[CSD]2003年4月6日《ヘッドライン》

[CSD]2003年4月6日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★なぜ米国は戦争支持するのか——米国・ルイビルでの反戦集会 レポート・渡辺 聡
★反戦集会参加者の宗教観や米国キリスト教についての感想
◎WVJ:難民支援スタッフをシリア北東部へ派遣
★日本緊急援助隊:戦後イラクの援助ボランティア募集
★「人間の盾」の木村牧師、依然現地に留まる
★<恵みのどんでん返し>梅 見て泣いた痴呆症女性の涙に触れて 記・佐々木 炎
★<落穂抄>もう一つのイラク情勢

 = 2 面 =
★国際協力で地域貢献——埼玉YMCAが30周年
★教会はすべての人と共に——戦争終結へ各派が祈り
★<論説>CS小学科から中学科へ——中学生が教会につながるために 記・杉本 玲子
★<神のかたち>[37]女たちは・・・語ることを許されていません 記・稲垣緋紗子
★<今週の本棚>『信仰の旅路』アリスター・マクグラス著(いのちのことば社、1400円) 評・坂野 慧吉
★<今週の本棚>『平和への情熱』トマス・マートン著(女子パウロ会、1100円)
★<今週の本棚>『ただ一つの慰め』棟居 勇著(キリスト新聞社、952円)
<情報クリップ>催し情報ほか

 = 3 面 シリーズ・エバンジェリスト=
★普段着の伝道者・岡田 信常
貧しき人々のため福音を——召命を受けて今立ち上がる

 = 4 面 =
◎イラク軍事行動は宗教抗争ではない——英国宗教指導者が共同声明
★アメリカのシラク攻撃と宗教——神の名で行なわれる戦争 記・櫻井 圀郎

 = 5 面 =
★米クリスチャン 戦争賛成/反対の理由 レポート・渡辺 聡

 = 6 面 シリーズ・信仰の遺産=
★北欧敬虔主義の巨人 オー・ハッレスビー
自由主義神学、無神論と対決——生活と社会に実を結んだ聖書信仰

 = 7 面 =
◎「お客様発想」で経営も上向きに——VIP赤坂で「奉仕と献身」が信条と語る池田守男氏(資生堂社長)
★大胆な信仰「がめつさ」が必要——学者と元ヤクザが語るJ+Passion Tokyo 2003
★視覚障害もつ永田雅紹さんが母を想い「笑顔」を作詞作曲——4月からNHK「みんなのうた」に
★イラクレポート:戦地で問われるキリスト者の平和とは
★ライフセンター大阪:牧師・書家 岸本正也作品展「聖書のみことば」
★教会音楽献身者の育成めざし奨学金制度発足

 = 8 面 ゴスペルのページ=
★<インタビュー>藤波 真也さん——神様とリアルな関係を持ちたい
★ゴスペル本特集:『ニグロ・スピリチュアル 黒人音楽のみなもと』北村崇郎著(みすず書房、3500円)
★ゴスペル本特集:『ゴスペルサウンド』アンソミー・ヘイルバッド著(ブルース・インターアクションズ、2900円)
★ゴスペル本特集:『ゴスペルってなんだ』藤井恵嗣・JAY公山著(フォレストブックス、1429円)
★NEW RELESE:「...again」ドニー・マクラーキン (ライフ・ミュージック、1980円)
★NEW RELESE:「believe」アーロン・ネピル (ライフ・ミュージック、2200円)
★<北嶋和之のゴスペルトーク>Jesus be A Fence
★<いまさら聞けないゴスペル用語>RESURRECTION(復活)
★コンサート・ワークショップ情報


WVJ:難民支援スタッフをシリア北東部へ派遣0304060103

キリスト教精神に基づいて活動する特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ=片山信彦事務局長)は、イラク攻撃による難民支援のため、池田満豊スタッフを3月25日、ヨルダン経由でシリア北東部のハサケ市に派遣した。池田スタッフはハサケ市から約60キロ、イラク国境から約50キロに位置するアルホール難民キャンプで、食糧、日用品、医薬品の調達、配給などを行うという。
 また、WVヨルダンは第3国難民の受け入れを行っているイラク国境付近の、アル・ルウェイシェド難民キャンプで炊き出しなどの食糧支援を開始した。同キャンプにはエジプト、スーダン、エリトリア、エチオピア、スリランカなどからの出稼ぎ労働者が多く、ヨルダン国境まで危険を冒して移動してきた人が多くいるという。食糧のほか、毛布やポリタンク、プラスチックシートなどの支給も行っている。 
 WVJではイラク難民支援のための募金を受け付けている。「イラク難民支援」と明記して、郵便振替00130-6-254059特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパンまで。
 また、国際飢餓対策機構はルウェイシェドの2つの難民キャンプで、現地NGOと協力し食糧援助活動をしている。

イラク軍事行動は宗教抗争ではない−−英国宗教指導者が共同声明0304060401

英国の各宗教指導者は、イラクでの戦闘で犠牲者が出たことが伝えられたのを受けて、3月21日、次のような共同声明を発表した。
 私たちが集まったのは、英軍も参戦しているイラクでの軍事行動の背景に対してである。
 英軍、その家族、およびこの事態に巻き込まれたすべての人、特に、生命を落とした人、また愛する人を失った人たちを覚えて祈る。
 各宗教の指導者として、私たちの共通の基盤を伝え、この緊張、矛盾、不一致の時に、私たちが持っている価値を再確認したい。
 私たちは、全能の神が知恵と判断と憐れみとを、この戦争の行方についての責任という巨大な重荷を担う政治、軍事指導者たちに与えられるよう祈る。
 武力抗争時、すべての人間に払うべき敬意は、ジュネーブ会議と同条約に規定されたように、全関係者に保証されなければならない。抗争に否応なく影響を受けた民間人の権利と需要は完全に守られなければならない。
 これは宗教についての抗争でもなければ、宗教間の抗争でもない。私たちは、そのように誤り伝えることを断固拒否する。わが国のキリスト教、ユダヤ教、イスラム教の指導者として、私たちの共同体を引き裂こうとする試みに抵抗することが、不安と混乱の中にあっては、非常に大事だと信じる。
 私たちは、様々な信仰共同体が互恵と調和の中で並存できる社会を建設しよう、という努力が英国で続けられていることを推奨する。
 緊張が激化するかもしれないこの時に、私たちは、その目的に向かう努力をやめないよう、すべての共同体に勧める。私たちが共有する幸せのため、そしてより調和の取れた、より紛争の少ない世界を目指す印として、私たち自身もその目的達成に努める。
 悲しむべきは、現在外交の道が閉ざされ、軍事行動だけが終結への限られた方法としてあるだけである。私たちは、イラク及び中東全域で、正義の、永続的で確実な平和を達成するために速やかな努力が、戦争に早く取って代わるよう祈る。私たちは、権力の座にある人たちに、抗争という騒がしさのただ中、その高潔で重要な目的に向かって、この構想を現実のものとするよう助けること、真理にとどまることを勧める。
 それは、そうすることで、私たちの神が与えられた人間性のために行動しているのだという確信の下に、私たちが推奨する構想である。  共同声明の署名者は次の通り。▽英国国教会カンタベリー大主教、ローワン・ウィリアムズ博士▽カトリック教会ウェストミンスター大司教、コーマック・マーフィー・オコナー枢機卿▽自由教会議長、デービッド・コフィ牧師、▽ユダヤ教主席ラビ、ジョナサン・サックス博士▽モスクと英イマム協議会議長、シャイク・ザキ・バダウィ博士、▽「イングランドの教会一致」会長、イズメ・ベスウィック牧師。
 

「お客様発想」で経営も上向きに−−VIP赤坂で「奉仕と献身」が信条と語る池田守男氏(資生堂社長)03

化粧品メーカー、株式会社資生堂の取締役社長である池田守男氏(66)・日本基督教団銀座教会員・が3月25日、東京・千代田区紀尾井町のホテルニューオオタニで開かれたインターナショナルVIPクラブ赤坂(同主催)で「サーバントリーダーシップ」をテーマに講演した。池田氏は東京神学大学神学部卒業の経歴を持ち、資生堂で40年間秘書、総務の管理部門に歩み、5人の歴代社長に仕えてきたが、経営立て直しの重責を担い01年6月、資生堂第12代代表取締役社長に就任した。「奉仕と献身」が信条と語る池田氏は、「『頭たらんと思ふ者は、凡ての者の僕となるべし』(マルコ11・44、文語訳)という聖書の言葉を実践できることに、大きな喜びを感じています」と述べた。  創業1872年、131年の歴史を持つ資生堂は常に化粧品業界をリードしてきた。しかしここ数年は不況による国内の化粧品市場の縮小、新興ブランドや海外ブランドの台頭などで競争が激化し販売不振が続いた。そんな中での就任だった。
 講演で池田氏は「企業経営においてどうリーダーシップを発揮できるか、と考える中で到達したのがサーバントリーダーシップだった」と語る。
 サーバントリーダーシップは第一線でお客と接する人たちが企業で一番重要な人たちで、社長は一番下でしもべに徹するという「逆ピラミッド」の発想。「イエス様の姿勢そのもの」だとも言う。「ある時、机の上にあったピラミッド型組織図を逆さまから見ると、私の思いが具現化していることに気づいた。その時、逆ピラミッドを経営の中心に据えようと決めた」
 具体的ビジョンは、?美と健康を通じてお客の役に立ち、ひいては社会に貢献するという創業の精神に立ち返る?お客の喜びを第一義とする「商いの心」を活動の隅々にまで浸透させる?「店頭基点」、すなわちお客、小売店、資生堂が出会う場所を基点にすること。
 特に店頭基点に関しては、店の売り上げ情報を随時キャッチできる店頭情報機器を運用したポスレジシステムを改革のシンボルにし、「メーカー発想からお客様発想」への転換を図っていくことを実践。「商品数を増やせば売り上げが上がっていた時期があった。しかしそれが過剰在庫につながり、経営を圧迫していた。ここ1、2年は店頭情報に基づいた生産により注文生産に近い形になり、工場在庫も減っていった」と改革の効果が現れてきた状況を説明。
 さらに池田氏は「おもてなしの心」を企業挙げて実践していきたいと語る。それは資生堂創業以来の企業遺伝子、聖書にある奉仕の精神だとし、「常に相手の人格を尊重し、気持ちを理解し、そのために尽くしていくことを企業活動の中で実践できれば、これほどすばらしいことはない」と語った。
 池田氏は18歳の時に受洗。その後牧師になるため東京神学大学に入学。しかし、ちょうど60年安保の時で、キリスト教界にも大きな対立があった。ストレートに牧師に
なる決心ができず、もう一度自分自身を見つめ直したいという気持ちになり、牧師から企業人へ進路を変更したという。
 就任3年目になる池田氏だが、「何より社員の使命感と誇りが大切です。社員の活躍に期待しています」と語った。=034060701=CSD1035=