第4回ローザンヌ会議に向け「大宣教命令の現状報告」
伝道地と文化への考察が拡大
世界150人の識者が2050年に向けた宣教の現状と展望を分析した「大宣教命令の現状報告」(Lausanne State of the Great Commission Report)の全体像が明らかになった。同報告書は第四回ローザンヌ世界宣教会議(9月、ソウル=インチョン)に向けた宣教リポート。
①現在の状況、②文脈の変化、③地域に関する考慮事項、の三部構成で4月23日に①、②がオンライン(URL lausanne.org/report)で公開された。豊富なグラフとテーマ設定、考察がある。全体は文書で500頁になる予定。
①は宣教学の幅広い尺度を用いて動向を紹介。「大宣教命令」そのものへの神学的考察にはじまり、世界のキリスト教動態、単立やペンテコステ派の興隆、未伝道地域、資金調達、聖書翻訳や弟子訓練などについて統計資料とともに考察した。②は世界の新しい潮流を10の問いを切り口に紹介。すでに西洋中心ではないキリスト教の多中心性、世俗化、分断や不正の課題を抱えた宗教やキリスト教自体の「信頼」の問題、正義と公正、世界的な中流層の増加、高齢化、アフリカの人口増、持続可能性、AIなどをめぐる「人間の意味」、デジタル宣教などの内容が強調された。③では、世界12地域ごとに各国の状況展望が報告される予定だ。
23日にはオンラインで報告会があり、同報告書代表のマシュー・ニューマンさんは「未伝道地域におけるのと同様に、デジタルに親しむ人々に対しても、その文化に合わせた宣教が必要」と強調した。