ヘッドライン
[CSD]2005年8月7日《ヘッドライン》
[CSD]2005年8月7日《ヘッドライン》= 1面 =
★伝道には趣味いかせ——中原誠永世十段も多面打ちで協力
= 2 面 ニュース=
◎アジア福音同盟スマトラ沖津波災害救援報告——教会に「悪に対し愛を示してくれた」と感謝の声
★「戦後60年とキリスト教」テーマに企画——日本クリスチャンアカデミー関東活動センター
★<教界ニュース>単立・浜寺聖書教会、明治学院大学
★<落ち穂>伝道者ビリー・グラハムの引退
= 3 面 ニュース=
★<宣教まっただ中>カナダ発[2]放置されるもどもをケア 記・鈴木 教子
★北アフリカで信仰もつ中国人のなぜ?——出稼ぎ労働者に福音が
= 4 面 牧会=
★<異文化体験とキリスト教信仰>[3]帰国して起こる4段階——楽しみ、離陸、葛藤、適応 具志堅 聖
★<牧会ジャーナル>「牧師の家庭の子どもたち」 記・辻浦 信生
★<オピニオン>伝道者の喪失体験の未処理 どうする 記・藤掛 明
★<恵みのどんでん返し>5か月間の失業状態で 記・佐々木 真輝
= 5 面 神学・社会=
★聖書が解き明かす「平和の契約」[1]暴力的な人間を変える敵への愛 記・ウィラード・スウォートリー
<書評>『プロテスタント教会の礼拝 その伝統と展開』J・F・ホワイト著(日本キリスト教団出版局、6090円)評・荒瀬 牧彦
= 6 面 関西だより=
◎神によって今は生きている——JR脱線事故で九死に一生 多田 哲さん
★露の五郎さん、2代目露の五郎兵衛襲名を決意
★<保険の付き合い方>[最終回]牧師の牧会生活に備える医療保険 記・小林 雷三
= 7 面 健康・リフレッシュ特集=
★自然にふれ 和気あいあい——YMCA東山荘プログラム
★クリニックと提携健康食品輸入販売——(株)ヨーゼフ
★エキュメニカルな学習所と相談所——キリスト教カウンセリングセンター
★健康・リフレッシュ情報メモ
= 8・9 面 読書特集=
★『中村屋のポーズ』中島岳志著(白水社、2310円)
★『マイ・イメージ』青木義昭著(早稲田出版、1470円)
★『失われたアイデンティティ』ケン・ジョセフ著(光文社、1000円)
★『あなたをひとりで逝かせたくなかった』アルバート・Y・ヒュー著(いのちのことば社、1890円)
★『北アルプスのふところから神の懐へ』工藤公敏著(キリスト兄弟団目黒教会、1260円)
★『グローリー・トゥ・ゴッド』ジョシュア佐佐木著(いのちのことば社、525円)
★『自分に出会う』『聖書に聴く』小塩 節著(青娥書房、各1440円)
= 10 面 今週の動き=
★<今日は何の日>8月7日—13日
★<日めくり元気の素>名著・聖書日課から一言メッセージ
= 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『仏教からクリスチャンへ』川口一彦編著(イーグレープ、525円)
★BOOK:『グミョンの灯が消えるとき』チョ・チャイン著(サンマーク出版、525円)
★CD:「You Love me Forever」松本優香(ライフ・ミュージック、1500円)
= 12 面 ビジネスパーソン=
★健康福祉という新たな道——加納 貞彦さん[下](早稲他大学大学院国際情報通信研究科教授)
★新連載<善久の気になる発想法>[2]アイデアの貯金をしよう 記・藤岡 竜志
= 13 面 教会学校=
◎<教会学校教師のひろば>特技生かして公園伝道——単立・恵みキリスト教会札幌
★<先生集まれ>スタッフのよき助けて 記・篠原 元
★<CS分級>同窓会でCome Back! 記・永井 真衣子
= 14 面 教会=
★<ちゃちゃチャーチ>地域に開かれた新会堂に——日基教団・赤羽教会
★<奉仕する恵み>帰国者サポートミニストリーに奉仕——中嶋 有美さん(バプ連盟・東京バプテスト教会員)
= 15 面 家庭・あかし=
★田中正男氏(日本リバイバルミッション副主幹)急逝——「片腕失った」と滝元 明氏
★性別、人種、国籍も越え「ひとつ」に——ブルックリン・タバナクル・シンガーズ来日
★<巨いなる山の動く日来る>[8]滅びに向かう魂を生へと 記・あんこや大塚
= 16 面 ひと=
★西村 正幸さん(アーティスト)——「声なき少数派」の声を作品で代弁
= 別刷り/世界宣教・国際協力ガイド=
★ミャンマーでミニ音楽ミニストリー——バプ連盟・川口牧師夫妻
★世界宣教・国際協力スタッフ派遣者国別一覧
アジア福音同盟スマトラ沖津波災害救援報告−−教会に「悪に対し愛を示してくれた」と感謝の声050807
アジア福音同盟(EFA=キム・サンボク議長)の実行委員会が7月18日から20日まで千葉県市川市で開かれ、昨年12月にスマトラ沖を震源とする地震がインド洋沿岸諸国に甚大な津波被害を及ぼした際、EFAのネットワークが生きアジアの諸教会の支援が迅速に役立ったことなどが報告された。特に少数派のクリスチャンが過激な仏教徒から焼き打ちにあうなど迫害を受けてきたスリランカでは、同国福音同盟の救援活動により、多くの仏教徒住民から教会に対する感謝の声が寄せられているという。EFAのゴッドフレー・ヨガラジャ総主事によると、スリランカ福音同盟は、津波が発生した12月26日の夜には最初の救援物資を積んだトラック2台を、最寄りの地域センターからジャフナなどの被災地に向かわせた。この災害でスリランカ福音同盟とその開発援助機関が被災地に急派した緊急・復興援助物資はトラック80台分に及ぶ。中には、被災後8日間どこからも援助物資が届かず、福音同盟の援助が最初だったところもある。
その後も教会は協力して、肉親や住む家を失った多くの被災者の痛みに耳を傾け、トラウマなどの精神的カウンセリングにあたっている。そのような活動を通して教会は「神の愛を示すことができた」とヨガラジャ氏は言う。一部の過激な仏教徒は教会の活動に反対したものの「多くの仏教徒がクリスチャンに対して、自分たちはあなた方に悪いことをしたが、あなた方は愛と平和を私たちに示してくれた、赦してください、と言うようになった。人々は今、神に渇いています」。
キム・サンボク議長は、アジア各国の福音同盟がこのような災害に対してすぐに資金面での緊急支援によって被災国教会の救援活動をバックアップしたことを高く評価し、「アジアの教会のネットワーク」としての意義を強調した。ヨガラジャ氏は、90年代になって形成されたモンゴルのような若い福音同盟からも、南アジアの津波災害に対して義援金が寄せられたことに驚きと感謝を表している。日本福音同盟からはこれまでに緊急支援献金6万ドルを、インドネシアとスリランカに送った。
◇
EFAは1983年に創立され、現在日本を含む16か国の福音同盟と11の協力会員が加盟している。クリスチャンが89年に4人しかいなかったモンゴルで現在2万人、ポルポト派による虐殺で70年代の終わりには2千人しか残らなかったカンボジアで現在1万5千人、59年に29人だったヒンズー国のネパールで現在50万人、49年に120万人だった中国で現在1億人など、近年アジア各国の教会は急速な成長を遂げている。半面、アジアの多くの国でクリスチャン人口は10パーセント以下の少数派であり、迫害や信教の自由の制限など苦難を経験してきた。
そうした中でEFAは各国の福音派教会が協力して同盟を形成し、共通の課題に取り組めるよう国際的なネットワークを推進している。福音がまだ届いていない人々への宣教の課題とともに、貧困、難民、信教の自由、国粋主義、児童虐待、エイズなどの社会問題も大きな課題となっている。そうした諸問題ではメインラインのNCCやカトリック教会とも連携する動きが増えてきている。それにより、インドネシアで憲法にシャリア(イスラム法)が持ち込まれる動きを阻止したり、マレーシアで礼拝の自由やマレー語で「神」を意味する「アラー」をイスラム教徒以外でも使う権利を確保するなど、少数派の声を社会に生かすことに効果を上げてきた。
そのような多様な宣教と教会の使命をアジアレベルで共に考え、担うために、EFAでは数年おきにアジア宣教会議(AMC)とアジア教会会議(ACC)を積み重ねており、今実行委員会は、次期総会およびAMCを07年2月20日から24日、インドネシアのジョクジャカルタで開催することを決めた。 【根田祥一】
神によって今は生きている−−JR脱線事故で九死に一生 多田 哲さん0508070601
「ぼくはあの事故で1回死んだかもしれない。神によって今は生きているという感じがします」 多田哲さん(近畿ルーテル・川西ルーテル教会=安東士郎牧師)は、4月25日のJR宝塚線(福知山線)の事故に遭遇して九死に一生を得た。同志社大に通うために毎日乗っている電車。いつも友人と2人で先頭車両の運転席の後ろに乗り込む。その日は友人が寝坊して遅れ、1人でホームのなじみの場所で電車を待っていた。「先頭車両の先頭部分の位置だから、ホームの喫煙コーナーのそばになるんです。その日はなんだかその辺がやけにたばこ臭くて、1人だったし、真ん中あたりの位置に移動したんです」
つり革につかまって立っていたが、異常に車両が傾いていると感じた。「これはただではすまん、絶対こける」。そう思ったとたん、シートの下部にたたきつけられた。「あたりがぐちゃぐちゃになって、何がどうなってるのかわからなかったです」
電車から出てマンションの横で寝ていた。同乗者同士で話して気を紛らわせた。衝撃で携帯電話を飛ばしてしまった人に電話を貸したりもした。不思議とパニックにならず、冷静に行動していた。 「そのときはそんなに大きな事故だとは思っていなかったんです。電車 がぶつかったのかな、くらいに思っていた」
事故の規模の大きさに戦慄したのは、後になってからだ。腰の打撲で全治1か月と診断され、即日帰宅。その日から両親は毎日のように「生きているのが信じられへん」と言い暮らした。同車両で30人もが亡くなったのだから無理もなかった。かろうじて原型をとどめた中央部にいて助かったのだ。事故の実態が明らかになるにつれ、生き残った罪悪感のようなものが多田さんを苦しめた。「大惨事になっているのに、自分だけこんなんでいいんだろうか。なんでぼくは軽傷で助かったんですかと、神様に問い続けていました」
後日けがの診断が変わり、骨盤がずれていて治癒までもう1か月かかるかなと言われたときは、少しほっとしたという。「体の傷は重くなったけど、精神的な傷は軽くなりました」
多田さんは同志社大の 聖研のメンバー。昨年の クリスマスに受洗した。事故後、クリスチャンになったのになんで事故に遭うんだという周囲の空気を感じたが、クリスチャンだから事故に遭わないということはない。その中にあって守られたということに意味があると確信している。なぜ神様は祈りを聞いてくれないんだというつぶやきが聖研の中でも聞かれるが、多田さんは「自分の思い通りになる神ではなく、神の思い通りになる自分が在るという認識が、神の存在を知るということじゃないか」と考える。せっかくクリスチャンになったのに、いろんな要因で信仰が持続できない人がいる。そんな人たちに、この体験を力強く証しできたらと願っている。
中学から哲学者をめざし、哲学書から聖書に行き着いた多田さんの将来の夢は研究者。「信仰と理性は対立しない。信仰と哲学は対立しない」ことを、理性を重視する時代に訴えていきたいという。「人はいつ死ぬかわからん」というこの世の大原則を体験した多田さんなら、その論証により深い説得力を増し加えることができそうだ。
<教会学校教師のひろば>特技生かして公園伝道−−単立・恵みキリスト教会札幌0508071301
教会は札幌のほぼ中心に位置し、交通の便も環境も恵まれた地域にあります。しかし少子化が進み、近辺の小学校の4校が統合され、子どもたちはスクールバスで通っています。そのため子どもの姿を目にするのも少ないのですが、教会のすぐそばにある「中島公園」は、土曜日になると子どもたちがあちこちから遊びに来ます。公園伝道は雨が降ると中止になってしまうので、子どもたちやスタッフたちが、よい天気になるよう祈ります。
教会には様々な特技をもった人がおり、年に数回、それを出し合っていろんな方法で伝道会を開いています。今回はアメリカ人のティモシーさんが、同時にいくつかのものを投げ上げてキャッチする曲芸「ジャグリング」を披露してくれました。
祈りが応えられ五月晴れとなった土曜日の午後、公園の一角で、福音伝道会「レッツ トライ ジャグリング」を開催。親子連れなども含め約30人の子どもたちが集まりました。ティモシーさんが、いくつものボールをまるで透明のゴムでもついているかのように操ります。難しい技が出るたび大歓声と拍手が起こりました。その後の聖書のお話にも、みんな熱心に耳を傾けていました。お話が終わったらいよいよジャグリングに挑戦。スタッフが作った特製のボールを使って教えてもらいました。公園伝道には、続けて参加する子どもたちが徐々に増えており、やがては日曜日のCBC(「こども聖書クラブ」)につながり、信仰をもつことを期待して祈っています。
CBCは、小学校1年生から5年生の集まりです。6年生からは「中学生クラス」に進級します。現在集まっている子どもたちのほとんどが信仰をもっています。そこで、信仰の成長のためにスタッフが 「デボーション&祈りの課題ノート」を作り、毎週子どもたちに渡しています。また毎月第4日曜日には「祈り会」を開いています。さらに、アメリカ人スタッフの1人クリスさんに、毎週「ワンポイント・バイブル・イングリッシュ」も教わっています。
子どもたちはイエスさまが大好きで、クラスの準備や後かたづけ、チラシ配布など、よく奉仕をしてくれます。そして友だちに福音を語り、教会に連れてきてくれます。子どもたちが成長し、「全世界に出ていって福音を伝える」者となるのがスタッフ一同の祈りです。 (記・神舘良子=CBC「こども聖書クラブ」リーダー)