ヘッドライン
[CSD]2002年12月1日《ヘッドライン》
[CSD]2002年12月1日《ヘッドライン》= 1面 =
★第3回国家朝餐祈祷会:日本を「良き隣人へ」——キリスト者国会議員4人参加
★第三世界宣教団体協議会機構:アラブ圏初エジプトでの世界宣教会議
★教育基本法見直しに警鐘——岡本富郎氏が教会の無関心さに危機感訴える
★有事法制にストップ!
★<恵みのどんでん返し>主の真中に立つ者への愛のしるし 記・佐藤 博(日基教団・京都丸田町教会牧師)
★<落穂抄>国際協力・友だち・平和運動
= 2 面 =
★泰緬鉄道の罪、元憲兵隊通訳が証言——「青学大プロジェクト95」最終回で
◎ベルリン五輪マラソン金メダルの孫其偵さんの「日本代表」記録を韓国に——日韓クリスチャン議員連盟が働きかけ
★香港でアジア・スポーツ伝道会議——来年リーダー養成研修会の開催を議決
★<論説>教会で宣教の種を蒔こう——未来の宣教師養成のために 記・杉本 玲子
★<神のかたち>[26]わたしの葬りの日のために…です 記・稲垣 緋紗子
★<今週の本棚>『牧師の仕事』鈴木崇臣著(教文館、3500円) 評・坂野慧吉
★<今週の本棚>『正統派、敬虔派、啓蒙派の時代の牧会者たち?』C・メラー著(日本キリスト教団出版局、2600円)
★<今週の本棚>『聖書人間観』藤巻 充著(日本ホーリネス教団出版局、1000円)
<情報クリップ>催し情報ほか
= 3 面 =
★日本人キリスト者にとってイスラームとは——共立基督教研究所「日本の文化」ツアーで対話
★イスラーム理解の用語集
= 4 面 =
◎データで考える21世紀の宣教戦略——日本クリスチャンアカデミー関東活動センター秋季フォーラム2002
= 5 面 特集・ボランティア=
★アフガン窮状と援助協力を訴え続けた故田中正一(風の学校創設者)
★パブリック概念形成への教会的使命——NGOとキリスト教文化テーマに船戸良隆氏講演
★NPO個々のミッションが大切——『非営利組織のマネージメント』著者・島田恒氏に聞く
★<書籍紹介>『みんなの手話賛美』小嶋三義著(キリスト教視聴覚センター、800円)
= 6 面 関西だより=
★新大阪に伝道拠点ゴスペルホールをオープン——大阪一麦教会
★福祉と伝道が教会の使命——単立・淀川栄光教会
◎祈りに徹する4日間——プレアー・サミット開催を呼びかけ
★聖書配布だけでなく個人伝道も——第51回ギデオン全国大会
★アフガン支援チャリティコンサート——水野源三さんの詩に作曲した坂井和夫さん
★<この人に聞く>岡田信常氏(ホーリネス・大阪キリスト教会牧師)
★大阪キリスト教短期大学開学50周年——伝道者教育者を多数輩出 記・森田美芽
★第17回奈良県民クリスマス——小坂忠さん招きゴスペルコンサート(12月13日)
= 7 面 =
★北の大地の人生道場主(恵泉塾塾頭)・水谷恵信さん——いのちの教育を語る
★<北から南から>北海道:丘の上に手造り200人新会堂——聖書のテーマパークを企画
★イラク:キリスト者が平和を求める祈り要請
★米国:世界メソジスト青年委が米国のイラク軍事制裁に反対表明
★ベトナム:山地で取り締まり、キリスト者を処刑
★福祉作業所「のぞみ園」NHKテレビで放送予定(12月5日)
★<召天>梶 日出男氏(JECA・春日井福音キリスト教会牧師)
= 8 面 ゴスペルのページ=
★インタビュー:日本中に「キリストの弟子」を——ラニー・ラッカーさん
★NEW RELESE:「The Gospel Greats:Vol.9 My Prayer」VARIOUS ARTISTS (ライフ・ミュージック、各2200円)
★NEW RELESE:「The Foundation」プロデュース:ジョー・ペース (ライフ・ミュージック、各2200円)
★クリスマスお勧めCD特集:「CHRISTMAS」KIRK FRANKLIN & THE FAMILY、「HE IS CHRISTMAS」TAKE5、「FRED HAMMOND CHRISTMAS JUST REMEMBER」FRED HAMMOND、「HELLO CHRISTMAS」DONALD LAWRNCE 、「A SPECIAL CHRISTMAS GIFT」JOHN P. KEE & THE NEW LIFE COMMUNTY
★<北嶋和之のゴスペルトーク>Celebrating New Life Merry Christmas
★<いまさら聞けないゴスペル用語>ジーザス・クライスト
★コンサート・ワークショップ情報
ベルリン五輪マラソン金メダルの孫其偵さんの「日本代表」記録を韓国に−−日韓クリスチャン議員連盟が働き
1936年ベルリンオリンピックのマラソンに「日本代表」として出場し、金メダルを獲得した韓国の孫基禎さんが11月15日未明、ソウル市内の病院で90年の生涯を閉じた。当時、祖国が日本の統治下にあったため心ならずも日の丸を付けて走った「言いしれぬ屈辱」を後に述懐し、当時の「日本」国籍を変更するように願い続けてきたが、五輪公式記録はいまだ「日本」のままだ。この日午前、都内のホテルで開かれた第3回国家朝餐祈祷会(1面参照)に来賓として出席していた韓国のクリスチャン国会議員金泳鎮氏は、席上あいさつの中でこの問題にふれ、「日本のオリンピック委員会が国籍を訂正しないからIOC記録が変わらない。日韓クリスチャン議員連盟が力を合わせてこれを正そうと、土肥隆一議員とも話し合った」と述べた。
「今年サッカーワールドカップにおいて韓日は真のスポーツマンシップを発揮し、世界が拍手を送ったが、この問題では日本はスポーツマン精神を発揮するチャンスを失った。孫さんが生きている間に正しい歴史清算ができるようにと願ったが、今からでもきちっと清算する姿勢を持つべきだ」と金氏は言う。
韓国オリンピック委員会を通して正式に国籍変更を申し入れる予定で、「皆さんも同意していただけますか」と金氏が問いかけると、会場の130人余りから一斉に拍手が起こった。
データで考える21世紀の宣教戦略−−日本クリスチャンアカデミー関東活動センター秋季フォーラム2002
日本のキリスト教の過去と現在を示す客観データから日本のキリスト教宣教の課題と戦略を検証する試みが9月15日、東京・千代田区の東京YMCAで開催された。主催は日本クリスチャンアカデミー関東活動センター。講演者は日基教団・東駒形教会牧師で同教団宣教研究所室長の戒能信生氏、電通マーケティングプランナーで日基教団・正教師の棟方信彦氏、東京YMCA常議員でエーザイ株式会社副社長の中井博雅氏の3人。戒能氏と棟方氏は、同教団の統計資料やキリスト教年鑑のデータ編集に携わった専門家。<キリスト教の親しみ層は1400万人/無宗教者と共通するクリスチャン>
棟方氏は、マーケティングの視点から、日本宣教の課題と戦略を分析した。
●現代日本で、「特定の宗教を信じている人」は全体の2~3割、しかも減少傾向。
世論調査では、戦後の日本人の信仰心はゆるやかに低下している。昭和20年代には信仰を持つ人は50%をこえていたが、現在は20から35%の間だという。79年には3人に1人が何か宗教を信じていたが、95年にはオウム事件の影響などで宗教への不信感が顕在化し5人に1人となっている。そういう意味で宗教環境は逆風といえる。では特定の宗教を信じない7~8割の人たちは宗教と無関係かといえば棟方氏は、「宗教をキリスト教でいえば信仰告白など自覚的信仰意識だけで理解してよいのかは疑問。結婚式など現象としての宗教生活の日常生活へのかかわりは多いのでは。宗教に関するデータを単純に理解するのは危険だ」と語る。
●「漠たる信仰心」を持つ人は過半数
死後の世界があるかもしれない。魂はあるかもしれないという程度の漠たる信仰心を持つ人は世論調査では過半数にのぼる。棟方氏は、「既成宗教にとらわれない宗教的関心は存在する。インターネット時代の中では、既成の組織、手続きを経ないで精神的世界に関心を持つ若者がいる。既成宗教とは別な世界の宗教的ニーズが意識されている。そういう意味で宗教の周辺を見ていく必要がある」と語る。
●宗派別の支持構造
ある調査データでは、「次の宗教のうち、信仰しているものまたは入信しないまでも関心を持っているものはどれか」という問いに、プロテスタントと答える人は全体で4.1%(男3.2%、女4.9%)、カトリックは3.3%、ユダヤ教1.3%、イスラム教1.5%、浄土真宗8.4%、真言宗4.3%、創価学会4.7%、宗教なしは59.1%となっている。
世代別にみると、高齢者ほど宗教に関心があり浄土真宗などはその傾向が顕著。しかしキリスト教は、20代の全体で3.2%、30代が5.5%と若者に高い関心がある。
●キリスト教信仰とその周辺
全国でプロテスタント、カトリックを含め、キリスト教の信者数は約120万人で人口の1%から2%。キリスト教の関心層は700万人(7~8%)。イエス・キリスト関心層は千200万人(10~11%)。キリスト教親しみ層は千400万人(12%)、ミッションスクール在籍数は34万人いる。特にキリスト教に親しみのある層は、16歳から19歳の若者は男性で20%、女性では36%もいる。
この数字に対して棟方氏は、「ミッション・スクールの役割が大きいと思うが、教会が積極的にこの層に働きかけてきたことはないのでは」と指摘した。
またキリスト教を信じている人の平均値以上の学卒は、短大、高校、大学と他宗教に比べ高く、これは無宗教者と似ている。平均値以上の居住地も、東京、大阪、10万人から50万人以上の都市に集中、これも無宗教者と共通している。
「高学歴の知識層は、宗教には頼らないという人が多いが、キリスト教はそういう層をターゲットにしてきたといえる」
また日本のキリスト教の戦略課題として棟方氏は、「人口動態への対応として地域戦略。キリスト教周辺層、幼児層などターゲットを見極め、それぞれに相応しいサービスが必要ではないか」と提言した。 ■30年、50年後を視野に 中井氏は「21世紀へのキリスト教の戦略」と題し、キリスト教界の現状分析と改革のために忌憚ない意見を語った。
中井氏は「単なる経済不況ではなく組織、体制、枠組みなど社会があらゆる点で破綻している現在、キリスト教界も同様なのに変化に無頓着、人々の救いや希望の拠り所としての存在感を無くしている。しかも個々の教会、団体が弱体でバラバラである」と指摘した。
それに対し、日本の21世紀の宣教を考える戦略的アプローチとして、?使命を再確認し、変化を認識し、自らを革新する決意を固める、?2つか3つのコア・コンセプトを押さえることによって山積みする課題を決定的、全面的につき動かす、?30年から50年かけて新しい体制、枠組みに移行する?限られた資源の効率化、最適配分を求めるとともに資源開発、創出することを提案。「建設的、未来構築的に考えていくことが大切だ。30年から50年後に新しい教会に生まれ変わるような戦略をすべきだ」と述べた。
21世紀の戦略のコア・コンセプトとして、?alliance(戦略提携、連帯、パートナーシップ、ネットワーク)、?資源(人材、情報、資金)開発?新展開の創出メカニズムを挙げるとともに、具体的に例を示した。
祈りに徹する4日間−−プレアー・サミット開催を呼びかけ0212010603
聖会でも伝道会でもセミナーでもない、ただ 「祈る」。司会も説教も、プログラムさえない、4日間牧師が一堂に会してひたすら「祈る」。参加者はそこで「祈りの中で神ご自身がぐいぐいと迫ってくださる」という体験をする。これがプレアー・サミットだ。大阪でプレアー・サミットを開こうと、グローバル・ミッション・チャペルの森章宣教使牧使と天王ニュー・ライフ・チャペルのレディングトン・建宣教師の呼び掛けに賛同して、10月30日、門田道則牧師(キリストの光教会)が発起人となって、大阪でのプレアー・サミットへの理解を深め、協力を促す集まりを開いた。
「自分自身が内側からくつがえされたことがわかりました。家族や教会に対する態度や心が変わりました。妻には顔が変わったと言われました。家族を犠牲にしてがむしゃらだったときには見えなかったものが見えるようになり、リラックスして働けるようになりました。牧会者の最優先事項は主の身近かにいることなのに、いつのまにか人の身近かにいてニーズを満たすことにのみ没頭してしまう。年に1回はプレアー・サミットでただただ主を求めるときが必要だと痛感しています」と、現在日本でただ一人同サミットの世話役の認証を受けている森宣教使牧使は、自らの体験を交え、プレアー・サミットを日本の教職間に広めてほしいとを呼び掛ける。
「プレアー・サミット
の目的は主の働きを担う人たちが主とつながって力を得ること。4日間牧師が集まって祈れば、必ず変わる。神は必ず答えてくださいます。プレアー・サミットは日本のリバイバルに大きく貢献すると信じています」と語るレディングトン・建宣教師も、プレアー・サミットの意義と必要性を訴える。
プレアー・サミットの
起源は89年の米・オレゴン州。礼拝出席者が激減する中で、40人の牧師が「主のみ顔を求めること以外に何の予定も持たず一堂に会した」ことから始まる。この「主にお会いするためだけの4日間」が、教会を変え、地域を変えた。これが世界に広がり、日本では宣教師間で広まり、今年、岡山県の蒜山で5回目のプレアー・サミットが開かれた。日本語だけのプレアー・サミットは01年の滋賀県が初。以後、毎年行われている。
蒜山の同サミットに参加した門田牧師は「これは絶対必要。日本語だけのサミットが広がれば」と、大阪で共鳴者が起こされるよう願っている。
▽森章=グローバル・ミッション・チャペルTELO246・23・5490、FAX0246・23・5492、レディングトン建=天王ニュー・ライフ・チャペルTEL088・891・5717。