[CSD]2003年1月19日《ヘッドライン》

[CSD]2003年1月19日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★覚せい剤依存の子が神に変えられる——弟子教会が更生施設実現へ協力求む
★弱者を支援する米国の多人種教会牧師ピアス氏を講師に——日本ペンテコステ・教役者大会(2月5—7日)
◎イラク・軍事制裁:キリスト教界各方面で反対——現地キリスト者回避祈る
★社告:新連載「脱北——川向こうの基督」スタート
★<恵みのどんでん返し>震災に召命を揺さぶられて 記・朝岡 勝
★<落穂抄>神の働き伝わる年賀状

 = 2 面 =
◎南部アフリカ諸国 数百万人飢餓——日米福音同盟が緊急支援で連帯
★ノーベル平和賞は日曜学校教師——受賞式でカーター元大統領の信仰を紹介
★「クローン人間」は奴隷化の犯罪——実現情報にバチカン非難
★パキスタン:クリスマス礼拝に手投げ弾18人死傷
★首相閣僚今年も伊勢参拝で抗議——菅民主党党主にも警告
★<論説>世にある教会——終末論的存在として 記・津村 春英
★<神のかたち>[27]預言者ヨエルによって語られたことです 記・稲垣緋紗子
★<今週の本棚>『恵みに生きる訓練』ジェリー・ブリッジス著(いのちのことば社発売、2500円) 評・石黒 實
★<今週の本棚>『神谷美恵子との日々』野村 一彦著(港の人、1900円)
★<今週の本棚>『私の福音書』吉岡 潤吉著(イーグレーブ、1000円)
<情報クリップ>催し情報ほか

 = 3 面 特集・ケズィック=
★座談会:ケズィック回顧と展望——御言葉開かれ、より聖なる深化へ
黒木安信・岡田信常・久保木勁・峯野龍弘・村上宣道

 = 4 面 2003新年の抱負=
★教団・教派・聖書事業・各種団体

 = 5 面 =
★中嶋常幸プロゴルファー7年振りの優勝の舞台裏——講演で自らの信仰を証し
★憎むことから解放された人々の体験談——フォレストブックスが刊行
★識字教育と教役者訓練に東ティモールへ——ブラジル人宣教師エキノ・ポートさん
★英国:マイア「レイプ被害者」説番組に視聴者が抗議
★幼稚園連続不審火実行犯は園長の妻——日本福音ルーテル教会がお詫び
◎新連載<脱北—川向こうの基督>[1]あの子、北朝鮮人だって 記・松本 望美

 = 6 面 ビジネスのページ=
★<信仰人スピリッツ>増山 瑞比古さん(株・フジプロフェシオ社長)——聖霊に従えば毎日が宴会
★<クリスチャンのための経営塾>[5]「トヨタ方式の元祖はイエス・キリスト」(1) 記・鹿嶋 春平太
★<BUSINESS BOOK REVIEW>『青い目の近江商人ヴォーリーズ外伝』岩原 脩著(文芸社、1700円) 評・中野 雄一郎
★<私の信仰とビジネス>[5]宅急便への道のり 記・小倉 昌男

イラク・軍事制裁:キリスト教界各方面で反対−−現地キリスト者回避祈る0301190103

昨年1月の「悪の枢軸」発言以来、米国のブッシュ政権が、フセイン政権打倒を名目にイラクに軍事制裁を加えようと準備が進行している。国連の非公開文書によれば、イラク攻撃の初期段階で約50万人のイラク国民が負傷するという予測がたてられている。
 このような中、キリスト教界では各方面から軍事行為に対する反対声明が出されたり、抗議行動などが起こっている。イラクでは現地のクリスチャンが戦争回避を祈っている。【CJC、ルーテル・アワーPS】
◇    
 昨年11月、「世界メソジスト評議会青年委員会」が、軍事制裁に反対を表明した。「青年メソジストと世界中の若き成人の声として『青年委員会』は、イラクへの攻撃は中東全域を政情不安に陥れかねず、人的犠牲も避けられないことを懸念している」と声明は指摘している。
 一方、イラク国内のクリスチャンらは今回の事態に不安を隠しきれない。イラク第2の都市バスラを訪問したENI記者によると、クリスチャンの多くが戦争状態に突入した場合には、クリスチャンとイスラム教徒の間で、宗教的な対立が起こりかねないことを危惧しているという。
 それは湾岸戦争時に、イスラム教界内部で熱狂的な運動が起きたためだ。しかし、現実にはキリスト教とイスラム教間の関係は、その後は良好に保たれ、問題は生じていないという。しかし、これまでも福音伝達(改宗など)の禁止や言論の自由の制限があり、今後の状況によりさらに厳しい制限が課せられる可能性もあるという。このような中、クリスチャンらは戦争回避を願い、11月22日を「祈りの日」とした。イラクのクリスチャンは約65万人だ。
 イラク北部キルクークの長老派福音教会のアル・ジャズラウィ牧師は「交戦状態になれば、イラク国民としてクリスチャンとイスラム教徒は一致して助け合わなくてはならない」と述べた。
 12月に入り、国際人権の日の10日、ニューヨークでは国連本部近くで、超教派のデモが行われた。社会行動のためのメソジスト連盟、米教会協議会、教会ワールドサービスなどが呼びかけた。
 ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世はクリスマスミサの中で、「すべての人々が協力して、中東での不吉な戦争の兆候を消すよう求める」と述べた。
 

南部アフリカ諸国 数百万人飢餓−−日米福音同盟が緊急支援で連帯0301190201

アフリカ南部の食糧危機に対し、日本福音同盟(JEA)援助協力委員会(中台孝雄委員長)が緊急支援を訴えている。協力関係にある米国福音同盟の援助協力機関ワールド・リリーフからの報告・要請に基づくもの。報告によると、状況は特にマラウイとジンバブエで深刻になっている。
 マラウイでは農作物の不作が続き、緊急の援助食糧を必要としている。住民は収穫前の穀物を刈り取らざるを得なくなり、それも尽きようとしており、次の収穫期の4月まで生き延びることが困難。数百万人が飢餓寸前に追いやられる危険があるという。
 ジンバブエでは厳しい干ばつに加え、統治の不安定さが全土にわたって食糧支援を停滞させている。USAIDは、支援活動が行われなければ600万人が死に直面すると報告している。
 ワールド・リリーフのカルバー総裁は「人々は死に瀕している。この飢餓はエチオピアやスーダンで起きた以上の最大規模のものだ」として、「増大しつつあるこの飢饉に対応するカギを、現地の教会が握っている」と伝えている。
 募金は3月末までに、郵便振替00190・5・7790、(JEA)日本福音同盟援助協力委員会へ(「南アフリカ諸国飢饉支援」と明記)。
 

新連載<脱北−川向こうの基督>[1]あの子、北朝鮮人だって 記・松本 望美0301190506

夏休み目前の中国D大学の寮の一室。
宣教師の身分を隠している私と、数人のクリスチャンと求道中のクラスメイトたちで、毎週、こっそりと祈祷会をもっていた。
 その晩、「長白山に登らなきゃ韓国人じゃない!」という友人の一言で、朝鮮民族発祥の地とされている長白山のある延辺への旅行が決定した。
 列車に揺られて23時間。少数民族である朝鮮族の住む朝鮮族自治区に到着。「え? ここ中国?」改札を抜けるやハングルの表記、ハングルの会話。
 ハングルで話し掛けられ「わかりません」と中国語で言うと、即座に中国語に切り替えるタクシー運転手。普通語で話している途中からなぜかハングルになってしまう売店のおばさん。「冷麺・犬鍋」の看板。
 日曜日、私たちは、近くの教会に出席した。
 席に座っている少年と目が合う。彼は、人懐っこく笑った。小学校3年生ぐらいだろうか。そっと友人が耳打ちした。「あの子、北朝鮮人だって」「え!」「16歳でね、川を渡ってきたって。あの隣の朝鮮族のおじさんが育てているらしい」
 衝撃的だった。脱北者のことは、日本にいるときから知っていた。北朝鮮では、飢餓状態がひどく、川を渡って中国に食べ物を求めてやってくるのだと。
 「みつかったら彼は強制送還、朝鮮族でかくまった人は逮捕。だから、あのおじさん、偽の身分証を買ったって」
 延辺は、北朝鮮がシルエットで見える。市場へ行けば、北朝鮮の物品のほか、金日成バッチも売っている。そして多くの脱北者が潜伏している。
 次の日、中朝国境に行った。川幅は、50メートルもない。向こう岸に老人の姿が見えた。
 「おーい!」手を振る韓国人の友人。「南北は、戦争中だよね?」と別の友人がいうと、「でも、同じ民族。韓国は、南北統一後、いつでも北に宣教に行けるように準備がされている」と真顔で答えた。「それに、脱北した後、多くが教会で福音を聞いているって」「東洋のエルサレムって呼ばれたんだよ、平壌は」。私の中でそれらの言葉が響き、今日まで見た光景とカチっとつながった。
 36年間の日本の統治。朝鮮戦争。南北分割。独裁・圧制政治。飢餓。脱北。北朝鮮に安息はない。でも、主は覚えている「東洋のエルサレム」を。
 こんな暗黒の状況からでも、いつかきっと主はそれを回復される——。そう思った時から、私の脱北者との関わりが始まった。