[CSD]2011年4月10日号《ヘッドライン》

[CSD]2011年4月10日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
★いわきから東京へ 被災者の声——不安 見出した「福音宣教」は急務
★故郷を覆う瓦礫——東日本大震災 津波にさらわれた町々

 = 2 面 ニュース=
★福島原発30キロ圏 教会は今…——「住民いる限り留まる」牧師も
★災害カウンセリング いかに寄り添えるか——サドルバック教会から来日セミナー
★急がれる遺体火葬——「弔い」尊重をと宗教団体から申し入れ
★<落ち穂>被災地の教会にしかできないこととは…

 = 3 面 震災/救援=
◎被災地に聖書・絵本などを提供——いのちのことば社、日本聖書協会
◎小さないのちを守る会:被災地の小さないのち守ろう——安心して産める環境を提供
★被災地へランドセル・学用品を贈呈——福音歌手の森 祐理さん
★<逝去>ケネス・マクビーティ氏(いのちのことば社創設者、TEAM宣教師)
★<オピニオン>生き残った東北教会の使命 記・吉田 隆

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★市川 益子さん[中]([社福]こひつじ会 小羊チャルドセンター創設者)——紛争にも負けなかった 記・三浦 三千春
★<会計基準の黒船来る>[9]売上・資産計上も大きく変化 記・篠松次郎

 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★DVD:「聖書を読んだサムライたち」出演:守部喜雅、森 祐理(ライフ・クリエイション、3,990円税込)
★REVIEW:『精神科医の見た聖書の人間像』平山正実著(教文館、1,890円税込)評・上山 要

 = 6・7 面 宿泊特集 =
★最善尽くして最上のもてなしを——北海道・ホテル阿寒湖荘 籠嶋
★聖書によって立つペンション 28年目に与えられた役割——那須高原ハウス・オブ・レスト
★被災者受け入れ宿泊施設情報

 = 8・9 面 特集/中国のキリスト教会は今 =
★中国教会の現状と課題——日本の被災者のために祈る中国人クリスチャン
★カナダで日中両教会が被災者覚え合同祈祷会
★中国へぼ宣教は和解の働きでもある——まだまだ入手困難な聖書を届ける必要

 = 10 面 震災/子どもたち =
★被災地の子どもに心のケアを——Good Neighbors Japan
★アジアから「笑顔絶やさないで」——World Vision Japan

 = 11 面 クリスチャンライフ/支援の手つがる =
◎目の前の必要と魂の必要に応えたい——長老教会・おゆみ野教会など宣教チームが長期支援へ
★ママさん宣教師のひとことでつながった——「ママ友」たちの底力 地域ぐるみで被災地支援
★「町の復興見届けたい」——福島原発35キロ圏 日基教団・鹿島栄光教会
連載<また行きたい! 教会の魅力>は休載させていただきました。

 = 12 面 震災/被災地ルポ =
★なめ尽くされた町で——壊滅の陸前高田市唯一の教会・陸前高田キリスト教会のいま
★残骸が覆う気仙沼市沿岸——気仙沼第一聖書バプテスト教会、キングス・タウン
★「なぜ」から「必然」へ——保守バプ・福島第一バプテスト教会



◎被災地に聖書・絵本などを提供−−いのちのことば社、日本聖書協会=1104100301

 東日本大震災では多くの教会も被災し、津波や原発事故で避難を余儀なくされたクリスチャンも少なくない。そうした中で聖書をなくした人たちへの救援物資として、いのちのことば社は新改訳聖書(旧新約、新約)を贈呈することを発表した。すでに、原発事故で避難生活をしている福島第一聖書バプテスト教会に60冊の新改訳聖書を贈呈した。
 また、地震や津波災害で心に傷を負った子どもたちのために、絵本のプレゼントもする。避難所での生活で読む絵本がなくて困っている子どもたちや、被災した幼稚園、学校に贈呈する。第一段階として、キリスト教色が出ていないがキリストの愛を感じさせ、子どもたちを励ませる絵本として、『ファーマーさんはみすてない』、『はくさい夫人とあおむしちゃん』、『たいせつなきみ スタンダード版』などを用意している。
 被災したクリスチャンで信仰書を読みたい、という希望者の相談にも応じる。
 聖書・絵本代は無料で、送料も同社が負担。個人の申し込みも受け付けるが、なるべく教会単位でまとめて申し込んでほしいという。避難所などへ確実に届けられる個人、団体も募集している。
 申し込みは、いのちのことば社救援対策本部復興支援室(担当・桑原)まで、電話かメールで。Tel.03・5341・6911、Email: kyuen@wlpm.or.jp

 (財)日本聖書協会(JBS)=渡部信総主事=は、東日本大震災で被災した人々の衣食住が確保され、ある程度復旧の見通しがついた時に、希望をもって復興への道を歩んでもらえるよう、聖書の無料頒布支援の準備を開始した。趣旨は、悲惨な状況を目にし、不安の中過ごしてきた子どもの心を慰める『絵本聖書』、『マンガ聖書』を、また聖書を必要としている被災地の教会へ『備え付け用聖書』を贈るというもの。
 JBSではこのための献金を受け付けている。▼郵便振替00160・2・18410、財団法人日本聖書協会(通信欄に「地震被災地聖書頒布支援」と明記)▼三井住友銀行京橋支店普通6552744、財団法人日本聖書協会。銀行振込は送金前に金額をメールか電話で。Tel.03・3567・1980、Email: fund-raising@bible.or.jp

◎小さないのちを守る会:被災地の小さないのち守ろう−−安心して産める環境を提供=1104100302

 小さないのちを守る会(水谷潔代表、辻岡健象会長)は、「胎児もかけがえのない小さないのちである」との同会の趣旨に沿い、被災地の妊婦に安心して出産できる環境の提供を願い、呼びかけている。
 水谷氏は「行政や医療、教会関係との連携により出産までの中期、長期の受け入れ、医療機関の紹介、育てられない場合の養子縁組のお手伝いをさせていただきます。生活面での援助もご相談くだされば検討します」と語る。
 小さないのちを守る会会員の多くがすでにそれに応答し、受け入れを申し出ているという。
 Tel.0568・70・6303、Email:hax34400@tree.odn.ne.jp http://chiisana.org/

◎目の前の必要と魂の必要に応えたい−−長老教会・おゆみ野教会など宣教チームが長期支援へ=110410

 3月11日に襲った東日本大震災。その2日後の13日には物資を詰め込んだトラックが東北を目指していた。長老教会・おゆみ野キリスト教会(ダニエル・アイバーソン牧師)などいくつかのチームや教会の協力によるものだ。迅速な支援の動きはどのように進められたのか。共同支援プロジェクト「ヘルプ東北・地震災害支援」が立ち上がり、継続的な支援をすでに進めている同団体のスタッフに現在と今後の支援について話しを聞いた。

 千葉市緑区にあるおゆみ野キリスト教会は、アメリカ長老教会の宣教のビジョンによって開拓された教会だ。今回、支援の動きをいち早く取れたのは、「ダニエル宣教師の行動力と宣教師のネットワークによるところが大きい」とスタッフの堀野陽二さんは話す。「とにかく行こう」とトラック1台を借りたところから支援が始まった。
 支援は、千葉や東京の宣教をカバーするアメリカ長老教会関係のチームが複数協力している。
 届け先は、コンタクトの取れた教会だった。物資を毎日輸送する中で、グローバルミッションチャーチなどいくつかベースとなる教会を据えて、そこに物資を集約させた。13日以降は平日のため、ドライバーの核となったのは、宣教師や教会スタッフだった。「そんな中でも『週末は運転しますよ』と言ってくださる方もいましたし、カイロや衛生用品、食料、水などを提供してくださるたくさんの方々がいました」
 最初は高速道路が封鎖され、一般道を走っていくしかなかったが、物資運送は警察に通行許可証をもらえば高速道路が使えるとわかり、時間も短縮できるようになった。25日まで2トン以上のトラックのべ26台が、物資を運んだ。不足の悲鳴があちこちであがっているガソリンも詰めこみ、第1フェーズとして物資運搬に重きを置いた。

 物資運送を初めて2週間がたった。様々な被災状況を配達途上で目にしてきた。「ある町は津波で壊滅状態。多くの市民が避難しているが、家が残っている一部の人がそこに生きていて、カップラーメン1個を数人で分け合っていると聞きました。また、放置されている遺体を生き延びた人たちが少しずつ埋葬しているそうです。助けが届かないところは、サバイバルモードになりつつあるという懸念もあります」
 物資の届け先はコンタクトのとれる被災地の教会だが、道中で出会った人たちにおにぎりや水を分ける。とくに津波の襲った地域では、がれきの撤去や大切なものを探す住人らもいる。部分的に「物資は過剰」状態であっても、必要な所に必要な量が届いていない現実も一方である。
 「引き続き必要に応じて物資の運搬はしていきます。地域のベースの教会から、行政の手の届かない人たち、地区にもなんとか届けていきたいです。そのためにもオートバイなどで運ぶことを検討しています」と同スタッフの高田正博さん。
 「ただ、最初期の第1フェーズは終わり、第2フェーズに入りました。災害で受けた傷からのリカバリーをどのようにしていったらよいのか。メンタルケアのためのワークショップなども取り組んでいきたいです。心のケアのチームを送ることも考えています。カウンセラーや牧師がどのようなかたちで協力できるか、長期的な視野にたって支援をしていきたい」と高田さんは語る。
 被災地に赴き、地元の人に水や食料を配っていると、「これ、どうぞ」とキャンディーを差し出されたという。「もう、持てるものがわずかなのにもかかわらず、そのわずかなものの中からぼくらに与えてくれようとするんです。そして『私たちがこんなにもらっては心苦しい』とおっしゃる方もいる。生死の境目にいる人はもちろん、これから復興に向かう方々のためにも何とかできることをしていきたいです。長い目で見て、福音宣教のうねりとなるよう、一匹の小羊もお見捨てにならなかったキリストのように、あきらめずに続けていきたいです」と高田さんは力強く語った。