[CSD]2006年 8月13日《ヘッドライン》

[CSD]2006年 8月13日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★映画「筆子・その愛」クランク・イン——障がい児教育の先駆け・石井筆子役に常盤貴子さん
★第39回東北教役者会:来年に記念宣教会議を開催予定

 = 2 面 ニュース=
◎日本伝道フォーラム2006——22世紀に生き残る教会は——
★ワーシップリーダーのドン・モーエン氏4年ぶり来日——日本は99%成長の可能性もつ国
★日本キリスト教会北海道中会:首相に靖国参拝取りやめ要請書送付
◎<教界ニュース>平和遺族会全国連絡会・群馬平和遺族会——首相の靖国参拝訴訟最高裁判決に抗議声明
★<落ち穂>都市部にも浸透する中国の家の教会

 = 3 面 クリスチャンライフ=
★トリニティ・ワーシップチーム来日公演——ホットな韓国賛美で一つに
★<暮らしの中の信仰>あと一杯、あと一口 記・東後 勝明

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★タラント生かせる会社を——堀井 洋二・卓さん[中]([有]アーク・ビレッジ)
★<佐藤綾子のイキイキクリスチャン自己表現法>[15]筋肉と心は上へ、上へ

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★講演:福音主義神学会東部部会研究会より[1]神のしもべか、貪欲な獣か<1> 水草修治
★<オピニオン>真の国際化の破れ口に立って 記・北 秀樹
★ナイロビ:アフリカ初の聖書注解発刊

 = 6・7 面 8・15特集=
★現代日本に今も問いかけるD・ボンヘッファー 記・東條隆進
◎<この人に聞く>西川重則さん(平和遺族会全国連絡会代表)——遺族はほんとうの慰めを求めている
★キリスト者らも「九条の会」——宮城と香川で設立集会
★BOOK:『主の民か、国の民か』信州夏期宣教講座編(いのちのことば社、1260円税込)
★BOOK:『大量虐殺』エルネスト・カーン、多喜百合子著(日本図書センター、5880円税込)
★8・15集会情報

 = 8 面 全面広告=
☆エペソでのアジア宣教会議と黙示録7つの教会研修ツアー
11月5日~11月15日 費用:298,000円 定員30人
問い合わせ先:Tel.028-677-4825(マルコーシュ・ミッション)

 = 9 面 全面広告=
☆日本福音学校(超教派)2006年秋季学生募集
問い合わせ先:千葉校(Tel&Fax.043-5252-1490)
問い合わせ先:新宿教室(Tel.03-3869-5261)

 = 10 面 教会学校=
★<いまどき子ども事情>もてる賜物を活かす力を育てる 記・福井 誠
★<CS分級>太陽熱で上がるビニールのロング風船 記・石橋 えり子

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・8/15集会・放送伝道ハイライトほか
★MOVIE:「ユナイテッド93」——9・11テロに立ち向かった人々(8月12日から公開)
★BOOK:『もしも世界が明日終るとしたら』ランス・ワベルズ編(PHP研究所、1155円税込)
★REVIEW:『健全な信仰とは何か』丸屋真也著(いのちのことば社、1470円税込) 評・藤掛 明

 = 12 面 ひと=
★ミッシェル・メストレさん(米国バイオラ大学国際ビジネス経営学教授)——ネヘミヤは最も優れた経営者


日本伝道フォーラム2006−−22世紀に生き残る教会は−−=0608130201

 7月17日、横浜市の日本基督教団・センター北駅前礼拝堂で第2回「日本伝道フォーラム2006 in YOKOHAMA」(主催・日本基督教団五反田教会、同・玉川平安教会)が行われた。
 山口隆康氏(日本基督教団・玉川平安教会牧師)は、「『日本伝道論』を土台としつつ、伝道戦略の具体的提言と実行開始は一刻の猶予もなくなりつつある」として「22世紀には統計的にキリスト者の人口が消滅し、日本におけるプロテスタント伝道がエピソード化する」と危機感を表した。「今回のフォーラムから、新しい伝道論とその戦略的実践の試みを開始したいと願う」と語った。
 今回、注目を集めたのは山口氏が提起した「葬儀の無料化」。多くの質問が飛び交った。
 問題提起者の山口氏は、「葬儀の話のみ議論が集中してきたということは、問題提起のテーマとしてはかなり有効だったと思っています。問題は広範に渡っています。根本問題は教会の生命力の問題。今、教会が危機的状況の中にあって、たとえて言うなら、命の危機に際して『延命措置的』に教会を生きながらえさせる教会生命力の維持・回復の道ではなく、『新しく生き返らせる』ような、いわば生命力を回復した教会が22世紀に生き残ると思います。そのための多くの問題提起の中の1つとして『葬儀の無料化』というテーマを出しました」と語った。
 「葬儀を改革することは、シモニズム(金銭支配)から教会が自由になるか、縛られるかの分かれ目になっています。教会全体の金銭感覚を変えなければ、事業をすることに変わってくるが、成功すれば、教会が奉仕職の意味を獲得することに。献金の問題は丁寧に考えるべき。葬儀などの謝辞を献金として受け入れると、名前は献金でも実質的には事業収入になります。これは教会を腐敗させます。この点に関しては潔癖に行くべきだと思っています。もし葬儀の御礼で献金が入ってくる場合には、教会にとどめてはいけない。それはすべて対外的な伝道のために使うべきです。したがって、ここで献金によって成り立つ葬儀を行うだけでなく、牧師は本当の意味での『無償の献身』という奉仕職であることを明確に打ち出せなければ、この試みは失敗します。これは牧師の再献身。一切の見返りを期待しないで、すべてを全力でささげきり、そこで死人のよみがえりの宗教を説教する。それができなければ、教会をもっと腐敗させる可能性がある」とチャレンジした。

<教界ニュース>平和遺族会全国連絡会・群馬平和遺族会−−首相の靖国参拝訴訟最高裁判決に抗議声明=06

最高裁に対し抗議声明
 2001年8月13日の小泉純一郎首相の靖国神社参拝をめぐる訴訟で最高裁は6月23日、「原告らの法的利益が侵害されたとはいえない」として、原告側の上告を棄却する判決を下した。これに対し、平和遺族会全国連絡会・群馬平和遺族会は結成20周年集会を群馬で開催し、西川重則同連絡会代表の起草になる、判決の不当性を訴える抗議決議を採択した。
 抗議決議では、最高裁に対し
1.「小泉首相の参拝は憲法第20条第3項が明記している政教分離の原則に違反しており、この度の判決は、最高裁が「憲法の番人」としての責任課題を自ら放棄したことを意味する」
2.「憲法第20条第3項に基づけば、首相らが特定の宗教団体である宗教法人靖国神社を参拝することは当然禁じられていると考えられる。小泉首相の参拝を公的・私的と区別し、合憲・違憲を判断することの理由は何らなく、参拝が政教分離違反であることは明白」
3.「信教の自由、政教分離の原則は、戦前・戦中の歴史の事実に真正面から向き合い、同原則をゆるやかに解釈・適用することを許さない歴史の教訓として受け止めることを、万人に強く求めているものである」
4.「行政・立法・司法は三権分立の原則に立ち、日本国憲法を尊重・擁護する義務を忠実に果たすべきことを警告し」、「明確な憲法判断を前高裁の責任において言い渡すべきことを訴え、抗議の意思を表明」するとしている。

<この人に聞く>西川重則さん(平和遺族会全国連絡会代表)−−遺族は“ほんとうの慰め”を求めている=0

 小泉首相は8月15日に参拝に行くのか、アジア外交にあつれきを生んできた靖国神社をめぐる報道は今年も熱い。振り返れば、7月に創立20周年記念集会を開いた平和遺族会全国連絡会(平全連)設立の発端は、1985年8月15日に当時の中曽根首相が断行した靖国神社公式参拝だった。「記者会見で『多くの国民、多くの遺族の方々が望んでこられた公式参拝を今日行いました』と発言したので、『そうじゃないでしょう。望んでいない戦没者遺族もいるでしょう』と、準備にほぼ1年掛けて86年7月7日に発足した」。ちなみに七夕だからではなく、日中戦争(支那事変、日華事変)の発端となった37年(昭和12)の盧溝橋事件が起こった日を創立日に定めた。
 日本遺族会だけが戦没者遺族の唯一の団体というわけではない。靖国神社法案がはじめて国会に提出された69年に、現在実行委員長を務めているキリスト者遺族の会が発足し、その後も仏教関係や市民団体など、政治団体などに利用されない平和を願う戦没者遺族の会が各地に結成されていた。そのような宗派や思想の違いを超えて「反靖国」で連帯して生まれた平全連の趣旨と目的は「おもに3つの柱がある。1つは、靖国公式参拝に反対する運動。2つ目は、(靖国神社が勝手に合祀している)霊爾簿から取り下げる運動。3つめが、アジア・世界の国々の戦没者遺族らとよい関係を築きながら平和を創ることをめざしている」。日本遺族会は53年から英霊を称える国家護持そして(首相・天皇の)公式参拝実現を優先目標としてきた。「その前提として先の戦争は国を護るための自衛戦争とする」方向と、平全連は全く異なるのが分かる。
 憲法問題の理論的な面では、政教分離の侵害を監視する全国会議(政教分離の会)にも設立当初からかかわってきた。67年3月に津地鎮祭訴訟一審が敗訴になったのを受けて「(憲法問題を)本人訴訟で行うことの限界を見させられ、クリスチャン弁護士らが協力して弁護団をつくり理論武装の面から応援したのが始まりでした。ちょうど靖国神社法案が国会に提出された時期と重なっていたことも、この運動を展開する大きな力になった」
 かつて、74年に靖国神社法案が廃案になるまで国会審議をウォッチングした国会レポートを本紙に掲載し、『靖国法案の五年』(すぐ書房)となって出版された。30年余を経て、国会の会期中は委員会審議を傍聴しに通う。先の国会で継続審議となった共謀罪、教育基本法改定、憲法改定するための国民投票法案など予断を許さない重要法案の動向に注視する。聖書のみことばと憲法を熟読味読することでも知られている。「マタイ5・9に『平和をつくる者は幸いです』とあるが、ギリシア語の意味するところは『平和のない所に平和を創る』こと。憲法を解釈改憲してきて、日本は実際に平和のない所になっている」と警鐘を鳴らす。
 靖国・平和・憲法問題と日本遺族会の人たちとは、どうしても敵対関係にならざるを得ないのだろうか。「私は、日本遺族会とそうでない遺族会の遺族とも、本来はひとつになって平和を愛する遺族としてのあり方がいいと思っている。戦没者遺族の方たちが求めているものはほんとうの慰めですよね。だから、私は伝道に直結することだと思っています」。その思いが、宗派・思想にとらわれず遺族の人たち、意見をことにする人たちを主の日の礼拝へと招き、誘ってきた。「礼拝に来られた方たちの多くが、『これ(礼拝)があるから西川さんは、この運動を続けることができるのでしょうか』と理解してくれる」。西川さんの市民運動活動は『平和を創り出すために』(いのちのことば社)みことばと主日の礼拝が活力の源泉となっている。