いのちのことば社の移動キリスト教書店「ゴスペルボックス」は4月19~21日、石川県北部・能登半島を巡回。本紙記者も同乗し、被災地の教会の声を集めた。
【間島献一】

(今回の訪問教会一覧)

▷金沢独立キリスト教会(金沢市小立野4-5-1)
▷珠洲クリスチャンセンター(珠洲市上戸町北方い-1)
▷聖書教会連盟・七尾聖書教会(七尾市大和町チ部18-1)
▷同・能都聖書教会(鳳珠郡能登町宇出津山分イ30)
▷同・羽咋聖書教会(羽咋市東川原町チ39-14)
▷同・門前聖書教会(輪島市門前町走出5-44)

ゴスペルボックスの石川県巡回は20 12年以来12年ぶり、能登半島へは11年以来13年ぶりとな った。記者の同乗取材も初の試み。今後、いのちのことば社のYouTubeチャンネル「ぶんでんチャンネル」でも、今回の訪問の様子を伝える。

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記者は4月18日、発災109日目に金沢に入った。観光公害が問題になるほどで、同県内で激甚災害があったようには見えない。翌日、車で北上。羽咋と七尾を一直線に結ぶ邑知潟(おうちがた)断層帯を越えた頃、風景は一変した。通行不能の橋やトンネル、車の背丈ほどの段差も。日没後の通行は危険だ。沿道には、特徴的な黒い瓦と黒い壁の家々が、崩れたまま放置されている。そしてそこに、桜やタンポポが咲き誇っていた。発災から100日超が経ってなお水道が来ない教会でも、ゴスペルボックスを迎えると笑顔があふれていた。
この極めて対称的な事象が、どうして起こっているのか。教会で話を聞くうち記者が気づいたことは、交わりが続いていること、それが広がっていること、そして、礼拝が守られていることだった。


珠洲市宝立(ほうりゅう)町の目抜き通り「奥能登絶景海道」。発災111日目、4月20日の様子。家ががれきと化し、道路脇に壁と積まれた中を、ゴスペルボックスは進んだ


ゴスペルボックスが走行した、能登半島を縦貫する高速道路「のと里山海道」。これも4月20日の様子


門前聖書教会での販売。訪問時、宣教師のトラス氏は近隣の補修工事をしているところだった


砂利道の白い部分は水道復旧工事跡だが、建物内の配水管は壊れたままの珠洲クリスチャンセンター


七尾聖書教会に到着したゴスペルボックス。左端には白い貯水タンクが置かれている

(7面へ続く)