[CSD]2002年8月4日《ヘッドライン》

[CSD]2002年8月4日《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎信仰制約、教会収用も——戦争協力の悪夢再来か、有事法で政府見解
★悪法には不服従——バプ連盟が宣言
◎サッカーW杯後もスポーツ伝道——SOJ、スポーツネットが受け皿に
★米国:「忠誠の誓い」問題——「娘はキリスト者」と母親発言で問題複雑化
★<青天幕に射した光>[14]「私たちの教会がほしい」
★<落穂抄>ホームレス生活者への教会の対応は・・・

 = 2 面 =
★米国「(国旗に対する)忠誠の誓い」違憲判決の意味 記・櫻井 圀郎
★国会祈祷会世話人に土肥隆一氏——党派・教派を超え幅広く
★朝祷会全国連合が綱領改定——「一致を求め祈る」明記
★<神のかたち>[13]「あなたは・・・産みの苦しみをした神を忘れてしまった」 記・稲垣緋紗子
★<論説>サッカーW杯 和解への貢献——真の日韓新時代は朝鮮半島の平和に 記・油井 義昭
★あかし文学賞:キャンドルの灯火[17] 作・島田 裕子

 = 3 面 全面広告=
☆書き写して味わうユニークな聖書——写教聖書
http://www.bible-21.net
 = 4 面 関西だより=
★キリストに触れる機会がない人々へ——アジアへの夢かなった長谷川ゆりかさん
★大阪で40日間連続の伝道集会を開催したELIMキリスト教会
★能楽で賛美——体で受け継ぐ能は信仰と同じ
★『李基豊の生涯と信仰』出版記念会——「私はどこまでも日本の見方です」
★<牧師室訪問>大嶋 常治さん(神戸フィラデルフィア教会牧師)

 = 5 面 =
★ユダヤ人とパレスチナ人はともに生きる——イエスの十字架が解決の道 レポート・石黒イサク
★チア・にっぽんコンベンションを全国で開催——家庭で神第一の教育を目指し
◎<北から南から>千葉県八千代市:宣教の火をバトンリレー
★映画「天使にラブソングを?」モデルの高校クワイヤーが東京で来日公演
★<CDの時間>「My Dear」 森 祐理
★映画「クロエ」地方でも上映

 = 6 面 生活のページ=
★<あの日のメッセージ>「何でもありの人生」から アメリカ旅行で愛を知る 記・池田 恵賜
★<真っ向勝負>質問:父親ははたして牧師に向いているか? 回答者:井上 賢二郎
★<今週の本棚>『キリスト教礼拝の歴史』J・F・ホワイト著(日本基督教団出版局、5200円)
★<今週の本棚>『トリビュレーション・フォーカス』ティム・ラヘイほか著(フォレストブックス、1800円)
★<今週の本棚>『弱い者の命を大切に』小岩 豊彦著(イーグレープ、1500円)
★<情報クリップ>催し情報ほか

 = ?~? 面 世界宣教・国際協力ガイド=
タブロイド版スペシャル

信仰制約、教会収用も−−戦争協力の悪夢再来か、有事法で政府見解0208040101

武力攻撃事態には思想・良心・信仰の自由は制約を受け、教会などが収用されることもあり得る——今国会で論議されてきた有事法制関連3法案は7月24日、衆院有事法制特別委員会で最後の一般質疑を行い、継続審議となったが、その席上、福田康夫官房長官は冒頭の政府見解を明らかにした。同法案についてキリスト教をはじめ宗教界では危機感を募らせ、信仰など基本的人権の侵害につながるとも指摘されていたが、政府見解は、懸念されていたその点をあからさまに確認させるもの。日本の教会は戦時中、国家の戦争遂行体制に協力した責任と罪責を表明しているだけに、悪夢の再来を危惧する声が各方面から上がっている。
 24日の特別委員会での質疑及び政府見解について、25日付の朝日新聞は「思想・信仰、制約も」と報じた。それによると見解は、武力攻撃事態に対処するため国民の自由と権利に制限を加えることについて「国及び国民の安全を保つという高度の公共の福祉のため、合理的な範囲と判断される限りにおいては、その制限は(個人の尊重などを定めた)憲法13条等に反するものではない」と指摘。思想・良心・信仰の自由については「内心の自由という場面にとどまる限り絶対的な保障である」とする一方、「外部的な行為がなされた場合には、それらの行為もそれ自体としては自由であるものの、公共の福祉による制約を受けることはあり得る」と明言した。
 制約があり得る「外部的な行為」の例として福田長官は、3法案が定める物資の保管命令に対し、命令を受けた人が思想や信仰を理由として自衛隊に協力しないケースを挙げた。さらに「作戦行動の中で、教会や神社、仏閣の撤収や除去は可能か」との前原誠司氏(民主党)の質問に、津野修内閣法制局長官が「根拠となる法律は必要だが収用されることはあり得る」と答えたことを伝えている。
 この報道を日本福音同盟(JEA)の蔦田公義理事長は「『神の国』発言や憲法9条改定発言の底流にあったものが、見える形で出てきた」と受け止めた。本紙の取材に対し「信仰や思想の自由は勝ち取り続けていくべき。ホーリネス派は再臨信仰のゆえに、戦時の思想統制によって弾圧を通った。その経験をした福音主義の教会は特に関心をもち、悪の力との霊的な戦いを心に、実際に積極的に戦わなければならない時だと思う」と見解を述べた。また、小さくても広くたくさんの声を出すことが力になるとして、日本キリスト教協議会(NCC)や他宗教者、アジア福音同盟や世界福音同盟とも連携をとり声を出す必要を指摘。「言うべきことを言っておかないと、言えない時代になる。戦えるときに戦っておかないと」と語った。
 NCCは25日、緊急に鈴木伶子議長、大津健一総幹事名でこの事態に対する声明の作成に入った。声明には?思想・信仰の自由は宗教の有無にかかわらず、すべての人が生きる上で基本的人権の根本。人間が何を考え何を信じるかという内面の自由は外面の生き方に直結する?かつて国家神道と軍国主義による体制に巻き込まれたことを日本の教会は悔いをもって歩もうとしているが、(有事法制を許せば)同じ罪を繰り返すことになる?日本が今できることは有事に備えを固めることではなく、東アジアと世界の平和をつくること、の3点を盛り込む予定だ。
 日本宗教連盟顧問、日本キリスト教連合会顧問の亀谷荘司氏は「軍隊は国民を守らない。国民の生存、思想、信仰などは考慮のうちにない。武力攻撃事態に国民の人権を制約する官房長官の発言は承知できなし、核所有発言も本音を暴露している。平和憲法の精神を大切にし、平和で世界に貢献できる日本、平和をつくり出すクリスチャンでありたい」と述べた。

サッカーW杯後もスポーツ伝道−−SOJ、スポーツネットが受け皿に0208040103

韓日共催W杯を機に、開催10都市を中心に日本全国の諸教会と協力してスポーツミニストリーを展開してきたゴール2002(峯野龍弘委員長)がその役割を終え、7月18日で解散した。しかし、W杯後も各地でサッカー交流が続けられるなど、スポーツ伝道の働きは新たな展開を見せた。このことを受け、W杯後は99年から日本におけるスポーツ伝道を推し進めてきたスポーツ・アウトリーチ・ジャパン(SOJ)・姫井雅夫代表・と、ゴール2002プログラム事務局(米内宏明プログラムディレクター)の1部門だったスポーツネットが受け皿となり、この働きを引き継ぐことを18日、ゴール2002の最終委員会の席上で決定した。
 ゴール2002は、各地で大きな実を残した。
 東京・西地区と仙台では、公立小学校、中学校などとの接点もできた。W杯を機に総合学習の一貫としてクリスチャンサッカーチームを招待。好感触を得、学校側は「来年も来てほしい」と言っているという。
 サッカーが盛んな静岡県清水市では、クリスチャンによる女性サッカーチームが結成された。
 兵庫県神戸市では、韓国・済洲島で行われた国際親善サッカー大会参加を機に、参加牧師らが今も毎週サッカーの練習を続けているという。
 これらの成果を踏まえ、峯野氏は「今回、SOJで始まったゴール2002の働きは、地域教会においてサッカーを中心にスポーツ伝道を振興させてきた。その結果、草の根レベルでスポーツをしようといういい動きが出てきており、この流れをサポートする必要が出てきた」。そのため「委員会では、SOJが主に世界のスポーツ伝道の働きの窓口となり、スポーツネットが主に国内で根付いてきたスポーツ伝道をフォローしていく方向性を確認し、そこに委ねることを決定した」。
 スポーツネットは、ゴール2002の働きの中でW杯開催10都市をはじめとする各地域に対し、青少年への伝道部門として位置づけられたもの。
 主な働きは、W杯によって誕生したサッカーミニストリーや野球などの様々なスポーツミニストリーをサポートしていくこと。「あらゆるスポーツとスポーツに興味を持つ一人ひとりを包み込む傘のようなネットワーク」と、ゴール2002統括事務局長だったビル・ウォーカー宣教師は言う。
 米内氏は「スポーツネットは峯野氏が語っていた『このW杯を機に、日本でのスポーツ伝道が青少年へのアプローチのため根付くように』の目標が達成された一つの実」と語る。「無理矢理引っ張っているのでなく各地区の先生方が『いっしょにやりましょう』と言っている。ゴール2002から始まって、今地域の教会がやる気になっている」。当分は米内氏がスポーツネットの責任を受け持つ。
 峯野氏は「今後はSOJと、新しく誕生したスポーツネットが協力し合い、日本のスポーツ伝道を推進していってほしいと願います」と語った。
 【SOJ】TEL03・3291・5035(総動員伝道内)【スポーツネット】TEL042・576・6046(米内)。

<北から南から>千葉県八千代市:宣教の火をバトンリレー0208040503

91年から11年間、千葉県八千代市で大韓イエス長老オンヌリ教会の宣教師として奉仕してきたチョウ・ソンロク氏が、体の不調を理由に離任。代わりに同教会宣教師のキム・チョルヒ氏が就任した。その離任・就任式礼拝が7月3日、八千代オンヌリ・キリスト教会で開かれ、オンヌリ教会のハ・ヨンジョ主任牧師が説教した。
 同教会は「日本人のための教会」を目指し、単立としてスタート。現在会員20人に成長したが、チョウ氏が健康不良のため後任を探していた。「できれば日本人の牧師に」と願っていたが該当者がなく、オンヌリ教会との相談の中で「日本宣教に熱い思いを持っている」キム氏の名が挙がり、後任として奉仕することに。名称も「八千代中央キリスト教会」から「八千代オンヌリ・キリスト教会」に変更された。
 最初にハ氏は「チョウ先生が種まく農夫の心でここまで主に仕えてこられた。チョウ先生の労に感謝します」とひと言。「教会が世界を変える唯一の方法。教会が生きるとこの世が生きる。日本の希望は教会。八千代オンヌリ・キリスト教会がこの地域で一番明るく喜びに満ちた教会になることを信じます」と語った。
 チョウ氏は「今はすべてが神の恵みによって完結し、主の中での賛美だけが鳴り響いています」と離任の辞を述べた。
 キム氏は?神様の望ましいスタイルを求め、方法としてオンヌリ教会がしてきた1対1の弟子訓練、御言葉を読み黙想するQTをしていきたい?日本人を育成し、もう一人牧師が生まれるようにしたい?宣教する教会として、長期・短期宣教師を支援したい、と語った。