[CSD]2003年8月17日《ヘッドライン》

[CSD]2003年8月17日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★第1ステージ優勝にナイスアシスト——横浜Fマリノス・ドゥトラ選手
◎教育の現状に焦点を合わせ——国のために祈る夕べ
★米国:カンバーランド長老、国旗掲揚議案を否決
★<恵みのどんでん返し>小さくとも特別な仕事を与えられ 記・児玉 剛
★<落穂抄>歴史の破れ口に立つ信仰者の使命

 = 2 面 =
★イラクに必要なのは自衛隊ではなく平和憲法——日本緊急援助隊代表 ケン・ジョセフさん
◎京都インターナショナルユニバーシティー大学新校舎オープン——同時に準学校法人取得
★<論説>戦後58年目を迎えて——罪責告白を歴史認識の出発点に 記・油井 義昭
★<神のかたち>[49]子を産むことによって救われます<1> 記・稲垣 緋紗子
★<今週の本棚>『日本のキリスト教』古屋 安雄著(教文館、1,800円) 評・宇田 進
★<今週の本棚>『はくさい夫人とあおむしちゃん』柳井 茂作作・河合 ノア絵(いのちのことば社、1,400円)
★<今週の本棚>『勇気COURAGE』バーナード・ウェーバー著(ユーリーグ社、1,200円)
<情報クリップ>催し情報ほか

 = 3 面 特集・現代の礼拝と賛美=
★アンケートから見える日本の教会——礼拝は複数化へ、礼拝賛美も多彩に
★アンケートから見える日本の教会——複数回礼拝・ワーシップリーダーについての意見

 = 4 面 =
★ルーマニア発 ロシア宣教レポート——今なお政府からの抑圧も 記・石川 秀和
★第20回 ペンライト賞募集(締切日:2004年1月15日消印有効)

 = 5 面 新会堂建築シリーズ=
★JEC・八尾福音教会中央会堂:天から地上に突き刺す十字架——地域のランドマークとして

 = 6 面 =
★なぜ長島曙教会は「らい」を「ツァラアト」に代えるように要請したか——「ツァラアト」は「らい」ではないことを知ってほしい 記・大嶋 得雄

 = 7 面 =
◎「孤児の父」石井十次の生き様を今に——現代ぷろだくしょんが松平 健主役に映画化
★夏祭りはゴスペル一色に——瀬谷ゴスペルクワイアが地元フェスタに参加
★スポーツ用語をパウロは使った——国際アート・コンペ応募中高生に学ぶ
★米国:マザー・テレサ宣教会、意匠権利の保護に乗り出す
★スペイン:建築家A・ガウディも聖人に?


 = 8 面 ビジネスマンのページ=
★<信仰人>荒野で聞いた神様の声——持田 明広さん(VIPクラブ関西会長、弁護士)
★<クリスチャンのための経営塾>[12]「マネーの虎 下」 記・鹿嶋春平太
★<BUSINESS BOOK REVIEW>『「できない」と言わずにやってみろ』晝馬 輝夫著(イースト・プレス、1,500円) 評・中野 雄一郎
★<私の信仰とビジネス>[12]従業員が多いということは良いことである 記・小倉 昌男(ヤマト福祉財団理事長)

教育の現状に焦点を合わせ−−国のために祈る夕べ0308170102

断食祈祷聖会実行委員会(三森春生実行委員長)は8月5日、「国のために祈る夕べ」を東京・千代田区のお茶の水クリスチャンセンターで開催、約90人が集まった。「靖国問題を宣教の問題、政治を信仰の問題として受け止め、国のために祈ろう」をコンセプトに始まった同集会は、今年で3回目。今年は公教育現場での「日の丸・君が代」の強制、青少年犯罪の増加など、「もう一度日本の教育を検証し、特にこのために祈る必要がある」とし、教育に焦点を当てて祈りの時をもった。  吉持章氏(東京基督教学園理事長)は歴代誌第一13章のウザが神の箱に触れ、打たれた個所からメッセージ。「イスラエル全体を掌握するため(2節)、神の箱を担ぎ出そうとしたダビデの考えは、神中心ではなく人間中心の考えだった。日本もまた明治以降、人心掌握のために『日の丸・君が代』、天皇制という御輿がことあるごとに担ぎ出された。我々は、まず聖なる神の前にしっかり悔い改め、時代を見抜いて国のために祈らなければならない」と語った。
 教育に携わる人たちのレポートとして、「『日の丸・君が代』の強制に反対するキリスト者教師・生徒・市民のネットワーク」のメンバーで、東京都公立学校教師の藤田直彦氏が公立学校の現状を報告。公立学校での入学式・卒業式での日の丸の掲揚、君が代の斉唱はほぼ全体に行き渡っており、斉唱率の低いところは文部科学省から直接指導を受けているという。「子どもは競争原理の中に置かれている。教師の内心の自由は、子どもの内心の自由にもつながる。戦いからすると負けてしまっている状態だが、このことのためにぜひ一緒に戦ってほしい」と述べた。
 チア・にっぽん代表の稲葉寛夫氏は、3年にわたる日本でのチャーチ&ホームスクーリングの活動体験から「教育で一番大切なことは、主を恐れること」だと言う。稲葉氏は「日本の教育は悪い方向に向かっている。問題を人間がいくら論じても何の解決もない。しかしクリスチャンにはその解決の答え、聖書が与えられている。イエス様の命令に従っていけば、道は開かれます」と語った。
 今回は、映像を通してレポートしてもらうという新しい試みも。相田望氏(日本宣教会代田教会牧師)は、自由に信仰を表明することができなかった戦前の愛国心教育の様子を述べ、土肥隆一(衆議院議員)、木俣佳丈(参議院議員)、羽田雄一郎(参議院議員)の三氏が、映像を通じて国政をレポートした。
 土肥隆一氏(衆議院議員)は「この世界は、将来が見えない、問題を解決する土台がない。ないから祈らざるを得ない」、木俣氏は「日本の問題点は?夢をもっていない?中心がない?若い人たちに愛情がない」、羽田氏は「21世紀は福祉、教育、環境が最大の課題」と課題を挙げ、クリスチャン議員がよい証しと働きができるよう祈りを要請した。
 レポートを受け、参加者は2、3人に分かれ、公教育の現場で闘っている教師のため、新しい教育にチャレンジしている人たちのため、クリスチャン議員がよい証しができるように、人々の心と暮らしを豊かにする国政が行われるように、など、具体的に課題を挙げ熱心に祈り合った。
 代表して石川弘司氏(同盟基督・中野教会牧師)は「闘っている教師、新しい教育に挑戦する人たちに主の御力を与えてください」、姫井雅夫氏(日基教団・赤坂教会牧師)は「日本が平和をもたらす国になることができるよう、為政者に特別な導きを与えてください」と祈った。

京都インターナショナルユニバーシティー大学新校舎オープン−−同時に準学校法人取得0308170202

京都府京田辺市にある京都インターナショナルユニバーシティー(KIU、ピーター・ブロックソム学長)の大学新校舎が完成し、6月14日に落成披露祝賀パーティーが開かれた。同時に今年4月に準学校法人(各種学校)を取得したことも報告され、今年度はキリスト教に基づいた日英バイリンガルの小・中・高・大一貫教育を推進してきた同校の大きな躍進の年となった。
 今年1月から工事を始めた新校舎は、日米の大工と中高生らが雨や雪の中、協同作業で完成した。720平方メートルが約5千万円足らずでできたという。木の香漂うアメリカンスタイルの、機能的でスマートな建物。法人格取得に合わせて工事を間に合わせることができたのは、泊り込みでの日米協同作業のたまものだ。
 同校は、聖書に基盤を置く米国系福音派大学として1989年に開校。97年、京都市内から現在地に校舎を建築して移転し、中学校、小学校、高校を設置してきた。「大学」は文部科学省認可の学士資格はないが、海外の大学卒業と同レベルで、海外の大学・大学院へ単位交換も可能。
 「よりすぐりのクリスチャン教師をそろえた」同校の教育は、日本の受験教育とは一線を画する。暗記力を養うのではなく、応用できる知識を蓄え高める教育が行われている。徹底的に考えさせ、自己表現できる人間を育てることに重点が置かれ、その基盤になるのはキリスト教だ。興味を持った生徒、学生が校内にある教会に出席して信仰をもつケースも多い。
 新しい校舎で学ぶ大学の学生に同校の印象を語ってもらった。「ここはほどよいしんどさがある。課題が忙しいし、20人くらいの教室では代返なんて不可能。出席するのが当たり前という、他の日本の大学とはまったく違う、学ぶ楽しさと厳しさがある学校」と、昨年信仰をもった生物学専攻の2年生の亀井さん。学校から行ったアメリカ研修旅行にも参加して、学問だけでなく英語圏の文化も学べる大学だと、視野が広がり成長できる自分を感じている。
 4年生の阪口さんは国際関係学部に学ぶ。最初はバイリンガルの授業にとまどった。「何が起こってるかようわからん」状態から徐々に慣れて、一学期を過ぎたころから不自由しなくなった。「KIUが一番。アットホームで、今ではもうひとつの家みたいな感じです」。実は志望した大学に落ち、口コミでKIUの存在を知り入学。今では政治学に興味を持ち、究めていきたいと願う。
 「寝られないくらいハードスケジュールの時もあるんです。でも、楽しい。ここに来てなかったら自分の見えない能力とか、興味を引き出せなかったと思う。あのとき行きたかった大学に落ちてよかったって思います。ここに来るために私、落ちたんだと信じてます。ここはやったことは必ず評価してもらえるところ。だからがんばれる」。 宣教師の子弟も同校には多い。KIUでは日本のクリスチャンホームの子弟の入学を奨励している。牧師・宣教師家庭には支援制度もある。
 ▽京都インターナショナルユニバーシティー=京都府京田辺市草内1ノ坪1ノ1、TEL:0774-64-0804、FAX:0774-64-0805。

「孤児の父」石井十次の生き様を今に−−現代ぷろだくしょんが松平 健主役に映画化0308170701

明治から大正期にかけて活躍し、のべ3千人の孤児を救った石井十次(1865~1914)。キリスト者であった石井は岡山県に日本で最初の孤児院、「岡山孤児院」を設立した。差別や偏見が厳しい中、孤児院すべての孤児に教育を受けさせ、一人ひとりに社会人として歩んでいく道を与えた。そのほか戦災孤児のための孤児院や私立小学校も開設し、その生涯を福祉事業にささげた。そんな彼は、「孤児の父」と呼ばれた。しかし、「石井十次」を知らない人があまりにも多い。「今、もう1度石井先生を見直したい」と、この度、映画「岡山孤児院物語・石井十次の生涯・」(仮題)を製作する現代ぷろだくしょん社長、山田火砂子さん(聖協団・練馬教会員)は語る。  「最近は、12歳の子どもが殺人をしたり、親が子どもを殺したり、子どもが親を殺したり。もうめちゃくちゃじゃない」と自分中心の現代人の様子に顔をくもらせる山田さん。自分のためには何もせず、すべてを他人のために尽くした石井十次。多くの孤児が彼の元で育った。しかし社会に出た孤児たちは孤児への差別や偏見を恐れるあまり、その出生を明かすことができなかった。マスコミが発達していない明治時代のこと。「石井十次」の名前が広域に知れ渡ることはなかった。「今でもごく一部の人しか『石井十次』を知らない。親子関係が乱れているこの時代に、血のつながりもない孤児のために生きた石井先生をたくさんの人に知ってほしい」と山田さん。
 今回製作される「岡山孤児院物語・石井十次の生涯・」(仮題)。主役の石井役は朝日系列の時代劇ドラマ「暴れん坊将軍」で好演する松平健さんに決定。石井が育てた孤児の孫を演じる西山洋子役には、養護施設出身の小泉静香さん(芸名:花)が選ばれた。その他のキャストはオーディションを行うなどしている。来年3月に撮影を開始し、8月には一般公開される予定だ。石井記念友愛社(養護施設)の児島草次郎理事長(石井の曾孫)をはじめとする多くの賛同人も各方面から集まっている。「今までこんな事はなかったのよ」と山田さん。この映画に期待する声は大きい。
 ストーリーはブラジル・サントス湾の近くにある日系人老人ホームから始まる。日系ブラジル人西山洋子はそこで逝去した祖父が大切そうに持っていた写真を見つける。そこに書かれた「愛する石井のお父さん」との文字にひかれ、祖父の軌跡を辿るため宮崎・高鍋町にある石井友愛園(現在児童養護施設、保育園などがある)を訪ね、回想シーンに入る、という設定だ。
 生きる道を見いだせず、女遊びをしたりと荒れた人生を送っていた石井は入院先の病院長から「聖書は心の病を治す」と聖書をもらい、クリスチャンに。医業を続けるかたわら、1人の孤児を預かったことをきっかけに福祉の道へ進むことに。祈りの中で医師を辞め、孤児のために生きる決心をした。様々な村人の迫害や貧困に決して負けることなくその規模を大きくしていった。48歳の時、持病の肝臓炎が悪化し逝去。「親のいない孤児よりもっとかわいそうなのは心の迷い子、精神の孤児です」と言葉を遺し、この世を去った。
 「人間が人間らしくある意味をこの映画を通して考えてほしい」そう思いを熱くする山田さん。これまで自らも知的障がいをもつ娘と40年間生きてきて、差別や偏見にあうこともあった。経済的困難に立たされたことも。「クリスチャンになってお金じゃないと分かったの。今、生きてることが楽しい。毎日『神様、今日も生かしてくれてありがとう、明日もこの目を開かせて下さい』って祈ってるの。自分ひとりの力はつたないけど、神様が手の上で生かしてくれているからね」と笑顔。今は、スタッフと共に撮影開始に向けて忙しさに追われる毎日だ。
 同プロダクションでは製作協力を呼びかけている。1枚千円で、「製作協力券(映画鑑賞券)」を販売。当日・前売り券よりも安く鑑賞できる。問い合わせは製作上映委員会事務局TEL:03-3371-3925まで。