[CSD]2005年6月19日《ヘッドライン》

[CSD]2005年6月19日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★牧会者からカフェチェーン経営者へ——韓国の「ミント」社長チ・スンリョン氏

 = 2 面 ニュース=
◎日本福音同盟(JEA)総会:沖縄宣言受けて戦後60年JEA声明を採択
★カトリック/NCC対話集会——聖公会大主教がローマ教皇葬儀に参列したわけ
★<教界ニュース>地方伝道を考えるシンポほか
★<落ち穂>韓国文学の日本語訳

 = 3 面 ニュース=
★<宣教まっただ中>韓国発[3]北朝鮮のろう者にも福音を 記・長澤 久美子
★21世紀の日本の教会(JEA)の課題——JEA総会発題・講演

 = 4 面 牧会=
★聖学院シンポジウム「悲嘆と信仰」[1]:伝道者藤井武の場合——愛妻の遺骨を机上に
★<牧会ジャーナル>「危機瀕する家庭への牧会」[3]日本の教会における自助グループの可能性 記・渡辺 聡
★<オピニオン>スピリチャルブームは教会に何を問う 記・友納 靖史
★<恵みのどんでん返し>本当に救われているのだろうか 記・鈴木 雅也

 = 5 面 神学・社会=
★<ローザンヌ運動30歳>マーケットプレイス宣教[下]信徒を活用し世界の未伝地伝道のために協力を 記・市村 和夫
★国際:改革派とペンテコステ派の対話継続
★ロシア:正教会総主教カトリックと対話期待
★<書評>『聖書が教える恋愛講座』ジョシュア・ハリス著(ホームスクーリングビジョン、1680円)評・高木 実

 = 6 面 関西だより=
◎久米小百合の歌を描く——賛美と絵画のコラボレーション
★「みことばだけ」の喜びと感謝——超教派で聖書リレー通読
★神戸改革派神学校夏期信徒講座——ハイデルベルク信仰問答
★いのちを生きる——京都メンズ・サパー
★<保険の付き合い方>キャンプの季節、傷害保険は大切 記・小林 雷三

 = 7 面 全面広告=
☆第55回 日本ホーリネス教団夏期聖会
 7月18日(月)—20日(水)会場:箱根ホテル小湧園
 Tel.042-396-1488(石原)

 = 8 面 新地域宣教特集/兵庫県・阪神=
★阪神・淡路大震災10年を振り返って——秦 賢司牧師(夙川聖書教会)に聞く
★阪神宣教祈祷会発足35年を語る——リバイバルと成長を祈り、進め

 = 10 面 今週の動き=
★<今日は何の日>6月19日—6月25日
★<日めくり元気の素>名著・聖書日課から一言メッセージ

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★EVENT:「ルオー展」会場:東京現代美術館、6月26日(日)まで。10月8日から岩手県立美術館で
★GOODS:プレイモービル「ノアの箱船」

 = 12 面 ビジネスパーソン=
★信仰は人生最良の喜び——伊藤 能俊さん[下]([株]メディカルクリエーション会長)
★<うつは心の風邪>[最終回]うつの社会に生きる 記・吉田 博

 = 13 面 教会学校=
★<いまどき子ども事情>「ネット依存」の子に見た素顔——変わる力、与える神に信頼 記・西村 敬憲
★<CS分級>賛美して神さまに感謝——子どもさんびか137番 記・平田 和子

 = 14 面 教会=
★<ちゃちゃチャーチ>お母さんもいっしょにフットサル——日本聖契キリスト教団酒匂キリスト教会
★<奉仕する恵み>キリストの愛にあるつながりを——カートハウス・由希さん(札幌ICF教会)

 = 15 面 家庭・あかし=
★愛知万博に来日のマダガスカル大領領も日本の教会で礼拝——独立記念日に神の家族とともに感謝
◎若者向け性のセミナー——「セーフセックス」の危険性指摘
★<巨いなる山の動く日来る>[2]セカンドチャンス 記・あんこや大塚

 = 16 面 ひと=
★楢戸健次郎さん(医師)——夢見た海外医療協力をネパールで


日本福音同盟(JEA)総会:沖縄宣言受けて戦後60年JEA声明を採択0506190201

日本福音同盟(JEA=小川国光理事長、具志堅聖総主事)の第20回総会が静岡県掛川市で6月6日から8日まで開催された。「戦後60年にあたってのJEA声明」が提案、採択された。
 05年度理事改選では、岩田扶美二、河野勇一、中台孝雄、油井義昭、内藤達朗各氏の任期終了に伴い、新たに中台孝雄(日本長老教会・再選)、原田憲夫(日本福音キリスト教会連合)、栗原義忠(日本ホーリネス教団)、森文彦(日本イエス・キリスト教団)、渡辺昌彦(シオン・キリスト教団)の各氏が理事に選出された。社会委員会委員長に油井義昭氏に代わり、荒川雅夫氏(福音伝道教団)を選出。また、05年度から世界宣教委員会と宣教委員会が統合され、宣教委員会(竿代照夫委員長)となった。
 今回の「戦後60年にあたってのJEA声明」は、10年前の第10回総会で出された「戦後50年にあたってのJEA声明」を受けて採択された。声明では、「10年間を通して、過去に(日本の教会が)犯した戦勝祈願や神社参拝等の過ちを再び犯さないように、教会のあるべき姿を聖書から検証し、啓発し」てきたが、「国家に対する私たちの働きかけが十分になされたとは言え」ないとし、国家が有事法制の整備、憲法改正まで視野に入れて「戦争への道」を進んでいるように思われる現状を憂えている。その上で、戦後60年間、日本が戦争に加担せず、世界と平和に過ごすことができたのは、「日本国憲法があったからだ」と位置づけ、現在取りざたされている憲法第9条の改正の動きを阻止し、「第9条を守るために、キリストにあって『心を一つにし、ともに奮闘』することを誓」うとしている。
 また、00年に沖縄で開催された第4回日本伝道会議(JCE4)の際に出された「沖縄宣言」についても言及。開催地沖縄が戦前、戦中、戦後に受けた苦しみに無関心だったことを告白し悔い改めると記され、平和を願う祈りで閉じられた同宣言を踏まえ、「声明」では「21世紀を真に平和の世紀とするために憲法第9条を世界に広め、福音宣教の使命を果たすために、『私をお遣わしください』(イザヤ6・8)と祈りつつ自分自身を主にささげます」と結んでいる。
 2日目夜には、「沖縄宣言と私たちの責任」と題して懇談会を開き、倉沢正則(JEA神学委員会委員長)、竿代信和(JCE4副実行委員長)、内藤達朗(JEA理事)各氏の発題を受けて、参加者らは沖縄宣言の具体的な取り組みや課題を、グループに分かれディスカッションをした。
 そのほか神学委員会が「原理主義」の研究に、宣教委員会がディアスポラ(在外邦人)ネットワークに着手していることなどの報告もあった。
 初日夜には、「21世紀における日本の教会(JEA)の課題」と題した講演会を開催。新潟聖書学院の中村敏院長、神戸改革派神学校の牧田吉和校長がそれぞれ発題した(3面に講演概要)。
 また今総会では、デボーション冊子の出版などをする「RBCミニストリーズ」(※)が新規加盟協力会員として紹介された。
 JEAの使命と展望の課題として挙げられる地方、地区とのつながりを重視する取り組みの具体的応答として、来年は同総会を北海道で開催することが決まった。 【藤川 義】

久米小百合の歌を“描く”−−賛美と絵画のコラボレーション0506190601

 赤い髪の少年はロック少年らしい。彼の夢の中は、あるいは祈りの中には、さまざまな思いが交錯している。ああ、青春時代。おじさん、おばさんは30年前の自分をそこに見いだし、若者は今の自分を重ねるだろう。吉田実牧師(改革派・神戸長田教会)の描いた「The boy who prays―夢を祈る―」という絵は、やはり吉田牧師自身の少年時代の自分を重ねたものだという。好きなことはあり、やりたいこともあったけれど、どんなふうに生きていけばいいのかわからなかった、あの熱っぽくわけのわからない混沌とした日々を。  「これは久米小百合さんの『少年』という曲からイメージした作品です。遠いあのころに日曜日はいつも教会の隅で夢を祈っていた、という歌を聞いたとき、クリスチャンホームに育ち、教会に行きながらロックバンドの練習に励んでいたあのころがよみがえりました」
 5月28日に同教会で開いた久米小百合チャペルコンサートは、音楽と絵画のコラボレーションという初の試み。久米さんの曲から生まれた吉田牧師の絵画作品を、コンサート会場に同時展示した。作品の多くは暗く静かな色調なのにみずみずしい。透明な心の目で深く人間を見つめている。
 久米さんの音楽にひかれるのは、プロの画家を目指してがむしゃらにがんばっていた自身の体験と、ヒットメーカーとしての重圧に苦しんでいた久保田早紀時代の久米さんの人生にリンクするものを感じたからという。
 美大を出て中学の美術教師をしながら制作に打ち込んでいたが、いつのまにか絵を描くことが、いかに人を押しのけて個性を主張するかという闘いに変わっていた。そんなプレッシャーの中、学生時代旅したヨーロッパで出合った中世のイコンに思いを巡らす。優劣のしのぎあいも、名声への渇望もなく、祈りの中で修道僧が描いた聖画。  「作者が自己主張しているわけではないのに、神のいのちの温かさが表れていました。本当の個性、本当の自分らしさは、勝負の中で生まれるのではなく、神の前に自分自身を受け入れていったときに、自然に生まれてくるものなのではないかと思うようになりました」
 自分らしい絵を描いていけばいい、与えられている才能と共に、与えられていないということにも積極的な意味があると思えるようになった。さらに、自分にしか歩めない道を求めて祈るようになる。画家とは違う道かもしれないがとは思ったが、まさか牧師だとは、そのころ思いもよらなかったという。  「肝心なのは自分がどれだけのことができるかじゃなく、神が召してくださるところに行きたいと祈ることなんですね」  美術教師から牧師へ道は開かれた。今は展覧会入選を目指して絵を描くということはない。ただ「絵を描き続ける人でありたい」。教会で開く絵手紙教室で指導するのも楽しい。
 教会や聖書に関心のない人たちの入り口になれればという久米さんの活動に共感する。絵を通して何か神について、聖書について考えるきっかけになればと、教会ホームページで作品公開している。
ホームページ=http://www10.ocn.ne.jp/~minorin/page015.html

若者向け性のセミナー−−「セーフセックス」の危険性指摘0506191502

自殺、妊娠中絶、性感染症…。10代の子どもたちを多くの不安が取り巻く中、いのちに対して、また性に対してどうあるべきかを語る「中高生向けの性のセミナー1『いのちと性』」が5月28日、横浜市青葉区のみどり野キリスト教会(西村内弘牧師)で開かれた。講師はジャパンクリエイティブミニストリー代表の藤田桂子氏。自殺、中絶、性などをテーマに、一人ひとりが神に愛された大切な存在であると語りかけた。
◇  「自殺はなぜ良くないか」という問いかけに「自殺は神様に対する罪」。実際に父親を亡くした中学生の話から、自殺がいかにその人を愛する人々を傷つけ苦しめるのかを語った。その上で「あなたは神様に造られた世界にたったひとりの大切な人」という視点で語り、「神様の作品には失敗作や未完成はありません。自分自身が一番受け入れたくないところも、神様が一番良いものとしてあなたに与えてくださったと信じ、感謝する決心をしませんか」と導いた。
 神が人間への計画として結婚を定められたこと、神が「尊い」とされた結婚を侮る罪は性的罪であり、神への侮辱であることや、結婚外の性交は本当の愛の形ではないことなどを大胆に語った。「性行為」の危険性については、妊娠、HIVや性感染症などの急増をあげ、「一般の学校では予防として、避妊具の使用法を教える『セーフセックス』の性教育が行われているが、中高生には『避妊具を使えば、性行為はしてもよい』というメッセージにしか聞こえない。アメリカでは、避妊具が妊娠やHIVの感染を85%しか予防できず、性感染症を予防できる根拠がないと正式に発表されたが、日本では避妊具の危険性についてほとんど知られていない」と指摘した。  「性的罪」と密接なかかわりをもつ妊娠中絶の話では「あまりショックを与えたくはありませんが、安易な性交や中絶をさけるために」と断った上で、胎児の中絶前の様子や中絶後の姿をOHPで紹介。「一般的に、中絶されるときの胎児が人間の形をしていないかのように教えていますが、12週目(受精後10週)には完全に人の形であり、指紋もあるのです。中絶は殺人です」と語った。初めはとまどっていた参加者も話が進むにつれ、あちこちで納得したようにうなずいていた。
 講演後のアンケートからは、「今日聞いたか、聞かなかったかでは、今後の人生は大きく変わっていたと思う」(18歳・男性)「教師として、どう伝えたら良いのかハウツーを学びたい思いでしたが、自分自身の意識が未熟であいまいだったことを知り、恥ずかしく思います」(29歳・女性)などの声が。
 藤田氏は、「『性病が怖いから』ではなく、自分と相手を大切にし、神さまの用意された結婚を尊び、自分をきよく守ってほしい。性行為の危険性をまわりの中高生に伝えてほしい。また、教会が今の危機的状況を知り、地域の子どもたちにできることを始めてもらえれば」と語った。