[CSD]2002年5月26日《ヘッドライン》

[CSD]2002年5月26日《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎韓国:キリスト教団体が亡命支援——中国・瀋陽日本総領事館事件
★韓国:NGO取締りは困難、人道主義の原則で解決すべき
◎有事法制の問題性を問う集会相次ぐ——「共生」法制めざし
★イスラエル:ベツレヘム聖誕教会解放——内部の損傷少なく
★<青天幕に射した光>[7]「皆さんの力を借りたい」
★<落穂抄>「アイ・ハブ・ア・ドリーム」

 = 2 面 =
★日基教団西東京教区:「君が代」伴奏拒否教諭らの窮状聞く——地元教会として向き合う
★スーザン・ハント女史招き「教会における女性の働き」探る——改革派中部中会・長老教会東部中会が協力開催
★A・レイニー氏講演「旧約の背景のエジプトとカナン」証拠はあるか
★<神のかたち>[3]彼にふさわしい助け手を造ろう? 記・稲垣緋紗子
★<教界の動き>東京女子大学学長に湊 晶子氏ほか
★<論説>IT依存症にご注意——どうしても必要なことではない 記・杉本 玲子
★あかし文学賞:キャンドルの灯火[7] 作・島田 裕子

 = 3 面 IT特集=
★選べる買える一目でわかる、接客体験生かした検索機能——CLCホームページ
★検索も簡単 情報満載——いのちのことば社ホームページ
★米国クリスチャンサイト訪問——グリーティングカードを送ろう
★韓国IT事情:携帯電話から聖書など検索——初のクリスチャンチャンネルも誕生
★クリスチャンドメイン簡単取得——覚えやすく信頼性もアップ

 = 4 面 シリーズ エバンジェリスト=
☆奥山 実氏——世界宣教にすべてを掛ける

 = 5 面 =
★天井裏から証しの日本画——娘夫妻が今に伝える母の信仰人生
◎ヤングライフ:初のユースリーダーズ・コンベンション
★東洋ローア:盲人牧師の開拓伝道、牧会体験談語る
★<召天>ハンス・ビュルキ氏(元IFES副総主事)
★<今月の試写室>「マッリの種」——観客にも答えを考えさせるインドの少女テロリスト 評・高梨 大

 = 6 面 生活のページ=
★<あの日のメッセージ>普通を求めた生活から 記・木村 宣雄
★<投稿>本田弘慈先生に出会って
★<投稿>JEA新総主事に期待すること
★<今週の本棚>『魂の傷を癒すあわれみのミニストリー』和泉 康子著(いのちのことば社、1,800円) 評・矢野 悦子
★<今週の本棚>『ヤベツの祈り』B・ウィルキンソン著(いのちのことば社、1,400円)
★<今週の本棚>『解放される神様』ロン・メル著(生ける水の川、1,800円)
★<情報クリップ>催し情報ほか





韓国:キリスト教団体が亡命支援−−中国・瀋陽日本総領事館事件0205260101

中国遼寧省瀋陽市の日本総領事館で5月8日、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)から5人が亡命を図り構内に入ろうとし、中国の武装警官に拘束連行される事件があった。その背後には、北朝鮮住民の脱出から韓国定住までを支援する韓国のキリスト教NGO(非政府機関)の働きがある。一方、脱出者を支援した韓国人牧師・伝道師らが、中国公安当局に抑留されている。  CJCが韓国・東亜日報の報道として伝えたところによると、事件を主導したのは、韓国の牧師が代表を務める民間団体「拉致被害者、北朝鮮脱出者の人権と救命のための市民連帯」などで、4月から計画を練っていたという。5人は、昨年6月に北京の国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を通じて韓国に亡命したチャン・ギルスさん(18)一家の中国に残っていた親族。今回事件の一部始終は韓国の聯合ニュースが撮影し、AP通信などを通じ世界中に配信されたが、同団体があらかじめ計画について聯合ニュースなど韓国マスコミに通報していた。
 同団体のスポークスマンは、中国国内で北朝鮮脱出者への取り締まりが強化されているとして、「中国当局がどんなに脱出者を監視、警戒しても亡命強行が続くことを全世界に示すため」と今回の目的について述べた。
 一方、北朝鮮からの脱出を支援している団体は複数ある。韓国の中央日報が4月25日に報じたところでは、中国黒龍江省で北朝鮮脱出者12人をモンゴルに逃がそうとしていたドゥリハナ宣教会所属のチョン・キウォン伝道師(46)が昨年12月に逮捕され、今も公安当局に拘留されている。当局は、チョン伝道師が脱出者の逃避を主導し摘発されたのは2回目だとして起訴する方針と伝えられる。12人は全員が北朝鮮に強制送還された。
 また延辺朝鮮族自治州延吉市で北朝鮮出身者を見守ってきたチェ・ボンイル牧師(48)が4月15日、公安当局に逮捕された。チェ牧師は3月に北京での北朝鮮脱出者25人の亡命申請以来、中国当局が北朝鮮脱出者への対応を強化したため、彼らを安全な場所に移そうとして摘発された。
 NGO関係者は「北朝鮮脱出を助けているところを抑留された宗教人らが、公安当局から過酷な扱いを受けている」と主張している。
 基督公報の調べによると、ドゥリハナ宣教会は99年から活動を開始し、韓国国内で約900人が毎月支援献金をしている。これまで同宣教会の支援によって北朝鮮から韓国に逃れてきた人は72人に上り、宣教会は豆腐工場を造って亡命者らの生活基盤をも支援している。

有事法制の問題性を問う集会相次ぐ−−「共生」法制めざし0205260103

有事法制関連3法案が今、国会で審議されている。法案が通れば「生命や財産、権利がないがしろにし、国家のためにあらゆる協力を強制する戦争動員法である」と危機感をもつキリスト者らにより、有事法制の問題性を認識するための各集会が開催されている。  5月10日、「有事法制に関する緊急学習Part2—私たちにとっての有事法制—」(平和を実現するキリスト者ネット主催)が新宿区の日本キリスト教会館で開催された。講師は聖学院大学大学院客員教授(平和学研究)で元防衛庁防衛研究所戦史部長の岩島久夫さん(日本キリスト教会柏木教会員)。
 岩島さんは戦時中、海軍兵学校に入学。卒業後特殊潜航艇「蛟龍」の水中特攻隊員としての訓練を受けた。その帰路で原爆投下直後の広島に入り二次被災として被曝する。その限りなく死に近い2つの特異な原体験を持つ岩島さんは防衛庁在籍中から常に「核アレルギーはどんなに強くても強すぎることはない」と訴えてきた。
 今回、提出された有事法制関連3法案に対しては「ソ連が崩壊し脅威が無くなった現在、有事法制は必要ない。もし有事法制を作るにしてもアメリカの戦争と関係する海外有事を先に考えなければ国内のことは説明はできないはず」「憲法改正をしなければ作れないはずである有事法制は『法秩序のクーデター』である」と述べた。
 1952年、戦史部在籍中の有事法研究で資料を集めた経験から、一連の有事法制化の動きとヒトラー政権確立の手法の類似性を指摘。ヒトラーが「全権委任法」を手中にし国防軍最高司令部を創設してドイツ国防軍を抑え込んだように、小泉首相も自衛隊も含めた総理大臣の権限拡大を意図していると述べ、「有事法制化すればかつての国家総動員法と類した効果を持つだろう。自衛隊入隊希望者は減少するので徴兵制にも進むだろう」と語った。
 「戦争は、その脅威を唱える者の鏡である」(『戦争論』)というクラウゼウィッツの言葉から、「有事は小泉首相の鏡である」。「危機を管理するために危機をつくれ」と言われるように、小泉首相はわざと「新しい危機」をつくって「本当の危機」を国民の前から隠そうとしているのではないかと指摘した。
 「有事法制を作れば作るほど対外的な交流は減っていく。聖書的にいえば和解ととりなしによって対話の量を増やし対外的な脅威を減らしていく『共生』法制を目指すべきだ」と共生を強調した。

 5月11日に東京都文京区で行われた「政教分離の会」全国集会では、「靖国神社問題と有事法制を考える」と題して討論会が、「政教分離の会」事務局長の西川重則氏の司会のもとで行われた。
 普段、国会を傍聴している西川氏から「最近の有事法制関連の答弁では、個人の尊重より公共の福祉が優先されて、解釈されている」と指摘。それに対し、参加者からは「公共の福祉が概念のないものとなっている」との発言がなされた。
 さらに今月7日、衆議院有事法制特別委員会の質疑で中谷元・防衛庁長官が、自衛隊の防衛出動時に民間業者に保管命令を出す対象として食糧、水、燃料、建設資材などの物資を挙げ、さらにそれらの保管命令違反でいわゆる「良心的拒否」も罰則されるとした問題について討論された。
 会場からは「良心的兵役拒否」についての質問、論及があったが、参加していた弁護士の今村嗣夫氏(日基教団・百人町教会員)は「現在の日本の状況下では良心的兵役拒否というものは馴染まないのではないか」とした。「良心的拒否と良心的兵役拒否は分けて考えるべきだ」との意見もあった。
 参加者からはドイツやロシア、韓国などの良心的兵役拒否の実態も報告された。特に徴兵制のある韓国では良心的兵役拒否は認められておらず、それを貫こうとしたキリスト者が投獄されていることも話された。
 そのほか全国5か所で提訴されている靖国訴訟について、靖国参拝違憲訴訟原告の辻子実氏(バプ連盟・恵泉バプテスト教会員)による報告などがあった。

ヤングライフ:初のユースリーダーズ・コンベンション0205260502

若者の伝道に携わるユースリーダーの育成を目的として、5月2日から4日、ユースリーダーズ・コンベンションが軽井沢フェローシップバイブルキャンプ場で開催された。主催したのは、ヤングライフ・ジャパン(スコット・ムーア代表)。今回が初めての開催で、70人の参加者募集に対し、130人が集まった。代表のスコット氏は「(ユースへの伝道が)必要だと思っていても、方法が分からない人が多いのではないか」と推測する。
 ヤングライフは、アメリカに本部があり世界30か国で活動している。今回は米コロラド州コロラドスプリング支部の責任者ダン・ジョセップ氏が、チームとともに来日。
 講演で「若い人たちを変えるのは、あなたの人生、存在」であり、若者と無駄に見える時間を過ごす必要性を語った。
 プログラムでは、突然キャラクターが会場に乱入するなど、参加者を楽しませる工夫が織り込まれていた。また、ユースリーダーの訓練を受けている若者らがボランティアスタッフとして奉仕するなど、成長を励ます工夫もキャンプの過程で紹介された。
 「青少年の霊的成長を助ける」「ボランティアリーダーのリクルート及び訓練の仕方」「中高生との関係の作り方、育て方」「ヤングライフとのパートナーシップ」「中高生をキリストに導く」「ゲームやプログラムに対するアイデア」などのテーマが選択セッションで提供された。
 日本のヤングライフは現在、長野県の2つの教会を中心に活動している。青少年の健全育成のため、他の団体とも協力している。ヤングライフのスタッフが、ボランティアで高校で英語やレスリングを教えるなど、要請があれば協力できる分野が多くある。また、親しくなった生徒らに教会のイベントなども紹介している。
 アメリカで毎年開催されているヤングライフのキャンプに参加したことによって教会につながる高校生も多い。
 スコットさんは「教会は若者に対する伝道の必要性を感じている。そのような教会とパートナーシップをもっていきたい」と語る。
 アメリカのヤングライフキャンプの参加者も募集している。問い合わせはTEL0268・28・6311まで。