[CSD]2010年10月17日号《ヘッドライン》

[CSD]2010年10月17日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎困難が生んだ協力の輪——キリスト教学校教育同盟100年
★阪神 マット・マートン選手シーズン最多安打数の新記録——神の御名を知らせる時となったことが感謝

 = 2 面 ニュース=
★「神の言葉、世界のための命」——聖書協会世界連盟が韓国で総会
★卞在昌牧師 準強姦事件の公判大詰めに——容疑否認しアリバイが焦点に
★<逝去>近藤 裕氏(牧師、サイコセラピスト。82歳)——「死の準備教育」を啓発
★「現代人の孤独を考える」講演会
★<落ち穂>「花外楼」での大坂会議

 = 3 面 =
★<竜馬をめぐる人々>[26]勝海舟の章:6——遣米使節団に随行した咸臨丸 記・守部善雅
◎日本で信仰育つ各国留学生ら——青年修養会KOSTA-JAPAN ますます盛ん
★<オピニオン>「真の弟子訓練」こそがカルト化防ぐ 記・坂本 兵部

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★有薗 浩見さん[上](オリーブ動物病院院長)——あなたの救いは今、この時
★<人生何とかなります>[13]諦めず、逃げないで伝道してきた 記・佐藤 敏

 = 5 面 牧会/社会/神学 =
★イエスは宣教において何を目指したのか[3]講義2_失われた者を捜す?——リチャード・ボウカム博士特別講義より
★<米国>古代イスラエル人は、ワインもビールも飲んだ——考古学専門誌に発表
★<精神障害と教会>[83]子どもの危機(2)——「助け合って生きる」は子どもも同じ 記・向谷地 生良

 = 6・7 面 宿泊特集 =
★環境に配慮した清里の新しい顔に——山梨:キープ協会 清泉寮
★若者の信仰決心、献身促し60余年——長野:松原湖バイブルキャンプ
★IT、国際化にも対応——東京:八王子セミナーハウス

 = 8・9 面 特集/いのちのことば社創立60周年 =
★いのちのことば社60周年の感謝 記・吉持 章理事長
★福音車21 GOSPEL BOX——歓迎されています! 地方巡回 http://www.jpnews.org/gospelbox/
★OPEN CHAPEL——記念講演・コンサート情報 http://www.wlpm.or.jp/event/togo/
★パートナーと共に文書配布

 = 10 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★CD:「主の愛はあなたにも」(ダビデとゴリアテミュージックミニストリー、1,800円税込)
★BOOK:『イスラエル建国の歴史物語』河合一充著(ミルトス、1,575円税込)
★BOOK:『小林和夫著作集 第2巻』小林和夫著(いのちのことば社、4,410円税込)
★REVIEW:『ジャン・カルヴァンの生涯 下』アリスター・E・マグラス著(キリスト新聞社、3,360円税込)評・袴田康裕

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★100年前、朝鮮人女性伝道師らが果たした役割は?——「在日朝鮮基督教会の女性史」を講演
◎創造信仰は神の秩序と祝福を回復する——創造論を教育の基盤にした韓東大学の金泳吉総長語る

 = 12 面 教会 =
★「つくりもんまつり」にイエス様——アッセンブリー・福岡町キリスト教会



◎困難が生んだ協力の輪−−キリスト教学校教育同盟100年=1010170101

 キリスト教学校が、互いの協力関係を通してキリスト教教育の向上を目指す「キリスト教学校教育同盟」(野本真也理事長)が今年で設立100周年を迎え、記念式典を11月23日、立教大学タッカー・ホール(東京都豊島区)で開催する。

 1854年の開国以来、欧米諸教会の伝道局(ミッションボード)などによって派遣された宣教師らが各地にキリスト教学校を設立。聖書教育、語学、女子教育など、様々な先駆的教育を通して日本の教育に貢献した。しかし99年(明治32)8月3日、宗教教育を禁じる「文部省訓令第12号」が発令され、キリスト教学校は窮地に立たされることになる。違反した場合は文部省認可の学校として認められないため、上級学校への進学や徴兵猶予の特典を失う。それは男子校にとっては致命的であった。キリスト教学校界は混乱に陥ったが、この時、各校が連絡を密接に取り合い、特典を捨ててもキリスト教教育を守ることを確認した。
 この各学校の協力が契機となり、1910年(明治43)、男子校十数校が「基督教教育同盟会」を組織。第1回総会を開催した。規約の「目的」には、「訓令第12号」発令の中で学校間が協力し、国の圧迫に対し行動を共にして抵抗した姿勢が示されている。一方、女子校でも、キリスト教教育の実践を貫く学校は少なくなく、13年(大正9)10月、二十数校によって「女子基督教教育会」が組織された。22年(大正11)、両会は合同。男子の名称を継承し「基督教教育同盟会」となった。この組織が、後の「キリスト教学校教育同盟」である。
 時代が第二次世界大戦に向かうと、キリスト教学校は再び困難を迎えることとなる。欧米のミッションを母体とするキリスト教教育には特に強い干渉が行われ、同盟校は、脱会により63校から52校へと減少した。戦禍も痛ましいものであった。中でも原爆による被害は甚大で、広島女学院では教職員20人、学生・生徒・児童320人が、鎮西学院(長崎)では、教職員・生徒140人が犠牲となった。
 戦後、同盟では聖書科等の教科書を出版し加盟中高に頒布するなど、各校の復興を支えた。71年には「キリスト教学校教育同盟」と表記を変更し、また互助活動のために「キリスト教学校教育同盟維持財団」を組織。4地区協議会の設置、教育研究委員会・広報委員会など常設委員会を整備し、新しい事業への取り組みを開始した。現在は、97学校法人が加盟。100年を迎え、特設委員を中心に式典の開催や『百年史』の編纂など、記念事業への取り組みが進んでいる。
 生徒数の減少、公立学校のカリキュラムの多様化、中高一貫化などにより、近年、キリスト教学校は新たな困難に直面しつつあるという。100周年は、改めてキリスト教教育の意義や各校との協力を見つめ直す節目とも言えよう。


 100周年記念式典・記念シンポジウム=【日時】11月23日(火)、式典は午前10時30分~、シンポジウムは午後1時30分~。【場所】立教大学タッカー・ホール(東京都豊島区西池袋3ノ34ノ1)。【参加費】1万円(遠隔地にある学校への参加交通費支援に使用)。【歴代同盟理事長による記念シンポジウム】「キリスト教学校教育同盟の回顧と展望」。発題は深町正信(クラーク学園理事長、青山学院名誉院長)、山内一郎(前関西学院理事長)、久世了(明治学院学院長)の各氏。【連絡先】Tel.03・3203・0361。

◎日本で信仰育つ各国留学生ら−−青年修養会KOSTA-JAPAN ますます盛ん=1010170302

 日本の青年たちは御言葉に耳をすませ、共産主義と無神論の影響を受けてきた中国の青年たちが創造主なる神様の前にひざまずいた。韓国の青年は世界宣教のビジョンを再確認し、弟子の人生を生きることを決断した。
 福音の荒れ野である日本の地で日本・韓国・中国の青年たちは、そうやって神の統治を身をもって経験した。長野県伊那市の伊那スキーリゾートで開催されたKOSTA―JAPANの会場で起こったことだ。8月10日から13日まで開かれたKOSTA―JAPAN(東アジア青年修養会)は今年で18回目。全国の110の教会から韓国人と日本人、中国人、そして英語圏などから約3千500人が参加し、献身と決断の時を持った。青年たちは5時半に起床して夜11時まで御言葉を黙想し、KOSTAの講師たちが伝えるメッセージに応え、神との出会いを経験した。
 日本でのKOSTAは全世界のKOSTA集会の中で規模が最も大きい。韓国人留学生のための修養会が、国際的な学生と青年のための修養会として拡大されてきた。このような現象が日本で起きたということは、日本福音化と世界宣教のための青信号と関係者の間で受け取られている。参加者らはKOSTAを通して人生のビジョンを見つけている。
 中国の上海出身で、3回目の参加だというチャン・イハンさん(25)=大学院システム工学修士課程=は「KOSTAに参加して、どんな状況においても神様に寄り頼まなければならないことを悟るようになった」といい、「卒業したら日本宣教と中国教会のために働きたい」と抱負を述べた。彼は日本留学前には一度も福音を聞いたことがなかったが、日本で韓国人留学生に出会い、信仰を持つようになった。
 日本で職場に通っているコロンビア出身のロサ・カデナスさん(29)も3回目の参加。彼女は「毎年参加して信仰が成長している」といい、「他人に仕えることと、クリスチャンの交わりについて学んだ」と述べた。
 KOSTA―JAPANは初期の段階から日本と中国の青年が参加し、今日に至っている。回を追うごとにその数は爆発的に増加した。11日開かれた夜の聖会では3か国の学生が一か所に集い、韓国語と日本語で同時に進められた。KOSTAはクリスチャンのための修養会であると同時に、キャンパスで出会った大学生に向けての伝道集会としての要素も持ち合わせている。フェスティバルではスキットと賛美、ドラマ、踊りなど、韓・中・日の伝統を反映したチーム別発表会も開かれ、参加者らに笑いと感動を与えた。
 続く集会ではイエスに従う代価に関して大田サンソン教会の池聖業牧師がメッセージ。池牧師は「イエスの弟子として生きることは『つまずき』と『スキャンダル』が付いてくる人生を生きること」といい、「誰も理解してくれない孤独な道を堂々と歩んで行こう」とビジョンを示した。
 「全ての国へ、地の果てまで、福音を…!」という主題で開かれたKOSTA―JAPANは、分野別セミナーを含め、バイブルスタディ、特別講義、宣教の現場、聖会など、信仰の確信と決断、キリストの中での人生を強調する様々なプログラムで進められた。
 25年前、KOSTAの創立に大きな役割を果たした南ソウル恩恵教会の洪正吉牧師は「KOSTA―JAPANは単独で開かれるKOSTAとしては世界で一番多くの人が集まる大会」といい、「福音の中で出会った韓国・中国・日本の学生を通して日本と中国、韓国が霊的に変わることを期待する」と述べた。

◎“創造信仰”は神の秩序と祝福を回復する−−創造論を教育の基盤にした韓東大学の金泳吉総長語る=101

 9月30日から10月1日にかけて神奈川県川崎市の同盟基督・招待キリスト教会で開催された、いのちありがとうの会主催のキリスト教教育講演会。主講師の金泳吉氏(韓東大学総長、創造学会初代会長)は、創立時に6日(1日24時間)創造説を同大学の教育の基本理念に据えてキリスト教教育を実践してきた経緯と主の祝福を語った。

 金属材料工学を専攻していた金氏は、無神論者だったが米国留学中にヨンエ夫人と結婚。クリスチャンだったヨンエ夫人には「結婚したら一緒に教会に行くと約束し」結婚を決断させた。NASAに就職し、クリチャン科学者たちとのバイブルクラスでの学び合いから、創造主を信じることができた金氏は「私たちは神の前に罪を犯しているため、神の創造の秩序が壊れ始めました。霊的な世界にも進化論の攻撃を受けて、道徳的にも壊れており、すべての環境が壊れ始めています。しかし、神はそのままにして置かれません。すべてのことを神の創造の秩序に回復してくださいます」と語る。

 金氏は、70年代半ばに韓国のカイスト大学の教授に招かれて帰国した。オンヌリ教会の最初の長老に任じられ、80年には10人のクリスチャン科学者らと創造学会を設立し初代会長にも就任した。
 そんな金氏に94年、ある熱心なクリチャン実業家から慶北道の浦項に「創造主を教育の基盤に据えたキリスト教大学を創設する」ので総長に迎えたいと言われ、彼のビジョンに応えた。
 だが「それからが苦労の始まり」。95年に大学が創立され、第1期は400人の学生たちが入学したが、理事長になったその実業家の会社が大事故で環境汚染を引き起こして倒産した。大学の理事会も崩壊していくなかで、ここでも祈りのうちに導かれた答えは留まることだった。増えていく赤字。教授たちの給与未払い。「どうすればいいのですか、『これはもう、あなたにしかできません』と神様に訴えて祈りました」。しばらくして、国から1億円の補助金が支給された。教育設備や研究援助のためのものだったが、金氏は3か月間未払いの教授や職員らの給与に充てたのが問題になり金氏も告訴されてしまう。
 第一審の判決は懲役2年の有罪判決。高裁へ上告し、臨時収監所から刑務所へ移管される時、手を縄で縛られ囚人服で移動する惨めな気持ち。「私は、イエス様が十字架の苦しみを通らなければ復活のみわざがなかったことに目が開かれました」
 金氏と韓東大学の窮状は、韓国教界はもちろんマスコミにも報道され、教会やクリスチャンから献金が寄せられてきた。裁判では、着服ではなく未払い給与の支払いであることが認められ無罪判決を得た。拘束されていた53日間に4億円を超す献金が集まり、大学の窮状も打開できた。国がIMFの国際援助を受けている状況の中で、考えられないことだった 。

 「創造信仰を教育の基盤に置く韓東大学は、神様の大学として証しされています。創造科学の授業は必須科目です」。当初から創造秩序の回復この世界を変える教育社会に役立つ人材の育成と派遣を教育理念に掲げ、今日では世界のトップ企業やユネスコなど国際機関からも卒業生の評価は高い。
 「創造主への創造信仰をしっかり持っていれば、主はすべてのことを導き、祝福してくださいます」と語り、聴衆を励ました。 
(次号に創造信仰の講演を掲載)
 金泳吉氏の4回の講演DVDは、左記問い合わせ先で取り扱っている。いのちありがとうの会=〒512- 1101四日市市内山町8073ノ16 Tel.059・323・1065。