[CSD]2005年1月23日《ヘッドライン》

[CSD]2005年1月23日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★志茂田景樹さん『たいせつなきみ』読み聞かせ——主人公と昔の自分が重なった

 = 2 面 ニュース=
◎福音の魅力どう伝えるか——国内開拓伝道会セミナーでアンケート報告
★<教界ニュース>CCWA、政教分離の会
★スマトラ沖地震:ヒンズー教根本主義者がキリスト教宣教師の救援活動を
★スマトラ沖地震:「ワールド・ビジョン」は5000万ドルの救援目標を設定
★スマトラ沖地震:世界福音同盟が祈りと救援呼び掛け
★<落ち穂>荒れる新成人

 = 3 面 宣教リポート=
★<宣教まっただ中>イタリア発[4]若者の性意識変革 記・内村伸之
★村人、今ではいのちの水飲む——エチオピア・井戸掘り宣教師ビル・ハーディング氏報告

 = 4 面 牧会=
★<ディアスポラ日本人伝道を考える>[2]統計にみる国際化は離散の時代 記・清野 勝男子
★<ディアコニアのこころ>[11]「見いだす」 記・フロイラン・エーリック
★<オピニオン>ネットワーク伝道の構築 帰国者、スポーツで 記・米内宏明
★<恵みのどんでん返し>信徒を失い、自らも倒れる中で 記・野中 宏樹

 = 5 面 神学・社会=
★<この国の精神風土と福音宣教>[5]天皇制のイデオロギー化を防ぐ 記・池尻 良一
★<神学の潮流>宗教多元論の論客ジャック・デュピュイ神父死去
★<今月の神学書評>『リバイバル』D・M・ロイドジョンズ著(いのちのことば社、2100円)評・鈴木英昭

 = 6 面 関西だより=
★韓国人家庭の伝道に一役——韓国版日めくり聖句
★往年の名曲でクリスマス祝う——VIP関西クリスマス・コンサート
★デートスポットに響く賛美歌——大阪スカイビルクリスマス
★新連載<震災から10年>[1]人間社会のもろさ 記・小平照夫

 = 7 面 全面広告=
☆日本ケズィック・コンベンション
——すべての教会、すべての教派の祝福のために——
第44回 箱根大会 2月22日—24日
東京大会 2月26日—27日
http://homepage3.nifty.com/holy/keswick/kes.html
 = 8・9 面 特集・イスラエルの平和をどう祈るか=
★アラファト体制後の和解——聖書信仰がカギ握る 記・柿内ルツ

 = 10 面 ビジネスパーソン=
◎団塊の世代をNPOへ取り込む——山岡義典さん[上](日本NPOセンター副代表理事)
★<ミッションと起業>質素倹約し利益はきれいに使う——石川武美[中](株)主婦の友社創業者 記・村松邦彦

 = 11 面 教会学校=
★<教会学校教師のひろば>世界のために祈り捧げる——バプ同盟・八戸キリスト教会:ジョイジョイランド
★<CS分級>ふしぎな手紙 記・石橋 えり子

 = 12 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報ほか
★SHOP:Books&Gifts ジョイフル(大阪府堺市中百舌鳥、Tel.072-255-4970)
★公告:ご愛読感謝特別企画 年末お楽しみ抽選会 当選者発表

 = 13 面 今週の動き=
★<今日は何の日>1月23日—29日
★<日めくり元気の素>名著・聖書日課から一言メッセージ

 = 14 面 教会=
★共同生活通してキリストの弟子に——オープンバイブル・田園宮前チャペル

 = 15 面 教会生活=
◎スマトラ沖地震:インド南部に仮設住宅——ワールド・ビジョン支援
★スマトラ沖地震:インド南部の教会堂を津波襲う——礼拝出席者40人死亡
★<林檎の風にのせて>[15]あなたはだれに似てますか? 記・正村 八重子

 = 16 面 ひと=
★マーク・ジョセフさん(プロモーター)——映画「パッション」を伝道に生かす

福音の魅力どう伝えるか−−国内開拓伝道会セミナーでアンケート報告0501230201

 伝道の難しさ、教会形成にともなう課題の多様化など、開拓伝道の停滞が言われる日本。「ひとりでも多くの人にキリストの救いを伝えたい」と奮闘しながらも、開拓途上にある教会の現実は厳しい。そうした開拓教会のためにサポートを続ける国内開拓伝道会(KDK)主催による開拓伝道セミナーが、04年11月29日から12月1日、「たましいを捕らえて教会を建てる」と題して、静岡県沼津市のウェルサンピア沼津で行われた。今回のセミナーでは「開拓伝道の成功の秘訣をさぐる」ねらいのもと、創設から10年以内の教会を対象に、同会が本紙と共催で実施したアンケート結果を、中澤信幸氏(日本バプテスト教会連合大野キリスト教会牧師)が報告した。
 2人の講師、同会会長の泉田昭氏(日本バプテスト教会連合練馬バプテスト教会牧師)は、クリスチャン人口1パーセントの壁が言われる日本だからこそ「そこには宣教の無限の可能性がある」とし、中島秀一氏(日本イエス・キリスト教団荻窪栄光教会牧師)は、多くの伝道の働きにもかかわらず思うような成果の出ていない現実に「信徒を養い育てるという側面がないがしろにされてきたからではないか」と言う。そして牧会者としての牧師本来の使命をもう一度深く認識し、キリストのからだなる教会の建設に向かうべきことを語った。また同会委員が自らの経験や取り組みをふまえて発題、板倉邦雄氏(日本長老教会千葉みどり台教会牧師)は「その人でなければ捕らえることのできないたましいを、主は備えておられる」、嵐時雄氏(日本同盟基督教団国立キリスト教会牧師)は「ただ待っているのではなく、こちらから出ていく」ことの大切さを強調した。
 中澤氏がアンケート結果を報告。全体として会堂の有無や創設当初の教会内外の状況など外的要因も大切だが、むしろ責任をもって決断し行動できる牧会者の資質が求められる、とデータから分析。それぞれの資質にあった取り組みの重要性も強調した。
 また「日本の宣教はなぜ困難なのか」という設問に対して、「福音の魅力を提示しきれていない」「キリスト教会内部に混乱がある」「効果的な方法が見つからない」といった項目について、20~30代若年層の牧会者の多くがそうは思っていないという結果が出た。これは、若年層は福音の魅力を十分に提示でき、良い協力関係の中で、効果的な宣教の取り組みがある、と考えていることを示し、「希望を失わずに宣教に励む若い牧会者の存在」が明るい材料として取り上げられた。  こうした分析をふまえ中澤氏は「宣教とは福音の魅力をどのように提示するかということ。そのためにどのような方向性をもって、自らの資質にマッチした取り組みをするかが問われている」としめくくった。
 2日目午後には「各伝道団体の責任者との懇談」「牧師夫人のための時間」「異教社会日本についての研究」「十字架の今日的意味の考察」の4つの選択セミナーが、夜はサポートを受けている牧師たちの自作自演のスキットがあり、ふだんは見せない一面に会場は和やかな雰囲気に包まれた。また最終日午前には同会委員による「信徒の育て方」「説教の仕方」というテーマの発題を受けてグループディスカッションの時があった。ただ方策を提示するのではなく、お互いの体験を分かち合い、自らの具体的な取り組みの意味をもう一度見つめ直す、参加者にとってはそんな3日間になったようだ。  参加者の1人は、日ごろのあわただしさから離れ「ほっとする機会となった。自分と同じように開拓途上にある人の話を聞き、同じ問題を抱えていることを知り、それを分かち合いながら励まされた。これからのためによい示唆を受けた」と話した。

団塊の世代をNPOへ取り込む−−山岡義典さん[上](日本NPOセンター副代表理事)050123100

 阪神・淡路大震災を契機に、自立した市民活動を日本に育てるための特定非営利活動促進法(NPO法)が、98年に制定された。日本のNPO(非営利組織)にとって画期的意味をもつこの年は、もう1つの意味で象徴的なことが起きていた。初めて自殺者が3万人を超えたのだ。経済不況の中、約700万人いる団塊の世代が50代を迎えたことも大きな要因と思われる。
 当時、日本NPOセンター事務局長(現副代表理事)としてNPO法の実現に尽力し、日本のNPOのパイオニアである法政大学現代福祉学部教授の山岡義典さん(63)=日基教団・永福町教会員=は、「06年から定年を迎える団塊の世代がいかにうまく離陸していくか。そのためにNPOの役割はこれからが大きい」と語る。
引き揚げ者
 「終戦直後に外地から引き揚げた人たちは、家族の1人か2人は亡くしていますよ。5歳だった私は残留孤児になっていてもおかしくなかったわけです」。1941年、中国東北部(旧満州)、ロシア国境近くの町ムーリンで生まれた。父親が満鉄に勤めていたため、敗戦は満鉄の駅があった牡丹江で迎えた。  「行っちゃ止まり、行っちゃ止まりでね。途中ロシアや中国の軍隊が襲ってくるわけです。病気もはやっていて大変な状況ですよ。次々に人が死んでいきました」
 翌年に両親の故郷、広島に着いた。父親は引き揚げの途中、応召され病気で亡くなっていた。  引き揚げた広島は原爆で焼け野原になっていた。山岡さんは、焼け野原から復興して立ち上がる広島で高校時代まで過ごす。戦後の復興から今の日本社会が生まれるプロセスを直接体験した世代といってよいだろう。  ちなみに、NPOの世界には大陸からの引き揚げ者が多いという。  「大陸浪人じゃないけど、当時、満州に行くような連中の血を引いているわけでしょう。日本のいわゆる世間型社会から飛び出す。いろんなしがらみ、ルールに縛られない自由な人がNPOには多いわけです」
都市計画から歴史保存
 56年の経済白書は「もはや戦後ではない」という言葉を使用し、当時の流行語を生んだ。64年には東京オリンピックが開催されるなど、日本社会は戦後復興が終わり、高度経済成長へと歩み始めていた。  「僕らの世代は建設ブームでした。広島の復興のプロセスの中で育ち、しょっちゅう建設現場を見てましたからね。これからは建築だという確信はありましたね」  60年に東京大学工学部建築学科に進んだ。広島の平和記念館都市計画を設計した丹下健三氏の影響もあった。
 しかし、大学に入学して個別建築そのものよりも都市開発、都市計画に関心が移る。もっと幅広く社会全体に影響を及ぼすことをやりたかったからだ。大学院に移り、都市計画を専攻。ちょうどそのころ環境、公害問題がクローズアップされ始めていた。時代の転換点だった。  「高度経済成長下、都市開発はバラ色でした。しかし、その開発の陰で歴史的遺産が次々と破壊されていったわけです」
 都市開発を専門にしようとした山岡さんだが、歴史環境保存に取り組むことになる。日本中の集落を歩き回った。大学院では、長野県の妻籠の宿場の保存にも取り組んだ。それまで、歴史や考古学の専門家が保存問題にかかわることはあったが都市計画、開発の最先端にいる者でかかわる人は皆無だった。この取り組みが、山岡さんがNPOへとかかわる伏線になっていく。

スマトラ沖地震:インド南部に仮設住宅−−ワールド・ビジョン支援0501231501

 昨年12月26日に発生したスマトラ島沖地震と津波による被害で、インド南部のタミルナドゥ州に派遣されていた特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)のスタッフ、坂賢二郎さんが1月11日、帰国報告会で現地の様子を語った。
 坂さんが入ったナガパッティナム地区とカダロア地区は8千から9千人の死者を出した被害の甚大なところ。漁業を営んでいる貧しい人が多く、財産である船や漁網、住居を失った人が多い。津波によって桟橋に乗り上げた船や、海岸から数百メートル離れた鉄道線路上に留まる船が見られたという。現地のかやぶき住居のほとんどは、津波で押し流された悲惨な状態だ。「片付けをしている段階で遺体が多く見つかった。異臭が漂い、マスクなしではとてもいられなかった」と坂さんは話す。教会堂が避難所になっているところもあるが、避難所内はかなりの高温で、精神的にも肉体的にも疲労が大きい。現在は緊急時のため、まだまだ効率的な支援がされていないという。
   現地の道端に1人へたりこむ女性に声をかけると、母親と兄弟を津波で亡くし、「大きな精神的ショックを受けているようだった。心的支援の必要性を感じた」という。
 坂さんの現地調査に基づきWVJでは、 1.カダロア、ナガパッティナム地区での仮設住宅の建設・提供 2.子どもの心理ケア(チャイルド・フレンドリー・スペース)の2つの事業を柱に支援活動を展開する。  仮設住宅は合わせて約4千600棟を建設予定。建設にあたり、1月13日からと、同24日からスタッフを現地に派遣する。
 また、「心理的傷害を受けた子どもたちに遊戯や学習、カウンセリングを通して普段の生活に戻れるようにする」心理ケアをしていく。
 坂さんによると、タミルナドゥ州周辺では一般報道されているような「子どもの人身売買などは聞いていない」ということだが、「そのようなこと(人身売買など)を防止する意味でも、聞き取りをして平等な支援ができるよう被災者登録を進めている」という。
 WVJでは、今後3年間で募金活動を進め、約3億円規模の支援をしたいとしている。また、漁業従事者に船や漁網の支給も検討している。