[CSD]2003年9月28日《ヘッドライン》

[CSD]2003年9月28日《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎実を結ぶ「謝罪と和解」20年——第1回日韓親善教会宣教大会開催
★阪神タイガース優勝——胴上げは教会で
◎李 仁夏牧師、横田早紀江さんと面会——拉致問題解決、共に祈る
★<恵みのどんでん返し>韓国で再確認した十字架の救い 記・内野 聖子
★<落穂抄>SARS禍に教会を訪れた中国の青年たち

 = 2 面 =
★地域のキリスト者人口3倍増めざそう——第8回相模原シンポジウム
◎「教会カルト化」批判を検証——緑の牧場教会セミナーで教会員ら討論
★<提言>教育基本法を変えるとは 記・奥野 泰孝
★<今週の本棚>『あぁこの解放感』服部 嘉明著(ユーオディア、1000円) 評・川原 信夫
★<今週の本棚>『生きていく力』柏木 哲夫著(いのちのことば社、1000円)
★<今週の本棚>『わたしのママは世の光』錦織 充著(日本ホーリネス教団、700円)
<情報クリップ>催し情報ほか

 = 3 面 =
★心と目で聞く歌——東洋ローアが初のレーナ・マリア・コンサート
★声が出ないアクシデントに、祈って舞台へ——癒し体験した当重 茜さん(藤原歌劇団メゾソプラノ歌手)
★<人>大山 明牧師——礼拝堂で阪神戦観戦、近所の人と感動共に
★<召天>ペニー・フローレンス氏(<社福>レバノンホーム相談役)
★米国:メールアドレスに聖書のことばを

 = 4 面 教会学校教師の広場=
★「君は大切な存在だよ!」——新松戸リバイバルチャーチ ジョイフル・キッズ
★<先生キラッ>「お友だちにならせてね」——野村 あゆみさん
★<ゆっくり行こう!CS教師> 記・福井 誠
★<オッフーの神様と出会っていますか?>[1]すべてを解決できる神 記・藤田 桂子
★<まいまいのちょっと愛デア>[1]子どものひとことをテーマに 記・永井 真衣子

 = ?~? 面 クリスチャン・ライフ・ガイド キリスト教主義大学編・学校編・神学校編=
★キリストの香りを放つ者としてキャンパスに存在すること 記・湊 晶子
★キリストを信じたい女子学生——実証された在籍経験と信仰の相関
★キリスト教主義高校の礼拝で全くの違った世界が開かれた


実を結ぶ「謝罪と和解」20年−−第1回日韓親善教会宣教大会開催0309280101

日本が韓国を36年間植民地支配してきた罪に対する「謝罪と和解」。日韓親善宣教協力会(尾山令仁会長)は、81年に同協力会の宣教師として吉田耕三氏(ソウル日本人教会牧師)を派遣するなど、韓国に対し「謝罪と和解及び宣教協力」を教会レベルで進めてきた。そして今夏、「次世代の若者にこのスピリットを正しく引き継いでいこう」と、初の両国共催による宣教大会「第1回日韓親善教会宣教大会」(日韓親善宣教協力会、韓日親善宣教協力会共催)が実現した。20年余りの「謝罪と和解」の働きによる実を見るとともに、今大会をきっかけに両国間の宣教協力が今後、さらに加速しそうだ。
 「日韓両国の教会指導者、信者たちが一堂に会して共に礼拝し、聖書を学び、祈ることの意義は大きい」。東京・中央区の東京ホテル浦島で8月に開催された同大会で、20年余りにわたり日韓の懸け橋として奉仕してきた吉田耕三氏は言う。
 同大会には、次代の日韓における宣教協力の姿をかいま見る場面があった。開会礼拝では吉田氏の長女・平島範子氏(ウェスレアン・塩釜ともしびチャペル牧師夫人)が韓国人のために通訳した。韓国からは約50人のクリスチャンの若者が来日し、日本の若者と3日間寝起きを共にし、夜を徹して祈りと賛美をした。大会中、韓国に宣教師として遣わされる三股愛子氏(日本イエス・大分福音キリスト教会員)の按手派遣式が行われた。
 吉田氏は講演で、日本人のクリスチャン人口がいまだに1%にも満たないことに対し、「数ではなく、キリスト者の質・使命感が問題」と強調。「1919年の3・1独立運動の時、韓国のクリスチャン人口は20万人余り(1%以下)だった。しかし、この20万余りのクリスチャンが中核となって3・1独立運動を展開した。それは国内のみならず海外にも影響を及ぼした」とし、「私たちは小さくて、少ないかもしれない。しかし、神の御手に握られれば、5つのパンと2匹の魚で5千人を養うようなことが起こる。どうかこの聖書の原則に励まされ、福音のために再献身し、戦っていってほしい」と語りかけた。
 同大会には、韓国側から金義煥(カルヴィン大学総長)、朴相勲(勝洞教会牧師)、朴光玉(恵城教会牧師)の各氏など、牧師や長老が50人、若者を含め約100人が来日。大会には日本人の参加者を含め、282人の参加があった。
 大会中、神学校の卒業生があふれ働き場がない若者が多い韓国と、献身者が少なくて牧会者のいない教会が多い日本の現状を踏まえ、「韓国の若い牧師を訓練し、日本の無牧の教会に派遣する。日本の教会は、その受け入れ体制を整える」といった、今後の日韓間の具体的な宣教協力の提案もあった。
 今回、韓国側の団長として来日した金義煥氏が、「2年後に定年退職するが、その後は牧師のいない日本の教会で奉仕したい、と祈っている」と講演の中で語ると、会衆からは大きな拍手が起こった。
 故森山諭氏、尾山令仁氏とともに「謝罪と和解及び宣教協力」の働きを進めてきた村瀬俊夫氏は「日本人の若者の参加が少なかったことは残念だったが、この大会を機に日韓間の歴史認識を踏まえたうえでの一層の交流と宣教協力にはずみをつけていきたい」、吉田氏は「日韓両国の関係を考える時、謝罪と和解を抜きに宣教協力を進めていくのは1塁ベースを踏まないでホームに駆け込むようなもの。日韓親善を担っていく若者たちに、その点をしっかり引き継いでいただきたい」と述べた。
 今大会の成果を踏まえ、同大会は次回は韓国で、以後も交互に日本と韓国で、今後も定期的に開催していく方向で話が進められる見通しだ。
【中田 朗】

李 仁夏牧師、横田早紀江さんと面会−−拉致問題解決、共に祈る0309280103

日朝首脳会談から1年を迎え、9月18日、東京新宿区のいのちのことば社本社で、北朝鮮によって拉致された横田めぐみさんの母、早紀江さん(JECA・中野島キリスト教会員)を囲む祈り会が開かれ約70人が参加した。
 早紀江さんは「神様に『(問題解決を)いつどのようにしてくださるのですか』と祈っています。引き続きお祈りください」と参加者に心境を述べた。
 祈り会に先がけて在日大韓基督教会川崎教会の李仁夏牧師が早紀江さんと面会した。李牧師は「私は韓国籍だけれども、同じ朝鮮人がしたことで、早紀江さんの痛みを思うと会うのがつらかった。早紀江さんと夫の滋さんが、在日コリアンが主催した集会で、『在日の人の痛みは私たちの痛みでもある』という発言をしたのを聞いて感動し、会おうと思った」と語った。
 また、早紀江さんから「主にある兄弟姉妹なのだから、会えないことはない」という内容の手紙を受け取ったことが、今回の面会の大きなきっかけだとも話した。
 李牧師は面会の席上、早紀江さんに91年に北朝鮮を訪れたことと、そこで見た北朝鮮の実情を語った。
 李牧師は「拉致問題は国家犯罪だ。世界の国々で国家犯罪を犯していない国はない。十字架に解決のあることを早紀江さんに世界に向けて訴えていってほしい。日本だけの問題にしてはいけない」と話した。
 祈り会では?早紀江さんがハードスケジュールの中でも、健康と霊性が守られるように?拉致という犯罪を国際的にも理解してもらえるようにとの祈祷課題が挙げられ、参加者らは熱心に祈りをささげた。
 祈り会後、李牧師は「共に祈った女性が、戦前の朝鮮人たちの痛みを覚えてくださったのが心の癒しとなった」と語った。
 北朝鮮外務省スポークスマンが「拉致問題は事実上、完全に解決された問題」と談話を発表するなど、問題の解決にはまだまだ時間を要しそうな気配もする。そのような中で、問題の解決を願うキリスト者らの祈りは早紀江さんの支えになっている。
 次回の祈り会は10月23日(木)午後2時45分から、新宿区信濃町のいのちのことば社本社で。問い合わせは?03-3413-7861(斉藤)まで。 【藤川 義】

「教会カルト化」批判を検証−−緑の牧場教会セミナーで教会員ら討論0309280202

教会から離れた元信徒が、その教会が「カルト化している」と批判し、教会員の中に動揺する人も出てくる||ここ数か月間、そうした問題に直面している単立イエス・キリスト緑の牧場教会(東京都府中市、染本伸行牧師)が、教会に向けられている「カルト化批判」を検証するために、9月7日の日曜日午後、教会員を対象にセミナーを開いた。昨年クリスチャン新聞に連載し、いのちのことば社から21世紀ブックレットとして出版された『教会がカルト化するとき』に書かれていることなどが批判に引用されたことから、同書の著者でカルト問題に詳しいウィリアム・ウッド氏(真理のみことば伝道協会代表)を講師に招いた。  ウッド氏が著書で警告した「教会のカルト化」とは、いわゆる「異端」のように基本教理から逸脱しているわけではなく一般のキリスト教と変わらない福音を教えているにもかかわらず、マインド・コントロール的な手法で信徒を心理操作し、牧師・指導者への絶対服従を強要して異論を一切許さないなど、組織の在り方がカルト的になってしまう現象のこと。著書では同時に、ウッド氏が警告したのは問題を話し合いと祈り合いによって解決するためであり、教会に不満をもって安易に自分と同調する仲間を作ろうとしたり、牧師の悪口を言いふらしたり、分裂を起こしたりすることは禁物だと注意を促してもいる。  同教会の執事、セルリーダーらは「『カルト化』という言葉が単なる教会批判の道具として使われる場合もあるのではないか。同様のケースはどの教会にも起こりうるものだと思う」という。「自分たちの教会の痛みを伴う問題だが、それを提示することによって、類似した問題の発生を予防する助けになるなら」と今回のセミナーを企画、ウッド氏の講演の一部などをホームページ( http://netpal.co.jp/voc/ )で公開した。  セミナーでウッド氏は「カルト」の特色として、都合の悪い情報を制限し権威的に人々を支配するマインド・コントロールのメカニズムを概説。「マインド・コントロールの目標は依存心を育て、信者たちが自分で考え判断できないように操作すること。正しい聖書教育は一人ひとりが神様との個人的な関係を築き上げられるように自立心・自主性を育てるもの。指導者自身に依存させようとするマインド・コントロールとは全く違う」と、見分ける基準を示した。  ウッド氏の講演を聞いて信徒たちはグループに分かれ、和気あいあいとした雰囲気の中で活発に討論した。各グループの発表では「教会がカルト化していると批判されて思い当たるかを話し合ったが、この教会では自由に意見が言えることを再確認できた」「(批判は)放っておけばいいという人もいるが、キリストの体なる教会が傷を受ける。ある場合には、祈り、主にゆだねるしかない」など、多様な意見が出ていた。   【根田祥一】