[CSD]2002年10月20日《ヘッドライン》

[CSD]2002年10月20日《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎「精神障害者」も教会に必要な存在——「心の泉会」が隔離法案に待った!
★グラウンドゼロからの再建——クリスチャン芸術家ら探る
★ラオス:「宗教法」はキリスト教会の抑制狙いか?
★米国:テロ跡地のメモリアルは十字架だけか
★<恵みのどんでん返し>妻の病気は今の祝福の先駆けだった 記・松村 秀樹
★<落穂抄>

 = 2 面 =
★<教会がカルト化するとき>[7]家庭破壊あおり組織を正当化する「迫害」は誰の名のゆえか 記・ウィリアム・ウッド
★「牧会テーマに加藤常昭氏と対話——」第11回福音主義神学会全国研究会議
★<論説>福音が青少年に届かない理由——教会とは何か、何でないのか 記・山口 譲
★<神のかたち>[21]彼女は・・・イエスの着物にさわった 記・稲垣緋紗子
★<今週の本棚>『神様の一粒の麦』能登一郎著(いのちのことば社、1600円)
★<今週の本棚>『この翼ではばたく』ジョン・ビョンウク著(小牧者出版、650円)
★<今週の本棚>『教会に生きる』楠本史郎著(日本キリスト教団出版局、1200円)
<情報クリップ>催し情報ほか

 = 3 面 沖縄特集=
◎21世紀も「神への復帰」を——国吉守牧師 復帰30年の教会を語る
★基地の爆音に島田善次牧師立ち上がる——訓練差し止め要求を提訴
★震災での経験が牧会の土台——単立キリスト希望教会
★カウンセラー、情報発信者としても——ライフセンター那覇書店
★2年後に4年制大学へ 台湾の教会とも協力進む——沖縄キリスト教短期大学
★今、沖縄で一番熱い街 北谷

 = 4・5 面 =
★地域文書伝道パイオニア・プロジェクト——あなたの町にもキリスト教書店を開設しませんか
★美瑛ガーデンプレイズ——喫茶店の一角で観光客にも
★函館こどものとも社——教材・児童書販売から拡充
★MYM(マイム)——新会堂建設時に設計に組み込み
★川村書店——創業43年の老舗書店に専門コーナー
★ブックセンター・オアシス熊本——定年後自宅リビングに開店

 = 6 面 =
★デザインは福音の包装紙——本紙35周年記念デザインコンテスト 講評・町田俊之
★絵を描くことは祈り。そして賛美——東京で個展を開く松居身紀子さん
★素材の良さを引き出すトールペイント
★新刊紹介:『アトムポケット人物館 朝井力也』萌木ミカ画・柳川滋作(講談社コミックス刊、700円)
★新刊紹介:『バルラハ 神と人を求めた芸術家』小塩 節著(日本キリスト教団出版局、2000円)

 = 7 面 =
◎教会学校教師をサポート 教会を元気にしたい——JCM(藤田桂子代表)がスタート
★賛美を通してバリア崩し——ミクタムレコード25周年
★世界に広がるカルバリー・チャペル——ジャパン・カンファレンス2002
★在米日本人駐在員ら「企業倫理」とクリスチャンの生き方に注目
★10月24日に映画「ふうけもん」決起祈祷会——脚本は布施博一氏に
★<今月の試写室>「サイン」——妻の死は無意味と思う元牧師に摂理とを思える出来事が

 = 8 面 ビジネスのページ=
★<信仰人スピリッツ>才門 正男さん(才門建設<株>社長)——150億の負債も恵み
★<クリスチャンのための経営塾>[2]「経営管理組織」イエスの集団 記・鹿嶋 春平太
★<BUSINESS BOOK REVIEW>「お金ではなくいのちです」青木秀雄著(サイトブックス刊、1200円) 評・中野 雄一郎
★<私の信仰とビジネス>[2]聖書との出会い 記・小倉 昌男

 = ?~? 面 カラー特集=
☆北アメリカ 日本人教会・日本語集会インフォメーション
☆北アメリカ 日本語教会・日本語集会ガイドマップ(見開きカラーページ)


「精神障害者」も教会に必要な存在−−「心の泉会」が隔離法案に待った!0210200101

クリスチャンの精神障害者当事者グループ「心の泉会」(田村正代表)は9月23日、13周年の集いで「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」の廃案を求める宣言を採択し、各政党・議員、キリスト教関係など約200の団体・個人に送付した。同時に、会の綱領的な性格をもつ「心の泉会の主張」も採択し、教会に「精神病」者への理解を訴えた。背景には、クリスチャンの中にもある「精神障害者」への無理解により、当事者たちが教会で肩身の狭い思いをしてきた実情がある。  同法案は、責任能力がないために裁判にかけられなかった人や、無罪になった人などが「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った」とされ、「再犯のおそれ」があるとされれば、裁判官が強制入院、強制通院を命じられるというもの。
 「宣言」は、犯罪の被害者・家族の気持ちに理解を示し、そのために被害者・家族らの心のケアを十分にするよう要請。「罪を犯した者を憎む気持ちも当然」だが、「それを乗り越え、許しがたきを許すときに、人は本当に解放される・・罪に対する応報だけが犯罪を受けた人への慰めだとは思えません」とし、普通の法律と裁判で十分対応できるとの考えを示した。
 さらに、「再犯のおそれ」は予知できないとの専門家の見解を紹介し、「再犯のおそれ」はすべての犯罪者にあること、精神に障害をもつ者だけが、ずっと入院させられることはおかしい、と指摘。その上で、日常生活で、またマスコミ報道により、肩身の狭い思いをさせられてきたことを述べ、「この法律ができたら、『やっぱり精神障害者は危ない』『隔離入院させないといけない』といったような、誤った考えがますます広が」ると警戒。「犯罪者であろうとなかろうと、私たちは世の中で一人の人間として、その役割が果たせるようになるべき」だとし、そのためには、「この病気を持った私たちへの理解が深まり、交流の機会が多くなることが必要」として、自分たちも責任を果たす社会参加への願いを表明した。
 「漠然とした『偏見による恐れ』や、不可能な『再犯へのおそれ』の審査によって、精神障害者を隔離しようとするこの法律には、納得がいきません」と結論。「私たちはクリスチャンとして、すべての人がすべての人を許し、隣人を大切にする世の中が来ることを願っています。このことがなければ、人は本当の意味で心に平安を持つことはできません」として、「現実的な考えからも、信仰上の教えからも、この法案をすぐに廃案に」するよう求めた。
 要請に対し、日本共産党と社民党から、法案反対の態度表明が、公明党から坂口厚生労働大臣ほか関係議員に連絡するとの返信があった。
 「主張」では、自助グループの存在意義を確認、教会の無理解を批判し、クリスチャンとしてのセルフイメージ向上を図り、教会にとって「精神障害者」が必要な存在であることを確認した。

21世紀も「神への復帰」を−−国吉守牧師 復帰30年の教会を語る0210200301

琉球王国時代の「ウチナーユー」(沖縄世)から、「ヤマトゥユー」(大和世)、太平洋戦争の「イクサユー」(戦世)となり、戦後「アメリカユー」(米国世)、そして復帰によって再び「ヤマトゥユー」(大和世)になった沖縄。時代の中で揺れ動いてきた沖縄にあって、キリスト教界も様々に変化してきた。これまでの沖縄の教会、宣教について、現況、これからの課題などを沖縄バプテスト連盟那覇バプテスト教会の国吉守牧師に聞いた。  「復帰したらすべての問題が解決するという希望と、復帰後どう変わるのかという不安がありました」と国吉牧師は語る。「平和憲法の日本」に復帰するという期待と同時に、多くの問題もあった。米軍基地を多く残したままの復帰だった。国吉牧師は「復帰30年して基地の縮小はあったが規模は小さく、内容的には逆に濃くなった。基地は日本国民全体の問題として、日米政府に日本国民として、沖縄からも声をあげていきたい」と言う。
 さらに「キリスト者を含め、日本は世界に対して和解の使命を担っている。教会は政教分離を原則にしながらも、政治にも関心を広げていくべきでは」とも語り、先の大戦で激戦地となった沖縄と、そこにある教会の役割と今後の課題を示す。
 沖縄が復帰した1972年には、「我らの希望・神への復帰」をテーマに沖縄総動員伝道が行われた。日本全国から約40人の牧師を招いての一大伝道キャンペーンだった。「10万人救霊」を目指したが、現在もまだ目標には達しておらず課題の域だ。国吉牧師は「『神への復帰』ということを、これからも進めていかなければいけない」と話す。
 復帰後の30年で沖縄のキリスト教界で変化してきた点に、?100人を超す礼拝出席者の教会が出てきた?超教派協力が強くなった?神学校教育の推進?教役者会(牧師会)の結束により教会協力が強化されたなどが挙げられる。特に教役者会の働きは、日本の他地域に比べ大きい。
 他府県よりも出生率が高いとはいえ、沖縄でも少子化が進む。子どもへの伝道も課題だ。「土曜日をうまく活用して、新しい子どもたちを獲得していく必要がある」。同時に教会員の高齢化も視野に入れ、方言説教を取り入れるなどの工夫も大切だ。
 沖縄独自の問題として祖先崇拝も挙げられる。国吉牧師は「多くの県民が祖先への尊敬でとどまってしまっている。祖先を造った神への尊敬へとつなげなければならない。創造主礼拝をしないところに大きな問題がある」と言う。ただ、祖先崇拝への対応は各教会によって様々で、足並みをそろえるのは容易ではないのが実状だ。
 医療伝道も沖縄の伝道の特徴。病院を通してクリスチャンになる人も多いという。祖先崇拝と関連してユタ(霊媒師)の問題から、キリスト教主義病院と精神障害の分野での協力は今後も課題だという。
 国吉牧師は時代とともに価値感が多様化してきたため、教会の中で「キリストの平和と十字架の福音のメッセージが薄まっているのでは」という危惧も持つ。「21世紀はもう一度教会がキリストに立ち返り、福音を高く掲げていくことが重要」と語る。

教会学校教師をサポート 教会を元気にしたい−−JCM(藤田桂子代表)がスタート0210200701

今、子どもや中高生が教会の中で激減している。教会の教師やスタッフだけではなく、保護者、教会全体がこの危機的状況に立ち向かう必要がある。その状況を打開するため、創造的なプログラムによって教会の働きを応援するジャパン・クリエイティブ・ミニストリー(JCM)=藤田桂子代表=が10月に発足。1日、東京・千代田区のお茶の水クリスチャンセンターで発足式が執り行われた。
 JCMの目的は、子ども、中高生、大人が救われ、救いの確信を持ち、成長し、キリストの体なる教会が建て上げられるよう教会に仕え、バックアップすること。
 日本児童福音伝道協会(日本CEF)本部で6年間奉仕した藤田さんは、「児童伝道の幅をもっと広げた働きを今始めなさいと主に導かれ」、JCM立ち上げに至った。
 内容は?子どもや中高生を救いに導き、成長のための学びを行う?その彼らを救いに導き、弟子化する教師、スタッフを訓練する?障害を持った子ども、親への支援、その受け皿の教会を強める?スポーツ伝道の一つ「キッズ・ゲーム」や中学・高校・大学生を訓練するプログラム「エレミヤ・チャレンジ」などの創造的プログラムで彼らをとらえ訓練する、など。
 発足式で石黒イサク氏(美濃ミッション・富田浜聖書教会牧師)は、「悪魔の攻撃や影響を受けやすい弱い子どもたちを救いに導くのは、私たちの責任だ。JCMの働きに期待する」と語った。
 活動は7月後半から、沖縄、関西、関東で行われ、9月16日には埼玉県さいたま市の浦和福音自由教会で「子どもを救いに導くセミナー」(JCM主催)を開催した。
 このセミナーでは「字のない本」をヒントに藤田さんが考案したサッカーボール型ゴスペルキーホルダーによる個人伝道を実演。金、黒、赤、白、緑、青の各色を、神様、罪、イエス・キリスト、救いへの招き、成長、再臨に置き換え、聖書の基本教理を分かりやすく説明したもので、参加者は実演に倣い2人1組で楽しく個人伝道を学んだ。
 JCMでは子どもや中学・高校生の働き、セミナー、神学校での講義などを受付中。問い合わせは、〒901-2413沖縄県中頭郡中城村津覇5ノ303、TEL&FAX098・895・8015、TEL090・9100・4338、Eメールoffu-keiko@ams.odn.ne.jp、JCMまで。