ヘッドライン
2000年7月2日号《ヘッドライン》
2000年7月2日号《ヘッドライン》
= 1面 =
★マーチ・フォー・ジーザス締めくくり——1200人原宿・青山を行進
◎埼玉・草加市の特養老人ホーム運営主体にキングス・ガーデン埼玉が内定
★教皇の北朝鮮訪問実現も——韓国を仲介に折衝開始か
★韓国・北朝鮮の共同宣言をNCCが歓迎
★<いやしの時代>[10]ドゥロス号協力関係推進ディレクター ケニー・ガンさん(上)
★<落穂抄>中国独自の教会形成「イエスの家族」
= 2 面 =
★聖書は神のアイロニーが満ちている——P・ヤンシー氏講演
★3代目はホーリネス弾圧をどう受け止めたか
★日本キリスト教連合会:課税されない献金袋を推奨
★ワールド・ビジョン:買い物すれば途上国援助に
★<世界の出来事フラッシュ>インドネシア、イスラエル、米国
◎<論説>「良心」回復の教育を 記・小助川 次雄
★<あかし文学・ろばの子の歌>[9]真子の復活の朝…眠りから覚めて 作・今村真子・和彦
= 3 面 全面広告=
☆関西聖会 8月1日(火)~2日
= 4 面 全面広告=
☆日本伝道の幻を語る会 8月28日(月)~30日(水)
= 5 面 日本宣教のパイオニア=
★賀川豊彦——20世紀前半に活躍した代表的キリスト教社会運動家
= 6面 関西だより=
◎JECの高橋めぐみさんインドネシア宣教へ
★愛媛でエホバの証人問題セミナー——「1914年以降 地震増加」はうそ
★<講演>「生きることはキリスト」キリスト生誕2000姫路で渡辺和子シスター語る
★滋賀で7月20日に2000年の大会を開催
★地元の伝道に全力投球——新城教会50周年
= 7面 =
★ドゥロス号、ブーゲンビル島で内戦後の和解を仲立ち
★賛美歌から生まれた唱歌の歴史知るCD——ビクターから「原点による近代唱歌集成」
★証する格闘家育てたい——「格闘技ミッション」本格始動
★KGKセミナー:教会の賛美は様々なスタイルを上手に使って
★父の日にハワイアン・ゴスペル公演
★<召天>海老沢 宣道(「アパ・ルーム」日本委員長)
★<召天>正村 富雄(同盟基督・長野福音教会牧師)
★英国:献身的な女性キリスト者はパートナー不足?
= 8 面 =
★<聖書66巻>エゼキエル書(1)御霊の力によって立ち上がる 記・尾山 令仁
★<書評>「神のみ手に抱かれて」赤江弘之著
★<新刊書紹介>「絶妙の真理」北森 嘉蔵著
★<新刊書紹介>「イエスの証しを守った人」沈 君植著
★<情報クリップ>催し情報ほか
埼玉・草加市の特養老人ホーム運営主体にキングス・ガーデン埼玉が内定
埼玉県草加市が公募していた特別養護老人ホームの管理運営主体にキングス・ガーデン埼玉(泉田昭理事長)が内定した。施設は特別養護老人ホームのほか、ショートステイ、デイサービス、ケアハウスを含む複合施設で、ケアハウスには引退教職者の枠も設けられる見込み。
計画は、草加市が特別養護老人ホーム建設のため買収した5300平方メートルの用地を20年間無償で提供し、社会福祉法人に施設の建設と運営を委託するもの。
市では建設費の4分の1の負担を決めており、県と国の補助と合わせると、基準額の全額が補助されることになる。
実際には、より質の高い設備などのため、数億円は法人で負担しなければならない。
公募には周辺の1都6県から19法人が応募し、最終的に、重度介護を重視している、財務状態が安定している、ターミナルケアに対応していることなどが評価され、キングス・ガーデン埼玉が選ばれた。
審査過程では実績を見るため、市から審査委員らが川越キングス・ガーデンを訪れ、処遇を念入りに調査した。
草加市の計画では、早ければ今年度補正予算に盛り込み、来年早々に着工、2002年春にオープンする。
「キングス・ガーデンはまさに地の塩・世の光の働き。
19もの法人の中から選ばれたいうこと自体大きな証しです」。
泉田理事長は、昨年8月13日に襲った豪雨で冠水した特養・川越キングス・ガーデンの復旧を振り返りながら語る。
「川越の水害から十か月、一時は絶望しかけたこともありますが、多くの方々の物心両面による支えで、川越はきれいに復旧し、さらに不思議な導きで30床の増床が認められようとしています。
そして今回、草加の管理運営主体に選ばれました。
人間の計画ではとうていなしえないことです」草加の建築委員長になった中嶋栄三さんは、茨城県の筑波に最初のキングス・ガーデンを開設する準備段階からかかわり、特に引退教職者のホームづくりに重荷をもってきた。
草加のケアハウスには20床前後を引退教師のために割くことを想定し、市が計画していたケアハウス30床に対してキングス・ガーデンは80床の企画案を提出した。
最終的には市との調整の中で50床前後になるが、その増床分の建設費用について中嶋さんが私財を投じることを市側にも表明している。
「引退教師のためのホームも考えましたけれど、運営を考えれば、既存の施設の中に組み込む方がその後の負担が少なくて済むと思います。
地域教会の協力も生まれようとしていますし、その中から、後援会やボランティアが生まれてくるのではないでしょうか」と中嶋さんは話す。
川越キングス・ガーデンの児島康夫施設長は、「施設をどんなに充実させても、最終的にはそれを動かす人にかかっています。
神に仕えるように人に仕えるということを証しする良い機会だと思います。
そういう意味でキングス・ガーデンが目指してきた理念・方法が認知されたということは非常に感謝なことです。
と同時に、これからの使命の重さをかみしめているところです」と語っている。
<論説>「良心」回復の教育を 記・小助川 次雄
青少年の犯罪が相次いで報じられている。しかも、その犯行は凶悪化の一途をたどり、犯行者は低年齢化しているとも言われる。
詳細なデータについては政府が発行している関係の「白書」にゆずるとして、ここでは、その対策のために、根本的な一つの課題として「良心」回復の教育の必要を強調したい。 失われている良心意識 このようなテーマや表現は、直ちにいろいろな反論を受けることになろう。
あるいは異論を唱えられるかも知れない。
大いに議論を交わしたらよいと思う。
そうしなければ、実は、われわれ大人のうちにも、そして、社会の中にも、「良心」の意識は明らかになってはこないだろうと思われるからである。
まわりくどい言い方ではあるが、「良心」は、それほど忘れかけられていると思う。 今日唱えられている対策 青少年犯罪の増加や凶悪化に関して、行政をはじめ各界で、指導者たちや学識経験者と言われる人々が主となって、その対策に尽力としていることを認めないわけではない。
特に、直接教育にたずさわっている学校の教師たちの苦慮と努力は大変なものであることも見聞している。
敬意と感謝を覚えているものである。
しかし、この問題は、ひとり学校教育に関するものなのではなく、社会全体、すなわちみんなに関係あることであり、同時に、一人ひとり個人としての人間に、すなわち自分自身にかかわっているものなのである。
最近、政治家は盛んに教育改革を主張している。
しかし、それは、どうやら「制度」のことが主な内容のようである。
少し前までは、「心の教育」という当然のことが、まことしやかに説かれ、何かすばらしい新説でもあるかのように人々の口に上った。
しかし、最近はあまり耳にしないのではないか。 「あたりまえの心」を大切に このような問題は、どんなに耳ざわりは良くても、その場かぎりの思いつきで終わるようなことでは改善も解決もされないであろう。
ここに一つの対応として、「あたりまえの心」を大切にする運動や教育を提唱したい。
そして、このことは、青少年や子どもたちのこととしてというのではなく、老若男女を問わず、みんなが自分自身のこととして学び、実行しようということである。
若者や子どもたちに求めることは、まず大人が模範を示さなければならない。
大人が勝手なことをしておりながら、子どもたちだけにいろいろなことを要求しても、不満をつのらせるだけであり、18歳の「解禁」とともに、大人たちと同じことをすることは、火を見るよりも明らかである。
そこでまず、大人から、「あたりまえの心」を大切にすることを、改めて始めようではないか。
喜怒哀楽、幸・不幸、快・不愉快を感じることができるとともに、それを他人の立場になって考え、感じることができる心を回復し、あるいは育成しようではないか。
特に、「良心」とその機能を感じ、考え、それをもとに他者のことをも考えながら、心から「良かった」、「うれしい」、「まちがった」、「あやまろう」、「あらためよう」、「ありがとう」と自ら語り、行動することができるようになりたいものである。
「良心」については心理学や倫理学の諸説がある。
そして、論や説は必ず分かれる。
しかし現実には、それに先んじて、人間であればだれでも持っている「自然な心の動き」、「共通している、共感できる心の動き」がある。
それを大切にすることである。
あるユダヤの学者が、「自分でしてもらいたくないことは人にもするな」と言ったという。
イエス・キリストは、「何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい」と言われた。
これが良心であり、「あたりまえの心」の原点ではないか。
(記・小助川 次雄)
JECの高橋めぐみさんインドネシア宣教へ
6月15日、兵庫県西宮市の日本福音教会(JEC)・西宮福音教会で、インドネシア宣教師として新たに赴く高橋めぐみさんの派遣式があった(出発は6月22日)。高橋さんは、同じくJECに所属する大田裕作・元インドネシア宣教師(現在、関西聖書学院長)の後任。
大田さんが昨年まで7年間、カリマンタンで教会形成と神学校教育に当たってきた働き(6月4日号既報)のバトンを受け継ぐ。
JECが、アンテオケ宣教会を通して派遣する。
派遣式では、JECやアンテオケ宣教会の関係者が、派遣する側、される側両者の心構えや、国外宣教の素晴らしさを訴え、また宣教師としての働きのため高橋さんに按手した。
派遣式で高橋めぐみさんは、2年前に国外宣教の召しが与えられていることを公にして、それが西宮福音教会やJECに受け止められ、宣教師になる準備を進めるなか、「当初は自分ばかり見て恐れていました」と振り返った。
しかし、「わたしには…いっさいの権威が与えられています。
…あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい」(マタイ28:8、19)と、みことばが与えられて、「これは主の業だと分かりました」。
「日々インドネシアへの思いを募らせています。
不安もあるが、遣わされる喜びと期待に満ちています」と心境を語った。 もっと多くの宣教師をと派遣式でチャレンジ アンテオケ宣教会の国内総主事であり、インドネシア宣教師として先輩にあたる安海靖郎さんは式辞で、派遣の喜びを表しつつ、「女性が単身でカリマンタンに行くのは複雑な思い。
自分の娘が行くならどうだろうかと考えてしまう」と語り、宣教師特有の犠牲や重荷があることを強調。
日本から日々、とりなしの祈りをすることが「最も効果的な助け」と祈りの支援を訴えた。
現地の不便さや危険、人間関係の難しさなど宣教師が払う犠牲と関連して、「今は軽い時代だが、好奇心や自分を試そうという気持ちでは宣教師になれない。
時代がどんなに変わっても、主が召される器には主ご自身が、明確な召命感をお与えになることは変わらない。
それは、宣教師が一番問われる土台であり、ことばの修得なども第二、第三の問題に過ぎない」と強調した。
また、とりなしの祈りの必要性について自らのインドネシア在住中、夫人が川を渡る途中、舟の転覆によって死を覚悟したが、そのとき、「祈っています、祈っています」と言う日本の支援者たちの顔が次々と心に浮かび、気がつくと岸に打ち上げられて助かっていた証しを語り、「神はみつかいを遣わして支え、助けて下さる。
神のみ業が進むため、神は聖徒の祈りを期待しておられる」と訴えた。
さらに、宣教師自身がよく祈り、「祈りによって人が動き状況が変わることを経験して下さい」と勧めた。
パウロとバルナバを宣教師として送り出したアンテオケ教会の模範的なあり方を、使徒行伝から語った。
召命は宣教師個人のみならず、その宣教師を送り出す教会にも与えられ、そのことが宣教師の働きの継続性や確かさにつながること。
顔の見えない教団レベルよりも、お互いの顔が見える身近な地域教会のレベルで宣教師を派遣した方が重荷を共有しやすいことなどを強調した。
JEC理事長の富浦好之さんは、福音を持っている者がそれを伝える責任を語り、「活動しないとクリスチャンは使いものにならなくなる。
私たちの財も、世界宣教のために用いよう」と呼びかけた。
高橋さんの前任のインドネシア宣教師で現在、関西聖書学院長の大田さんは、JECの母体となった宣教団体インターアクトについて、「120教会、2万人のメンバーで150人の宣教師を世界に送り出している」と紹介。
「伝道所も入れると50教会、2000人のメンバーの私たちはどれくらい宣教師を送り出せるでしょうか」と挑戦を投げかけた。
また、「独身で行くのは家族持ちより大変。
軽く見られるしストレスがたまり、ぼやく相手もない。
私たちの時よりも祈りを強化してほしい」と訴えた。
会衆が見守るなか、講壇に高橋さんがひざまずき、牧師らが取り囲んで手を置き、「同行と委託と共働のしるし」として按手の祈りをした。