[CSD]2002年9月22日《ヘッドライン》

[CSD]2002年9月22日《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎「ふうけもん」映画化へ——元祖便利屋・右近勝吉さんの人生ドラマ
★引きこもり 元気に——談話室「シャローム」オープン
★同時テロから1年の9・11——NYの日本人クリスチャンたちは今
★米国:英米教会指導者らイラク攻撃に反対
★<恵みのどんでん返し>神は人を通して愛を表される 記・森本 雄三
★<落穂抄>永遠を想う旅人

 = 2 面 =
★<教会がカルト化するとき>[3]聖書と実から吟味されるべき指導者の「服従」のありかた 記・ウィリアム・ウッド
★日本伝道者協力会:新会長に福澤満雄氏——大衆伝道の課題と可能性
★みことばと黙想「静まりの夕べ」
★<論説>小泉首相訪朝の意味——日本・韓国・北朝鮮間に平和を 記・油井 義昭
★<神のかたち>[18]わたしの名のために・・・姉妹を・・・ 記・稲垣緋紗子
★<今週の本棚>『小羊の王国』岡山英雄著(いのちのことば社、1600円)
★<今週の本棚>『教会と心のケアー』古川第一郎著(聖恵授産所出版部、920円)
★<今週の本棚>『神様からのごほうび』ユリア・M・くによし著(チクマ秀版社、1500円)
<情報クリップ>催し情報ほか

 = 3 面 =
★新潟聖書学園50周年:新潟、北陸、日本そしてアジアへ

 = 4 面 特集・キリスト教主義学校=
★教師が不登校の子に学ぶ——全国キリスト教主義学校人権教育セミナー
★ヴォーリズ精神に立ち新しいチャレンジ——近江兄弟社高校・単位制課程

 = 5 面 =
◎不況下、教会の対応は?——クリスチャン情報ブック2003宣教アンケート結果
★聖書の教える清い生活を——ピューリタン東京大会開催

 = 6 面 全面広告=
☆東京:第17回聖化大会 大阪:第43回ジョン・ウェスレーに学ぶ会

 = 7 面 =
◎コンピュータ学校が教会に——東京武蔵野福音自由教会が新会堂献堂
★賛美グループ「LYRE」記念コンサート——神学生時代から10年
★<ひと>木村公一・おっちょ夫妻——17年間のインドネシア宣教を終えて
★米国:テロ被災地の子どもを集め夏季キャンプ
★聖霊とおはぎで励まし——欧州キリスト者の集い レポート:ケイコ・エデン
★献身を考える時に——TCI学生有志が宣教大会を企画

 = 8 面 ビジネスのページ=
★<信仰人スピリッツ>三谷 康人さん——顧客(信徒)創造の視点を
★<クリスチャンのための経営塾>[1]「マーテティング」企業の努力に学ぶ 記・鹿嶋 春平太
★<BUSINESS BOOK REVIEW>「リーダーシップ 人間力の鉄則」 評・中野 雄一郎
★<私の信仰とビジネス>[1]復員と結核 記・小倉 昌男


「ふうけもん」映画化へ−−元祖便利屋・右近勝吉さんの人生ドラマ0209220101

ちんぴらだった少年が宣教師の笑顔で回心。20代のとき世界無銭一周旅行を敢行し、30代で雑用一切引き受ける便利屋を旗揚げ。今はテレビや雑誌にひっぱりだこ。そんな元祖便利屋の右近勝吉さん(62)・日本福音キリスト教会連合キリスト教朝顔教会員・をモデルにした映画「ふうけもん」が、製作されることになった。企画はJ&Kインターナショナル(金珍姫代表)で、製作はキネマモーションピクチャーズ(高橋松男エクゼクティブプロデューサー)。同映画の発案者で企画プロデューサー兼事務局長の金さんは「この映画には教会が日常の風景として登場する。教会の新たなイメージを日本に植え付けるとともに、ぜひこの映画をシリーズ化したい」と抱負を語った。  韓国人プロデューサーが目を付け
 「寅さんみたい、シリーズ化したい」  マンガ『ふうけもん』(イーブック出版)のモデル、『人のために人となる人』(サンマーク出版)の著者の右近さんは、自分のことを「ふうけもん」(佐賀弁で「はみ出し者」の意)と呼ぶ。中学高校時代ヤクザの組に入り、新宿の盛り場でけんかに明け暮れていた。しかしある日、路傍で伝道する宣教師の笑顔に出会う。その笑顔見たさに教会に入り浸るようになり、やがてイエス・キリストを受け入れ、ヤクザから足を洗った。
 日本大学法学部を卒業後、海外旅行と転職を繰り返した右近さんは38歳の時、あるテレビドラマをヒントに、引っ越し、水道管工事、どぶさらい、庭の手入れなど雑用を一手に引き受ける便利屋、右近サービス社を開業した。「便利屋は人間出会い業」だと言い、「話し相手に」「食事を一緒に」「引きこもりの子と過ごして」など、「魂の便利屋」として寂しい心に寄り添う仕事もこなす。
 金さんは講演テープを通じて初めて右近さんを知った。その時の印象は「『男はつらいよ』の主人公車寅次郎とよく似ている」だった。「困っている人、寂しい人がいると飛んでいって助けたり、寄り添ってあげる姿が寅さんとダブったんです」
 韓国人クリスチャンの金さんは「日本で芸術を通じて宣教したい」と14年前に来日。研究所、大学院を含め7年間、日大芸術学部で学んだ。演劇科だったが映画の授業にも熱心に出席し、「男はつらいよ」や黒沢映画などを研究。「金さんには教えることはないよ」と担当教授から言われるほど日本映画通になった。
 その金さんが今年4月、日本宣教に貢献できる映画作りをしたいと神に祈る中で示されたのが「ふうけもん」映画化。寅さんと右近さんの類似点をセールスポイントに企画書を作り、キネマモーションピクチャーズの高橋さんに渡した。「これは行ける」と高橋さんも乗り気になった。
 右近さんも映画製作を了承。「金さんは『この映画はイエス様が示してくれた』と語った。イエス様を敵に回すのは大変だと思って『じゃあ、どうぞ』と返事をした」
 映画製作はすでに動き始めており、10月下旬には脚本が完成、年内には監督、出演者が決定する予定だ。右近さんは「1人でも救われる人が起こされれば本望」と語る。
 後援会も発足。発起人に土肥隆一(日基教団・和田山地の塩伝道所牧師、衆議院議員)、鈴木留蔵(日本国際ギデオン協会自立委員長)、尾山令仁(聖書キリスト教会会長牧師)、峯野龍弘(ウェスレアン・淀橋教会牧師)、中川健一(ハーベスト・タイム理事長)、三谷康人〔(株)鐘紡顧問〕の各氏らが名を連ねている。
 映画製作への参加、協力希望は〒106-0032東京都港区六本木3ノ4ノ25、メゾン六本木ビルB1、TEL03・3972・3790、FAX03・3972・3804、映画「ふうけもん」後援会へ。Eメールinfo@fukemon.org、ホームページはhttp://www.fukemon.org

不況下、教会の対応は?−−クリスチャン情報ブック2003宣教アンケート結果0209220501

不況下、失業率はとどまることを知らず過去最高を記録し続けている。厚労省の統計では、2001年の完全失業率は5・2%(季節調整値)。リストラ、就職難などの問題に信徒たちが直面した時、教会はどんな対応をしているのか。クリスチャン情報ブック2003宣教アンケートでその実情が明らかになった。  職業斡旋、家族も
 含めた心のケアを  集計結果では信徒の中でリストラまたは自主退職した人がいる教会は全国で33・1%(千554教会中514教会)。地域別では北海道がトップで40・2%、一番少なかったのは中国・四国の27%。
 リストラ・自主退職のコメントの中には、「献身するため」「聖日を守るため」という信仰的理由の回答もあったが、会社の倒産やパートの打ち切りなどで職をなくした人もおり、軽度の障害を持つ人や外国人の職探しが難しいという回答が寄せられた。「祈りによって再就職先が見つかりました」という報告も数件あり、教会、もしくは牧師との交わりの中で悩みを打ち明け、祈りを共にする中で職を見つけるということもあった。
 大学・専門学校新卒で就職できなかった人の割合は全国で10・9%(169教会)。北海道がトップで14・1%、一番少なかったのは中部地方で6・7%だった。1割強が新卒未就職者。回答の傾向として比較的多く寄せられたのが、「必ずしも正社員を望んでいない人が多い」「就職できないのではなく、しない人がいる」という声が多く、未就職者やフリーターの増加が教会の青年層にも広がりを見せていると言える。
 しかし、「青年層がいない」という声が複数あり、1割強という数字が一般的にいわれる就職難と比較して低いかどうかは不明確。
 リストラ・就職問題に関する教会の対応は「特にない」が41・4%で、無回答の15・3%を加えると55・7%はこの問題に対して対応していないと推測できる。次いで多かった答えは、「牧会の延長の課題として個別に対応している」36・6%。「地域の牧師会などで分かち合いと協力関係を持ちながら対応」3・2%も広い意味では「牧会の延長」と言えるが、「教会および教団の宣教課題として取り上げるべき」2・5%、「教団内の近隣教会とも連絡しながら」1・0%よりもポイントが高いところに、この課題と地域性の関係が表れているようだ。教会員同士で仕事の斡旋をしたり、牧師が社会経験がある場合、具体的なアドバイスや斡旋をするケースもある。教会付属の幼稚園などに紹介することも。一番多かった答えは「祈りによる支え」で、早天祈祷会や牧師と個別で祈るというケアが多数を占めた。
 「リストラからアルコール依存症になった方が教会にきて、礼拝出席をするようになり、家族も来るようになった」など、逆境の中から救いに導かれる人もいた。「生活や経済的な不安だけでなく、リストラ対象となったことの心理的傷が大きく、そのケアに時間がかかる」という牧師の声もあり、経済的応援よりも精神のケアに取り組む教会の姿勢が多く見られた。
 一方で「地方農村部の教会として若者の労働力が都市部へ流出した結果、この10年間は教会員が減少しつづけてきた。その反省で、教会では積極的に地域への就職の斡旋を勧めている」という声もあり、現代の問題に具体的支援に動き出した教会も少なからず見られた。

コンピュータ学校が教会に−−東京武蔵野福音自由教会が新会堂献堂0209220701

発展著しい東京・武蔵野市吉祥寺で開拓伝道の途上、バブル期に激しい地価高騰に見舞われ、会堂取得計画の再考を余儀なくされていた東京武蔵野福音自由教会(小川国光牧師)が、このたび元コンピュータ学校だったビルを好条件で入手、内装を手作りで改装して献堂にこぎつけた。その間、資金と力を宣教に集中し、株分けした2つの開拓教会も独立するなど宣教の実は大きく拡大している。  バブル期に計画を延期
 開拓進め2教会が独立  同教会は日本福音自由教会協議会国内宣教委員会の働きにより、81年に故・古山洋右氏が国内宣教師として派遣され、コンラッド宣教師と共に東京伝道を開始。吉祥寺駅に近いビル内のテナントとして83年に教会を設立した。当初から世界宣教を視野に入れ英語部も併設、国際色豊かな教会を形成しつつ5年後には礼拝出席が130人を超えた。
 5か年計画で新会堂用地取得を目指したが、地価高騰を機に「資金を会堂のために費やすより、宣教のために生かすべき時期」と外に目を向けて転進。89年に同じ東京西部の立川に、93年には同じく東村山に開拓伝道の拠点を築いた。95年には古山氏が闘病の末天に召される試練を通ったが、後を受けた小川国光主任牧師の指導のもとで立川、東村山の両教会は独立に至った。
 01年、小川牧師が教会の理念を「世界宣教を視野に入れ東京伝道を展開する中で、主の再臨まで主の福音を宣べ伝え続ける愛の教会を建て上げていく」と明文化して打ち出した。そのもとで信徒の訓練、交わりと励ましの場として会堂の必要を確認し、今年1月に今回の物件の購入を決めた。
 地上3階地下1階の当ビルは、初めから教会として建てたかのような円屋根の特徴的な外観。相場の半額という2億600万円で購入し、改装費約2千万円を加え、一括献金と教会債により資金が満たされた。
 1階がフェローシップホールと事務室、日本語・英語の両牧師室、2階が礼拝堂とキッチンで、地下にも礼拝堂と子供用ホールを設け、日・英両部が並行して集会をもつことができる。3階は多目的ホールとレクリエーションルーム、図書室、保育ルーム、音楽室。
 
 心の時代、市長
 も教会に期待  9月1日の献堂式では武蔵野市の土屋正忠市長も祝辞を述べ、「今日、日本が抱えている若い世代の問題は、自分がすべてだと考えて、自分を生み育ててくれた存在、この世に遣わして下さった存在を忘れていること。21世紀は心の時代、私たち世俗的な力だけでは立ち行かない。心の福音を打ち立てていけるかが問題です」と、教会の役割に期待を寄せた。日本福音同盟理事長の蔦田公義氏が説教を取り次いだ。
 新住所=東京都武蔵野市吉祥寺北町1ノ2ノ12、TEL0422・21・6458、FAX0422・22・0504。