ヘッドライン
[CSD]2002年10月27日《ヘッドライン》
[CSD]2002年10月27日《ヘッドライン》= 1面 =
◎ムスリムの救い求めてラマダン時期に祈り——YWAM大阪がガイドブック無償配布
★ドイツ:宗教改革の街は今——伝道は困難な状況
★第14回アジア競技大会選手村で個人伝道
★『聖歌総合版』発刊——青年聖歌など加え、'58年版の95%継承
★<恵みのどんでん返し>教会事務も大切な仕事と気づいた時 記・川北 栄子
★<落穂抄>イエス革命の始まり
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★<教会がカルト化するとき>[8最終回]それでは教会員はどうするか 祈り、謙虚に、恐れず、黙らず 記・ウィリアム・ウッド
★「神の宣教」理解と『沖縄宣言』——第3回ATA北東アジア神学会義で倉沢正則氏発表
★<オピニオン>『沖縄宣言』の宣教学的意味 記・倉沢 正則
★<読者の声>若牧師の発案でうれしい敬老会
★<神のかたち>[22]主の足もとにすわって…聞き入っていた 記・稲垣緋紗子
★<今週の本棚>『御手のうちに』後宮 俊夫著(日本キリスト教団出版局、1800円)
★<今週の本棚>『心の奥の愛の声』ヘンリ・ナウウェン著(女子パウロ会、1300円)
★<今週の本棚>『人生の峠は山の下』渡辺 純幸著(聖恵授産所出版部、3500円)
<情報クリップ>催し情報ほか
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★米メガチャーチ人気の秘密を探る——ケンタッキー州サウスイースト・クリスチャン教会を訪ねて 記・渡辺 聡
☆第21回クリスチャン写真大賞
= 4 面 全面広告=
☆JTJ宣教神学校
http://jtj.gospeljapan.com/
= 5 面 =
◎殉教を語り継ぐ——岩手県・藤沢町民劇団が「森に消えた十字架」公演
★日本ペンテコステの源流——アッセンブリー神召キリスト教会75周年
★聖霊に満たされよう——フルゴスペル東京教会24周年でチョー・ヨンギ氏
★ポーランド:コルベ神父の手紙公開——死亡直前に母親へ
★米国:宗教がらみのゲームが人気
★<CDの時間>The Place of Life—愛する方の下に— 大和田 広美
= 6 面 教会学校教師のひろば=
◎会費制の土曜体験教室——町田クリスチャンセンター「ジョイキッズ」
★<先生☆キラッ>子どもと一緒にカムバック 柿澤 万里さん
★赤ちゃんも一緒——母親のための幼児教室「ゆりかごの会」
★<ゆっくり行こう!CS教師>[2]便利にいかない人づくり 記・福井 誠
★<絵本 読み聞かせの世界>[2]アイデア探しを楽しむ 記・山本 優子
★<CSでできること できないこと>[2]小さくても継続することが大切 杉谷 乃百合
ムスリムの救い求めてラマダン時期に祈り−−YWAM大阪がガイドブック無償配布0210270101
全世界に12億人以上いるといわれるイスラム教徒(ムスリム)。イスラムの断食(ラマダン・今年は11月6日~12月5日)の時期に合わせて、ムスリムのために祈ろうと毎年発行されている祈りのガイドブック、『ムスリムのための30日の祈り』の翻訳がこのほど完成した。翻訳を担当したユース・ウィズ・ア・ミッション(YWAM)アジアンセンター大阪では、希望者に配布している。「去年より、この日本においてもテロの影響によるムスリムへの関心が一気に広がった感があります」と、ガイドブックの翻訳に携わったYWAMスタッフ新崎あゆみさんは語る。昨年は9・11のテロ以前の情報を元に作成されたため、アフガニスタンやテロ関連の祈祷課題は少なかったが、今回は情報の内容が充実しているという。
ガイドブックでは「一部のクリスチャンたちは、これらの出来事(テロとそれの関連事)のためにイスラエルびいき、アンチムスリムに知らず知らずのうちになっています。神が私たちの中に、神の品性を現した姿勢を思い起こさせてくださるように祈りましょう」と呼びかけている。
この「ムスリムのための祈りの運動」は、92年の中東のクリスチャンリーダーたちの会議から始まった。世界的には今年11回目を迎え、日本でも7回目を数える。ムスリムの多く住む国や地域の情報を、主にオーストラリアYWAMの国際担当者が収集し、編集発行している。
アフガニスタンの祈祷課題として、?クリスチャンが、アフガニスタンの再開発に対して、マスコミによって取り上げられている時だけではなく、長期的に献身することができるように、?アフガニスタンのクリスチャンは3千人近くいるが、希望のない人々に希望を分かち合える機会が与えられるように、などがある。
アジアンセンター大阪では昨年よりも500部増の2千500部を発行し、祈りの参加者を募っている。ガイドブックは自由献金を募りつつ、無償で提供する。詳しい問い合わせはTEL06・6322・5250アジアンセンター大阪まで。
殉教を語り継ぐ−−岩手県・藤沢町民劇団が「森に消えた十字架」公演0210270501
ここ大籠で起きた悲しい出来事を、いつまでも忘れ去られることのないよう語り継いでいこう——江戸時代の初期、奥州大籠(現岩手県東磐井郡藤沢町大籠)で、300人を超すキリシタンが殉教する事件があった。4年前に旗揚げした藤沢町民劇団(皆川洋一劇団長)は、この大籠キリシタン弾圧、殉教の史実をモチーフにした処女作「森に消えた十字架」を00年2月、地元で公演。それが話題を呼び、今年東京公演が実現した。10月13日、東京・世田谷の世田谷区民会館ホールで町民劇「森に消えた十字架」(藤沢町民劇実行委員会主催)の公演があり、観衆約千100人が劇を堪能した。「森に消えた十字架」は、「いかなる迫害にも屈しないで信仰を守り抜いた大籠の先人たちの崇高な殉教の歴史を語り継ごう」と、藤沢町の人たちが町をあげて史実をもとに舞台化したもの。
舞台では、製鉄業を営みながら、キリシタンとして職業の分け隔てなく平和に暮らしていた大籠の労働者に襲った、キリシタン弾圧の激しさが描かれている。
弾圧の情報を受けたキリシタンの下級役人小八郎が、孫右衛門神父をかくまう。取り締まりを命じられた代官安達宗長は、キリシタンに改宗を迫ったり踏み絵を強要。それに応じないと処刑を命じるなど取り調べは過酷を極めた。
ポイントは、殉教者だけでなく弾圧を加えた側にもスポットを当てて描かれている点だ。安達は、過酷な取り調べにも信仰を曲げず、喜んで処刑されていく民に疑問を抱く。すべての処刑を終えたあと自らの過ちに気づいた安達は、殺してきた人々に許しを請う。最後は処刑を逃れた小八郎が「生涯この苦しみを抱えて生きていこう」と決意する安達を目撃して幕が閉じる。見終えた観衆からはいつまでも拍手が鳴りやまなかった。
脚本を書いた皆川さんは、「300人も人を殺していて平気でいられる人間はいないだろうという視点で」ラストのシーンを書いたと語る。
キャストは全員藤沢町と藤沢町の関係者で、クリスチャンではない。しかし「藤沢町民にとって、キリシタン殉教の歴史は最大の事件。この町の人間としてはこれしかない」と皆川さんは言う。
町民劇はもともと町内だけのものだが、「森に消えた十字架」のビデオを見た世田谷在住で藤沢町とも関わりのあるカトリック信徒が「ぜひ東京の人にも見せたい」と働きかけ、今回の東京公演が実現。
皆川さんは「400年前、東北の小さな町で、キリシタンの殉教、大量虐殺があったことを全国の人に知ってもらうよい機会になった」と語った。
会費制の土曜体験教室−−町田クリスチャンセンター「ジョイキッズ」0210270601
9月第4週の土曜日は、数人の先生の指導に従って、手作りピザを作る日。子ども7人が、台の上にある生地を切り取って、一生懸命手で丸めている。次に丸めた生地をめん棒で伸ばす。「どうやるの?」。「こうやってやるの」。先生の指導に従い、子どもたちは無心に生地をこねる。
伸ばした生地の上に、たまねぎの薄切り、ピーマンの細切り、ツナの缶詰などをのせる。甘くしたい場合は、みかんや干しぶどうなどをたっぷりのせる。オーブンで焼いている間、子どもらは、早く食べたくて待ちきれないといった様子だ…。
JR町田駅から徒歩5分、にぎやかな繁華街を通り抜けた所にある新生連合・町田クリスチャンセンター(杉本智俊牧師)=町田市原町田4ノ18ノ3=では、4月から公立学校が土曜休日になったのを機に「土曜日に地域の子どもたちのためのプログラムを始めよう」と、5月から土曜体験教室「ジョイキッズ」を始めた。
内容は、1部(午後1時から2時45分)が第1土曜日「昔遊び・たいけん隊(遊び)」、第2「何でも作り隊(美術)」、第3「外で遊ぼう会(スポーツ)」、第4「作って食べよう会(料理)」、第5「スペシャルお出かけデー」。2部(3時から4時45分)はお勉強コースで、幼児が「ことばとかずコース」、小学生が「国語・算数コース」。間の15分は聖書物語のビデオを見たり、視覚教材を使った聖書のお話を聞くチャペルタイムがある。
責任者の杉本玲子さん(同センター教育主事)の話によると、始める前の1、2月ごろ、CSの子ども約20人にどんなことをやりたいかアンケートを取り、それを参考にプログラムを組んだという。「一番多かったのが遊園地に行くなどのお出かけ系。それから手作り工作。女の子は料理で、男の子はスポーツ系。歌とか音楽は意外に少なかった」
参加費があり登録料千円、1部のみ6千円、2部のみ6千円、両方1万1千円(それぞれ学期単位)。町田市では会費を徴収した方が親は安心するという。
町田クリスチャンセンターは98年、町田市成瀬から町田駅近くに会堂を移転。それまでは住宅地だったため公園伝道ができたが、今は駅の近くで環境が悪く、子どもは公園にいない。最初、ここは児童伝道に向かないと杉本さんは思った。しかし、都会には都会型の伝道方法があると信じ、地域の必要は何か調査し試行錯誤を経て、会費制の「ジョイキッズ」開始に至った。
奉仕者は全員CSの先生ではなく、料理や美術の賜物(才能)を持った主婦などが当たっている。それも「痛みを持った親が、子どものために何かやりたいと奉仕をかって出てくれた」。そのことに、杉本さんは神様の導きと計画を感じるという。
スタートして6か月目。「まだまだ手探り状態です」と杉本さんは語った。