[CSD]2005年7月17日《ヘッドライン》

[CSD]2005年7月17日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★スケーボー牧師 飛ぶ——酒、麻薬の果て「神の愛」を知った元世界チャンピオン

 = 2 面 ニュース=
◎政教分離の緩和に警鐘——西川重則氏「若者よ憲法に習熟を」
★小倉昌男さん(元ヤマト運輸会長)逝去——信仰持つ闘う経営者
★<教界ニュース>英国サミット開催中、ロンドンで同時爆破テロ
★<落ち穂>現代っ子にも通ずる聖書紙芝居

 = 3 面 ニュース=
★<宣教まっただ中>タイ発[4]子どもたちから指導者を 記・竹田 弘美
★紛争地で命かけ活動——ジーン・ストルツフスさん(CPT前代表)来日

 = 4 面 牧会=
★新連載<異文化体験とキリスト教信仰>[1]信仰に至るまでの壁——在外邦人の人間論に迫る 記・具志堅 聖
★<牧会ジャーナル>「若い牧師に贈る言葉」に 記・藤本 栄造
★<オピニオン>個と公が溶け合う「縁側のある教会」に 記・北 秀樹
★<恵みのどんでん返し>己の知恵、力に寄り頼んでいた 記・北野 献慈

 = 5 面 神学・社会=
★<ローザンヌ運動30歳>未来の指導者[上]キリストに似たリーダー養成の急務 記・川崎 廣
★米国:『ダ・ヴィンチ・コード』に神学者も反論
★<書評>『象徴天皇制と人権を考える』今村 嗣夫著(日本キリスト教団出版局、998円)評・池尻 良一

 = 6 面 全面広告=
☆救世軍全国大会2005——あなたに届けたいこの福音
8月14日(日)—15日(月)会場:淀橋教会
http://www.salvationarmy.or.jp
 = 7 面 関西だより=
◎信仰の本質を問うカルト問題——聖神中央教会事件によって「悲惨な門が開く」
★敬拝と賛美学校で霊的成長を
★ゴスペルで伝える本当に大切なもの


 = 8・9 面 全面広告=
☆第37回日本伝道の幻を語る会——いよいよ始まるリバイバルの幻
8月29日(月)—30日(水)会場:市川サンシティ
事務局:Tel.03-3804-1765

 = 10 面 今週の動き=
★<今日は何の日>7月17日—23日
★<日めくり元気の素>名著・聖書日課から一言メッセージ

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★CD:「inori」A-O(ライフ・ミュージック、1050円)
★BOOK:『チャイルド・トレーニング』J・リチャード・フューゲート著(ホームスクーリング・ビジョン、1980円)
★BOOK:『アサシンズ』レフトビハインド6 ティム・ラヘイほか共著(フォレストブックス、1890円)

 = 12 面 ビジネスパーソン=
★正義、公平、愛の観点を忘れずに——加納 貞彦さん[上](早稲他大学大学院国際情報通信研究科教授)
★<ミッションと起業>ウィリアム・メレル・ヴォーリズ([株]近江兄弟社創業者)[上] 記・芹野 与幸

 = 13 面 教会学校=
★<いまどき子ども事情>子どもはだれも責めなかった——「友だち」それで十分 記・西村 敬憲
★<CS分級>暗号文読めるかな? 記・平田 和子

 = 14 面 教会=
★<ちゃちゃチャーチ>「心のレストラン」にようこそ——単立・南足柄キリスト福音教会
★<奉仕する恵み>賛美の歌詞と映像をいっしょに 山本 勝さん

 = 15 面 家庭・あかし=
◎合唱で日中交流——栃木の虹っ子童謡合唱団と春天少年合唱団が8月にコンサート
★聖句版画の絵はがきを作成する佐竹 清さん
★<巨いなる山の動く日来る>[6]素晴らしい神さまの働き 記・あんこや大塚

 = 16 面 ひと=
★松本優香さん(ゴスペルシンガー)——神様は私のような裏切り者の手を握り


政教分離の緩和に警鐘−−西川重則氏「若者よ憲法に習熟を」0507170201

1969年6月30日、自民党の有志らによる議員立法として初めて国会に提出され、その後法案提出が繰り返され、審議未了、廃案となった靖国神社法案。この法案提出から36周年にあたる6月30日、靖国神社国営化反対福音主義キリスト者の集い(靖国の集い)=西川重則代表=が、「有事体制づくりの日本にあって、改めて靖国神社問題の今を考える」と題して公開学習会を東京・千代田区のお茶の水クリスチャンセンターで開催した。学習会では西川氏が現在の靖国問題、先の天皇のサイパン訪問の報道などに触れた。
学習会では、第1部で村瀬俊夫牧師(日本長老教会「ヤスクニと平和」委員会委員長)が、「平和の福音の威力」と題して説教。「キリストは平和を『福音』するための基礎を打ち建てられた。平和憲法はいろいろないきさつがあるが、最終的には神からの贈り物だと思っている。その憲法を守り抜くことが日本国の使命だ」と語った。
 第2部で西川氏は、「靖国法案は悪法の最たるもの」と述べ、法案提出当時の状況を時系列的に解説した。  「首相の公式参拝を求める『英霊にこたえる会』の結成の時、牧師から祝電が届いた。キリスト者だから反対だとは言えない。『こたえる会』の初代会長に退職した石田和外最高裁長官が就任した。憲法や法律をよく知っているから大丈夫ということはない」と参加者に警鐘を鳴らした。
 さらに「首相の靖国参拝がなぜ外交問題だけで終わってしまうのか。国と宗教の原則の問題だ。どうして国会議員はそこをついて議論しないのか」と、野党政治家の対応も含めて批判した。また、自民党の中に「政教分離の緩和」が進んでいると指摘した。
 金大中前韓国大統領の「日本はまだ戦前が終わっていない」という発言を引き、「その状態で戦後60年を迎えている。歴史の事実に基づく歴史認識を求めなければならない。そのためには徹底的に学ぶことだ」と述べた。そして「私たちは、特に若い人たちには憲法に習熟してほしい。憲法問題は憲法によって解決してもらいたい」と訴えた。
 天皇のサイパン訪問報道をめぐっては、「各メディアは『天皇慰霊の旅』と見出しをつけた。『慰霊』という言葉があいまいになり、峻別できなくなっている。死者の霊を慰めることは、キリスト教も仏教もなじまない。靖国神社などの用語に過ぎない」と指摘し、公的に「慰霊」を使えない理由を述べた。同時に「『追悼』という言葉なら安心ではない。実態は『慰霊』と変わらない。『追悼』の意味をよく知って使ってほしい」と話した。
 西川氏はまとめに「不断の警告は自由の代償」「沈黙することは許されない」「戦争は答えにならない」などと自身のモットーを語り、「『靖国神社は宗教法人としてのみ生きる道がある』と警告する必要がある。そして『私はどうなのか、教会はどうなのか』と問わなければならない。靖国の問題はすぐれて政教分離の問題であり、より根本的には信仰告白の問題だ」と結んだ。 【藤川 義】

信仰の本質を問うカルト問題−−聖神中央教会事件によって「悲惨な門が開く」0507170701

聖神中央教会の被害者救済活動をしている村上密牧師らを講師に6月24日大阪クリスチャンセンターで行われたカルト問題特別セミナー(ニューライフミニストリー主催)は、カルトの脅威を知り、信仰の本質にまで迫る意義深いセミナーだった。
 「聖神中央教会の事件をなんとかキリスト教とは関係がないものにしようとする多くのキリスト教関係者の声を聞いたことが、今回のセミナーを 企画した動機」と、16年前からカルト問題にかかわるようになったジャン・ドウゲン牧師は言う。
 「カルトの根本的な存在目的は人間をコントロールすること。行動、思考、感情、情報をコントロールする。入らせ、活動させ、増殖させ、恐怖心を植え付けて出られないようにする」と、英雄的、神秘的イメージを作って絶対者となったカルトリーダーによるマインドコントロールの脅威を語った。
 「キリスト教とカルトの違いは、イエス様の行動と教えの反対を強要すること。強制的に伝道させ、献金させ、リーダーについて来させる。敵を憎ませ、信者の疑問に答えず、家に帰らせず、リーダーのために命を捨てさせる」。十字架があり、教えが似ているカルトは、違いがわからないまま、いつのまにか捕らえられていくという落とし穴がある。
 「リーダーへの反対意見やグループから離れる ことが許されるか、リーダーは倫理に反した行動をとっていないか、信者の生活の自由を阻害し、したくないことを強要されることはないか、リーダーへの過大な忠誠心を要求され、恐怖を感じることはないか」。この救いの喜びも自由もない状況がカルトを判別する手がかりになると、ドウゲン牧師は語った。
 刑事裁判の初公判があった聖神中央教会の事件について、村上牧師は「日本のキリスト教史で最低最悪の事件。初めて信徒が告発したことで悲惨な門が開いたと言える。こうした事件の立件が困難なのは『裁いてはならない』というような、宗教的教え込みによって信徒が証言できないようにしているから。悲惨な門の中には聖神中央教会だけではなく、たくさんの教会の人々がいるはず」と、今回の事件が教会のカルト化が解決の方策をもたないまま深刻化していく状況に一つの突破口となったのではと語った。
 教会のカルト化は教会成長が叫ばれ始めた1980年代から始まったと分析する。教会員の増加によって牧会は手薄になり、やがて牧会者ではなく、絶対的権力を持つ支配者となって、信徒に隷属を強いるようになる。聖書のことばは悪用され、信徒は恐怖心で縛られていく。「教会成長の美名のもとに、なおざりにされた牧会の復権が、今日本の教会に求められています」と、村上牧師は訴える。
 今回の事件はキリスト教会への戒めだと思うとくくり「バブルが弾けたように今、教会成長は止まっています。今こそ牧会のありかたが問われている。牧会について学ぶ気運が起こってもいい時期です」と、提言した。
 『教会がカルト化する時』(いのちのことば社刊)等の著者で、カルト問題に長年取り組んできたウィリアム・ウッド牧師は「カルトは人権を蝕み、人生を侵し、財産を奪う。健全な信仰を持っていないと、私たちもカルトというウィルスに感染する」と、惑わす霊と悪霊の教えの恐ろしさを 語った。
 「カルトでは指導者が神となり、信徒が自分で考えることがもっとも悪いことと教えられる。自分で考える苦悩を省かれた束縛された人生を人は 望んでしまう。指導者に従っていれば評価される ため、生きがいを感じ、カルトに入って自分は幸せだと思っている人が多い。必ず幻滅させられるのだが」
 健全な信仰は神を対象としている信仰であり、 指導者の顔色をうかがうものではないと語り「信徒の信仰的、人格的成長を励まし喜ぶ健全な教会がイエスという指揮者の元にハーモニーを奏でるオーケストラとすれば、カルトは統一を重視する軍隊のようなもの」と、真贋の違いを表した。  ウッド牧師はカルトの元信者にローマ8章28節 を贈り「過去の苦しみは無駄になりません。必ず 祝福に変えられる。今カルトで苦しんでいる人にもっともフォローアップができるのは体験者だということを忘れないで、希望を持って歩んでほしい」と結んだ。
 聖神中央教会の脱会者らの生々しい体験談は、カルト問題が決して人ごとではないことを示唆するものだった。  同セミナーの「カルトとは=ジャン・ドウゲン講師」「事件後の課題=村上密講師」「健全な信仰とは=ウィリアム・ウッド講師」「被害者の声=脱会者の体験談」それぞれのCD(千円)とカセットテープ(700円)の申し込みはTEL:06・6762・3020、大阪シャロームへ。 【藤原富子】

合唱で日中交流−−栃木の虹っ子童謡合唱団と春天少年合唱団が8月にコンサート0507171501

栃木県那須塩原市の合唱団「虹っ子童謡合唱団」が、今年8月に中国を代表する少年少女合唱団を招き、国際交流コンサートを開催する。「虹っ子童謡合唱団」を指導する丹野一敏さん、美穂さん夫妻(ホーリネス・黒羽キリスト教会員)は、「小泉首相の靖国参拝問題や反日デモなどの影響で、本当に合唱団が来日できるか不安もあるが、なんとか実現させたい」と意気込んでいる。
 今回来日する「上海市学生芸術団・春天少年合唱団」は、昨年ドイツ・ブレーメンで開催された「第3回世界合唱オリンピック」に中国代表として参加し、児童合唱部門で見事金賞を受賞した実力をもつ。これまでに何度か来日し、コンサートも開催している。
 一方の「虹っ子童謡合唱団」は3年前に結成された。丹野さん夫妻の子どもが通う幼稚園の課外活動を母体に、市民合唱団として発足。童謡を愛する子どもからお年寄りまで35人が参加している。現在、母子や祖母と孫とで活動している人も。学生時代に合唱をしていた一敏さんが指導を、ピアノ教師の美穂さんが伴奏をしている。
 今年1月、仕事のために上海に出張した一敏さん。休日の散歩中、地元の青少年センターから春天少年合唱団の歌声が聞こえてきた。センターに入って合唱団の指導者と語る中で、「ぜひ合唱を通した国際交流を」と話がまとまり、今回のコンサート開催にこぎつけた。
 ところがその後、反日デモなどの影響で、中国当局の許可が遅れた。ようやく5月に来日許可が出たものの、「小泉首相の靖国参拝問題で、間際で来日そのものがキャンセルになるかもしれない」と美穂さんは不安を募らせる。
 しかし、「神様の開かれたとびらなのでできると信じています」と語る美穂さん。「このコンサートの意味を理解してくれる人は地元では少ない。ぜひクリスチャンの方に祈っていただきたいのです。また、ぜひチケットを買って、当日コンサート会場に足を運んでほしい」と話す。
 コンサートは8月19日(金)午後7時から、栃木県大田原市の「那須野が原ハーモニーホール」で。入場料は大人(高校生以上)千800円、子ども(小学生以下)800円。2つの合唱団のほか、大田原市立西原小学校の「西原合唱団ドルチェ」も参加する。
 問い合わせはTEL&FAX0287・63・9987(丹野)まで。 【藤川 義】