[CSD]2009年9月6日号《ヘッドライン》

[CSD]2009年9月6日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
★家族が思い一つに——宣教病院船アフリカマーシー号で西アフリカ・ベナンへ
★9月9日に9条生かす「平和の鐘撞き」——大阪府下で賛同者募る

 = 2 面 ニュース=
◎金大中元韓国大統領死去:「神に託した信仰」偲ぶ——飯島信NCC総幹事が追悼礼拝で弔辞
★総選挙立候補者の政見一覧を手作り——香川キリスト者の会がアンケート調査
★女の赤ちゃんを守れ——名古屋・東京・大阪でインドのアート 緊急絵画展&講演会
◎音楽コンクール優勝者に「君が代」独唱を要請——「事実上の強制」と教会関係者らが主催新聞社に抗議
★<落ち穂>信徒3人で新会堂建設へスタート

 = 3 面 =
★日韓中の青年3850人が一つに——KOSTA-Japan
★全米最大教会のジョエル・オースティン氏の著書『あなたの出番です』PHP出版から刊行
★<オピニオン>結婚のすすめ 記・渡部 敬直
★取材こぼれ話:イケメンの親父は牧師

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★毎朝「失敗しても感謝」と唱え——菅原 進さん[下](菅原電機産業[株]代表取締役社長)
★<ピンチはチャンス>[7]金融危機の時こそリーダーは僕に 記・篠 松次郎

 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『あなたからのたからもの あなたからのもの』関根弘興ほか著(いのちのことば社、300円税込)
★BOOK:『元気の出る聖書のことば』岩本遠億著(いのちのことば社、400円税込)
★BOOK:『ありのままの自分を生きる』藤掛 明著(一麦社、1,260円税込)
★REVIEW:『キリスト教養育』H・ブッシュネル著(教文館、4,410円税込)評・福井 誠

 = 6・7 面 全面広告 =
☆10月16日「世界食料デー」 ホームページ http://www.jijh.org/ 主催:世界食料デー実行委員会/日本国際飢餓対策機構

 = 8・9 面 特集/高齢者と共に生きる =
★良い環境、人材で奉仕——高齢者の多様なニーズに応えるIGLグループ
★「大事にされている」が伝わる介護心がけ——輝き奉仕会
★授産施設が高齢者在宅介護支援——聖恵会
★苦難も恵みと受け止め——今年92歳に 刺繍で「最後の晩餐」を制作

 = 10 面 教会学校 =
★<教会学校の実情を探る>今春発足「mini★stars」——集まれ!牧師家庭育ち

 = 11 面 クリスチャンライフ =
◎声でつながり救われる——沖縄いのちの電話
★祈りの楽しさ実感——本郷台キリスト教会ユース連鎖祈祷

 = 12 面 教会 =
★「少子高齢化」をチャンスに——キリスト合同・世田谷中原教会



◎金大中元韓国大統領死去:「神に託した信仰」偲ぶ−−飯島信NCC総幹事が追悼礼拝で弔辞=090906

[img align=left]http://jpnews.org/pc/uploads/img4a9b24b130656.jpg[/img] 韓国の民主化に貢献し8月18日ソウル市内の病院で死去した韓国元大統領、金大中氏(85)の葬儀が同23日、国葬で執り行われたが、前日の22日には韓国基督教教会協議会などキリスト教関係者主催による追悼礼拝が、ソウル市鐘路の韓国基督教会館で行われた。日本基督教協議会(NCCJ)の飯島信総幹事が出席し、海外からただひとり弔辞を読んだ。
 飯島氏は、金大中氏が東京のホテルで当時の朴正煕軍事政権によって拉致された事件の翌74年、日本で結成された韓国問題キリスト者緊急会議の実行委員の1人。80年5月に民主化を求めて起きた光州事件で、全斗煥政権下の軍法会議により内乱首謀者として金氏に死刑判決が言い渡された際には、「金大中氏を殺すな! 市民署名運動」の事務局を務めた。
 弔辞で飯島氏は、光州事件以降、日本の世論が拉致事件での「主権侵害論」から韓国の自由と民主主義を求める戦いに対する感動と共感の道へと変わったと述べ、「心を揺さぶった言葉」として、金氏が死刑を求刑された後の軍法会議での最終陳述を引用した。「わたしは、わたしに対する寛大な処分よりは、ほかの被告に対する寛容を望む。一昨日求刑を受けた時、わたしにも意外に思えるほどわたしの心は静かであった。それはわたしがキリスト者として、神の欲したもうところであるならば、この裁判部を通してわたしは殺されるであろうし、そうでなければ、この裁判部を通してわたしは生かされるであろうと信じて、すべてを神に任せているためだと考える」と。
 飯島氏は、この言葉の中に「神にすべてを委ねきって生きる1人の敬虔なキリスト者の姿を見た」とし、「この言葉から、そしてその全存在から放たれる人としての尊厳の輝きは、わたしたち日本社会に、自由と民主主義がいかに尊いものか、また人間の尊厳はいかなる権力をもってしても侵すことの許されない、神によって守られたものであることを教えてくれた」と述べた。
 軍事政権時代、戒厳令下の韓国の緊迫した空気に触れて飯島氏は「非暴力の民主化闘争は素手でどうやって立ち向かうのか。勝てるはずがないと思った」だけに、金氏が大統領になったことには感慨もひとしお。「主は与え主は取られるという神にすべてを託す信仰を金氏は生きていた。時々の課題に向き合っていく生き方は、自分の命は神のものであるという信仰告白だった」と語る。

◎声でつながり救われる−−沖縄いのちの電話=0909061101

 「今、薬を200錠飲みました。最後に誰かと話したくて…」。沖縄いのちの電話には、思い詰めた相談が毎日のように寄せられる。耳を傾けるのは訓練を積んだボランティア相談員だ。しかし、彼らもまた、精神的に苦しくなることがある。共に働く仲間を励ましたいと、つきしろゴスペル教会牧師の砂川竜一さんが「ゴスペルパワーナイト2009」チャリティーコンサート(同実行委員会主催)を企画、開催した。

 自らもいのちの電話の相談員を務める砂川さんには、以前から気になることがあった。「人の生き死ににかかわるような深い悩みを聞き、真剣に耳を傾けるほど相談員自身が疲れ切ってしまっている。なのに、多くの人はこの働きをよく知らない」ということだ。無償のボランティアのため、自分の時間とエネルギーの代償はない。 「守秘義務があり、相談内容は誰にも言えません。いつしか相談員も心を病んでしまうケースも少なくありません」。そのような中で辞めざるを得ないスタッフがいる。また、相談件数に比べて相談員が少ない現状もあり、「現役の相談員もぎりぎり」の中で、相談に応じている。「電話一本で死のうと覚悟していた人が生きる道を選択することもあります。生命線ともなっている働きですが、相談員の苦労が顧みられることがあまりにもなかったのです。相談員にリフレッシュしてもらうには? と考えて企画したのが、ゴスペルライブでした」
 牧師としてできることを考えたとき、沖縄県下のゴスペル歌手ならば伝手があると気づき、6組のアーティストを集めた。入場無料のライブで、地元紙に広告を出したこともあり、当日は500人以上もの人が集まって満席となった。「中にはクリスチャンアーティストのキリスト教色にアレルギーを感じて席を立った方もいらっしゃいますが、ほとんどの方が最後まで楽しんでくれました」と砂川さん。ただ、ある地元紙の記者は「いのちの電話」の存在すら知らず、「もっと沖縄いのちの電話の存在を知ってもらわなければ」との思いも強くしたという。
 沖縄では、今年に入ってからの2か月で80人以上の自殺者が出ている。10年ほど前までは全国でも低い自殺率だったが、経済不況のあおりもあるのか、近年は自殺者が増えているという。「もしもいのちの電話を知っていたら、助かったかもしれない。そんなケースも少なくありません」
 砂川さん自身も、この4月に家族を亡くした。「家族にもほとんど内緒で借金を重ねていました。それは、お金に窮している友人を助けるために重ねた借金のせいで医療費も光熱費も払えなくなり、病気が悪化してしまい、一人布団の中で亡くなっていました」
 もしも、債務整理の法的手続きを知っていたら、こんなふうに亡くならなかったかもしれない…。やるせない思い、悲しみ、悔しさ。こんな思いを増やしたくない。「だからこそ、いのちの電話の存在をもっともっと多くの人に知っていただかなくてはと思うのです」
 家出、病気、人間関係などかかってくる相談内容は多種多様だ。「沖縄の(いのちの)電話は温かいから」と県外遠方からかけてくる人も多い。「私もつらいときに、ある人に悩みを打ち明けて気持ちを吐き出したら、共感してもらえて楽になれた経験があります。人に共感してもらえること、理解してもらえたと感じることが、弱さの中でどれほど心強いことかと思うのです」

 いのちの電話では一定期間、訓練と学びを重ね最終段階をクリアして相談員となれる。また、認定後も1年は先輩のもとで指導を受ける見習い期間となる。「相談員が独り立ちするのに時間を要しますが、サラリーマンや主婦などが中心となり、ボランティアをしています。確かにボランティアの中でも最も精神を使う大変なものですが、自殺の最後の防波堤としての必要性を感じます。また、無償だからこそ、打算でなく人の役に立っているという確かなやりがいも感じます」
 「社会の問題や悩みに苦しむ人の痛みを共に担う相談員が増えてくれれば」と砂川さん。痛みや傷が多くても、担う人が多ければ乗り越えられることもたくさんある。
 助けを求めている人に手を伸ばし、自分もまた助けた人に助けられている。いのちの電話の働きにはそんな温かなつながりがある。
 相談員の応募先(事務局)Tel.098・888・4747。「沖縄いのちの電話」(相談)Tel.098・888・4343。

◎音楽コンクール優勝者に「君が代」独唱を要請−−「事実上の強制」と教会関係者らが主催新聞社に抗議=0

 毎日新聞社が主催する春の選抜高校野球大会の開会式において君が代独唱を、同じく同社主催の「全国学生音楽コンクール」高校声楽の部の優勝者に依頼していることについて、全国キリスト教学校人権教育研究協議会(関田寛雄会長、全キリ)はこれまで、2度にわたり抗議文を送付してきた。1度目の抗議には、同社大阪本社総合事業局・井上康雄スポーツ事業部長より回答があったものの、それに対する再抗議については回答が得られていない。全キリでは8月8日の総会で、再度同社に働きかけをすることを決定。抗議文を送付した。
     ◇
 昨年の「学生音楽コンクール高校生声楽の部」の優勝者であるキリスト教学校の生徒に対し、同社が開会式の君が代独唱を「優勝者の栄誉」として依頼し、当人及び学校の了承を受けたとして、独唱をさせた。この件に関して電話で問い合わせた人に対して、同社は「決して強制ではなく、辞退しても構わない」と伝えたという。この状況に対して全キリの抗議趣旨は「現在の『日の丸・君が代』をめぐっては、『辞退』を言い出せる状況でしょうか」と指摘。「この方法は、結果的に、高校生に君が代独唱を強制しているのと同じこと」であり、「もし当事者が独唱を辞退したならば、その事実が公表・報道され、当事者やその関係者に一種の『レッテル』が貼られること」になる。「そのような過重な負担、決断、責任のすべてを、あくまでも当事者とその家族・学校に負わせている」として、全国で教員が大量に処分を受けている君が代問題を、このように安易に依頼することは「報道機関として責任ある姿勢と言えるのでしょうか」と批判した。
 また、同社が君が代独唱の依頼を始めた1999年は、広島県立世羅高校の校長が、君が代実施を推し進める県教委と良心との板挟みになって自死し、このことにより「国旗国歌法」が成立した年。同校校長の自死を報じた同じ頃に、高校生による君が代独唱が準備されていたというのは衝撃的であり、「毎日新聞社の見識を疑わざるを得ない」と強く批判した。
 年々強まる学校への「日の丸・君が代」強制に対し、キリスト教学校では強い危機感をもっており、「教育現場で深刻な問題となっている君が代は、いかなる形であれ新聞社が主催する高校生のスポーツ大会にもちこむべきではない」として、「事実上の強制」撤廃を強く求めた。