ヘッドライン
[CSD]2003年6月1日《ヘッドライン》
[CSD]2003年6月1日《ヘッドライン》= 1面 =
◎草加キングス・ガーデン開園——「仕える愛」のケアに期待
★戦後イラクの少数キリスト教徒——言いたいことが言えない
★「わぁ、Jリーガーだ」——ドゥトラ、ケリー両選手が証し
★<復活——中嶋常幸プロ>[7]ボールを恵利華にあげよう
★<落穂抄>タクシー利用で地域宣教
= 2 面 =
★福音による変革祈る——アフリカ26か国700万人
★米国:宗教指導者ら国連支持を表明——カトリック、正教、主流プロテスタント
★台湾SARS医師——勤務先は長老教会系病院
★フィリピン:米国人宣教師ら誘拐に国軍関与?——宣教師が手記で告発
★<論説>少数派である意味——求められる人とのつながり 記・山口 譲
★<神のかたち>[42]妻たちよ、自分の夫に対して 記・稲垣 緋紗子
★<今週の本棚>『みつばさのもとに』O・ハレスビー著(日本キリスト教団出版局、2400円) 評・太田和 功一
★<今週の本棚>『一羽のすずめ その1』西尾 おさむ著(リバイバル新聞社、600円)
★<今週の本棚>『真実をあなたに』高木 慶太著(いのちのことば社、400円)
<情報クリップ>催し情報ほか
= 3 面 社会福祉特集=
★「弱さ」でつながる共同体——知的障碍者グループホームゆきわり荘
★一般施設でキリスト教介護——理事長が牧師のビジョンに共鳴
★LD(学習障害)児の理解深めよう——心の居場所求める子どもたち
★痴ほうは早期発見が肝心——ビデオ「ボケは防げる・治せる」
= 4 面 関西だより=
★覚醒剤にピリオド——体験を各地で証しする藤井 晶子さん
★次世代への福音を——日本伝道隊100周年記念、創立者の孫マイケル・P・ウィルクス氏講演
◎みことばだけを頼りに——榮 義之牧師ラジオ伝道30周年
★オー・ハレスビー『みつばさのもとに』出版記念集会—翻訳の鍋谷尭爾氏「霊的な風が吹くように・・・」
★ウェスレーに学ぶ会会長に松沢力男氏
★レーナ・マリアさんのドキュメンタリー番組サンテレビで放映(6月8日11:00~)
★メサイア・プロジェクト関西講演決定
★7月22日大阪で本紙読者の集い——ゲストに俣木聖子・泰三さん夫妻
= 5 面 =
★「イエスを知る」が最高のゴール——ドゥトラ、ケリー両選手がカンバーランド長老・高座教会フットサル交流大会で証し
◎日本のキリスト教映画の中でも「塩狩峠」を高く評価——映画「ふうけもん」発起人交流会で田島良一氏講演
★三谷康人氏の自伝『逆転人生』韓国で話題に——「出生より神第一」信仰に衝撃
★<召天>金潤?氏(東京多摩キリスト教会、多摩キリスト教会元老牧師)
★<恵みのどんでん返し>恵みとあわれみの冠をかぶらせ 記・込堂 一博(旭川恵みキリスト教会牧師)
= 6 面 家族のページ=
★この国に住む:13年日本にいるのには意味がある——シレーガーさん一家(インドネシア)
★<家族診断>[10]お父さんの苦しみは家族の苦しみ 記・碓井 真史
★新連載<カウンセリングカフェ>[2]夫婦優先は神の御旨 記・丸屋 真也
★<うちのオカン>我が母親エピソード 記・内越 努
草加キングス・ガーデン開園−−「仕える愛」のケアに期待0306010101
埼玉県草加市が全国に先駆けて公募した特別養護老人ホームの管理運営主体に選ばれた社会福祉法人キングス・ガーデン埼玉(泉田昭理事長)が建設していた草加キングス・ガーデン(加藤久仁夫施設長)=草加市遊馬町185=が完成、5月20日に竣工感謝会を挙行した。主に仕えるように高齢者に仕えるケアを実践してきた同法人の川越キングス・ガーデンなどの取り組みが行政に評価され、1都4県の19法人の中から選ばれての開園。周辺地域の諸教会の牧師らが協力牧師会を結成し、毎日礼拝できる態勢も整った。現行制度による最高の設備と関係者が評価する器に、見える形で「愛」を表す働きが始動する。 草加市から無償貸与された5301・91平方メートルの敷地に、鉄筋コンクリート地下1階地上5階、延床面積9820・27平方メートルの建物が完成。事業および定員は、特別養護老人ホーム100人、ショートステイ30人、デイサービス30人、ケアハウス60人、在宅介護支援センター、居宅介護支援ホームヘルプサービスに及ぶ。施設はガラスを多用し、回廊式にするなど採光に配慮した設計で、全館どの部屋でも明るい。特養の居室もゆったりした個室感覚で、ラウンジやそこから屋外につながるサンデッキなど、広々とした作り。サンデッキの一角にはガラス張りの洋風茶室までしつらえた。総工費は28億1千873万円余。泉田理事長は式辞で、「今、日本は非常な勢いで高齢社会を迎えています。そうした中でキングス・ガーデンはマタイ25章40節に『これらの最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです』とあるように高齢者にお仕えする姿勢で取り組んできました。素晴らしい建物が与えられこれからが大切。どのような介護ケアを行うかが問われます」と述べた。
工事経過報告をした建築委員長の中嶋栄三氏も、多くの困難を乗り越えて開園にこぎ着けた感慨と共に、「入居者の一人ひとりを心から愛して奉仕していきたい」。
竣工感謝会には、日本のキングス・ガーデンの元になった米シアトルの高齢者施設クリスタ(元キングス・ガーデン)からJ・グウィン総裁も出席。「45年前、マイク・マーチンが大きな夢をもって始めたキングス・ガーデンは、天国の希望を与える施設として、愛をもって一人ひとりに仕えています」と源流のスピリットを紹介した。
そのスピリットを受け継ぎ、日本でこの働きが始められて23年。茨城県水海道市に最初のキングス・ガーデンが開設されてから、各地のクリスチャンや教会が同様のビジョンをもって立ち上がり、現在その数は全国で約20。竣工感謝会に駆け付けた各地の施設長、理事長らは、「地方では町でキングス・ガーデンを知らない人はいない」「職員が輝いていないと喜びは伝わらない」などと、提供するケアの質や内容が社会に与える影響の大きさを述べていた。
みことばだけを頼りに−−榮 義之牧師ラジオ伝道30周年0306010403
話下手で赤面恐怖症の牧師がみことばだけを頼りに始めたラジオ放送伝道が、30周年を迎えた。73年7月7日にスタートした「希望の声」の聴取者は10万人を数え、91年から始めた聴取者礼拝は、現在のELIMキリスト教会に発展した。今も変わらずシャイで素朴な榮義之牧師と、日本でただ一人の女性ラジオ牧師前田基子氏の心を込めたメッセージが、毎週水曜日の朝4時35分、朝日放送ABCラジオから届けられている。◇ ◇ ◇
5月5日に生駒聖書学院の礼拝堂で行われたラジオ放送「希望の声」30周年感謝会には、多くの支援者と愛聴者が集い、祝福した。榮牧師は開始当初、富雄キリスト教会の開拓時で資金はゼロ、ラジオ放送など「絶対できない」と思ったが、黙示録3章8節のみことばに確信を得、教会信徒に応援されて踏み出したと、当時を振り返った。
「祈りながら聖書を開くと見よということばが目に飛び込んできました。誰も閉じることのできない門を開いておいたとイエス様は言われている。30年このみことばに支えられてきました」
30年もの長寿番組には根強いファンがいる。15
年聞き続けた夫婦が聴取者会に参加し、救われたケースも。「今、福音が求められています。人は聞いたら信じるんです」という榮牧師のことばは、まさに実体験である。
◇ ◇ ◇
感謝会には、榮牧師の故郷である鹿児島県種子島の母教会から池田公栄牧師夫妻も出席した。池田牧師は70歳の引退を機に、10年来のビジョンだった中国でのボランティア活動に踏み切る。
子どものころ中国で暮らしていた池田牧師には、忘れられない思い出がある。通学途中、中国人の人力車にこっそりただで乗せてもらっていたのだという。子ども心に残るこの悔いを、いつか詫びたいと思い続けてきた。当地でパソコンや日本語を教えることで、あるいは、専門でもある幼児教育のノウハウを提供することで、償うことができたらという思いを抱いて70歳の新たな出発に臨む。
日本のキリスト教映画の中でも「塩狩峠」を高く評価−−映画「ふうけもん」発起人交流会で田島良一氏講演0
東京都千代田区の在日本韓国YMCAスペースYで5月3日に開かれた映画「ふうけもん」発起人交流会(同事務局主催)で、日本映画史を研究する田島良一氏(日本大学教授)が「日本映画とキリスト教」の題で、映画の一部をパソコンのプレゼンテーション用ソフトで紹介しながら講演した。同発起人交流会は、映画に関する知識と発起人同士の友情を深めるために企画されたもの。田島氏は「外国ではキリスト教関係の映画はたくさんあるが、改めて日本映画を調べてみると、キリスト教を題材にした映画が非常に少ない。その中でもキリスト教精神に立った映画が何本か上映されてきた」と語った。◇
田島氏は、日本のキリスト教映画は、3つに分類されると語る。?日本におけるキリスト教の受容の歴史を題材にしたもの?キリスト教をヒントにフィクションとして製作したもの?日本のキリスト教徒の信仰生活を描いたもの。そのうち??が本来のキリスト教映画ではないかと語る。
?に相当するものとして挙げた作品は、日本に初めてキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルと豊後の国(大分)の大名大友宗麟との出会いを描いた村野鐵太郎監督「国東物語」(隆大介主演、84年)、キリシタン大名高山右近と茶人千利休の娘お吟との悲恋を描いた熊井啓監督「お吟さま」(中野良子、中村吉右衛門出演、78年)、島原の乱を描いた大島渚監督「天草四郎時貞」(大川橋蔵主演、62年)など。
さらに遠藤周作の『沈黙』を映画化した篠田正浩監督「沈黙」(丹波哲郎出演、71年)。「この作品は日本のキリスト教界で議論となり批判されたが、日本においてキリスト教を考える上で欠かせない映画ではないか」と語った。
?に相当するものは、伝道者賀川豊彦の生涯を描いた山田典吾監督「死線を越えて」(国広富之主演、88年)、元ヤクザの伝道集団「ミッション・バラバ」をモデルにした斎藤耕一監督「親分はイエス様」(渡瀬恒彦主演、01年)、三浦綾子氏の同名の作品を映画化した中村登監督「塩狩峠」(中野誠也、佐藤オリエ出演、73年)。
中でも、主人公永野信夫が身を投げ打って暴走する客車を止め、乗客を救うという内容の「塩狩峠」は、「日本の映画の中でも、キリスト教精神をよく描いた作品だと思う。私はキリスト教徒ではないが、この映画はとても感動した」と述べた。「『ふうけもん』も多くの人に感動を与える映画になることを願う」と田島氏は結んだ。
そのほか藤崎周平氏(日本大学芸術学部演劇学科助教授)の講演、メイクアップアーティストの田中宥久子氏のトークショーがあった。第5回決起大会も開かれ、李萬信氏(大韓民国宗教指導者協議会議長)がメッセージを語った。発起人交流会と決起大会には韓国から11人が参加した。