[CSD]2004年2月22日《ヘッドライン》

[CSD]2004年2月22日《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎三浦綾子著『塩狩峠』のモデル長野政雄さん——殉職時に携帯していた聖書が94年ぶりに見つかる
★「剣をすきに、槍をかまに」——農作業で考える平和2・11
★キング牧師を記念した「国際名誉グランドマーシャル」に大川従道氏受賞
★<恵みのどんでん返し>母と兄の「死」を見つめ、今 記・山谷 豊
★<落穂抄>「地の塩」となる覚悟

 = 2 面 =
★統一協会からの「脱会強要」ではない——横浜地裁判決で牧師らの救出認める
◎統一協会の新入生勧誘予防パンフを発刊——プロテスタント5教派とカトリックが連携
★フィンランド:宗教間の協力強化に期待——9・11同時テロ受け大統領が招請
★バチカン:諸宗教との関係宣言40周年
★ナイジェリア:偽造薬退治に司祭の力期待
★<寄稿>平和の道閉ざす国家の宗教利用 記・草薙 順一
★<今週の本棚>『キリストの愛を知って』鈴木一郎著(いのちのことば社、1,050円) 評・守部喜雅
★<今週の本棚>『老いについて』大塚野百合著(創元社、2,000円)
★<今週の本棚>『しかし倒れない』ジョン・ビョウンウク著(小牧者出版、798円)
<情報クリップ>催し情報ほか

 = 3 面 日本人が作る世界の孤児院=
★ケニアにMFAパラダイス孤児院の建設スタート——手に職、大学への希望に大喜び
★北タイにエイズ孤児施設「さんたの家」——白ひげサンタ、子らと共生
 
 = 4 面 特集・三浦綾子の世界=
★私の人生を変えた『塩狩峠』——旭川六条教会 先達の足跡追う中島啓幸さん
★「苦しみは因果応報ではない」に衝撃——『続泥流地帯』を読みキリスト教へ 土屋浩志さん
★<書評>『三浦家の居間で』(マナブックス、1323円) 評・長谷川与志充
★全国で三浦綾子読書会

 = 5 面 =
★宣教地での体験を本に:ろう者伝道で日韓のかけ橋に『信仰に国境なし』(長澤久美子著)
★宣教地での体験を本に:首狩り族が神の子に『みことばは力をもって』(ジョー・シェトラー著)
★真実を知りたい遺族のために「交通事故対策マニュアル」作成——息子を亡くした児島早苗さん
◎オヤジギャグ禁止のビジネスマンのランチ会——「めちゃ若くない?VIP」
★教会員の悩みに牧会者どう援助?——「牧会カウンセリング講座」4月開講
★<召天>アルフィン・アンドゥス氏(新生運動[現新生宣教団]第2代総支配人、76歳)

 = 6 面 教会学校教師のひろば=
★楽しみは「お好み焼きタイム」——長老教会・杉並教会 子供会
★<先生 キラッ>加藤真喜男さん(長老教会・杉並教会)
★<ゆっくり行こう!CS教師>[18]モデル化できない部分にどう対応? 記・福井 誠
★<オッフーの神様と出会っていますか?>[6]許せなかったあの人を… 記・藤田 桂子
★<まいまいのちょっと愛デア>[6]おともだちカードで知ってみよう 記・永井 真衣子

三浦綾子著『塩狩峠』のモデル長野政雄さん−−殉職時に携帯していた聖書が94年ぶりに見つかる04022

 列車を脱線から守るため、自らの命を犠牲にした鉄道職員の愛の生涯を描いた故三浦綾子さんの小説『塩狩峠』。主人公のモデルとなった長野政雄さんが殉職の際、身につけていたとされる聖書が、94年ぶりに東京の遺族宅で見つかった。聖書はポケットサイズで「新約全書」と書かれた表紙の一部には血痕とみられる染みがあった。現在、この聖書は長野政雄さんの母教会である旭川六条教会が遺族から譲り受け、保管している。
 長野政雄さんは1909年(明治42)2月28日、北海道上川管内和寒町の塩狩峠で急勾配を逆走する列車を脱線転覆の危機から救うため、乗っていた列車から線路に身を投じ29歳で殉職した。この愛の証しに感動したクリスチャン作家の三浦綾子さんは、同じ教会の信仰の先輩でもある長野政雄さんの生涯を小説『塩狩峠』としてまとめた。この究極の愛を問うた内容は、30年間で、世界13か国に読み継がれ、国内では330万部突破の大ベストセラーとなった。今も、殉職の地である塩狩峠には、小説『塩狩峠』に感動した人々が生きる意味を求めて訪れている。
 2月28日(土)には、事故現場の近くに建てられた「塩狩峠記念館」で「究極の愛とは何か」をテーマに第15回長野政雄さんをしのぶアイスキャンドルの会が開かれる。三浦綾子さんの夫で三浦綾子記念文学館館長の三浦光世さん、三浦綾子さんの教え子で牧師の中山洋一さん、そして、長野政雄さんの生涯の実録を信仰雑誌「百万人の福音」4月号から連載する中島啓幸さんが、座談会で「究極の愛と何か」を語り合うことになっている。
     【守部喜雅】

統一協会の新入生勧誘予防パンフを発刊−−プロテスタント5教派とカトリックが連携0402220202

 3月、4月は、高校卒業生、大学新入生をターゲットに世界基督教統一神霊協会(以下統一協会)の勧誘活動が最も盛んになる時期だという。
 この統一協会の執拗で巧妙な勧誘に対し、学生に注意し啓発することを目的とした予防パンフレット「これが素顔!」第4版が3月に発売される。
 第4版出版の大きな意義は昨年10月、日本基督教団、カトリック教会、日本聖公会、在日大韓基督教会、日本福音ルーテル教会、日本バプテスト連盟の協力により発足した「統一協会問題キリスト教連絡会」(愛澤豊重代表幹事)の企画制作だということ。
 第3版までは日本キリスト教団・統一原理問題連絡会の発行だったが、「統一協会の問題は日本基督教団だけの問題ではなく、全キリスト教派が一致してことに当たらなければならない」との認識から、カトリック教会とプロテスタント5教派で「統一協会問題キリスト教連絡会」を発足。その最初の取り組みが「これが素顔!」改訂版の作成だ。
 特徴は?予防に力点を置いた内容?現代の若者気質を考慮しイラストとマンガを多くした?小見出しを多くし、それを見れば大体のことはわかるようにした?各教派の相談窓口の内容を充実させた?統一協会問題関連のホームページアドレスを載せている?各教団教派の統一協会に関する声明を折り込みで入れている、など。
 表紙はミントグリーンで若者感覚。統一協会の霊感商法の手口、勧誘のやり方、合同結婚式についてもイラスト入りでわかりやすく解説。家族や友人が入信してしまった場合の対策方法も具体的だ。
 全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長の山口広弁護士は、「統一協会の問題点である霊感商法、勧誘の手口、合同結婚式は、司法の間では違法であるという判断が固まっている。問題は、いまだに同じ手口で被害に遭う若者たちが出ていること。この冊子を用いることで、早い段階で手を打ってほしい」と述べた。
 A5判16ページで、1冊100円(税込)。現在予約販売受付中。問い合わせはTel:03・3202・0541、日本基督教団事務所まで。

オヤジギャグ禁止のビジネスマンのランチ会−−「めちゃ若くない?VIP」0402220504

 「オヤジギャグ禁止」というのが「めっちゃ若くない? VIP。」の唯一の規約。「めっちゃ…」は、銀座で働くビジネスマンのランチ会。入る資格は特にない。年齢も問わず。そんなランチタイムの唯一の規約が「オヤジギャグ禁止」なのだ。この会は03年の6月から開始。発案者の関智征さんが勤める広告会社の同じ部署に偶然3人のクリスチャンがいたことがきっかけ。Cool (クール)、 Cute(カワイイ)、Comfortable(快適)をコンセプトに、毎回20代、30代の男女、3人から6人が集まる。
 VIPに若者を集める戦略の1つでもあるこの会は、毎月第1火曜日に銀座コリドー街でランチタイムを実施。「今月は和食がいいな」などとメーリングリストを使用してお店を決定。現地集合・現地解散のスタイルを取る。会社の昼休みは時間が決まっている。50分余りの昼休み。みんなでランチを食べながらほっとひと息つく。「クリスチャンが職場に来てくれるようずっと祈っていました。神様の不思議なプレゼントですね。集会などの情報交換もできるのがいいです」と広告会社勤務の倉田麗さん(町田クリスチャンセンター教会員)。一般企業ではなかなか同じ職場にクリスチャンがいることはないのが現状だ。そんな中、この「めっちゃ若くない?
 VIP。」では仕事の話はもちろん、教会の話や信仰の話が気兼ねなくでき、理解しあえる。
 通信会社に勤める梯弘実さん(東京バプテスト教会員)はこの会の魅力を「何といっても、教会も会社も年齢も違ってもすぐにうちとけられ、兄弟姉妹であることが実感できます。そしてクリスチャン用語で話しても通じあえる!
 一緒に祈ってからご飯が食べれる!」と喜びを交えて話す。運輸会社に勤める松崎薫さん(下馬福音教会員)は「教会によっては同年代、同じような環境の人はいないところが多いと思うので、よい励まし合いになります」と語る。「ご飯を食べながら、雑談をしているだけ」と関智征さん(アッセンブリー・GAP会員)。雑談の中からVIPの新しいビジョンが生まれてくるようだ。月1回のランチタイムは今後も続けられる。クールでカワイイことが好きなあなたも、「めっちゃ~」に遊びに行ってみてはどうだろうか。連絡先はEメール sekki@r7.dion.ne.jp(関智征)。
【本山聖子】