[CSD]2004年12月5日《ヘッドライン》

[CSD]2004年12月5日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★混迷する拉致問題——苦しみにあったことは私にはしあわせでした  = 2 面 ニュース=
◎神は悪を良いことに変える——フィッリプ・ヤンシー氏が講演
★<教界ニュース>日本聖都市化運動連合会結成式ほか
★米国:ロスでのグラハム・クルセード初日に「決心者」2500人
★中国:キリスト者の迫害の実態を報告——国際キリスト教人権会議
★TV説教者J・フォルウェル氏が新組織「信仰と価値連合」立ち上げ
★<落ち穂>福音を表現する「ゴフペル」の魅力  = 3 面 宣教リポート=
★<宣教まっただ中>インドネシア発[4]与え仕える教会になる 記・高橋めぐみ
★ルーマニアで日本文化祭——文化通し、知識階層に伝道  = 4 面 牧会=
★キリスト者と人間関係「『聴く』こと」——聖学院大学シンポジウム[4]
★<ディアコニアのこころ>[9]「黙想」 記・フロイラン・エーリック
★<オピニオン>日本の賛美歌、一つになれないのだろうか 記・趙南洙
★<恵みのどんでん返し>陶器師が壊そうとしたもの 記・大嶋 重徳  = 5 面 神学・社会=
★<この国の精神風土と福音宣教>[12]日本国民は天皇神性を信ずべし 記・池尻 良一
★バチカン:エキュメニズム40年の対話を評価
★国際:「アジアの霊性を生き返らせる」——CCA総幹事が必要性を強調
★<今月の神学書評>『小グループで教会は変わる』ビル・ドナヒュー&ラス・ロビンソン著(福音社、2625円)評・大橋秀夫  = 6 面 関西だより=
★韓・米・日40年間の伝道証言集『リバイバルの火種を携えて』刊行——ナニワチャペルで出版記念会
★ロン・ブラウンら迎え5日にチャリティ・コンサート——新潟の同胞に希望と支援金を
★<伝道は楽しいぞ>[6]よい知らせを伝える足に 記・榮 義之
★かんさい通信:賛美コンサートとクリスマス・ドイツ料理の夕べ(Tel.06-6762-7701)  = 7 面 全面広告=
☆クリスマスにあなたの愛を——日本国際飢餓対策機構
http://www.fhi.net/jifh/
 = 8・9 面 新会堂建築シリーズ=
★2つの教会で1つの新会堂——単立・チャペル・こひつじ
◎併設のキリスト教書店「ジョイフル」を新規誕生  = 10 面 ビジネスパーソン=
★自分の意志ではなく御心を祈る——橋本 徹さん[下](ドイツ証券会社 東京支店会長)
★<うつは心の風邪>[4]うつは治る 記・吉田 博  = 11 面 教会学校=
◎<教会学校教師のひろば>通学路で子どもに声かけ——朝倉喜びキリスト教会:光の子ども会
★<CS分級>切ってあそぼう——紙でクリスマス飾り 記・石橋 えり子  = 12 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報ほか
★TRACT:「Merry Christmas!」(EHC、50部入り・1050円)
★GOODS:「Christmas in Hope」クリスマス用CD-ROM(日本キャンパス・クルセード、10枚入り・1000円)
★CD:「日本語メサイア」三鷹木曜会合唱団(3150円)  = 13 面 今週の動き=
★<今日は何の日>12月5日—11日
★<日めくり元気の素>名著・聖書日課から一言メッセージ  = 14 面 教会=
★主にある旅人たちが出会う安らぎの場——同盟基督・那須高原教会  = 15 面 教会生活=
★新潟県中越地震被災者を無料招待——恵みシャレー軽井沢
★KICK BACK CAFE リユーアル——チャリティーライブで被災地支援
★<林檎の風にのせて>[3]人の目にはどう映ろうとも 記・正村 八重子  = 16 面 ひと=
★竹下静さん(ゴスペルシンガー)——クリスチャンという枠を超えて聖書の心を歌う  = ?—? 面 別刷りカラー特集=
★日本キングス・ガーデン特集——源流は大きな川となって
★主に仕えるようにお年寄りに仕える——スピリットの源流を訪ねて
★各地の最新ホット情報
★介護保険制度で施設を利用するには
★キングス・ガーデン連合加盟・友好関係施設一覧

神は悪を良いことに変える−−フィッリプ・ヤンシー氏が講演0412050201

 「今度こそ、めぐみさんたちの救出に向けて横田早紀江さんらを励まそう!」の集会では、米クリスチャン・ジャーナリストで作家のフィリップ・ヤンシー氏が特別ゲストとして招かれ、「敵の国で神に用いられる人たち」の題で講演した。  めぐみさんらを神は用いる
 北朝鮮へとりなしの祈りを  ヤンシー氏は01年、米ワシントンで開かれた、虐げられ見捨てられた人たちの救いを目的にした団体「インターナショナル・ジャスティス・ミッション」の祈祷会に横田早紀江さんを招待。「全米メディアにめぐみさんのことを知ってもらいたい」と証しをしてもらい、また早紀江さんと祈りを共にした経緯がある。
 最初に同祈祷会に出席したある編集者のコメントを紹介。「彼は言いました。『世界で毎日、本当に悲しい出来事が起きていることに出会うが、めぐみさんの事ほど私の心にひっかかる問題はない。子どもが盗まれて、長年どこにいっていたか分からなかったという悲しい物語は聞いたことがない』と」。そして「どう慰めの言葉をかければいいかと考えていた時に神様が思い起こさせてくださったのが、捕らわれの身となって連れていかれた聖書の人物だった」という。
 ヤンシー氏は「アブラハム、ヨセフ、モーセ、ダニエル、ルツ、エステル、パウロなど聖書人物の中に敵の国に連れていかれて苦しんだ経験をもつ人が、少なくとも15人はいる」と語る。
 その中の1人、ヨセフに関しては「自分の兄弟に裏切られ、敵の国に行った。自分なりに正しいことをしようと思ったが、正しいことのために罰せられ、牢に入れられてしまった」と説明。
 「横田姉と同じようにヨセフも神に『なぜですか、なぜですか』と問うたと思う。しかし、ヨセフは刑務所を出て、エジプトで第2番目の地位に就く者になった。そして最後に兄弟と直面した時、こう言った。『あなたがたは、私に悪を計りましたが、神はそれを、良いことのための計らいとなさいました』(創世記50・20)」。ヤンシー氏は、「この言葉をめぐみさん、拉致された方々に対するスローガンにしたい」と述べた。
 また「北朝鮮のためにも祈っていかなければならない」と強調。「私たちは拉致という正義、不正義を考えているわけだが、自由に礼拝できない、福音が閉ざされた国の人々に神の恵みが注がれるようにも祈っていかなければならない」
 そして、その一つの方法として「めぐみさんさんたちが用いられているかもしれない」と発言。「ダニエルはバビロンという敵の国で偉大な才能を発揮したために、高い地位に就けられた。彼が毎日したことは、エルサレムの方に向いて3度祈ったということ。恐らくめぐみさん、拉致された人たちは窓を開け、日本に向かって祈っているのではないか」。さらに、「イエス様も十字架に付けられ、負けてしまったように見えるが、そこから正義、望みが生まれ、世界が救われていったというストーリーに変わっていった」と述べた。  祈りには力がある
 多くの人の祈りを  最後には、こう結んだ。「『恵み』という言葉は、めぐみさんを知る前から知っていた。恵みについての本も書いた。北朝鮮は恵みとはどういうことか知らないと思う。しかし、神は恵み、正義、望みの神。最後の最後で『北朝鮮が悪いと思ってしたことを、神様がすばらしく良いことに変えてくださった』と、皆さんと共に賛美する日を心待ちにしたいと思う」 ヤンシー氏の講演を受け、早紀江さんは「めぐみちゃんのことも、そういうことかもしれないと思った。(遺骨の鑑定が)どういう結果になろうとも、祈りには力があると信じているし、また多くの方々がこのためにずっと祈ってくれているので、この問題が完全に解決されるまで頑張っていきたい」と述べた。
 集会には約600人が参加、署名も700人分が集まった。
 

併設のキリスト教書店「ジョイフル」を新規誕生0412050901

 11月29日、大阪府堺市のチャペル・こひつじの2階に、キリスト教書店 「ジョイフル」がオープンした。「救われていない多くの日本人に、キリスト教に触れてもらえるきっかけの場となれば」と、オーナーの中山輝夫さん、美代子さん夫妻は、初めての書店経営に意欲を燃やす。そんじょそこいらにはない「ジョイフル」ならではのカラーを作っていきたい。書店に寄ったついでに、教会を訪ねてもらえればよりうれしいと、会堂内に店舗を構える利点に期待を抱く。  中山輝夫さんは、元ビジネスマン。34年の会社勤めの内、27年は海外勤務だった。1974年に初渡米後、ニューヨーク、ロサンゼルス、シリコンバレーと日本勤務をはさみながら転任し、02年から退職するまでシンガポールという目まぐるしさ。「我が家の荷物は太平洋を4回、アメリカ大陸を3回往来してるんです」と笑う。
 輝夫さんが信仰をもったのは65年、高校生のとき。大学紛争真っただ中の70年、キリスト教界も、青年信徒らの闘争で、揺れに揺れていた。ちょうど大阪万博と70年安保闘争がぶつかった年、「米帝国主義に加担する万博にキリスト教が参加することに異義あり」と、輝夫さんは先頭に立って運動した中の1人である。
 「万博反対だけでなく、むしろ世の中に目がなかなかいかない教会の姿勢に抵抗していたんです」
 美代子さんと知り合ったのは、大学生の時、同じ合唱団に所属し、仲良くなった。美代子さんは、輝夫さんがデモに参加していることなどつゆ知らず、なんと万博会場の日本政府館のコンパニオンをしていたという。
 美代子さんは榎本保郎牧師ゆかりの淡路島の教会の信徒だった両親の元で育った。家庭を開放して土曜学校を開くほど熱心なクリスチャンホームだったが、自分は信仰をもつに至らなかった。
 「教会で奏楽できるように、4人姉妹みんな、ピアノとオルガンを仕込まれました。私は、そういうのに反抗していたんだと思うんです」
 輝夫さんと結婚し、見知らぬ異国での暮らしに入る。日本は輸出振興に躍起になっていたころ。輝夫さんのいた会社の全社スローガンも「輸出振興」。仕事が忙しくないわけがない。強面のアメリカ人ビジネスマンと互角にやりあうほどの度胸と英語力がついたころには、会社でも随一のやり手海外営業マンとして名を馳せていた。学生時代の熱血漢は企業に入っても熱血漢だった。
 大変なのは美代子さんだった。初めはことばもよくわからない外国で、出産、子育て、そして家庭を守っていかなければならなかった。
 70年代は国際電話は高く、1年に1回正月くらい。ロスは車が運転できないと外出もままならない。家庭を顧みる暇もない夫に頼ることもできず、孤独感に押しつぶされてノイローゼになる駐在員の奥さんもいた。子どもと無理心中をはかった人さえいる。
 美代子さんは、そんな人たちの気持ちが痛いほどわかるから、駆け込み寺ならぬ、駆け込みホームを作って、そんな奥さんたちの憩いと助けの場を提供することを始めた。
 77年、ロサンゼルスの日系バプテスト教会を訪れた田原米子さんの証しに感動して信仰をもち、84年にシリコンバレー移住後すぐ、サンタクララバレー日系人教会の活動の1つとして始めたこの家庭集会は、同教会で20年たった今も引き継がれている。
 積極的な行いをもって信仰を証しする姿勢を、中山さん夫妻は、海外のクリスチャンたちから学んだという。元気なうちに献身のつもりで、新たな仕事に取り組みたいと、定年を待たず、退職した。書店経営はまったく未知の分野だが「お客様のニーズに耳を傾け、それを第1とする点は、会社員時代と変わらないと思っています。お客様が時として、本当のニーズに気付いておられないこともありますから、そういう時は、こちらからふさわしい情報を提供して、最高に満足してもらいたい」という。
 アメリカのキリスト教書店はべらぼうに大きい。なんだかんだ言って、アメリカはキリスト教国であることを痛感させる大きさと、品物の豊富さを持っているという。
 しかし、日本では日本でしかできないキリスト教書店があるはず。中山さんは、30年近い海外生活を経た目で、客観的に日本を眺めてみて、暮らしは欧米風に豊かになったが、本当の神に出会えない、日本人の本質は何も変わっていないと感じるという。キリスト教界もそれをなかなか変えられない。日本人は日本人。が一方、クリスチャン人口は増えていないけれども、人々は何かすがれるものを求めていると、痛切に感じるという。
 「日本人の8人に1人がうつ病だそうです。外面は強いが、心の中では悩んでいる。ジョイフルでは、キリスト教書籍だけでなく、ふらりと立ち寄った人が読んで慰められる、心のケアになる本も置いていきます。子育て、教育、結婚など、家庭生活に関する問題に対応できる書籍も充実させていきたい」
 「かわいいすてきなグッズも置いてます。私がカードをもらって慰められたから、グリーティングカードには思い入れがあるの。楽しい外国製のカードもありますから」
 クリスマスのプレゼントはジョイフルでねと、美代子さんがにっこりほほ笑んだ。
 

<教会学校教師のひろば>通学路で子どもに声かけ−−朝倉喜びキリスト教会:光の子ども会04120511

 高知市にある同盟基督・朝倉喜びキリスト教会(星沢数也牧師)で毎月2回、近所の学校に通う子どもたちを集めて開いている「光の子ども会」。その様子を星沢牧師にレポートしてもらった。
   ◆
「みことばを宣べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい」(2テモテ4・2)
 私たち夫婦が高知県に遣わされたのは2001年4月でした。教会にいるのは2人のクリスチャン家庭の子どもだけ。子どものいない私たちにとって、まったく知らない土地でどうしたら子どもを集めることができるかは大きな課題でした。
 幸い教会は高知大学のすぐ近くに位置し、地元の小学校、保育園もすぐ近くにありました。いわゆる裏通りながら、朝夕は保育園児から小学生、大学生の通学路にもなり、立地条件は申し分ありません。そこで教会の前を行き来する子どもたちに、暑い南国土佐のこと、冷たいお茶とアイス、ビー玉などを用意して声をかけ、教会でいっしょに遊ぶことを通して友だち関係(?)を作ることから始めました。
 そして2001年9月に第1回の「光の子ども会」を開きました。内容は「ゲーム大会」から始めて「ヒコーキ大会」「ジャンボカルタ大会」「バドミントン大会」「ミニ野球大会」など。15坪の教会だけでなく、近くの公園や地域の集会所にも出かけて活動します。 活動を始めたころから来ている子どもたちも中学生になり、お母さんに抱かれた幼児の参加もあり、年齢差の開きが大きい時も、みんなが仲良く遊べるように工夫しながら活動しています。
 もちろん遊びの前に、賛美、祈り、みことばの礼拝の時間を15分ほどとり、それから約1時間、みっちり遊びます。遊んだ後は、必ずお茶とお菓子のおやつの時間があります。口を開くと心も開き、子どもたちの様子や祈りの課題も見えてきます。4回出席した子どもたちにはごほうびとしてビー玉のつかみ取りのプレゼントがあります。最後におわりのうたを歌って終了です。毎回熱心にクリスチャン家庭の2人の子どもとご両親がお友だちを誘い、手伝ってくださっています。
 会は第2、第4土曜日を中心に、月に2回のペースで開いています。チラシを配ったりもしましたが、今は、金曜日の下校の時間になると、小学校の入り口付近の電柱にポスターをたくさん貼り、その後バイクの「スーパーカブ」に乗って下校中の顔なじみの子どもたちに声をかけ、暗くなってからまたポスターをはがしに行くという方法で宣伝しています。
 「宝探し大会」や「ドッジボール大会」など、子どもたちに人気のある内容のときには30人ほどが集まります。また離婚率が高いと言われている高知の特徴かと思いますが、親が離婚している家庭から集う子どもも多いです。
 働きはまだまだこれからですが、10人弱の子どもたちが教会学校につながるようになり、その親とも知り合いになりました。これからもひとりでも多くの子どもがみことばに触れ、導かれることを願いつつ、祈り励んでいきたいと思います。
(文・星沢数也牧師)
   ◆
 11月6日には、教会に通う韓国人留学生の協力も得て「韓国スペシャル」を開催した。留学生がチマ・チョゴリを来て登場したり、韓国語に触れる時間があったりと、大盛況だったようだ。
 子どもたちから「キリストのおじちゃん」として慕われる星沢牧師は、毎回楽しいプログラムを用意して子どもたちを待っている。