[CSD]2004年11月28日《ヘッドライン》

[CSD]2004年11月28日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★リング上に闘う牧師ら——試合後マイクを手に伝道メッセージ  = 2 面 ニュース=
◎都市のグローバル化が教会を変える——英国からA・ディヴィー氏来日講演
★<教界ニュース>日本キリスト教婦人矯風会ほか
★<教界人事>創造科学研究会名誉会長に宇佐神正海氏、会長に高橋清氏
★国際:映画「ジーザス」がインターネットに
★米国:大統領選であらわになった民主・共和両党間の「神ギャップ」
★中国:北京の「家の教会」指導者に重刑も——キリスト教抑圧監視団体が観測
★<落ち穂>大家さんの目に留まったクリスチャン新聞  = 3 面 宣教リポート=
★<宣教まっただ中>インドネシア発[3]涙なしに授業出られない 記・高橋めぐみ
★<用語解説>「ローザンヌ運動」「ホーリスティック」  = 4 面 牧会=
★キリスト者と人間関係「悩み聴く者の心構え」——聖学院大学シンポジウム[3]
★<ディアコニアのこころ>[8]「耳・目・手」 記・フロイラン・エーリック
★<オピニオン>子ども受難の時代、教会の大人どうする 記・有北 いく子
★<恵みのどんでん返し>自立を教えられた妻の肺炎 記・山下 朋彦  = 5 面 神学・社会=
★<この国の精神風土と福音宣教>[11]信仰が統制の原理となる土壌 記・池尻良一
★バチカン:教皇が東方正教会へ友愛を示す——十字軍持ち帰りの聖遺物を返還
★米国:セブンスデー・アドベンチストが創造説を確認
★米国:バルトの弟子、シャーリー・C・ガスリー氏死去
★<今月の神学書評>『信仰の完成をめざして』女性教職神学研究会編(日本キリスト教団出版局、2520円)評・稲垣緋紗子  = 6・7 面 全面広告=
☆聖書週刊 2004年11月21日(日)~28日(日)「聖書に親しむ、聖書を読む、聖書を贈る」ときです。
↓日本聖書協会ホームページ↓
http://www.bible.or.jp/
 = 8・9 面 特集・三宅島帰島同行ルポ=
★今も噴煙やまぬ雄山——来年2月に向け帰島準備
★2度の噴火を超えて信仰の灯は絶えない  = 10 面 ビジネスパーソン=
★放蕩息子のように再び教会へ——橋本 徹さん[中](ドイツ証券会社東京支店会長)
★<気持ちがきちんと伝わる話し方>[4]話し方よりも大切なこと 記・中野雄一郎  = 11 面 教会学校=
★<これで安心!「成長」攻略法>イエス降誕の意味 記・中台孝雄
★<CS分級>クッキーのアドベントカレンダー 記・永井真衣子  = 12 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報ほか
★SHOP:レストパーラー マナ(米沢市大町:Tel.0238-23-1461)
★BOOK:『クリスマスの本』山中俊夫装画(キリスト教視聴覚センター、1680円)
★BOOK:『クリスマスから始めるフラワーアレンジメント』本多洋子著(日本キリ
スト教団出版局、1995円)
★<とっておきの情報の話>[6]大衆食堂での話題は「聖書」  = 13 面 今週の動き=
★<今日は何の日>11月28日—12月4日
★<日めくり元気の素>名著・聖書日課から一言メッセージ  = 14 面 教会=
◎若者と教会の「架け橋」にイングリッシュ・オープン・ハウス——JECA・大麻福音キリスト教会  = 15 面 教会生活=
★新潟県中越地震被災地へ台湾教会から支援来日——5年前の被災経験もとに
◎教会で腹話術用いて——プロのバレンタイン・ボックスさん来日
★<林檎の風にのせて>[10]人の約束の不確かさ、神の契約の確かさ 記・正村 八重子  = 16 面 ひと=
★山森鉄直さん(宣教学者・宗教社会学者)——ローザンヌ世界宣教委員会国際総主事に就任

都市のグローバル化が教会を変える−−英国からA・ディヴィー氏来日講演0411280201

 複雑なグローバル化と都市化がキリスト教信仰にどのように影響するのか、またそのような状況に向けて教会がどのように福音のメッセージを再定義して語りかけることができるのか。英国教会司祭(サザック教区)でウェストミンスター英国国教会事務局都市問題研究員のアンドリュー・ディヴィー氏が、日本聖公会と立教大学の協力によるウィリアムズ主教記念基金講座のため来日。10月17日から11月11日まで「グローバル都市の諸問題に教会はどう答えるか」「都市の挑戦―グローバルな展望」と題して、関東、関西の8か所で講演した。  同氏は 1.社会運動、グローバル化及び都市化の神学的意義 2.持続可能性モデルの宣教論や教会論への応用 3.地域社会における聖書の使用と都市神学を研究する神学者。
 11月11日、東京・世田谷区の聖公会神学院で開催された集会では「グローバル都市と神の将来―教会と地域社会のための挑戦、現在と過程」という題で講演した。
 英国は1970年代からの重厚長大型産業の不振のため、伝統的な工業都市を中心に都市の貧困が深刻な問題となった。政府は都市優先地域を指定して貧困に対処しようとしたが、綿密な調査に基づいた計画ではなかったため問題解決は進まなかったという。このような都市に住む貧困層の苦しみに応答したのはいくつかの教会だった。当時のカンタベリー大主教はこれらの教会の声を受けて、英国教会に都市問題について調査をするように求め、「都市における信仰」(1985年)と題する報告書を政府に提出。以降、英国教会は都市における貧困問題に取り組むことになった。
 同氏はグローバル都市での生活変化が、キリスト教信仰に与える影響について中心に講演。グローバル化という新しい状況の中で新しいかたちに変わろうとしているのは都市社会ばかりではなく教会であるとした上で、「グローバル化は都市の人間の顔に影響する。グローバル化した世界の中であちこち動き回っているのは資本や情報だけではなく移住する貧しい人々、経済移民、亡命者、家庭使用人、性労働者」だと指摘した。グローバルな都市のインフラはこのような新しい都市貧困層、過渡的移住労働力に頼らざるをえない。同氏は「グローバル化は地理的な変化だけでなく、私たちにキリストの働き人として重要なチャレンジをもたらす。神学、宣教論、教界論に新しいチャレンジを起こす」と語った。
 ではキリスト者は都市化、グローバル化の中どのように神の言葉を語ればよいのだろうか。
 同氏は神学的背景がどのようなものであれ、キリストの証人としての私たちは私たちが巻き込まれている社会の進行を理解しなければならないことを挙げ、「都市神学、都市の神学的実践は日々経験をよく知っている地域社会、個人から由来してこなければならない。私たちは教会と神学研究の中にある原理的反都市性、反グローバルな力を克服する必要がある。会衆主義への抵抗、またより大きなことを描きすぎることの恐れなど、都市化への恐れの克服が私たちの不可欠な戦略だ」と語った。 
また国家を超えグローバルな都市と地域社会にまたがって現存する教会の現実性にもふれ、「教会はもっとも豊かな人々同様に、もっとも貧しい人々の間にも現存し、新しい経済の城塞と入り口である地域社会の門を突き抜けている。教会自身は獣の腹の中で信仰の恵みと戦っている」と表現。グローバル化、都市化していく世界でキリスト者として取り組まなければならないのは、裏通りにいる貧しい人々、移住者たち、閉め出された人々、不満をもっている人々など異なったグローバルな秩序の隷属となっている人々の断層だと語った。
 最後に「教会は文化の創造的な中心であるべきだ。そこに生き、戦い、死ぬことに忠実であるべきだ。中心というのは芸術的な概念ではなく地理的な位置でもない。その中心は社会の中で神の創造性と贖いの行為が、無意味さと分散と無秩序と絶望と戦っている究極なところに見いだされる。私たちの人間生活、日常の行動の中で存在する世界の苦しみの部分を耐え抜くこと、この中で地の塩、世の光であることがキリスト者の共通の召命だ」と語った。
 

若者と教会の「架け橋」にイングリッシュ・オープン・ハウス−−JECA・大麻福音キリスト教会04112

 私たち大麻福音キリスト教会=堀田修一牧師=は、江別市大麻(札幌のベッドタウン)にあり、近隣に大学があるため学生や若者たちに福音を伝えるための働き人が与えられるようにと祈り続けました。
 1997年、その願いは応えられ、国際福音宣教会(OMF)の宣教師ジョー・ホッブス夫妻が、私たちの教会に来てくださることになりました。ホッブス宣教師によって「イングリッシュ・エクスプレス」という英会話クラスが始まり、学生が気軽に教会に入って来ることができるようにと願いつつ、現在では「イングリッシュ・オープン・ハウス 」と名称を変えて、毎週火曜日の夜に続けられています。
 これからの季節、北海道の厳しい冬の寒さの中、日も早く落ちてしまうので、なかなかたくさんの人は集まりにくい状況もありますが、今は10人ほどが集まり、ともに学んでいます。
 このイングリッシュ・オープン・ハウスのプログラムで特に力を入れているのが、前半にするゲームです。緊張のあまり引っ込み思案になりがちな日本の若者も、ゲームを通してリラックスできるようにと心がけています。毎回いろいろなゲームを用意していますが、例えば大きな絵を用いてのまちがいさがしゲームや英語でお互いのことを聞き合うゲーム、イス取りゲームに似た「 Do you love neighbor?」というゲームなどをしています。後半は、2つのグループに分かれて、みことば入りのテキストを用いつつ、ある1つのテーマについて英語でいろいろなことをお互いに話したり聞いたりしながら、学びをしています。
 このイングリッシュ・オープン・ハウスを通して、中にはキリスト教に興味をもつようになる学生が出てきました。そんな学生たちのために、1999年1月からは「ブリッジス」という集会を始めました。この名称には、「学生と教会の間の架け橋になる」こと、そして「英会話クラスと礼拝の間にあって架け橋となることができるように」との願いが込められています。基本的には礼拝に近い形式ですが、初めて来た若者のため臨機応変にいろいろなプログラムを用意しています。英語で賛美をしたり、証しやショートメッセージを通して、お互いに自由に語り合うことを通して、神様の愛を伝えようとしています。
 このブリッジスは、当初はそれまで教会にあまり来たことのない若者のため、日曜日の夜に開いていましたが、「教会員も参加できるように」ということで、土曜日の夜に変更されました。また同年にはホッブス宣教師から私(OMFカリン・ストルジンガー宣教師)に引き継がれ、現在に至っています。
 このように、毎月第2、4土曜日の夜にこのブリッジスが、若者のための伝道の場として開かれていますが、今は教会の若者たちも集会を支えるスタッフとなり、第1、3の土曜日には集まり、交わりと訓練のときをもっています。
 この10月、スペシャル・ブリッジスとして、人間関係セミナーを開きました。「健全な人間関係は、神様の存在なしには築けない」という前提のもと、若者にとって切実な問題でもある男女関係に焦点を当てたセミナーを、ほぼ毎年開いています。
 クリスチャンでない若者たちに福音を伝えたいと願うとともに、クリスチャンの若者が、お互いに自分のことを分かち合い、祈り合う、そのような場を持っていくことができればとも願っています。
 (記・カリン・ストルジンガー=日本福音キリスト教会連合大麻福音キリスト教会協力宣教師) 北海道江別市大麻高町6-12
ホームページ 
http://homepage.mac.com/yafu1

教会で腹話術用いて−−プロのバレンタイン・ボックスさん来日0411281502

 いっこく堂などの活躍で、日本でもエンターテイメントの地位を高めつつある腹話術。その歴史は古代エジプトで活用された「神のお告げ」までさかのぼることができる。
 クリスチャンで日本初の腹話術の専門書『唇が動くのがわかるよ?腹話術の歴史と芸術』(アイシーメディックス、清水重夫翻訳、池田武志監修)の著者バレンタイン・ボックス氏が10月9日、東京・渋谷区代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された第3回世界腹話術の祭典(NPO法人日本腹話術師協会=池田武志理事長=同主催)のため来日。日本のクリスチャンに教会でもっと腹話術を用いて欲しいと呼びかけた。
    ◇
 ロンドン生まれのボックスさんは、10歳のときに腹話術になるため本を読んだことがきっかけで腹話術師を志す。19歳のときカナダに移住、独学で腹話術を学んだ。プロとしてデビューしたのは21歳のときだ。
「日本ではまだまだショーとして確立していないみたいですが、アメリカでは立派なエンターテインメントとして確立しています」とボックスさん。近年、欧米ではエンターテインメントの世界ばかりではなく、腹話術のもっている心理学的な要素から、医療、セラピー、教育現場での活用に注目が集まっているという。例えば病院での子どもへの問診、学校では給食指導や交通ルール指導などの教育ツールとして、また地域では子どもの遊び指導や高齢者の精神安定ツールとしてだ。
 このように欧米ではプロ・アマ含めて広い裾野をもつ腹話術。しかし、欧米でもプロとして食べていけるのはトップ100だけだという。ボックスさんもその1人で世界中でショーを披露している。
 中でもボックスさんが特異な存在であるのは、約15年間を費やして腹話術の歴史、人形や一つひとつの技術の解説を記した『唇が動くのがわかるよ』を書き上げたことだろう。同書のために集めた資料などをまとめた腹話術の展示会もラスベガス、スイス、ロンドンで企画している。  自身は英国国教会の信徒だが、姉がバプテスト教会の牧師だというボックスさん。「私の姉も日曜学校で神様を子どもたちに伝えるために腹話術を用いてます。腹話術はただ単に見て楽しむだけではなく、すばらしい教育ツール=先生役をはたすことができます。ぜひ福音を伝えるために興味をもって欲しい」と日本のクリスチャンに語る。