ヘッドライン
[CSD]2004年8月1日《ヘッドライン》
[CSD]2004年8月1日《ヘッドライン》= 1面 =
◎見て聞く聖書発売——DVD版マタイの福音書、ローマ人への手紙
★届けよう、イラクの子に抗がん剤——明治学院中学・高校生徒が街頭募金
★新潟・福井集中豪雨で教会堂・信徒宅も浸水——教会に被災支援センター設置
★<恵みのどんでん返し>愛せるようになった「伝道の荒野」 記・比嘉 幹房
★<落穂抄>セル教会と日本宣教 = 2 面 =
★バンザイ訴訟を闘った意味——原告代表・依田駿作牧師に聞く
★<イラク戦争肯定の理由>[4]堕落世界では軍事力も必要 記・渡辺 聡
★インドネシア:礼拝中に銃撃受け牧師ら死傷
★<論説>ユビキタス社会——愛は時間をかける 記・津村 春英
★<今週の本棚>『今井数一さんという人がいた』日本基督教団部落解放センター編(同センター発行、1,300円) 評・?(ハゲ)ノ下 照光
★<今週の本棚>『命の泉を掘りあてる』水谷恵信著(キリスト新聞社、1,000円)
★<今週の本棚>『第2次世界大戦後の牧会者たち』C・メラー編(日本キリスト教団出版局、3,570円)
<情報クリップ>催し情報ほか = 3 面 雑誌特集=
★信徒の教会生活に視点置く——月刊「信徒の友」創刊40周年
★福音の魅力を伝える——月刊「百万人の福音」
★祈りと行動、一つになる雑誌目指し——月刊「福音と世界」
★現代日本に切り込む——季刊「WONDERS」
★神の愛届け続けて50年——月刊「恵みの雨」 = 4 面 新会堂建築シリーズ134=
★日本バプテストバイブルフェローシップ・野木聖書浸礼教会
——神との出会いといやしの場——
新住所:〒329-0111 下都賀郡野木町丸林593-5 TEL.0280-57-9118 = 5 面 新地域宣教特集:京都編=
★世界宣教を視野に入れる古都——京都福音牧師会座談会
★歴史は物語る:ナショナリズムの踏み絵——ホーリネス教会弾圧 京都の記念碑 記・大和昌平 = 6 面 関西だより=
★音楽聴くように神の声聴こう——蓄音機ディレクター川村輝夫さんの人生
◎「聞こえない息子に福音伝えて」——母の願い 世界で実る
★開拓伝道の意気は今も——内貴八郎衛門牧師の牧会50年祝う
★酷暑でも元気力倍増——VIP京都がコンサート主催
★8月7日に平和祈るコンサート開催——Harlem Gospel Mission主催
★近畿福音放送伝道協力会が玉造本町に移転 = 7 面 =
◎私にも居場所がある——心やむ人々を支え「ベテスダ聖書の集い」5周年
★広島の街を賛美で満たす——超教派グループ「マウンテンワーシップ」
★「やるぞ365日伝道」——9月開店のコーヒーハウス「里帰り」で
★<召天>澤村 俊治氏(株式会社栄光社会長、大阪クリスチャンセンター理事長、78歳)
★<CDの時間>「マイレポート?——足跡」本田路津子(ライフ・ミュージック、2,940円) = 8 面 チャ・チャ・チャーチ=
★主婦に大好評「冬ソナ」韓国語クラス——埼玉/のぞみ教会
★創立50周年でオリジナルソングCD制作——茨城/土浦めぐみ教会
★教会ない地域に移転3年の記念コンサート——茨城/恵泉キリスト教会石岡チャペル
★<もりべぇのへぇ~>「自分のために使われなかった財産」 記・守部 喜雅
★<今月の買いどき>インテリアパズル ノアの箱船(シーアール企画、3,990円)
★<いいもんみっけ>私の出合ったアジアの教会
見て聞く聖書発売−−DVD版マタイの福音書、ローマ人への手紙0408010101
「活字、映像、音楽、ナレーションなどを駆使し、五感を通じてそのままの聖書の言葉を伝えよう」とのコンセプトで米WATCH WORD BIBLE社(ジム・フィッツジェラルド社長)が制作したDVD新約聖書「The Watch Word Bible」シリーズ。この日本語版が、このほどチア・にっぽん/ホームスクーリング・ビジョン(稲葉寛夫代表)から「DVD新約聖書」として制作され、発売された。7月の「マタイの福音書」「ローマ人への手紙」(ともに3千990円税込)刊行を皮切りに、05年までに全12巻を出す予定だ。活字だけでない、新しいメディア聖書として注目される。「ローマ人への手紙」を見てみた。心に安らぎを感じさせるピアノ演奏をバックに、画面にはパウロの宣教の舞台となったエルサレム、ローマの町の様子、神殿、人々の姿、海に沈む太陽など、現地ロケの映像が浮かび上がる。画面中央には日本語字幕が、歯切れ良い聖書朗読とともに表れた。
聖書の言葉はそのまま。見る、聴く、読むことを通してストレートに心に迫ってくる、そんな印象を受けた。 このシリーズは、20年の歳月と7億円を投じて制作された。ジム社長は、会社設立の前はクリスチャン系の大手出版社に勤めていたが、「21世紀に向け、神の言葉をもっともっと伝える必要がある。印刷本だけでなく、強力な影響力をもつ映像メディアで伝えたい」と考え、1993年に同社を設立。そのビジョンを実現してきた。 このシリーズは、アメリカで大きな反響を呼んだ。その一つ「ヨハネの黙示録」は、ニューヨーク・インディペンデント国際映画祭でインスピレーション作品部門最優秀作品賞、最優秀映像技術作品賞の2部門を獲得している。
日本語版制作のきっかけは昨年2月、テネシー州ナッシュビルで開かれたコンベンションで、稲葉氏ほかクリスチャン企業家たちがジム社長と会ったことから。「ジム社長はプロジェクトの海外展開に強い関心をもっていた。特に日本については、スタート当初からの祈りだったと語っていた」
稲葉氏は「莫大な資金と時間、労力を要するプロジェクトのため最初は躊躇した」。しかし、同席していたクリスチャン企業家たちから「何とか、日本宣教の霊的武器として考えてほしい」と勧められた。
確信を得たのは、長男・真祈史君(12)の反応だった。「『黙示録』を見せました。淡々と聖句が続くので興味を示さないと思ったが、予想に反し1時間が過ぎても見ていました。『このへんでやめたら』と言っても『見たい』と言って見続けていました」
「DVD新約聖書」には「新改訳聖書・第三版」(日本聖書刊行会)を採用。ナレーションには、TBS「世界・ふしぎ発見!」などでナレーターを務める斉藤茂一氏を起用している。また英語教材としても用いられるよう、日本語・英語字幕の2枚組だ。
稲葉氏はこの「DVD新約聖書」を?すべての人のディボーション、聖書研究、教会学校、チャーチスクール、ホームスクールの教材として?英語教材として?礼拝の聖句個所の朗読などに、ぜひ活用してほしいと語る。深夜帰宅のビジネスマン、忙しい母親、文字が見づらくなった高齢者、次世代を担う若者たちにも使ってほしいと願う。 「御言葉そのものに力があります。御言葉は今こそ緊急性をもって明確に伝えられなければなりません。この『DVD新約聖書』は現代人のニーズをとらえつつ、罪とは、裁きとは、神の愛とは何かを五感を通し、新しい感動と共に伝えてくれます。励ましとチャレンジ、そして強力な宣教の道具になると思います」 チア・にっぽん/ホームスクーリング・ビジョンは、DVD聖書刊行記念特別キャンペーンを実施している。8月31日までに「マタイの福音書」、「ローマ人への手紙」を申し込むと各500円割引き、両方の場合は千500円割り引きになる。
問い合わせTel:03・5155・9212、ホームページhttp://www.cheajapan.com 【中田 朗】。
「聞こえない息子に福音伝えて」−−母の願い 世界で実る0408010602
世界中の耳の不自由な人たちに福音を伝えることを目的に1979年設立されたDMI(Deaf Ministries International =国際ろう者支援)の創設者で総主事のネヴィル・ミュアー、リル・ミュアー宣教師夫妻が、6月24日、京都紫野ホーリネス教会で報告会を行った。ネヴィル宣教師が韓国の耳の聞こえない少年の里親支援を66年に始めたことが、ろう者伝道のきっかけとなる。78年にミュアー夫妻は渡韓。少年の母から、クリスチャンだが手話ができないためにろう者の息子に福音を伝えられないという話を聞く。ぜひろう者のための伝道を韓国でしてほしいと頼まれた夫妻は、4人の耳の不自由な青年たちに福音を伝え始める。韓国初のろう者教会の始まりである。これがDMIの設立へとつながっていく。
1人のクリスチャンの母親の願いから始まった働きが、現在アジア、アフリカの12か国にある約70のろう教会で2千500人のろう者に福音を語り、それぞれ2校のろう学校と聖書学校、数か所の作業所で、耳の不自由な子どもたちと青年たちを支援するほどに発展している。
ミュアー宣教師が支援していた少年は、現在のDMI国際ろう宣教会カンファインマヌエルろう者教会のイー・ドゥーヒョン牧師。夫人は健聴者の日本人女性で、アンテオケ宣教会のろう者宣教師として渡韓した長澤久美子さん。ろう者伝道が日韓宣教のかけ橋の役割も果たした祝福のエピソードだ。
このドゥーヒョン牧師の教会も含め、8か国から12人の宣教師を海外に派遣し、伝道とあわせてろうの若者たちの職業訓練や、働き人の養成のための訓練セミナーにも力を入れ、途上国のろう者のための長期的な支援体制作りが進められている。DMIスポンサーシップ・プログラム=里親制度もその一環。DMIでは、途上国のろうの子どもや青年たちに教育の機会を与え、将来と希望を与える里親制度に、個人や教会の協力を期待している。里子となる子どもたちはニーズによって3つの年齢層に分けられる。
15歳以下の貧しい家庭の子どもには、DMIの経営する学校と寮生活の中で教育と衣食住が保障される。16歳から18歳の少年少女らには、聴力早期診断がないために遅れた初等教育の機会を与える。また、20代の青年たちに職業訓練を行うことは、本人だけではなく、地域の発展にも貢献することになる。2、3千円で1人の子どもにこれらのサポートができるのだと、ミュラー夫妻は訴えている。 問い合わせは、DMI日本代表マドレ・アレインTel:050・1069・8562、Eメールmadore@ukyo.net 。
私にも居場所がある−−心やむ人々を支え「ベテスダ聖書の集い」5周年0408010701
普通の教会ではなかなか理解してもらえない心病む人々。そういう人たちを後方から支援しようと、重荷をもったクリスチャン精神科医や牧師らによって始まった礼拝と交わり「ベテスダ聖書の集い」(佐竹十喜雄代表)が今年5周年を迎えるにあたり、「五周年記念集会」(同集い主催)が7月19日、東京・港区赤坂のナザレン・赤坂恩寵教会で開かれた。当日は心病む人やその家族など十数人が出席。佐竹代表は「悩める方々との交流を通して、私も恵みを受け、成長させていただきました」と語る。「僕は地下鉄の赤坂見附駅まで来たけれど、戻って帰ろうと思ったんです。でも、来ました。僕は対人恐怖症です。でもイエス様は僕の主です」
その日の集会でのこと、1人の参加者がこう自己紹介した。その人は、こうも言った。「皆さん、僕がいて嫌だと思ってません? 帰ってもいいんですけれど…」。すると「そんなことないよ。来てくれてうれしいよ」との声が、参加者のほとんどから上がった。
うつ傾向の人、神経症の人、対人恐怖の人、またその両親などが参加する「ベテスダ聖書の集い」。その一貫して変わらない姿勢を「来てくれてうれしいよ」のひと言にかいま見ることができた。
同集いは、心病む人の救霊を目的に医療者と教職者が研さんを深めてきた「聖書と精神医療研究会」(佐竹十喜雄理事)で、精神科医の平山正実氏(東洋英和女学院大学教授、北千住旭クリニック院長)が霊的ケアの必要性を訴えたことから99年に発足。毎月2回、日曜日の午後、港区赤坂にあるマンションの一室で、参加者各自の教会生活を尊重しながら、超教派で、心病む人たちが主体の聖書の学び会をしてきた。
礼拝で佐竹氏は、「主の導きでこういうスタイルで続けてきましたが、毎回6、7人ほどが参加し、この5年間で延べ150人の方々が集ってくださいました。また、ここで解放されて、教会に戻っていった方々もいます。私たちは一生懸命語り合うわけですが、心というのはなかなか通じ合わないものです。でも聖霊が働く時、本当に不思議なことが起こることを感じています」と語った。
平山氏は「私が10年前に開業したクリニックに、延べ3千人の人が訪れました。その多くがキリスト教関係者で7、8割が教会の紹介、私の本を読んでこられた方でした。クリスチャンで病んでいる人がこれほどいるのに、教会では病について言うことがはばかれる状況がある。そういう方々のためにこの集いが5年間守られてきたことは、大きな喜び、恵みです」とあいさつした。
集いでは参加者が「病気の悩み」「仕事の悩み」「親子関係の悩み」などのグループに分かれ、それぞれが抱える悩み、苦しみについて分かち合う時をもった。
5周年を振り返り平山氏は、「教会では肩身が狭い、信仰があるけれど話せない、壁がある、という方々が十分話せる場というのはとても大切な場だということを知りました」と語る。
また「病気の方々によって、私は育てられてきました」とも。「今まで気づかなかった側面を彼らによって気づかされました。これは心病む方々の中に神様がいらっしゃるということです。新たなる展望として、今度はこの集いから、弱い人の中には神様が宿るということ、心病む人も教会共同体の一員であるということを、教会に向け発信していきたい」と語った。 【中田 朗】