ヘッドライン
[CSD]2005年4月10日《ヘッドライン》
[CSD]2005年4月10日《ヘッドライン》= 1面 =
★アガペ「和解の旅」——戦後60年で明かされる戦場の赦しと友情
= 2 面 ニュース=
◎教会協力強めて新時代にトライ——近畿福音放送伝道協力会が新体制
◎公益法人制度改革、宗教法人に拡大懸念——宗教と税制シンポジウム開催
★<教界ニュース>聖学院大学総合研究所ほか
★<落ち穂>今年92歳の中国人伝道者ユアンさん
= 3 面 ニュース=
☆<宣教まっただ中>タンザニア発[3]イスラムから回心した男性 記・清水 担
★米国:「キリスト教会連合」6月発足——各派を広範囲に結集
★<用語解説>公益法人改革
= 4 面 牧会=
★<今、家族を考える>[6]距離を置き、かつ温かく 記・堀 肇
★<牧師のつぼ>福音伝え、疲れた足に三里の灸 記・藤川 直孝
★<オピニオン>神のことばをかたることと聞くこと 記・守部 喜雅
★<恵みのどんでん返し>小さな群れの精いっぱい 記・西原 孝至
= 5 面 神学・社会=
★<ローザンヌ運動30歳>グローバリゼーション<下> 記・杉岡 直樹
★<今月の神学書評>『ピューリタン牧師バクスター』梅津 順一著(教文館、2730円)
= 6 面 特集=
★関西hi-b.a. 40周年記念集会——高校生、OB励まし祈り合い
= 7 面 全面広告=
☆2005 チアにっぽんコンベンション
教育・家族の回復・チャーチ&ホームスクーリング
http://www.cheajapan.com
= 8・9 面 医療特集=
★全人医療で地域に仕える——(宗)在日本南プレスビテリアンミッション:淀川キリスト教病院
★患者との信頼関係、医療伝道の第1歩——愛知:アガペ・クリニック
★「現代病」の増加傾向——食生活の変化、原因の一端
★歯周病と現代の食生活——「かむこと、食べること気を遣って」
= 10 面 ビジネスパーソン=
★天命にゆだねて人事を尽くす——小西 孝蔵さん[下](農林水産省大臣官房統計部長)
★<うつは心の風邪>[9]うつの人との接し方—職場篇— 記・吉田 博
= 11 面 教会学校=
★<教会学校教師のひろば>救いの確信得た我が子に涙——JOYJOYキャンプ(CS成長センター)
★<先生集まれ>たった1人のCS教師 記・神奈川県:遠藤 きよみさん
= 12 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報ほか
★BOOK:『新島襄と私立大学の創始者たち』志村 和次郎著(キリスト新聞社、1575円)
★BOOK:『シネマで読む新約聖書CINEMA&BIBLE』栗林 輝夫著(日本キリスト教団出版局、2310円)
★CD:『主は来られた』Hallelujah Music Ministries(2000円)
= 13 面 今週の動き=
★<今日は何の日>4月10日—16日
★<日めくり元気の素>名著・聖書日課から一言メッセージ
= 14 面 教会=
★<ちゃちゃチャーチ>子どもから高齢者までみんないっしょに——ホーリネス・狭山シャローム教会
★<もりべえのへぇ~>恋に破れた青年の話
= 15 面 家庭・あかし=
◎教会との双方向協力で——キリスト者学生会主事訓練、経済的サポート
★福岡西方沖地震:会堂壁にひび 被害多数
★ドブソン氏のラジオ、関東全域でスタート——ファミリー・フォーカス・ジャパン
★新連載<スマトラ 祈りと希望>被災地を行く[1]——売れた不死鳥の刺繍
= 16 面 ひと=
★小形真訓さん(『迷ったときの聖書活用術』を出版)——ビジネスの問題解決の糸口を聖書から提案
教会協力強めて新時代にトライ−−近畿福音放送伝道協力会が新体制0504100201
近畿福音放送伝道協力会(近放伝)の新年度に向けた新体制が発表され、実行委員長に鈴木義明牧師、副実行委員長に小平牧生牧師、神田宏大牧師、吉木裕牧師が就任した。これに伴い、新年度の方針を決定、聖書に基づいた教会協力を目標に、時代に求められる教会形成と宣教の実現を図るための5項目が掲げられた。鈴木実行委員長は「教会がカルト化したりする時代、あちこちで証しにならない芽が出ている。本当の教会協力を今こそ作っていかなければ」と、近放伝が担う使命の重さを実感している。新体制下の5方針は次の通り。 1.地区の充実を前提とした教会協力 2.事務所を使った宣教事業の推進 3.ラジオ、テレビ、インターネットを使ったメディア伝道の推進と継続 4.2006年11月21日~23日、関西宣教会議(仮称)を、教会協力の元で開催する 5.ポストモダンの時代に対応できる指導体制の構築。
近放伝では昨年の事務所移転以来各種セミナーを開催しており、今年も 協力教会の益になるようなセミナーを続行していく。
注目すべきは古くて新しいテーマである葬儀についてのセミナー。第1 回目に4社もの一般業者が参加して、キリスト教式葬儀への関心の高さを伺わせると共に、葬儀の個性化が進む中で、新しい宣教の分野として教会葬儀を確立させる必要があることが明確になった。今後葬儀を提供するにあたって、キリスト教葬儀の正しい認識と、利益目的のみの業者の独走を指導し、質を向上させるために、近放伝がチェックを行うことも進めていく。
3月にスタートしたウエディング委員会では、クリスチャンホームの建設ビジョンを育てる働きを進めていく。また、申し込みがあふれるほど反響があったワーシップセミナーの継続のほか、4月からは精神的問題を抱えた方々に対応するための牧会カウンセリングを8回コースで開く。精神障がいの人々への教会の取り組み方を学ぶ。
10月から第一線で働く 牧師のための生涯教育を行う超教派の学校「関西聖書学舎」(通称KBC)を開校する。第1回 は10月24日。「この時代に求められる教会形成」をテーマに学ぶ。会場は天満橋のエル大阪。初回の参加者の意見を、以後の内容に反映させながら、長期の開校を目指す。
「近放伝は放送伝道と大集会だけではなく、何より地域協力の推進に力を入れていきたい。KBCでは関西在住の賜物を持った牧師に、得意分野で教鞭を取ってもらう意向です。あくまで地元の牧師による地元の牧師のための学校です」と鈴木氏。
4.の関西宣教会議(仮称)の講師は、シンガポールのカベナント福音自由教会のエドモンド・チャン牧師に決定している。 チャン牧師は、17年間で11人の教会を2千人にした実績をもち、教会形成と祈りを強調する説教者 としても用いられている。
新しい試みとして、インターネットを活用した連絡網で、大会前から地区でディスカッションし、さらに講師とのネット上でのコミュニケーションも行う。これなら、今までのように参加者がただ傍聴者ではなく、自分も大会運営の一員であるという積極的な姿勢で本番に臨める。
大会のテーマはチャン 牧師の研究対象であるポストモダンの現代と宣教 が中心になる予定。価値観の多様化した時代、人間関係を拒み、ことばの意味を失い、バーチャルリアリティの中で生きる現代人に福音を伝えるにはどうすればいいのか、時代を読み、方向性と具体策を探る。
「2月の教会協力会議で名古屋のキリスト者学生会の服部滋樹主事から『ポストモダンと宣教』という講演をしてもらいました。この考え方の元に進めていきたいと考えています。ことばが伝わらないという無力感はあっても、やはり福音はみことばによって伝わる。みことばこそ命です。そこに切り込み、さらにイメージを重要視することでクリスチャンライフのすばらしさを見せる。つまり証しが大事なんです、やはり。生の体験を持たない彼らに信仰のリアリティーを得させる。若者に限らず、現代が必要としている宣教の示唆を得て、宣教会議のテーマを想定しています」。実の残る宣教会議になると、鈴木牧師は確信している。これから11月の本番に向けて、諸教会、諸団体の協力を要請していく。
公益法人制度改革、宗教法人に拡大懸念−−宗教と税制シンポジウム開催0504100202
現在、政府が行政改革の一環として進めている公益法人制度の抜本的改革(用語解説3面)が、将来、宗教法人の税制に大きな影響を与えると懸念されている。この現状をふまえ、財団法人日本宗教連盟が「公益法人制度改革と宗教法人への影響」というテーマに、第21回宗教と税制シンポジウムを3月10日、東京・杉並区のセレニティホールで開催した。現在の公益法人改革の議論の焦点となっているのは、政府の「公益法人制度改革に関する有識者会議」が04年11月に出した最終報告書。報告書では現行制度を廃止し、新たに非営利法人制度を創設することが提言されている。新制度の非営利法人は主務官庁の許可は必要なく、登記をすれば設立できる準則主義にするが、原則課税に。この中から公益性のある非営利法人を政府(独立した判断主体)が選び、免税措置を置くという2階建ての仕組みだ。
これまで政府は非営利法人として新制度の「公益性がある法人」とNPO法人に共通性があることから公益法人、NPO法人、中間法人の統合を検討してきたが、市民団体の反発で断念した経緯がある。
シンポジウムでは「シーズ」=市民活動を支える制度をつくる会事務局長の松原明氏が「公益法人制度改革と政府構想の問題点」というテーマで講演。
松原氏は公益法人制度改革の問題点として「行政改革の視点で行われており、民間の活力活性化の視点が乏しい」「公益性の定義や判断基準が曖昧なまま、公益性を政府が決める仕組みであること」などを挙げた。「公益法人改革の議論が進んでいくと、その特別法である学校、宗教、社会福祉法人の法人法制・税制の仕組みを見直しする議論が出てくるだろう。十分な議論をしないと、公益法人のように一部の悪い法人を中心に議論が進んでいく」と述べた。
また白鴎大学法学部教授の石村耕治氏が「『原則課税』への転換の問題点を探る」というテーマで講演。
石村氏は報告書にある原則課税がエスカレートし、宗教法人の宗教活動までもが原則課税になるとすれば、宗教か宗教活動かどうかを公権力が「聖」の部分に立ち入って審査せざるをえなくなると説明。「憲法の保障する政教分離の原則に反する。非営利法人に原則課税する転換方針は宗教界も対岸の火事ではない。宗教界は、信教の自由を守る法人法制・税制の確立に向けた理論武装を急ぐべきだ」と述べた。
教会との双方向協力で−−キリスト者学生会主事訓練、経済的サポート0504101501
宣教団体にとって大切な課題である働き人の訓練と経済的必要。しかし、それらはなかなか難しい問題でもある。教会と双方向に協力し合いながら、それらの課題に取り組む学生伝道のKGK(キリスト者学生会=竹内豪理事長、大沼孝総主事)。訓練を受けている主事の浜田進さんに聞いた。関東地区のKGKでは11年前から、埼玉県の浦和福音自由教会(坂野慧吉牧師)と双方向の協力関係で成り立つ、通称「浦和メソッド」(浦和福音自由教会派遣主事)と呼ばれるスタイルを導入している。3年間、基本的に日、月曜日の午前は教会で奉仕し、そのほかの日はKGKの主事として活動する。
浜田さんは03年4月から浦和メソッドで訓練を受けている。大学卒業後、サラリーマンとして一般企業で2年勤務した後、主事になった。浦和メソッドの4代目だ。KGKでは、関東地区の池袋、山梨、伊勢崎線の各ブロックの担当主事をしている。
浦和福音自由教会では、毎週日曜日の礼拝出席のほか、学生会の担当スタッフとして学生会の活動をサポート。また夕拝の司会や説教をしている。「神学校を出たわけではない者が、説教を任され、教会の方々が聞いてくださり、励ましてくださることは大きな訓練です。『みことばを語る』ということは大きな緊張感、大きなチャレンジがあります。こんな自分が語らせていただいていいのか、という主への畏れをもちながら語っています」と話す。
浦和福音自由教会は、坂野牧師がKGKの元主事でKGKの実情をよく理解していることもあり、訓練と経済的必要を合わせたサポートスタイルを申し出た。KGKの大沼総主事は、「今後、他教会でもこのようなスタイルが広がることを期待している」と語る。浦和メソッドを受けた主事のその後の進路は、牧師、サラリーマン、KGK主事と様々だ。主事としての経験を生かし、次の進路選択が幅広くなることも特徴といえる。
「学生時代に献身の思いが与えられた」という浜田さん。サラリーマン時代には信仰が落ち込むこともあった。そんな浜田さんに、「主事になりませんか」と先輩主事が声をかけた。いったんは断った浜田さんだが、「カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい」(マルコ12・17)のことばを通して、「自分の人生ではなく、神に与えられた人生を神にお返ししたい」という思いになり、主事になる決心をした。
浦和メソッドによる訓練に初めは不安もあった。また、実家のある愛知から埼玉に移ることにも不安があったが、「それらも含めて神が導いてくださると信じ、飛び込んだ」。母教会の牧師も喜んで送り出してくれた。
浜田さんは学生たちに「教会からそれぞれの場所に遣わされているKGKなので、教会生活を大切にしてほしい。教会から遣わされていることを忘れないで」とメッセージを送る。