[CSD]2003年7月20日《ヘッドライン》

[CSD]2003年7月20日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★ニューヨーク・スラム街の子に明日ではなく今日福音を——22,000人の教会学校創立者B・ウィルソン氏来日セミナー
◎5千円札の人知っていますか——新渡戸稲造没後70年、湊 晶子氏講演
★なにわゴスペルフェスタ——和太鼓とゴスペル熱き共演
★<恵みのどんでん返し>網膜剥離、目に映った美しい風景 記・稲葉 禮野
★<落穂抄>北朝鮮の本当の解決は・・・

 = 2 面 =
◎アジアの信教自由 傾向明らかに——クリスチャン人口増加が背景に
★「神のものは神に」、差し押さえで戦争加担は良心に打撃——軍事費拒否裁判で原告陳述
★有事法を無用の長物に——JEAも抗議声明
★<論説>自然環境問題——自己中心から神中心へ 記・津村 春英
★<神のかたち>[46]女が、女が男の創造者である、と教えることを許しません(4) 記・稲垣 緋紗子
★<今週の本棚>『創世記講録』小畑 進著(いのちのことば社、3,800円) 評・勝本 正實
★<今週の本棚>『そのままのきみが好き』マックス・ルケード著(フォレストブックス、1,000円)
★<今週の本棚>『わが子よ』大嶋 常治著(ちから編集部、900円)
<情報クリップ>催し情報ほか

 = 3 面 IT特集=
★839キロメートルが身近に——インターネット双方向授業 中央聖書神学校
★礼拝の臨場感を複数教会で共有——純福音礼拝システム フルゴスペル東京教会
★若者らが自由に情報提供——ユース・チャーチ・ネットワーク
★ライフセンターに「Lウィッツ」導入——データ見て顧客サービスも向上
★イタリア:ケータイでもバチカン博物館訪問

 = 4 面 特集・青少年伝道=
★今の中学生に何が必要か——価値観の変化に対応するCSKキャンプ
★hi-b.aキャンプに天井高い食堂完成——米国のボランテア大工チームも応援
★富士登山で自然を満喫——YMCA東山荘でネイチャープログラム
★家裁調査官が事例から見たもの——「親子の葛藤が晴れるとき」須永和宏著、サンパウロ刊
★3ステップの特別聖書学課——教案誌「成長」、CS成長センター刊
★遊びを通して聖書に親しむ——「新しい子供会のアイデア40」矢吹 博著、CS成長センター刊
★キャンプの意義・企画・準備から健康管理まで——「ザ・キャンプ」青木 比郎著、CS成長センター刊

 = 5 面 =
★獄中で受洗 死刑囚・長谷川俊彦さん遺作展大阪で開催——贖罪の気持ち込め描く
◎会社が破綻、涙流した翌日にキリスト教書店の話が——高松市・河合 良厚さん夫妻
★現代版オラトリオ「メサイア・プロジェクト」関西公演——音楽とダンスで福音を表現
★「ヒトラー暗殺」なお議論——映画「ボンヘッファー」米ニューヨークで劇場公開
★<召天>日本最初の国内宣教師・尾城 秀雄氏逝去(日本福音自由教会協議会)

 = 6 面 ビジネスマンのページ=
★<信仰人>問題の解決は徹夜祈祷にある——金山 良雄さん(ムラサキスポーツ代表取締役会長)
★<クリスチャンのための経営塾>[11]「マネーの虎 上」 記・鹿嶋春平太
★<BUSINESS BOOK REVIEW>『成功への25の鍵』ポール・J・マイヤー著(日本地域社会研究所、2,300円) 評・中野 雄一郎
★<私の信仰とビジネス>[11]人を評価するということ 記・小倉 昌男(ヤマト福祉財団理事長)

5千円札の人知っていますか−−新渡戸稲造没後70年、湊 晶子氏講演0307200102

「新渡戸稲造」と言われてすぐに「5千円札の人」を思い浮かべる人は少ないかもしれない。湊晶子氏(東京女子大学学長)は参加者の前に5千円札を掲げ、「来年、この人は5千円札から消えてしまいます。みなさん新渡戸稲造が実際何をした人物か知っていますか?」と問いかけた。
 キリスト者学生会=KGK=協力会講演会(同主催)が6月30日、お茶の水クリスチャンセンターで開かれた。初めに学生によるKGK活動紹介と証しがあった。今回のテーマは「座標軸のある人生~現代を生かす新渡戸稲造の教育に学びつつ~」。講師の湊氏は新渡戸稲造の生涯とその教育思想を取り上げながら話を進めた。「新渡戸先生は札幌農学校の2期生で在学中に洗礼を受け、東大(東京帝国大学)に入学。面接であの有名な『我、太平洋の橋とならん』とおっしゃったんですね。だから5千円札の下には太平洋が描いてあるんです」
 新渡戸稲造は、1862年盛岡市出身。札幌農学校、東大卒業後米・仏に留学。平和論者であるメリーと結婚、母校札幌農学校の講師となる。1913年に同じく母校東大の教員となり、18年56歳の時、東京女子大学の初代学長に。さらに20年国際連盟設立と同時に事務局長に就任。33年10月15日、72歳で逝去。「グローバルな教育者」としてその名を馳せた。
 湊氏は、最近は自分が見えず自己確立ができない人が多いことを指摘。男女差なく「個」を確立することが大切であると語った。また、新渡戸稲造は「人を相手とせず天を相手としなければならない」と説いたという。それを受けて湊氏は、「人と人の関係は水平的な横の関係なので、三位一体の神との垂直的な交わりが必要。神との縦関係がなければ私という人格は形成されない」と話した。
 日本人に最も欠けている「人格=パーソナリティ」において、新渡戸稲造は「人格のないところに責任はない」とのことばを残している。「みんな一緒ならそれでいい、という考えは自己確立ができていない。深く神と交わり、ひたすら主に示された道をゆくことが大切」と湊氏は解説した。
 「自己確立があって初めて可能な責任が生まれてくる。現代、私たちに求められている生き方は、知識よりも実行。実行よりも英知。To know,To do,To beですね。すべて神の前に大事なんです。神の前にあって座標軸のある人生を生き抜くとき、それは歴史を動かす力になるのです」と締めくくった。
 10月15日に「新渡戸稲造没後70年記念シンポジウム」が杉並区の東京女子大学で開催される。?:03-5382-6470(教育研究支援科)。

アジアの信教自由 傾向明らかに−−クリスチャン人口増加が背景に0307200201

「アジアの2003|2005年における信教の自由の傾向」をテーマに、世界福音同盟信教の自由委員会(WEA/RLC)主催、アジア福音同盟(EFA)・同信教の自由委員会(EFA/RLC)共催の「アジアにおける信教の自由会議」が6月11、12日、タイ・バンコクで開かれ、アジア諸国の代表のほか欧米の同問題関係者らが集まった。会議では11か国での信教の自由の制限と共に、アジアにおけるキリスト者人口の増加が報告された。
 ジョン・ラングロイスWEA/RLC委員長、ゴッドフレー・ヨガラジャEFA総主事が、今は原理主義の時代であり、アジアのキリスト者はこの挑戦を受けていることを指摘した。
 ヨハン・キャンデリンWEA/RLC総主事によると、アジアのキリスト教人口は1960年には人口の10%以下であったが、1990年にはその比率が3分の1にまで増加した。1970年のアジアのキリスト教人口は9千400万人であったが、2000年には3億100万人になった。
 報告された11か国中、おもな信教の自由の状況は概略次の通り。 アジア各国の状況  【ベトナム】山岳少数民族、モン族にキリスト教徒が増加し、政府から迫害を受けている。NGO(非政府機関)は福音宣教を禁じられている。  
 【マレーシア】多民族で非イスラム教徒に寛容だが、イスラム教徒への伝道は禁じられている。
 【スリランカ】キリスト教徒は「非倫理的な改宗をしている」「タミール・テロを支援している」「西欧のイデオロギーと植民地主義を展開している」などと告訴されている。仏教界は反キリスト教メディア運動を展開し、反キリスト教団体が形成されている。嫌がらせ、攻撃、脅迫、教会への攻撃、放火、破壊が行われている。改宗禁止法、社会的差別、教会堂の登録と建設の制限などの挑戦がある。
 【ネパール】ヒンズー教国であり、反改宗法が出されている。ヒンズー原理主義運動が活発。
 【インド】ヒンズー社会のカーストの虐げられた最下層ダーリ(全人口の20~30%、約3億人)がキリスト教に改宗し始めており、既成の社会からの反発がある。脅迫、群衆の暴力、意図的な偽情報と差別、社会的村八分、教会の放火、などの被害を受けている。
 【ラオス】00年60人以上、01年31人のキリスト者が投獄され、多くの教会が閉鎖された。02年39人が投獄され、尋問の後に強制労働をさせられている。他宗教の信者を尊敬せよとの新しい勅令が出た。教会指導者たちへ圧力がかかっており、撃たれる事件も起きた。政府はキリスト教を西洋の道具とみなし、教会が国民を改宗させていると非難しており、05年までに国からキリスト教を駆逐すると宣言している。
 【インドネシア】中国系キリスト教徒が主要な攻撃目標。イスラム原理主義者と急進派が過去10年間に闘争、迫害、脅迫、制限、テロを行った。

会社が破綻、涙流した翌日にキリスト教書店の話が−−高松市・河合 良厚さん夫妻0307200502

「活字離れの中で、あまり本を読まない人に読んでもらえるようなお店にしたい」。香川県高松にあるキリスト教書店「CD・Booksグレース」を運営する(有)アドナイプラン代表取締役河合良厚さん(48)=単立・高松コミュニティーチャーチセンター教会員=はこう抱負を語った。
 同店は、今年5月、ライフセンター高松書店を引き継ぐかたちで新しくオープンした。河合さんは、妻の具美さんとともに新しい店を切り盛りしている。
     ◇ 
 「主は一瞬のうちに取り去ることができるお方だとわかりました」
 河合さん夫妻が、キリスト教書店の経営に導かれるまでは、一言では言い尽くせない大きな試練があった。
 河合さんの以前の仕事は、祖父が創業した企業の役員。70年の伝統がある企業だった。
 その企業が、ある不正事件で1週間で破たんした。連日、会社にメディアが殺到。河合さんは2週間で体重が10キロ落ちた。会社には民事再生法が適用され規模を縮小して再建したが、業界に失望した河合さんは会社を離れる。
 「活字が読めない、聖書さえも読めない状況でした。これは現実ではない夢なんじゃないかと何度も思いました」
 不景気の中、アルバイトさえ見つからない状況。せっかく見つかった仕事さえどういうわけか道を閉ざされた。
 「主と本当に深い交わりができました。神様なぜですか。なぜ道を閉ざされるのですかと祈り続ける日々でした」
 今年の2月初旬のある夜、布団の中で祈っていると、「悔い改めなさい。今までしてきた罪すべてを悔い改めなさい」という声が聞こえてきたという。
 「その時、人を恨んでいる自分に気づきました。家族を不安にさせていること。みんなに迷惑をかけていることを神様赦して下さいと本当に悔い改めました」。「一生分の涙を流した」。その翌日に、所属教会の宣教師ラルフ・カックスさんからキリスト教書店の経営の話を持ちかけられる。同教会と書店は同じ高松クリスチャンセンター内にあった。
 「キリスト教書店の経営は難しいと聞きましたが、今まで沈黙されていた神が初めて声をかけてくれた。祈りに応えてくれた。ゆだねるしかないと思いました」
 書店を始めて約2か月だが、仕事のなかでたくさんのクリスチャンとの出会いがあるという。
 「自分が読んで慰められたから、苦難の中にいる知り合いに同じ本をプレゼントしたいと買って行かれるお客様もいます。願ってもなかなかできない仕事、神様は最善の道を用意されたと思います」。たくさんのクリスチャンの祈りに支えられ、河合さん夫妻は新しい道へと舟をこぎ始めた。
 【CD・Booksグレース】?:087-831-0486、?:087-863-5933。