[CSD]2008年3月15日号《ヘッドライン》

[CSD]2008年3月15日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
★「塩狩峠」から100年——メモリアルフェスタに三浦文学ファン全国から結集 記・込堂一博
★パキスタン:高裁判事にキリスト者弁護士を任命——進むイスラム化に「前向きの兆候」

 = 2 面 ニュース =
★神の「愛こそすべて」——日本ケズィックに英スプリングハーベストの風
◎朝鮮蔑視はどこから来るのか?——竹島問題から見える侵略と和解責任
★「君が代」斉唱などを強制しないで——卒業式前に「取り組む会」が都教育委員会に申し入れ
★国旗国歌強制問題で苦しむ人たちを覚えて3月1日を「祈りの日」に——キリスト者教職員有志らが提案
★「ピースリボン」裁判記録を刊行へ——4月25日にまとめの集会
★<落ち穂>福沢諭吉の「ひびのおしゑ」

 = 3 面 教界ニュース =
◎米テレビ伝道者のメガチャーチ混迷——個人信奉のつけ? 献金激減
★米国:クリントン国務長官が北京で教会訪問——人権改善示唆か
★卞在昌氏、本紙編集長に抗議、謝罪要求
★緊急検証:小牧者不祥事をどう捉えるか[4] 超教派牧師会の戒規機能
★<オピニオン>受精卵取り違え事件が示すもの——不妊治療の産業化といのちの商品化 記・水谷 潔

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★「神に生きる=自分も生きる」を信じて——稲墻 正さん[上](ファイザー[株]医薬事業開発統括部)
★<サーバントリーダーシップ>[最終回]イエス・キリストをモデルに 記・真田 茂人

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★日本プロテスタント宣教150年への提言[上]——日本社会の文化の脈絡を考える必要 記・稲垣久和
★英国:ダーウィン生誕200年
★<精神障害と教会>[47]開かれた教会——市民の力  記・向谷地 生良

 = 6・7 面 全面広告=
☆第47回 首都圏イースターのつどい——日本プロテスタント宣教150周年記念
——あなたの人生を変えるキリスト復活の良き知らせ——
4月19日(日)15:30~17:00 会場・淀橋教会(Tel.03-3368-9165)

 = 8 面 全面広告=
☆ラブ・ソナタ神戸 ——日本に向けられた神様の愛の歌——
4月15日(水)19:00より 会場・神戸国際会館こくさいホール
大会本部:Tel.078-241-5253 Fax.078-241-5220
ホームページ http://lovesonata.org/japan/

 = 9 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『キリスト教への扉』鬼形恵子著(日本キリスト教団出版局、840円税込)
★BOOK:『万物の救済』近藤勝彦著(教文館、1,995円税込)
★CD:「CROATIAN TRADITIONAL MUSIC」全14曲(クロアチア&日本国際文化交流会、1,575円税込)
★REVIEW:『歴史における近代科学とキリスト教』藤井清久著(教文館、2,625円税込)評・稲垣久和

 = 10 面 関西だより =
★発展の陰の人々に福音を——佐山智恵美さんインド宣教報告
★ラブ・ソナタ神戸 準備着々——4月14・15日国際会館こくさいホールで
★近放伝:今年度基本方針が決定——宣教150年など活動多岐に
★2010年関西フランクリン・グラハム大会——今春4月5日に「キックオフ」

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★お客様とイエス様のことを話したくて——教会の隣りに美容室オープン
◎各地に広がった祈りの輪届く——心臓移植が成功、現地療養に入った佐野めいさん
★痛みに中に生きる>[8]団塊編 牧師も信徒も罪人。だから主に従う

 = 12 面 ひと=
★クロアチア聖歌に魅せられて——清水節子さん(バイオリニスト、クロアチア在住)

◎朝鮮蔑視はどこから来るのか?−−竹島問題から見える侵略と和解責任=0903150202

 日本と韓国の間で繰り返し感情的な対立を呼ぶ竹島(韓国名・独島)問題。その真相を掘り下げる講演会が、「侵略と和解責任─竹島問題から見えるもの」をテーマに2月6日、東京・世田谷区の烏山区民会館で開催された。アジアへの戦争責任を問い続けてきた日キ教会・東京告白教会が主催、講師は憲法学者の笹川紀勝氏(明治大学教授)。笹川氏は『韓国併合と現代』(明石書店)編著者として日本の侵略の問題を国際共同研究してきた体験を踏まえ、竹島問題を手がかりに「朝鮮蔑視の思想はどこから来るか?」について語った。
 笹川氏は「朝鮮蔑視の思想はすでに江戸時代後期の国学思想に見られる。それが征韓論の思想的背景となり、日清・日露戦争へとつながっていった」と語る。「新井白石は朝鮮通信使の規模縮小を図り、佐藤信淵は支那国、朝鮮を弱くて攻め取りやすい土地だと語った。吉田松陰は西欧から押しつけられた不平等条約による不利益をアジア諸国の進出により補うことを主張、征韓論に影響を与えた。明治に入ると、薩摩の西郷隆盛が長州の木戸孝允らと共に皇国史観に立ち、維新後の政情不安を征韓により解決することを主張。さらに福沢諭吉は朝鮮、中国を遅鈍、野蛮と呼び、武力干渉を主張した」
 「この朝鮮観を実行に移したのが、日清・日露戦争だった」と指摘。「日清戦争は朝鮮と中国を、日露戦争は朝鮮とロシアを引き離す戦争。つまり朝鮮を侵略するための戦争だった」
 この日露戦争の段階で竹島編入問題が起こったと指摘。「1904年、隠岐島の漁師・中井養三郎がアシカ漁のため、竹島全体の貸下請願しようと上京。彼は同島は韓国領と思っていた。この時、外務省の山座円次郎局長は韓国領であることを知りつつ、『時局なればこそ領土編入を急要とするなり』と語った」という出来事を紹介。「過去に幕府、明治政府が『竹島は日本領でない』と判断したケースがあるにもかかわらず、日露戦争の過程で竹島の占める評価が変えられた」と述べた。
 「重要なことは、竹島の日本領土への編入が国際法や歴史的判断に基づくより、日本の朝鮮侵略戦争のために行われた事実。この結果が日本国内における在日韓国・朝鮮人への激しい差別と蔑視をもたらした」と笹川氏。「江戸後期の国学者や思想家、明治維新を達成した指導者、日清・日露戦争で戦った軍部に連続している朝鮮観を見落としてはいけない。外務省はホームページで、竹島は我が国固有の領土とうたっている。朝鮮併合は現代の問題だ」と強調した。

◎米テレビ伝道者のメガチャーチ混迷−−個人信奉のつけ? 献金激減=0903150301

 【CJC=東京】米国のテレビ伝道者ロバート・H・シュラー牧師の宣教活動が混迷している。カリフォルニア州オレンジ郡ガーデングローブに建設した総ガラス張りの教会堂「クリスタル・カテドラル」は米国の代表的なメガチャーチとして有名になった。シュラー氏は伝道放送「力の時」で知られているが、ここへ来て大不況のあおりを受け、また家族間の不和もからまって宣教活動が危機に見舞われている。
 借入金返済のために6千500万ドル(約59億円)以上の不動産売却も検討中。昨年11月29日には子息で後継者と目されていたロバート・A・シュラー氏(54)がクリスタル・カテドラルの主任牧師を辞任した。
 H・シュラー氏が最近、教会財政の3割を支える多額献金者の集団「イーグルズ・クラブ」のメンバーに宛てた手紙によると、収入は昨年ほぼ500万ドル減少した。このままでは伝道番組も継続できない、と支援を要請している。「08年の最後の月は私たちの宣教にとって破滅的だった」と言う。
 景気後退の影響を受けたことは確かだが、この10年間慎重に計画されたH・シュラー氏の子息へのリーダーシップ移管が大きくつまずいたことは明らか。個人の力で推進されてきた宣教に共通の問題でもある。創立者が引退したり死去すると、勢いを急速に失うか、場合によっては崩壊する。
 ボストン大学の宗教社会学者ナンシー・アンマーマン氏は、教会員が献金を教会といった組織にではなく、牧師個人に結び付けて捉えている、と指摘する。伝道番組の視聴者は「献金を普段ささげている牧師以外の人が出ている時には、おそらく献金も少ないのではないか。番組には視聴者が特に忠実に見るようになる何かがある」という。
 強烈な出演者に導かれて教会が大きくなり、同時にそこに基盤を置くテレビ伝道は1980年代には盛んだった。しかし現在目立つのは、オーラル・ロバーツと故D・ジェームズ・ケネディの「コーラルリッジ・アワー」など一握りに過ぎない、と言うのはキリスト教メディア専門のカルヴァン大学クエンティン・シュルツェ教授。「もうテレビ番組と連動したメガチャーチを維持できない。シュラー氏やジミー・スワガート、オーラル・ロバーツ各氏が代表だった時代はもう終わった。『力の時』がやってこられたことすら、驚くべきことと思う」と言う。
 H・シュラー氏、その家族、さらにはカテドラル側もコメントを断っており、A・シュラー氏は、インタビューを求めるAP通信の電子メールにも応答していないという。
 シュラー家は教会を家業と考えており、子息のA・シュラー氏が06年に後継者とされた。しかしカテドラルは昨年11月29日、A・シュラー氏が主任牧師を辞任したと発表した。教会関係の放送局から解任されて1か月後のこと。H・シュラー氏は、「私たちは、宣教の方向と理念についてそれぞれの考えがあり、苦闘してきた」と述べている。
 教会のウエブサイトには教会員やテレビ番組のファンなどが多数、混乱に抗議するコメントを書き込んでいる。中には献金をやめると示唆したり、教会自体から離れるという人まで出ている。

◎各地に広がった祈りの輪届く−−心臓移植が成功、現地療養に入った佐野めいさん=0903151102

 拡張型心筋症を発症し、医師から「海外での心臓移植以外、術はない」と診断された佐野めいさん(08年12月14日既報)が、2月9日に渡米。コロンビア大学で心臓移植手術を受けた。
 海外での心臓移植手術はこれまでも例があるが、めいさんの場合、左心室も右心室も病状が進行していたため、2つの補助人工心臓を装着しての渡航だった。これは世界初の試みでもあり、懸念されていたが無事に渡米、手術も成功した。心臓との適合性もよく、心臓は元気に動いている。横隔膜が弱っているために現在、自発呼吸が難しいが、医師の話では「引き続き経過を見守る状況」とのことで、一安心といったところ。
 通常でも半年かそれ以上かけて術後の経過観察をするため、しばらくは現地での療養が続く。
 今回のめいさんの手術に当たっては、「めいちゃんを救う会」の地道な活動により幅広い協力があった。めいさんの卒園した代田教会附属代田幼稚園や、めいさんのお母さんの母校、女子学院など複数の教会やキリスト教関係の団体も祈り、募金活動に加わった。その一つ、牛久グレースチャペルの沼尻亨牧師は、「今も毎日の祈祷課題にあげて、主の癒しの御手がなお、めいさんに置かれますようにと祈っています」と話す。