ヘッドライン
[CSD]2005年1月2日《ヘッドライン》
[CSD]2005年1月2日《ヘッドライン》= 1面 =
★ヨシュアのごとく見上げる信仰を——安部修三郎画「ヨシュア」
= 2 面 ニュース=
◎宣教の中高年シフトを——クリスチャンアカデミーフォーラム
★<教界ニュース>日本長老教会、断食祈祷聖会2005ほか
★<人事>日本長老教会大会議長に山崎俊彦氏
★米国:中国は無神論の復活を指示「ワールド」誌が報道
★米国:福音派の関心は同性婚阻止だった——大統領選出口調査を分析
★米国:教会直営サンドイッチ店大繁盛——目標は売上でなく青年らの働きの場提供
★<落ち穂>教会のビジョンとは何か
= 3 面 宣教リポート=
★<宣教まっただ中>イタリア発[2]留学生らと食事しながら 記・内村 伸之
★街を変える福音——ニューヨーク都市伝道の戦略とは
= 4 面 牧会=
★神への信頼と成長への戦略の両方が必要——A・ヴィッサー氏が来日講義
★<ディアコニアのこころ>[10]「背負う」 記・フロイラン・エーリック
★<オピニオン>「出て行って」いる信徒をイメージする 記・高木 実
★<恵みのどんでん返し>一女性と向き合う中で 記・富永 澄子
= 5 面 神学・社会=
★<この国の精神風土と福音宣教>[14]国民統合を図る精神的な絆として 記・池尻 良一
★<今月の神学書評>『聖書翻訳を考える』新改訳聖書刊行会篇(いのちのことば社、1050円)評・高橋 博
= 6 面 祈祷院特集=
★整えられた祈りの祭壇——大津びわ湖国際祈祷院(旧・カルバリ祈祷院)10年を経て再開
= 7 面 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライト
★TRACT:「強がらず、飾らず、雲のように」(EHC発行、50部入り630円)
★CD:「き・み・は・す・ば・ら・し・い」小坂 忠(ミクタムレコード、3000円)
★BOOK:『魂のガーデニング』シスター・スタニスラウス・ケネディ著(清流出版、2310円)
= 8・9 面 特集・阪神淡路大地震から10年=
★心の復興に教会は使命与えられ——ニュー・コミュニティー西宮染殿チャペル牧師・小平照夫さん
★震災で生まれた人間関係が今も——神戸一麦教会牧師・子安敏夫さん
★教会が地域社会に愛を示すときでもあった——神戸キリスト栄光教会牧師・菅原 亘さん
= 9 面 関西だより=
★「牧会者」と教会形成学ぶ——近放伝事務所開設記念セミナー
★開拓伝道の呼びかけに応答——東大阪エリムキリスト教会が献堂式
★<伝道は楽しいぞ>[8]死から命に移された兄弟 記・榮 義之
= 10 面 教案誌特集=
★神の聖さによる整えられた信徒教育めざし——「希望」日本ナザレン教団
★礼拝中心の「求められるべき日曜学校像」基礎に——「教会学校教案誌」日本キリスト改革派教会
★子どもと共に福音に生き、育つための教案誌——「教師の友」日本基督教団
★主に中学生対象にわかりやすく、考えさせる内容で——「ジュニアみことばの光」
★子どもたちにわかりやすく御言葉を伝える——「成長」CS成長センター
★教会形成と「主に聞き従う生活」を重視——「聖書教育」日本バプテスト連盟
★生徒が正しくキリストに導かれる総合教案誌——「聖書の光」
★「聖書の信仰、児童の救霊、児童の霊育」理念に——「牧羊者」日本イエス・キリスト教団
★発達段階に合わせ効果的に学べる——「教会学校カリキュラム」イムマヌエル綜合伝道団
= 11 面 教会学校=
★<これで安心!「成長」攻略法>パウロの第三回伝道旅行 記・中台 孝雄
★<CS分級>かるた聖句百選 記・永井 真衣子
= 12・13 面 今週の動き=
★<今日は何の日>1月1日—15日
★<日めくり元気の素>名著・聖書日課から一言メッセージ
= 14 面 教会=
★<ちゃちゃチャーチ>多彩な賛美グループが大活躍——福音自由・近江福音自由教会
★<ちゃちゃチャーチ>うわさの「聞き屋」って?——単立・国際クリスチャンバプテスト教会
= 15 面 教会生活=
★今、イラクのために何が?——五十嵐義隆さん、教会に協力呼びかけ
★歌い手、聴き手がともに生かされる——ゴスペルブーム、地元密着のクワイアが盛んに
★<林檎の風にのせて>[13]日本シリーズか、宴会か 記・正村 八重子
= 16 面 ひと=
★安部修三郎さん(日本画家)——個展会場はいつも伝道の場
= 17面 第2部:新年メッセージ=
◎新年メッセージ:枯渇しない神が与えるいのち——目新しさではない本当の「新しさ」 記・末松 隆太郎(JECA・栄聖書教会牧師)
= 18・19 面 特集/ゴスペル・イン・文楽=
★被災教会献堂に捧げる十字架と復活の物語——大聖堂に響き渡る浄瑠璃
= 20~23 面 神学校特集=
◎中京・東海地域に神学校誕生——キリスト聖書神学校4月開校へ
★トピックス:校舎刷新への導き祈る——関西聖書学院
★「教会を主体とした神学教育」(CBTE)——仙台バプテスト神学校がネットワーク作りに着手
★学習者主体のCBTEテキスト——生涯学習を視野に
★カール・ヴィスロフ博士と日本——温厚な人柄の大きな器 記・橋本 昭夫
★信徒の継続的な学び必要——東京聖書学院が信徒コース開設
★宣教現場の情報と取り組みの共有めざし——倉沢正則氏に聞く(東京基督教大学・国際宣教センター長)
= 24・25 面 特集・小さないのちを守る会=
★いのちの危機の時代に、託された使命——守る会、教会、医療現場3者を結ぶネットワーク 記・水谷 潔(名古屋支部主事)
★この子たちと共に生きて 記・土屋 繁(同盟福音・笠松キリスト教会牧師)
★小さないのちの光を忘れないで 記・橋本 好恵(名古屋支部スタッフ)
★「親として選ばれた」ことの幸い 記・津野 栄一
= 26・27 面 =
☆新春お楽しみ企画/すごろく
= 28・29 面 ヒューマンドラマ=
★妻の語る聖句で倒産乗り越え——(株)斑尾高原農場代表・久世 亮三さん
= 30 面 全面広告=
☆新年の名刺広告——教団教派
= 31 面 ビジネスパーソン=
★救いの意味がわからなかった——矢口 太郎さん[中](大森・矢口国際特許事務所 弁理士)
★<気持ちがきちんと伝わる話し方>話しを聞ける人は謙虚な人 記・中野 雄一郎
= 32 面 現代を読み解く=
★東アジア共同体とキリスト者の役割——ナショナリズム超え普遍的価値示す 李鍾元(立教大学教授)に聞く
宣教の中高年シフトを−−クリスチャンアカデミーフォーラム0501020201
数年後には人口のうち50%(6千万人超)を50歳以上の中高年が占める日本。この超高齢社会は世界でも初めての経験となる。日本のキリスト教は、この中高年の人々が求める精神課題にどのように応えていけるだろうか。「21世紀日本のキリスト教の生命と使命」というテーマで過去4年間、日本宣教のためのフォーラムを開催してきた日本クリスチャンアカデミー関東活動センターは、「さまよえる中高年―その精神世界にキリスト教はなにが出来るのか」をテーマに11月23日、東京・港区六本木の国際文化会館で秋季フォーラムを開催。学者、ビジネスパーソン、マスコミなど多方面から100人が参加した。最初に、同フォーラム全体の問題提起プレゼンテーションを、日基教団牧師で電通のマーケティングプランナーの棟方信彦氏が発表。棟方氏は、議論の前提となる認識として日本のキリスト教が長期低迷から脱せず、21世紀の激しい環境変化をチャンスとして生かしきっていない現状を分析。少子高齢化という社会変化の中で中高年男性は「50歳代に入ると企業組織の中で後輩にポストを譲り、家庭では子どもを養育する夫婦の仕事も終わり、新たに両親の面倒をみる仕事が加わる。 コミュニティーの中では知人も少ない。定年後の自分の居場所を求めてさまよい始める現状を説明。 「これが中高年は第2の思春期といわれる理由。人生の問いかけ、悩みが起きる。生き方として自分探し、死を意識した普遍的価値への共感、高齢化とともに宗教心が高まる。 07年、団塊の世代のリタイアが本格化するが、この数700万人から1千万人。さまよえる中高年の心情に教会は組織的な対応はできているか。 明治以来、若い時に信仰をもち、それを保っていくことを理想モデルとしていたが、日本社会の中高年シフトに教会はどのように対応できるのか」と問題提起。
最後に社会全般に見られる宗教を敬するがさわらないようにといった傾向に対し、キリスト教界から世論形成=オピニオンリーダーにどうアプローチしていくのか、を真剣に考えるべきだと締めくくった。
その後、参加者は1:「キリスト教のメッセージをどのように中高年に伝え るか」2:「中高年にキリスト教のシンパ層をどのように形成したらよいか」3:「教会における中高年の活性化を求めて」4:「生命、老いと自立(介護・痴ほう)の課題―キリスト教会からの発信力」のグループに分かれ話し合った。
1では9・11以降グローバルな国際情勢をふまえ、どう教会がメッセージを提供できるのか。我々はキリスト教会の内側の言葉で語っていないか。まず1人が1人を教会に連れていくことが大切。そのためにはクリスチャンが相手に体験、信念など人格的対話をしなければならない。人々は本物を求めているなどの意見が出された。
2ではミッションスクール、チャペルウェディング、文学書や宗教音楽のファンなど、キリスト教に何らかのかたちで共感をもっている千400万人の層を、どのようにしてシンパ層に育てていくか。その重要性を確認したが、具体的にビジネスパーソン伝道で成果を上げているVIPクラブ、ワイズメンズクラブ、カトリックの神父が始めた居酒屋風伝道所エポペの取り組みの事例などが紹介された。
3では参加者がどうしたら教会に中高年がくるか、どのように活性化したらよいかなどを話し合った。初めて教会に来る人の目線でつくるホームページは、今の時代必須のことと認識すべき、もっと地域に教会施設の開放を。壮年会・婦人会という区分のほかに機能的目的別に集まればよい、牧師を助ける意味で退職者のスキルを活用する教会マネージメントグループをつくっては、などの提案が出された。
4は「いかに老いるか、いかに介護に携わればいいか、いかに死ぬか」 など切実な問題を具体的な事例で挙げた。早大名誉教授木村利人氏は、「尊厳死・遺伝子操作・臓器移植などバイオエシックスの歴史は聖書からの問いかけがスタートだった」と発言。病気や介護や痴ほうの問題、 臨終の作法、葬儀、墓地、記念会などを教会としてしっかり認識し、日ごろから話し合っておくことの必要性を確認した。
この後、全体の会議で各グループの報告があり、引き続き参加者の懇親会が開催された。
新年メッセージ:枯渇しない神が与えるいのち−−目新しさではない本当の「新しさ」 記・末松 隆太郎(J
古い町が新しい魅力昨年、ある町を訪問しました。駅からかなり離れた場所に、江戸時代や明治時代の面影を残す地域があり、土蔵や梵鐘、古い商家が軒を連ねています。小江戸と呼ばれ、江戸の風情を今に伝えているからでしょうか、多くの観光客がそぞろ歩きを楽しんでいました。土蔵や時代劇に出てきそうな商家は、かつて財を投じ、心を込めて建てられたもの。それに若干手が加えられてはいますが、現代の日本が失ったかにみえる、かつての商家の主や大工の心意気に触れた気がしました。一方で、駅の近くは第二次大戦後の再開発で、古い土蔵や商家はことごとく壊され、当時はやりの建物にとって変わりました。しかし、今となっては、再々開発もままならない、戦後の安普請の建物群は魅力に乏しく、観光客は古い町に引き寄せられていくとのことです。新しいものが古くなり、色あせる。一方で、古いものが新しい魅力を持って人々を引きつける。なんとも面白い皮肉ではないでしょうか。
表面的な新しさ
新しい年が明けました。過ぎ去った1年の悲しさや、みじめな体験を忘れ、新しい希望に向かって生きようと誰もが思い、様々な決心をします。しかし、幾日もたたないうちに決心は色あせ、新しいはずの年が、結局、古い年と同じようになってしまう。そんな経験を私たちは、何度も繰り返してきました。新しいはずのものが、すぐに色あせるのです。新しい機能を満載した最新のコンピューターを手に入れても、何年とたたずに旧式化します。物は言うにおよばず、理念や思想、人との関係においてさえも、新しいものに目が奪われ、それを自分の手に入れようとする。たとえ手に入れても喜びはつかの間で、それは古くなり、失望が残る。それで、また新しい何かを求めだす。このような繰り返しからは、実はさらに深い渇きが生じるだけなのです。新しさを求めたことが問題なのではありません。新しさを表面的にしか理解できないことが、現代人の課題なのです。
新しさの「土台」とは?
イエスさまはスカルの井戸で、サマリヤの一女性に会われました。彼女も、新しいものを求めては失望の連続で、心に渇きを覚えていました。5度結婚し、現在も別の男性と同棲していながらです。彼女にイエスさまは言われました。「この水を飲む者はだれでも、また渇きます。しかし、わたしが与える水を飲む者はだれでも、決して渇くことがありません」(ヨハネ4・13、14)イエスさまが語られた「水」は、彼女が求めていた、男性が自分に注いでくれるはずの新しい愛、与えてくれるはずの新しい安心感も指していました。イエスさまのことばは、人間が与える「水」は枯渇するものであることを指しています。後者の「水」は御霊のこと(ヨハネ7・29)です。神ご自身、あるいは神のいのちと言い換えても良いでしょう。イエスさまは、人間に救いを求めていた女性に、まことの神に目を向けるように語られます。いや、もっと正確に言えば、神がそのあなたの「渇き」を満たそうと、近づいておられると語られているのです。遠くに十字架が見えます。イエスさまがユダヤ教の教師(ラビ)であるならば、彼女に、女性に近づくことはなかったでしょう。近づき、話したとしても、彼女の罪を責め立てること以外は、口にされなかったことでしょう。しかし、イエスさまは彼女に近づき、「わたしが与える水」と語っておられます。神のいのちがあなたに注ぎ込まれれば、渇くことはない、もう別のものを求める必要はないとおっしゃるのです。これは、彼女にとって新しいいのち、新しいメッセージでした。
新しさとは、目新しさではありません。目新しさは、すぐに色あせるかもしれません。むしろ、今を生きる私たちに意味のある神のメッセージを受け止めることが、あなたの「新しさ」の土台だ、と聖書は語るのです。神さまとのかかわりの中で、イザヤはこう語ります。「しかし、主を待ち望む者は新しく力を得、鷲のように翼をかって上ることができる」(イザヤ40・31)。「昔いまし、今いまし、永遠にいます」神は、今の私にふさわしい、新しいメッセージを今日もお持ちなのです。
味わい深い新しさ
同時に、この新しさは、深められていく関係への招きでもあります。高齢の信徒の賛美する古い歌は、新しい感動をもって歌われる時には、新しい賛美です。結婚40年を経た夫婦は、お互いに新しい夫でも妻でもありません。結婚したころはなかったしわや白髪が見えるかもしれません。しかしながら、信仰と時を共有した2人、今も新しい関係を見いだせる2人の間柄は、より味わい深いものとなっています。それと同様に、神のことばは神ご自身との深まり行く関係への招きなのです。小江戸が魅力的なのも、味わい深い、芳醇さを伝える町となっているからです。今年も、表面的な新しさを求める時代の風潮に流されないように、気をつけて歩みたいものです。その際、その流れに抗する足場は「だれでも渇いているなら、わたしのもとに来て飲みなさい」(ヨハネ7・37)との招きに応えることによって築かれるのです。