[CSD]2005年6月12日《ヘッドライン》

[CSD]2005年6月12日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★「弱さもつ人のため余生をささげたい」——韓国ハンセン病回復者・金新芽さん来日講演

 = 2 面 ニュース=
◎世界大の宣教戦略提唱——PDCカンファレンス開催
★<教界ニュース>初のクリスチャン囲碁将棋イベント7月開催ほか
★<落ち穂>映画「ヒトラー・最後の12日間」

 = 3 面 ニュース=
★<宣教まっただ中>韓国発[3]手話通じない人々に宣教 記・長澤久美子
★スイス・ジュネーブに宗教改革博物館開館——カルヴァンゆかりの品など展示

 = 4 面 牧会=
★「説教と牧会」講演[4]牧会重要事項と実践 エドモンド・チャン師夫妻
★<牧師のつぼ>お灸のはなし、モグサのはなし 記・藤川 直孝
★<オピニオン>戦後60年、日本の教会は何を考えるか 記・守部 喜雅
★<恵みのどんでん返し>イエス様も孤独だったんだ 記・坪井 永光

 = 5 面 神学・社会=
★<ローザンヌ運動30歳>マーケットプレイス宣教[上]21世紀宣教のカギを握るビジネスパーソン 記・市村 和夫
★<書評>『スモールグループから始めよう』ヘンリー・クラウド、ジョン・タウンゼント著(地引網出版、2100円)評・白畑 司

 = 6 面 特集・法律と生活=
★将来の法曹を体験育成——渋谷パブリック法律事務所所長・安藤良一さん
★ビジネスの前線で働く——伊藤忠商事(株)法務部コーポレート・カウンセル 茅野みつるさん

 = 7 面 Anniversary=
★札幌キリスト福音館創立40周年——創造主を知り劣等感から一変

 = 8・9 面 特集・エバンゼリスト=
★放送伝道のパイオニア・羽鳥明氏が語る——「わが人生の出会い」

 = 10 面 ビジネスパーソン=
★バブルとともにすべてを失って——伊藤 能俊さん[中]([株]メディカルクリエーション会長)
★<気持ちが伝わる話し方>話はいつも対話的にしよう 記・中野 雄一郎

 = 11 面 教会学校=
★<教会学校教師のひろば>スポーツミニストリー・日本に無限の可能性——元大リーガーらが熱い視線
★<CS分級>たまごで工作:起き上がり小法師 記・石橋 えり子

 = 12 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報、放送伝道ハイライトほか
★EVENT:ブルックリン・タバナクル・シンガーズ来日コンサート
★BOOK:『ハートウォーミングストーリー With ノーマン・ロックウェル』マーガレット・ファインバーグ著(いのちのことば社フォレストブックス、1575円)

 = 13 面 今週の動き=
★<今日は何の日>6月12日—18日
★<日めくり元気の素>名著・聖書日課から一言メッセージ

 = 14 面 教会=
◎<ちゃちゃチャーチ>明るく・開放的・積極的な教会づくり——語学教室・講演会・母と子の集いなど活発に 日本キリスト改革派教会田無教会
★<もりべえのへぇ~>日本最初の礼拝と葬儀

 = 15 面 家庭・あかし=
★横田早紀江さん神戸で講演——会場で体験を共有、連帯
◎コンゴ人家族の夫・グロジャさんの仮放免が実現——教会挙げての署名実る
★移植手術待つ白血病少女に支援を——教会が骨髄バンク登録呼掛け

★新連載<巨いなる山の動く日来る>[1]邪道、非道の限りを尽くした腐れ外道 記・あんこや大塚

 = 16 面 ひと=
★小林 武男さん(「聖書」を書写)——心の糧 聖書を「書く」喜び


世界大の宣教戦略提唱−−PDCカンファレンス開催0506120201

今年5月17日~20日、アメリカ・ロサンゼルスのサドルバック教会でパーパス・ドリブン・チャーチ(PDC=目的主導教会)カンファレンスが開催された。全世界に広がるPDCの秘訣を学ぼうと、世界各国から4千人を超える牧師、宣教師、信徒リーダーたちが集まった。セミナーは4日間にわたって行われ、サドルバック教会の主任牧師リック・ウォレン氏によるメイン・セッションをはじめ、各地に広がるPDCの多様化するニーズに答えるべく、いくつものワークショップが用意された。
 初日は、リック氏をはじめとするサドルバック教会の牧師たちにより、PDCの本質とその具体的な戦略が語られた。「すべて命あるものは成長します。教会も同様です。それでは成長をもたらすものは何か。それは健康です。健康な子どもが自然に成長していくように、教会も健康であれば成長していきます。そして、健康であるための鍵はバランスにあるのです」。そう語るリック氏のことばからは、聖書に基づく確信と集まった一人ひとりに対する愛がにじみ出ていた。
 PDCとは、キリストが語られた「最も大切な戒め」(マタイ22・37~39)と「大宣教命令」(マタイ28・19、20)に基づく教会形成である。神が教会に与えられた最も重要かつ、他のみことばの集約とも言うべきこの2つの命令から「5つの目的」が導き出される。その目的とは、礼拝(ワーシップ)、交わり(フェローシップ)、弟子訓練(ディサイプルシップ)、奉仕(ミニストリー)、そして宣教(ミッション)である。
 どれか一つの目的に秀でた教会は多いが、この5つをバランスよく追及し実践している教会は少ない。サドルバック教会は、開拓以来25年間ひたすらこの5つの目的に専念してきた。明確なビジョンが語られ、しっかりとしたプロセスが描かれている同教会で、人々は量的にも質的にも成長し続けてきた。今や礼拝出席者が2万人を超えるメガチャーチとなっているが、教会スタッフやメンバーたちがみな自然体で、喜びと感謝をもってそれぞれのミニストリーに取り組んでいる姿は、人が健康に育っていく風土がしっかりと培われていることを如実に物語っていた。
 今回のハイライトは「ピース・プラン」と呼ばれる、サドルバック教会が導かれている新しいステージの世界宣教戦略である。
 これはリック&ケイ夫妻が神から与えられたビジョンで、この世界が抱えている5つの問題(5 Evil Giants)に、世界中の諸教会とのネットワークを築きながら取り組んでいくものである。
 5つの問題とは、霊的欠乏、利己的なリーダーシップ、貧困、病気、教育の欠如であり、これら世界規模の問題に対する取り組みとして、教会を開拓し、人に仕えるリーダーを育て、貧しい人たちに手を差し伸べ、病人の世話をし、次世代に教育の機会を提供していく。「貧しい人や病人をあわれむということに関して、聖書には2千個所以上の記述があるにもかかわらず、今までそれらを見落としてしまっていたことを心から悔い改めました」と語りながら、リック&ケイ夫妻は、涙ながらに世界の現状に目を開いてともに立ち上がるよう呼びかけた。
 そしてこのセッションの最後には、会場に集まった4千人の会衆がひざまずいて献身の祈りをささげた。
 すでにこのプロジェクトには、サドルバック教会をはじめ各地の教会が協力に乗り出し、世界各地に短期宣教チームが送り出されている。  このプロジェクトの特徴は、主体はあくまで世界各地のローカルチャーチ(地域教会)であってサドルバック教会はその支援に徹する点にある。日本もその祈りの対象国に選定されており、これからの展開に注目が集まっている。
 4日間という限られた時間の中で、第2の宗教改革とも言われるPDの波が、さらに勢いを増して全世界に拡大している様を目の当たりにさせられた。このPDの波は確かに神が起こしておられるものであるに違いない。
 いまだにクリスチャン人口1%前後をさまよう日本の地に、神がこのPDの波を通して何をなさろうとしておられるのか、今後の進展に期待していきたい。
 レポート=PDJディレクター・小坂直人

<ちゃちゃチャーチ>明るく・開放的・積極的な教会づくり−−語学教室・講演会・母と子の集いなど活発に 

ひばりヶ丘団地西口のバス停から歩いて1分。バス通りの信号から伸びる一本道、日本キリスト改革派教会田無教会(望月明牧師)の屋根上に建つ十字架が目印だ。宣教師の開拓伝道所として1967年に開設。西武池袋線ひばりヶ丘駅と西武新宿線田無駅のほぼ中間に位置するが、公団の団地と戸建住宅街の境にある落ち着いた住環境だ。
語学教室と講演会を柱に
 リチャード・サイツマ宣教師の帰国に際して、長年の付き合いから「牧師に」と請われて望月牧師が赴任したのが4年前。36年間、宣教団体の伝道所だったが「3年から5年の間に教会に自立させたい」と約束し、2003年7月に教会として自立した。赴任の時に望月牧師が決意したことは、「明るく、開放的、積極的な教会をイメージして伝道する」こと。まず、築35年たつ教会堂の内外装を一新することに着手。現在の礼拝堂は、講壇上部にステンドグラスの丸窓をつけ、礼拝堂脇の窓辺に置かれたプランターの花々が清々しい。
 宣教師の時代から英会話教室は行われていたが、韓国系米国人宣教師の協力を得て韓国語教室も開き、語学教室を補強。当初は日本に暮らす韓国系の人たちが抱えている問題などを援助できるかとも考えたが、蓋を開ければ近隣の日本人ばかりが集まった。韓流ブームも多少の影響はあったが、「仕事などで海外生活を経験している人が、英語以外の語学に関心をもってまじめに参加される方がほとんどでした」。3年間で初級から中級のカリキュラムを組み、現在、第2期講座を開講中。クリスチャンドクターなどを講師に招き、毎年数回の講演会も開催。こうした語学教室、講演会活動などでイメージチェンジした教会堂と近隣の人たちとの接点ができ、「ずいぶん、住民の方々に教会の存在を認識していただけた」という。 
「おはなしのへや」で母子にアプローチ
 子育て中のお母さんと乳幼児のための「おはなしのへや」は、03年11月から始まった。就園前の乳幼児たちと歌・手遊びやリズム遊び、簡単な工作、絵本の読み聞かせで過ごし、おやつタイムをはさんで後半はお母さんたちと読み聞かせで取り上げた絵本の感想や子育てに関する話題などを語り合う絵本講座の2部構成。講師の澤谷由美子さんが、牧師夫人だった1991年から松戸市で実践している活動だが、夫の澤谷実牧師が02年に急逝したことから夫婦同士の友人だった望月夫妻が牧会する田無教会へ転会し「おはなしのへや」も始めた。
 「おはなしのへや」はキリスト教のベースをもっているが、それを前面に押し出してはいない。それをもう一歩、教会的な内容にして始めたのが「こひつじ広場」。対象は「おはなしのへや」とほぼ同じだが、聖書のお話と賛美歌による平日版教会学校幼児科の趣きという。「おはなしのへや」で知り合ったお母さんたちをきっかけに出席者の輪が広がり、教会の礼拝に出席する人も出てきた。
 「おはなしのへや」と「こひつじ広場」の責任をもつ牧師夫人の鈴子さんは、「おはなしのへや」を始めるとき「こうした働きは、1人で続けていくことはできないと思っていました。教会の女性が参加して、しっかり支えてくださっていることと、読み聞かせなどには他教会の方々もお手伝いしてくださっているので、心強い」と継続している感謝を語る。
 望月牧師は、「教会の礼拝は、長老・改革派教会の説教者を招くが、講演会の講師や教会活動の協力を申し出てくれる人たちとの交流は積極的にとらえ、奉仕をお願いしている」という。それは、語学教室や講演会、母子の集いなどで教会と接する近隣の人たちに、同じ主イエス・キリストを信じる人たちの協働の交わりとして無言の証しとなっているようにも見受けられる。
日本キリスト改革派教会田無教会 東京都西東京市西原町5-5-15 TEL&FAX 0424-63-0563

コンゴ人家族の夫・グロジャさんの仮放免が実現−−教会挙げての署名実る0506121502

 「彼の精神状態が壊れる一歩前で良かったです」。再三の難民申請が却下され、茨城県牛久市の東日本入国管理センターに拘束されていたコンゴ人の夫アルセンヌ・グロジャさんの仮放免と、在留特別許可を求め、署名活動をしていた笹井小夜子さん(日基教団・経堂緑岡教会員)は喜びをこう表現した。6月3日、同管理センターはグロジャさんを仮放免した。笹井さんと署名活動の中心となっている経堂緑岡教会(松本敏之牧師)の支援者は、引き続き一家が日本で安定した生活が送れるように在留特別許可を求めていく。  「99年からイツリ市の市民は表現ができないほどの虐殺の中で生きている。特にレンドウ族のヘマ族に対する虐殺は、MONUC(コンゴ紛争国連団)によると、5万人の死者と20万人の難民をもたらしている」。03年10月にコンゴの地元新聞は「イツリは紛争と虐殺の舞台」という見出しでこう伝えている。
 グロジャさんはヘマ族の出身。民族抗争のほかに、ヘマ族の中のブグ・ラーグ族の後継者争いに巻き込まれ、一族は33人中、同氏とめいを除く31人が殺されている。
 グロジャさんは身の危険を感じ、国立ブニヤ大学の歴史学助教授の職を捨て、03年3月に首都キンシャサの日本大使館に逃げ込み、同9月観光ビザで日本に入国した。すぐに難民申請したが認められず、異議申し立て。それも04年9月に却下され、東京入国管理局に収監拘束された後、茨城県牛久市の東日本入国管理センターへ移送された。
 笹井さんら関係者は、国外退去を命じられたグロジャさんの母国への送還を拒否し、退去命令の執行停止を求めて当局に訴訟を起こしている。
 クリスチャンホームに育ったグロジャさんは、来日してからは東京・渋谷の東京バプテスト教会に通っていた。一家が惨殺されながらも希望を失わない姿にクリスチャンの信仰を見た笹井さんは、今年のイースターに経堂緑岡教会で松本氏から洗礼を受けた。
 松本牧師は「署名など様々な働きかけがプレッシャーになったのではないか。これからも在留特別許可のための署名を呼びかけていきたい」と語る。
 署名発起人および集約先は日基教団・経堂緑岡教会(松本)FAX:03・3428・3377、
署名用紙と最新情報はホームページhttp://www.km-church.or.jp/