ヘッドライン
[CSD]2002年11月10日《ヘッドライン》
[CSD]2002年11月10日《ヘッドライン》= 1面 =
◎WEA信教の自由委が祈祷課題アピール——「迫害下にある教会のための国際祈祷日」11月10日・17日
★北朝鮮拉致事件:祈りに励まされ一緒だと思っている——横田早紀江さん語る
★スイス:キリスト教をイスラム教の対話——WCCが国際宗教間対話会議を主催
★米国:イエスの兄弟ヤコブの骨箱発見?
★<恵みのどんでん返し>祖父母のような信徒牧会の中で 記・笠見 愛枝
★<落穂抄>クリスチャン報道メディア3紙の鼎談
= 2 面 =
★大阪YMCAが創立120周年——「こころの世紀への道標」テーマに講演とフォーラム
◎中教審の教育基本法改定へ中間報告案に警鐘——「改革という名の破壊」と小森陽一氏
★<イスラエル>聖公会エルサレム主教が中東問題会議足止め
★<論説>日本宣教の新しい可能性——預言者的奉仕から祭司的奉仕へ 記・中川健一
★<神のかたち>[23]主の足もとにすわって・・・聞き入っていた 記・稲垣緋紗子
★<今週の本棚>『伝道の神学』近藤勝彦著(教文館、3600円)
★<今週の本棚>『召されし人々 上』チョー・ヨンギ著(純福音出版、1000円)
★<今週の本棚>『私にとって書くということ』三浦綾子著(日本キリスト教団出版局、1600円)
<情報クリップ>催し情報ほか
= 3 面 読書特集=
★元行政官トップ・増島俊之さんが語る聖書——『あなたが話したい聖書の世界』発刊
★私も本を出したい——自費出版の現場から
★91歳のベストセラー作家 日野原重明さん誕生日コンサート
★<本の紹介>『生きかた上手』日野原重明著(ユーリーグ(株)、1200円)
★<本の紹介>『人生百年 私の工夫』日野原重明著(玄冬社、1200円)
★<本の紹介>『生きるのが楽しくなる15の習慣』日野原重明著(講談社、1300円)
★<本の紹介>『生きかたの選択』日野原重明著(河出書房新社、1200円)
= 4 面 =
★米国メガチャーチ人気の秘密を探る——ケンタッキー州サウスイースト・クリスチャン教会を訪ねて 記・渡辺 聡
☆第21回「クリスチャン写真大賞」募集(締切:11月末日)
= 5 面 =
◎世界で広まる伝道的聖書研究プログラム「アルファコース」——リラックスして伝道
★優しさ持ち続け——止揚学園創立40周年の集い
★クリスチャン音楽家がひとつに——第10回ユーオーディア賛美の夕べ
★<ひと>エレイン・エンさん(米国から来日した盲目の精神科医)
★<召天>柳沢 清さん(パラビジョン代表)
★<召天>今井 宏さん(聖学院大学総合研究所教授、東京女子大学名誉教授)
= 6 面 家族のページ=
★子育てだもの——聖書が土台の育児 対談:千葉明徳牧師vs有北いく子さん
★おかあさん☆なまの声
★<家族診断>[3]直そうとするな。わかろうとせよ 記・碓井 真史
★<魂の健康を目指して>[2]過去の出来事の記憶と解釈 記・矢野 悦子
★<うちのオカン>我が母親エピソード 記・内越 努
WEA信教の自由委が祈祷課題アピール−−「迫害下にある教会のための国際祈祷日」11月10日・17日0
現在世界中で、日本の総人口よりも多い、約2億人のキリスト者が信仰を自由に言い表すことができない状況にいる。迫害を受けている人々も少なくない。世界福音同盟(WEA)信教の自由委員会では、今年も11月10日と17日の日曜日に「迫害下にある教会のための国際祈祷日」を設けた。礼拝ほか諸集会、セルグループ、家庭、個人でのとりなしの祈りを世界中のキリスト者に訴えている。信教の自由委員会が、英文で発行している祈祷課題(http://www.idop.orgを日本福音同盟が編集し、日本の教会に伝えている。
【北朝鮮】金正日総書記による独裁政治が行われており、国民に総書記に対する礼拝を強制している。10万人以上のキリスト者が政治犯として捕らえられていると報告されている。53年以降30万人が消息不明となっている。5歳以下の子どもの45%が栄養失調状態に陥っている。祈祷課題は、国の変革のために、飢餓のために、キリスト者のために。
【アフガニスタン】新しい憲法と法律を考案する重大なときに置かれている。信教の自由を実現できるように。宣教の自由が与えられ、虐げられてきた多くの国民に福音による希望と癒しと永遠の命を与えることができるように。イスラム圏諸国の間にある戦いや衝突がやみ、平和が訪れるように。また、この国が中央アジアにおいて良き変革をもたらすことができるように。
【中国】新しく選ばれる国の指導者が良き社会変革と自由をもたらし、国内の伝道者が自由に、安全に宣教活動できるように。獄中にある南中国教会の教会員のために。迫害を受けているキリスト者に神様の慰めと力が与えられ、試練を堪え忍ぶことができるように。迫害が特に厳しい地域で、危険を犯しながら宣教活動をしている人たちに知恵と力があたえられるように。
【インド】国民が現与党のBJPにヒンズー教による国家主義を許すことがないように。ヒンズー教以外の信仰者への迫害へと発展することがないように。キリスト者の指導者が平和共存のため、知恵深く、力強く意見を主張できるように。
【インドネシア】イスラム教急進派によって支配され、ジハードなどの暴力的な手段によって国家が混乱に陥らないように。民主主義が保たれ、民衆の平和的共存が保たれるように。イスラム教徒と和解しながら、平和をつくりださるように。
【イラン】現在行われている政治改革を通じ国が開かれ、麻薬の虜となり自殺にまで追い込まれている青年たちに福音を伝えることができるように。密かにキリスト者になった人たちの安全と知恵と忍耐、すべての必要が与えられるように。
【ラオス】キリスト者に対する共産主義者たちの激しい反発・攻撃が終わるように。政府はキリスト教を国家の安全を脅かすものととらえている。本当の自由を知ることができるように。
【ナイジェリア】国が宗教によって分かれている状況のなかで、政権を導いているキリスト者であるオバサンジョ大統領が国内に平和と秩序をもたらすことができるように。2003年の大統領選挙で神の導きがあるように。
【パキスタン】迫害の道具として利用されている刑法典(Penal Code)を政府が削除するように。キリスト者が主の証人として歩むために主の守りがあるように。
【サウジアラビア】危険な状況に追い込まれることなくキリスト者が自由に礼拝をささげることができるようになり、宣教のために力があたえられるように。
【スーダン】国民の間に平和と信教の自由が与えられるように。アフリカの不安定要因となっているスーダンの情勢が変えられていくように。成長している教会の必要(食料品、医療器具・器財、薬品、聖書)が満たされるように。迫害によってトラウマをもつ牧師や長老の傷や恐れが正しく取り除かれ、指導者が試練の中にある教会を導くことができるように。
中教審の教育基本法改定へ中間報告案に警鐘−−「改革という名の破壊」と小森陽一氏0211100202
文部科学省の諮問機関・中央教育審議会(中教審)は、教育基本法(教基法)改正に向けた中間報告素案で、教基法に「『公』に主体的に参画する意識や態度を養う」「伝統、文化の尊重、郷土や国を愛する心」を基本理念として盛り込むことを提言。改正の動きが活発化する中、市民集会「教育基本法改悪と武力攻撃事態関連法案を考える」ー『日の丸・君が代』強制の嵐の中で」が10月26日、東京・千代田区のお茶の水クリスチャンセンターで開催された。小森陽一氏(東京大学教授)が講演し、「教育改革という名の教育破壊、戦争をする国づくりが進んでいる」と警鐘を鳴らした。小森氏は、昨年11月の遠山敦子文部科学大臣の中教審への諮問理由が、「新しい歴史教科書を作る会」(西尾幹二代表)のメンバーで構成されている「新しい教育基本法を求める会」(西沢潤一会長)の要望書に基本的に一致している点を指摘。「『求める会』が第一に掲げているのが伝統の尊重と愛国心の育成で、『公』の意識を植え付けようとしている点が全く同じ。伝統は皇室を中心にした社会基盤のことを意味する。一方で教基法第一条にある『平和』『真理と正義』『個人の価値』『自主的精神』が消されている」
小森氏は90年ごろから、マスメディアを通じて学校教育が攻撃されてきたと語る。その理由として「天皇を中心とした日本型共同体(日本型象徴天皇制的共同体)と学校との対立構造」を挙げる。「戦後、教基法にうたわれている民主主義発信の場となったのが学校教育。それが『公』に忠誠を尽くすという考えと衝突してきた。ならば教育現場を変えようと文部科学省は90年ごろから学校・学級崩壊、少年犯罪などの問題を、教基法に基づく教育問題にすり替えてきた」
90年以降、学校を日本的象徴天皇型共同体と同じ構造をもった規律訓練的組織にしてしまおうという動きが鮮明になってきている点も指摘。その流れが「教基法改悪」の動きとなり、さらに戦争体制づくり(武力事態関連法案)とも連動し、学校現場で「日の丸・君が代」を強制し、命令に従わない教師を「愛国心がない」としていじめる体質にもつながっている点を強調した。
小森氏はこの問題を学校だけの問題としてとらえるのでなく、広範な市民運動と連帯し外の民主主義と連帯しながら戦っていく必要性を説いた。
そのほか入学式での「君が代」伴奏拒否を理由に東京都教育委員会から戒告処分を受け、戒告処分取り消しを求める裁判を起こした都内の小学校音楽専科教員Bさんの経過報告などがあった。
主催は音楽と歴史を学ぶ音楽科教師ネットワーク、武蔵野新学指導要領を考える会、日野「君が代」処分対策委員会、くにたち音楽を考える会。
世界で広まる伝道的聖書研究プログラム「アルファコース」−−リラックスして伝道0211100501
英ロンドンの聖公会・ホーリー・トリニティ・ブロンプトン教会(HTB)で誕生し、教団教派を超え世界中に広がる伝道的な聖書研究プログラム「アルファ・コース」。英国では受刑者に対してアルファ・コースが用いられており、刑務所での実施率が83%だという。そのアルファ・コース責任者のニッキー・ガンベル氏(HTB牧師)を主講師に招き、「ジャパン・アルファ・カンファレンス」(アルファ・ジャパン主催)が10月24、25日、東京・港区の聖公会・聖アンデレ教会で開催された。日本でカンファレンスが開かれるのは初めて。参加者約400人、カトリックからも約70人と熱気にあふれた異色の聖会となった。「アルファ・コース」は▽キリスト教とは?▽キリストとは?▽聖霊とは? など、キリスト教の基本的な真理を15のテーマに分けて毎週1回、10週にわたって学ぶコース。もともと信徒向けだったものをニッキー氏が、食事をしながら自由に分かち合うなかでキリストに出会えるように、未信者向けに作り変えたものだ。
カンファレンスでは、最初にニッキー氏がアルファの原則について講演。その中で?伝道は地域教会を通して行うのが効果的。アルファは地域生活の自然で効果的な伝道に導く?信頼、友情を築き、お互いを理解するプロセスを大事にする?伝道は力の伝道を含み、聖霊の力によるいやしや不思議なわざを伴うなどを強調。
特に82年に力の伝道の提唱者ジョン・ウィンバー(故人)に祈ってもらった時、聖霊の満たしを受ける体験をしたニッキー氏は、今の時代にもペンテコステがあるという考えに立ち、週末に行う聖霊を求める集会「ウィーク・エンド」の重要性を説く。カンファレンスでも聖霊を求め、異言で祈る集会を持った。
牧会ケアの講演では、コースを導くリーダーは常に笑顔を大切にし?励ます人?聞く人?平和を生み出す人でなければならないとし、すべての人が必ずケアできるよう、柔軟でリラックスした雰囲気ややり方を心がけることを勧めた。また初めての人にいきなり伝道したり、来なくなった人に手紙を書くなど参加者にプレッシャーがかかるようなことは一切しないよう指導した。
ニッキー氏は様々な伝道方法を試したがどれも成功しなかったという。しかし、「生まれながらの伝道者でない私でも、アルファ・コースは自然な形で福音を伝えることができた」と語る。
天野弘昌氏(アッセンブリー・草加神召キリスト教会牧師)は「今まで相手のことを考えず、ガンガン伝道していた。伝道の仕方、導き方も勉強になった」、本間岳人さん(日本キャンパス・クルセード・フォー・クライスト・スタッフ)は「アルファの方がもっと聖霊に強調点がある。こういうアプローチもあるんだと思った。その特徴をアレンジして生かしたい」、三重県から参加したカトリック信者の澤寛さんは「今まで初めての人が来たらどうしよう、伝道しなくちゃ、といつも緊張していた。でもアルファでは段階的で急がないので、とても楽になった」と感想を述べた。
集会では「万年求道者という人が10回のコースで救われた」など体験者の証しも。ニッキー氏は「こんなに歓迎されるとは思わなかった。日本人はみな熱心だ。とても期待できる」と笑顔で感想を語った。
カンファレンスに合わせニッキー氏によるアルファ・コースの15回トークビデオ「アルファ・コース」日本語版(NHKエジュケーショナル制作/アルファ・ジャパン発売)5巻セットも予約発売中。年内中は定価1万7千円(送料込み)。購入希望者はTEL03・3868・8775、アルファ・ジャパン事務局まで。