[CSD]2002年11月3日《ヘッドライン》

[CSD]2002年11月3日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★アテネ五輪に合わせアートコンペ——中高生対象に、優秀作品はギリシャで展示

★国立追悼・平和記念施設はヤスクニ解決になるか——「公共の神学」から稲垣久和氏語る
★北朝鮮:ロシア正教がピョンヤンに教会設立を協議
★聖化大会が一新——初の青年大会も開催
★米国:戦争決議に反対した米長老派議員
★<恵みのどんでん返し>返そうにも返しきれない愛の負債 記・水谷 満
★<落穂抄>信徒が牧師の存在を理解する本

 = 2 面 =
◎「カルト集団における虐待」を語れる場が必要——日本脱カルト研究会が公開講座
★「台湾の平和、人権、尊厳祈って」——国際福音宣教大会で高 俊明氏が講演
★<論説>西欧の変化が投げかける視点——国家主権の後退が意味するもの 記・稲垣 久和
★<詩>「エプロンのひも」 中山 直子
★<今週の本棚>『壊れた私、元気になった』水谷 惠信著(いのちのことば社、1000円)
★<今週の本棚>『ヴァインの祝福 ディボーションガイド』ブルース・ウィルキンソン著(いのちのことば社、1400円)
★<今週の本棚>『人生まだまだ』吉田 宏著(グロリア企画、1000円)
<情報クリップ>催し情報ほか

 = 3 面 横浜特集=
★日本プロテスタントの初穂から脈々と続くキリストの信仰——5代にわたる瀬川さん一家
★青春時代に創造者を覚えてほしい——横浜共立学園
★教会は「私も行っていい場所」——横浜英和学院

 = 4 面 全面広告=
☆日本ペンテコステ親交会 第38回教役者大会
 「Breakthrough/壁を打ち破る」 メイン講師:バート・ピアス氏
2003年2月4日(火)~7日(金) 浜松市:遠鉄ホテルエンパイア
TEL.0569-21-4855 http://www.biwako.ne.jp/~jpf2001/
 = 5 面 IT特集=
★「日本のキリスト教」——研究成果をネットで公開(http://Kirisutokyo.com
★「CEOLIS」——教会学校の活性か目指す情報満載(http://www.wlpm.or.jp/ceolis/
★「一宮基督教研究所」——会員に電子メールで講義(http://www2s.biglobe.ne.jp/~aguro/
★故郷を離れた若者たちに母教会からメール通信
★学会の講演をCD—ROM化——日本ペンテコステ研究学会(http://jsps.kirisutokyo.com/

 = 6 面 関西だより=
★関西・国家朝祷会:不安な時代に祈りの輪——政治家・ビジネスマンのために祈る
★福音宣教協力会:「地の果てまで」テーマに海外宣教聖会——
★「癒されるってこういう感じ・・・」——堺福音教会50周年記念コンサート
★<シリーズ開拓伝道>牧師夫妻の賜物で開拓——大阪府和泉市=いずみホープチャペル
★<牧師室訪問>(最終回)川瀬 清文さん(三国自由キリスト教会)
★『小説「聖書」』の著者 神戸、京都で講演会

 = 7 面 =
★初の青年大会実現——第17回聖化大会
◎創業者を支えたのは信仰——(株)主婦の友社・松村 邦彦氏
★神に従ったとき夢がかなう——11月に銀座で個展開く大石慶子さん
★米国:マホメットを非難した米国の伝道者らに死を——B・グラハム氏ら3人名指し
★米国:ミスアメリカは熱心なクリスチャン

 = 8 面 ゴスペルのページ=
★インタビュー:箱船でバリアを突き破っていく——JAY公山さん
★第3回クワイヤーフェスティバル・グランプリ大会に8組ノミネート
★チャリティーで「癒し」のコンサート
★NEW RELESE:「Speak Those Things:PLO Chapter 3」フレッド・ハモンド (ライフ・ミュージック、各2200円)
★NEW RELESE:「LOST AND FOUND」ディートリック・ハドン(ライフ・ミュージック、各2200円)
★<北嶋和之のゴスペルトーク>Jesus Is My Help
★<いまさら聞けないゴスペル用語>プレイズ・ザ・ロード
★コンサート・ワークショップ情報

「カルト集団における虐待」を語れる場が必要−−日本脱カルト研究会が公開講座0211030201

「カルト集団における虐待」を主題にした公開講座が10月12日、日本脱カルト研究会(JDCC、http://wwwc.jnc.ne.jp/jdcc/の主催により、東京・四谷の上智大学で開かれた。この問題に関心を寄せる研究者や学生、カウンセラー、カルト脱会者、家族ら約170人が集まり、専門家による報告や元メンバーらの話に熱心に聞き入った。 
 3人が基調報告。同研究会代表理事の高橋紳吾氏(精神科医、東邦大学助教授)は「虐待の精神病理~試論」と題し、日本語の「虐待(=残酷な待遇)」と英語の「abuse(=能力・地位・人の好意の乱用/悪用、虐待・酷使)」について説明。議論のある団体(カルト)の一番の問題点とされる、いわゆる心理操作は、まさにabuseの基本形と考えられるとした。
 紀藤正樹氏(弁護士)は「破壊的カルトにおける虐待事例と考え方」について報告。児童虐待防止法の視点から、▽身体的虐待▽性的虐待▽ネグレクト(身体的、教育的、情緒的)▽心理的(情緒的・精神的)虐待(無視、拒否、孤立させる、恐怖を与える、腐敗させる、言葉の暴力、過度の圧迫)などを挙げた。また、宗教被害としては▽金銭被害型▽対社会妨害型▽対信者収奪型▽家族秩序破壊型の4類型を示した。
 志村真氏(日本基督教団牧師、中部学院大学短期大学部助教授)は「人権侵害的な宗教思想」について、聖書を曲解して独自の教義を作り上げているグループの実例などを紹介した(創世記9章から人種差別、箴言8章から子への体罰を正当化、実践するなど)。
 カルトグループにかかわりをもつ人々によるパネルディスカッションでは、オウム真理教、統一協会、ヤマギシ会、ライフスペース、エホバの証人など各団体に見られる心身の虐待、それと切り離せない組織的なマインド・コントロールのメカニズムなどが明らかにされた。
 フロアからは、自らの被虐待経験と加虐待経験との関連性に関する事柄、2世信者として育った人が脱会後、社会化していくプロセス及びリハビリ内容、宗教的修行とabuseの境界線に関する事柄など、多数の質問・意見が寄せられた。
     
 私自身かかわりのあったエホバの証人において、虐待としては子どもへのムチの問題が代表的であるが、ほかに輸血拒否を教え込むことや教育を受ける権利の侵害(武道、各種行事への不参加、高等教育の否定など)も含めてよいと思う。
 同教団においては近年、インターネットの情報や度重なる教義変更などを受けて自ら離脱する傾向も広まっているが、幾層もから成る社会復帰が困難なケースは少なくない。特に2世信者にとって、子ども時代に植え込まれた恐怖心や虐待経験によるトラウマは深刻な後遺症となっている。
 私も元メンバーの一人として、2世を含め数十人の方々との交流があり、共通の課題を抱えながら人生を回復していけるよう互いに支え合っている途上にある。パネラーの元メンバー一人も切実に語っていた点であるが、虐待を受け、やっとの思いで脱会してきた人々にとって、自らの実体験を安心して語れる場所、自分の存在を理解をもって受け止めてもらえる人と場所がまず必要である。さらに、社会復帰という課題への取り組みを支えてくれる人的環境や具体的なシステムも重要だと考える。こうした特殊な問題における困難やニーズを、家族・友人をはじめマスコミや世間がまず知ることは、脱会者の全人的リハビリ環境整備に欠かせない第一歩となる。こうした意味で、このJDCC公開講座のような場がさらに数多く開かれ、一般の方々にも広く認知されていくことを願うばかりである。  
 (報告・伴 麻子=JDCC賛助会員、大野キリスト教会員)

創業者を支えたのは信仰−−(株)主婦の友社・松村 邦彦氏0211030702

クリスチャンビジネスマンの学びと交流のネットワーク、クリスチャンビジネスフォーラム(CBF)=世話人・梅津光弘慶応義塾大学専任講師、宮坂雅夫浅間自動車部品株式会社代表取締役=の定例会が9月28日、東京・港区の(財)国際文化会館で開催された。第31回目になる今回は、クリスチャン起業家に学ぶシリーズとして、株式会社主婦の友社代表取締役社長村松邦彦氏が「キリスト教の信仰にささえられた創業者石川武美の事業」の題で講演した。
 雑誌「主婦の友」などの発行物で知られる主婦の友社は、1916年に創業されて今年で86年目を迎える。クリスチャンだった石川武美は、大正という当時の社会状況の中で、「家庭の幸福」「婦人の生活向上」という理念を掲げ同社を創業した。
 村松氏は、石川武美から数えて5代目の社長。クリスチャンではないが、石川が晩年に執筆した『信仰雑話』『信仰の道』などの書物や聖書研究をとおして同社の創業理念を学んだ。
 石川は、20歳で海老名弾正牧師の弓町本郷教会(現日基教団)で洗礼を受け、以来生涯にわたり朝と夜の祈りを欠かすことはなかった。当時の本郷教会には、ライオン歯磨社長小林富次郎や民本主義で知られる吉野作造などそうそうたるメンバーがおり、石川はそうした多くのクリスチャンの影響を受けた。17年に創刊された「主婦の友」にもライオンから広告が出ている。創刊当時の社員はすべて知人の牧師たちだったという。
 村松氏は、講演の中で、石川の事業とキリスト教についてふれ、「創業者は、神に祈りながら、汗を流して労働をすれば必ずキリストに認められるという信念を持っていました。また『読者奉仕』というものを強く打ち出し、上がった利益をどう人のために使っていくかが実業家としての心得だと常々言っていました」と語った。
 石川は、生涯にわたり質素倹約を貫いた。また特に教育に力を入れ東京女子大学などの多くの学校に寄付をした。
 村松氏は、「創業者を支えたものはキリスト教信仰でした。『どんな困難な時にも神の知恵を求めてお祈りをすれば必ず新しい道が開けてくる』、『聖書を敬遠する経済人の経営活動は行き詰まりがある。聖書に頼る経済人には行き詰まりがない』と著書に書いているとおりキリスト教信仰を深めながら事業を発展させていきました。事業というものはしっかりとした心の支え、柱をもってやることが大切です。その意味で信仰をどう事業に結びつけていくかを説いた創業者の教えは貴重です」と語った。