[CSD]2005年4月24日《ヘッドライン》

[CSD]2005年4月24日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★「あいのり学校」エチオピアで建設進行中——国際飢餓対策機構と共同で

 = 2 面 ニュース=
◎新渡戸全集を若者に——教文館中村社長の遺志継ぎ「ぴあ」矢内廣社長が呼びかけ
★アナバプテスト信徒神学塾4月開校——教派超え門戸を開く
★「地域教会に仕える神学校」——東海聖書神学塾が20周年
★<教界ニュース>「聖神中央教会」脱会者に理解を——支援牧師ら相談窓口を開設、ほか
★<落ち穂>中国の孤児救済に生涯をかけた日本人クリスチャン

 = 3 面 ニュース=
★<宣教まっただ中>ハイチ発[1]政情、経済、不安な国事情 記・根本 律子
★個人情報保護法と教会[1]教会も無頓着ではだめ 記・桜井 圀郎

 = 4 面 牧会=
★<今、家族を考える>[8]影響力が偏らないように 記・堀 肇
★<牧会ジャーナル>王の自己中心 記・藤本 満
★<オピニオン>聖書の言葉の原理に聞く牧会とは 記・赤坂 泉
★<恵みのどんでん返し>がんになってわかったこと 記・松田 有規子

 = 5 面 神学・社会=
★<ローザンヌ運動30歳>ポストモダンの世界の霊性[下]時代の新霊性に応え生かす対応的宣教 記・水間 照弥
★ノルウェー:カトリックに改宗し神学校教授を辞任
★オーストラリア:アボジニ語初の聖書全訳
★ペルー:カトリック教会司教団が「サイバースペース告解」は無効
★<書評>『ジャン・カルヴァン——ある運命』森井 眞著(教文館、3465円)評・松谷 好明

 = 6・7 面 福祉特集=
★無償の愛をもって地域に奉仕——(福)南町田ちいろば会・みぎわホーム
◎障がい者自立支援給付法制化に不安広がる——クリスチャンが祈り呼びかけ
★NPOはマーケティングをどう生かす 記・斎藤 善久

 = 8 面 特集=
★ゴスペルリンキングフェスタ東京——クリスチャンアーティストが結集
★ゴスペルを通じて「神の偉大な愛」を——女性クワイアによるコンサート
★「真のゴスペル伝えたい」——ワークショップ講師を務めるキャロル・ギャズデンさん
★JMMS:4月から新しい授業体制でスタート
★ビ・ブレイブ:ゴスペル中心の携帯着うたサイト立ち上げ
★とっておきの3枚

 = 10 面 ビジネスパーソン=
★我死ぬべくば死ぬべしと助役を決意——峰田 将さん[上](聖学院中学校高等学校校長)
★<気持ちが伝わる話し方>手相ではなく「話相」が大切 記・中野 雄一郎

 = 11 面 教会学校=
★<「成長」攻略法>神は従う者に救いを用意 記・中台 孝雄
★<CS分級>おかあさんありがとうグッズ——タオルのお花ぞうきん 記・石橋 えり子
★<CS分級> 記・安田 香代子
★<いまどき子ども事情> 記・西村 敬憲


 = 12 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報ほか
★EVENT:ピーナッツ&相田みつをコラボ展(4月29日~5月29日、Tel.03-6212-3200)
★CD:「J-worship Vol.2」(ライフ企画、2310円)

 = 13 面 今週の動き=
★<今日は何の日>4月24日—30日
★<日めくり元気の素>名著・聖書日課から一言メッセージ

 = 14 面 教会=
★<ちゃちゃチャーチ>地域に輝く「灯台」のような存在に——イムマヌエル・富士見台キリスト教会
★<奉仕する恵み>教会だからできる平和教育を——新井 浩文さん(春日部福音自由教会社会委員リーダー)

 = 15 面 家庭・あかし=
◎殺人犯押し入る——女性が読む信仰書で回心
★「独身者にも神の祝福あり」——女性カンファレンス・セミナー
★<スマトラ 祈りと希望>被災地を行く[3]痛みを分かち合いつつ 記・水谷恵子

 = 16 面 ひと=
★斎藤 康広さん(画家)——絵を描くことで感謝を表したい


新渡戸全集を若者に−−教文館中村社長の遺志継ぎ「ぴあ」矢内廣社長が呼びかけ0504240201

クリスチャンで国際連盟事務次長として活躍し、前の5千円札の肖像としても知られる新渡戸稲造。その「『新渡戸稲造全集』をご縁のある郷里に寄贈する会」の事務局長を情報誌「ぴあ」の代表取締役会長兼社長矢内廣氏(55)が務めている。「何で『ぴあ』が『新渡戸稲造』なの」と多くの人が不思議に思うかもしれない。そこには昨年12月になくなった東京・銀座にある書店・キリスト教出版、教文館の中村義治社長の遺志を引き継ぎたいという矢内氏の「恩返し」の思いがあった。
  「売れないと思いますよ」。01年に教文館が『新渡戸全集』の復刻版を出す際に、矢内氏はこう言った。すると、「何を言っている。だからこそ誰かがやらなきゃいけないんだ」と中村氏からしかられたという。その後、本の推薦文を京セラ名誉会長の稲盛和夫氏に依頼しに行ったとき、同氏から「この本は若い人たちに読んでもらわなければ意味がない。母校に寄贈する運動をしてはどうか」というアイデアを提案された。
 すぐに寄贈運動をはじめる予定だったが、直後に中村氏が脳梗塞で倒れ、運動はそのままになっていた。
 「ぴあ」の矢内氏と教文館の中村氏との出会いは、33年前にさかのぼる。
 当時、中央大学4年生だった矢内氏は、映画研究会の仲間たちとともに情報誌「ぴあ」を創刊した。映画が趣味だった矢内氏は、お金のない学生が手軽に行ける名画座で、いつどこでなにを上映しているのかを知りたかった。当時の予告は新聞の3行広告くらいしかなく、それらの情報をまとめれば、自分と同じ悩みをもつ若者たちから喜ばれるのではないかと雑誌のアイデアを思いつく。音楽、演劇の情報も入れ、72年に月刊『ぴあ』を創刊。1万部を印刷した。しかし、本の流通のことをまったく知らなかった矢内氏は、本を作れば書店は置いてくれるものだと思っていたが、結果はほとんどの書店から断られた。
 そこで、たまたま業界紙の記事に載っていた紀伊国屋書店創業者田辺茂一氏に会いに行き、教文館の中村氏を紹介される。最初、中村氏は「やめたほうがいい。雑誌はプロが作っても難しい。素人が手を出してはいけない。火傷しないうちに手を引いた方がよい」と忠告したが、矢内氏の熱意に動かされ、雑誌を置いてほしい書店のリストをもってくるように命じたという。翌日、矢内氏が約100店のリストをもっていくと、中村氏の署名入りの紹介状が入った書店宛の封筒を100通用意してくれていた。
 それを持って再び書店周りをすると、「中村さんならしょうがない」と、100店のうち89店の書店が置いてくれた。これが基礎になって「ぴあ」は順調に成長していく。その後も中村氏は、創刊号を置いてくれた89店の書店に感謝の気持ちを表すため、5周年ごとに開催している「ぴあの会」の発起人、同社非常勤取締役、顧問などを歴任し、事業のアドバイスをしてきた。中村氏との出会いがなければ「ぴあ」は存在しなかったかもしれない。中村氏は「ぴあ」にとって恩人だといえる。
 矢内氏は中村氏のその恩を返したいと、昨年12月に寄贈する会を立ち上げた。矢内氏は自身も『武士道』を読み、新渡戸の思想に共鳴を感じているという。「21世紀を担う多くの若者たちに読んでもらえる機会を提供したい。そのお手伝いができれば」と語る。
 発起人には、資生堂取締役社長の池田守男氏、日本IBM代表取締役会長で経済同友会代表幹事の北城恪太郎氏、東京女子大学学長の湊晶子氏などのクリスチャンのほか、前検事総長の原田明夫氏、前外務大臣の川口順子氏、元国連事務次長の明石康氏、伊藤忠商事代表取締役会長丹羽宇一郎氏など24人の著名人が名を連ねる。
 寄贈にあたっては、定価14万円(税別)が特別価格12万円で提供される。 ・「新渡戸稲造全集」をご縁のある郷里に寄贈する会事務局 Tel:03・3265・1836(ぴあ社内 須藤)
【藤岡竜志】

障がい者自立支援給付法制化に不安広がる−−クリスチャンが祈り呼びかけ0504240602

昨年10月厚生労働省が出した障がい者保健福祉施策の改革案「グランドデザイン案」を元に、障がい者自立支援給付法の法制化が進められようとしている。応益負担の導入による負担増、認定審査会とケアマネージメント導入による自己決定の阻害、障がいで区分するグループホームの再編等、問題を抱えたままの法制化推進の動きに、障がい者諸団体の反対の声が高まっている。
 大阪市平野区の知的障がい者自立共同ホーム「シャローム」身体障害者自立共同ホーム「ヤベツ」代表の皆見眞記子さん (インターナショナル・チャーチ会員)は「新制度になればグループホームの入居者は障がいの程度で分類され、サービスの利用内容も障がいの程度によって制限されることになります。各自が足りないところを補い合いながら、家族のように普通に暮らしていけるグループホームの根幹を揺るがす法案に、みんな不安をもっています」
 2月厚労省前で2千人の障がい者らが抗議行動をした。「ヤベツ」の入居者坂口登さんもその1人。「僕たちが普通に地域で暮らしていきたいと思ったら、寒い中をデモ行進しないといけないんです。この法案が通ったらここにいる人たちにも何らかの打撃がくる。それはいつ障がい者になるかわからない人々にも同様です。この問題を自分自身の問題として、どういうふうに取り組んでいくか、自分がそのために何ができるか、考えてもらえたらうれしいです」
 「人間の幸福は自分のことが自分でできること、自分のことが自分で決められること。今回の法案はその人権にかかわってくるんです。聖書を知るクリスチャンは人権意識を高くもつことができるはず。現状を知り、祈りを通して、人間が大事に扱われる国になっていくようバックアップしてほしいと願っています」 ・連絡先=シャロームTEL&FAX:06・6700・1908
/ヤベツ TEL&FAX:06・6701・2595

殺人犯押し入る−−女性が読む信仰書で回心0504241501

3月11日朝9時、米・ジョージア州アトランタのフルトン郡裁判所で、強姦罪で起訴され審理中だったブライアン・ニコラス被告(33)は、法廷で警備から銃を奪い裁判長ら3人を射殺、裁判所の駐車場にあった記者の車を盗み逃走。トラックの持ち主を射殺し、そのトラックを奪って逃亡を続けた。アトランタ北の住宅地で12日未明、コンビニエンスストアに出かけた26歳のアシュリー・スミスさんは、自宅マンション前でニコラス被告に銃をつきつけられ、自分の部屋に押し入られた。同被告は「言うとおりにすれば危害は加えない」と言った。おびえながらも、自分には5歳の娘がいること、夫は4年前に事件に巻き込まれて刺殺されたこと、もし自分が殺されたら娘は孤児になってしまうことを訴えた。夫の死後、すさんだ生活を送り軽犯罪で数回の逮捕歴があったが、そのこともあり娘の養育権は失われていた。朝10時に娘に会いにいく約束があるので、それをかなえさせてほしいと嘆願。それでも「ノー」と言い続けていた同被告は、少しずつだが心を落ち着けはじめ彼女の話に耳を傾けるようになった。
 そこで彼女は本を読んでもよいか尋ねた。カリフォルニア州のサドルバック教会牧師リック・ウォレン氏の著書『The Purpose Driven Life』(邦題『人生を導く5つの目的』)だった。「あなたの生きる目的は? どんな賜物があなたには与えられているか?」といった部分を読んで聞かせた。それは「私たちは絶えずどうすればよいかを神に問いながら生きていくべきだ」という強烈なメッセージだった。「あなたが私の部屋に来たのも何かの意味があるはず」と話しかけた。ニコラス被告に自首を勧め、「服役囚に神様のことを述べ伝えるのがあなたの使命なのではないか」とスミスさんは語りかけたという。
 説得に応じた同被告が銃をベッドの下に置いて後、午前9時30分、スミスさんは娘に会うために部屋を出て、警察に通報。11時ころニコラス被告は白いシャツを振りながら、アパートの外に出て投降した。ニコラス被告はスミスさんを「神様から離れてしまった自分のところに遣わされた天使だと思う」と言っていたという。 24日、連邦捜査局から表彰を受けたスミスさんは「まず、救い主イエス様に感謝です。私の生きざまを神様が使ってくださったのです。神様は人生の悲惨なときにも奇跡を起こしてくださるお方です」と語った。
 2人はかつて教会に通っていたことがあり、また法を犯し神様から離れていた「放蕩息子」だったという共通点があった。彼女も主によって起き上がろうとする途上にあったのだ。かつてイエス様の弟子たちがそうであったように、神様は不完全な者をお使いになる。(記・竹下弘美=米・サンフランシスコ在住)