。すでにCD化されているものもある。クリスチャンでないけれども「女学院の礼拝になら行く」という卒業生や、「家庭の中でもよく賛美していた。それを聞いていた兄弟が今では洗礼を受け、クリスチャンになった」という人も。
 同学院の礼拝堂は、昨年東京・杉並区の文化財にも指定された。米国聖公会から派遣されたC・M・ウィリアムズ宣教師が1877年に東京湯島の地に創設。初代校長を務めたブランシュー宣教師をはじめ、主に宣教師たちの奉仕によって学院を形成し、創設7年目には築地の一角に校舎も得た。
 1923年の関東大震災で校舎、設備の一切が壊滅。当時の生徒585人中370人が被災した。政府の震災復興資金と米国聖公会からの37万5千ドルという巨額の援助により、被災の1年後には杉並区久我山の地に4.3ヘクタールの土地を購入し、キャンパスを移転。1932年には現在の校舎群と「聖マーガレット礼拝堂」を得た。
 以来、礼拝堂内に設置してあった電気アクション式のパイプオルガンが、70数年経って老朽化が進み、「生徒たちが毎日聴くもの。いいものを提供したい」と、1998年に新しいオルガンが設置された。
 「オルガンはよく使えば100年、200年はもつもの。新しく取り入れたオルガンは、米国のテーラー・アンド・ブーディー社製のもので、図らずも、同社の工房があるバージニア州はウィリアムズ宣教師の出身地なのです」と岩崎さん。
 オルガンには、ブドウの木と鳥や動物たちの絵柄が施されたチャペル内の装飾に、違和感なく設置できるようにと、同じ装飾を施した。新しくなったオルガンを用いてレクチャーコンサートシリーズも行ってきた。「現在制作中のCDに加え、今年で3年目を迎えるこのレクチャーコンサートも学外に対して福音を発信していく働きとして、今後も継続していきたい」と岩崎さんは語る。
 生徒たちの学院生活にとけ込んだ礼拝と賛美が、確実に福音の種をまき、実を結んでいる。